僕と翔子はFクラス   作:青い隕石

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相変わらず進んでいません。最新話です。よろしくお願いします。


17話:奇襲は大抵失敗する

 

 

 

 

 

 どこからか聞こえてきた声。その言葉の意味を理解する前に景色が変わった。目の前に広がる廊下が若干ぼやけた、と思ったら小さな半透明のフィールドに囲まれた。その中に入っていた、いや入ることが出来た人物は自分にDクラスの生徒数名、そして・・・

 

 

 「あんたが代表だな!勝負を申し込むぜ!」

 

 

 突然この場に出てきた1人の生徒だった。中央階段に隠れていたのか、自分たちの横から登場した彼は、間髪入れずに勝負を申し込んできた。

 

あまりにも不意の事にきょとんとしてしまったが、数瞬遅れて頭が回転を始める。

 後ろの生徒がなんだなんだ、と騒ぎ始めた。人が壁になって見えないものもいるみたいだったので、心配するなと声を挙げたのち、隣の人物と顔を合わせた。

 

 

 (奇襲?)

 (・・・みたいだな)

 

 

 小声でつぶやくと、反応を返してくれた。フィールド内にいた他のクラスメートも、状況を把握したようである。

 自分が前に出てきたところを狙って勝負を仕掛け、あわよくばといった所か。クラスメート数人が自分をかばうように前に立つ。

 

 

 「・・・おい!さっさと召喚しろよ!」

 

 

 男子生徒が叫ぶ。顔を紅潮させて、こちらの召喚を今か今かと待ち構えているようだ。フィールド内で勝負を申し込まれたため、避けることは出来ない。ここで故意にフィールド内から出てしまったら、その瞬間自分らの負けが決定してしまう。そんなことになったらクラスメートから殺意の波動を一身に浴び、明日には皆勤賞が途切れてしまうだろう。

 

 

召喚したいのだが、気になるのは敵・・・Fクラスの人数だ。

 

中央階段にはもう人影が見えない。今出てきた生徒と先生の2人だけだ。廊下の先にも人が見えない。人数が少ないから先が良く見える。Fクラスの教室まで見えているが、誰も出てくる気配が無い。

 

 

 そうなると、目の前の1人だけで戦うということになる。1人だけで?

 

 

 「平賀君、早急に召喚をお願いします。」

 

 

 その理由を考えようとしたが、教師に遮られた。その声で、それなりの時間考え込んでいたことに気付く。

 

 

 (・・・やるしかないか)

 

 

 どのような手を使ってくるか分からない。相手の動きを見逃さないよう、目を逸らさずに手を前に伸ばす。それを見て周りのクラスメート数人も同じような姿勢を取った。

 

 

 「「「試獣召喚!」」」

 

 

 声と共に、試験召喚獣が魔法陣から生まれる。自分の召喚獣は、戦国時代の武将が纏っていそうな鎧をガッチリと着込んでおり、背中に槍を背負っていた。その召喚獣を守るようにして、仲間の召喚獣が陣取った。

 

 

 「試獣召喚!」

 

 

 相手も掛け声をあげて自分の召喚獣を召喚する。

 

 

 『 教科 数学

  Dクラス 平賀源二(代表) 132点 

  他Dクラス生徒5名  平均118点

    VS

Fクラス 内川宏冶     86点 』

 

自軍6体、敵軍1体、計7体の召喚獣が場に揃った。フィールドが狭いため、これ以上の人数は入ることが出来ない。フィールドの広さは教師によってまちまちで、このように10人しか入らない場合もあれば、校舎の半分を覆うことができる場合もある。

 わざと範囲の狭い教師を選んでこちらの人数を制限しワンチャンにかける、といった作戦だろうか。実際、点数もFクラスということを考えれば悪くない。

 とはいえ、この状況ではあちらに勝ち目はないはずである。どう動くのか・・・

 

 

 「おらあ、行くぜぇ!」

 

 

って、いきなり突っ込んできた!?

 

 

 「た、頼むっ!」

 

 

 もっと様子見などをすると思っていたので、予想外のことに声が上ずった。サーベルを構えた相手の召喚獣がどんどんとこちらとの距離を詰めてくる。

 自分がダメージを受けるわけにはいかない。フィールドのギリギリまで下がって、念のために槍を構える。前方には武器を構えた仲間たち。壁にするようで申し訳ないが、今はこの方法が最善である、と自分に言い聞かせる。

 

 

 敵は、自分が引っ込んでも尚、向かってくる。そして、仲間たちの間合いに入る直前に武器を振り上げた。こちらの召喚獣も対抗するようにそれぞれ武器を振り上げ、

 

 

 

 

 

 

 

『ザシュッ!』

 

 

 「・・・・・・あ、あれ?」

 

 

 戸惑うような声。その言葉をつぶやいたのは、先ほどまで威勢の良い声を挙げていたFクラス生徒だった。

  彼の召喚獣はサーベルを振り下ろそうとした体勢で静止し、その体は串刺しとなっていた。誰がどう見ても致命傷という言葉以外が出てこない状況だった。

 

  その体が徐々に消えていき、消滅する頃には・・・

 

  「戦死者は補習ううううううう!!」

 

  悪魔の大声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 「なんだったんだ、今回は・・・」

 

 

  自分らしかいなくなった廊下でため息が漏れる。

  不意を突かれた形で始まった今回の戦闘だったが、文字通り一瞬でカタがついた。1人で突っ込んできた相手はこちらに1ダメージも与えることなく鉄人に連れて行かれた。最初に酷い目にあったので罠があるのではないかと警戒したが、肩透かしを喰らった格好である。

 見通しがさらに良くなった廊下、遠くにはっきりとFクラスの教室が見える。戦闘中、そして戦闘が終わった後も誰一人出てこない。自分が召喚した時に何人か加勢に来るのかと思ったが、最後まで動きが無かった。1人のスタンドプレーだったのかと考えてしまう。

 

 「いやー、しかしラッキーだったな代表」

 

 

 「・・・そうだな」

 

  盾になってくれたクラスメートが声をかけてくる。軽やかな声に合うように、顔も笑顔であった。理由は分かっている為、自分も頷いて見せる。

 

  クラスメートの言葉通り、ラッキーなことが起こったのである。それも2つだ。

1つはタダで敵の数を減らせたことだ。最初の5人に加え、今回の1人で合計6人を戦死に追い込むことだ出来たのだ。しかも中々の高得点者を、である。今後の展開に有利に働くのは間違いない。

  もう1つは、Fクラス生徒が連れて行かれたことで、数学の教師を取り込めたことである。教師を1人連れてくる予定だったのが、結果として敵が連れてきてくれた形になった。これで自分たちは日本史と数学、2教科を行使することが出来る。

 

 「連れてくる手間省けたし、とっとと決めようぜ」

 

 「そうよ、早く終わらせて帰りましょうよ」

 

 クラスメートが口々に話しかけてくる。それはまさしく異口同音であり、全員がこのまま突撃して戦争を終わらせることを望んでいた。自分としても早く終わらせたい気持ちが強い。それに、教師をよんだら攻め入るといった手前、ここでまた様子見をすると発言したら、今度こそ非難されような予感がする。

 結局、皆に押し切られる形で、Fクラス教室へ突撃する命令を出した。自分の言葉を聞き、喜ぶクラスメートを横目に、後ろに下がる。

 

  ・・・まあ、大丈夫だろう、と自分に言い聞かせた。

 

 

 

 

 

 

  廊下から足音が聞こえてきた。音からして10人やそこらで無いことは明白であり、その音はどんどんとこちらに近づいてくる。

 

  「来たか」

 

  誰にも聞こえないようにつぶやき、教室に備え付けられていたオンボロの時計を見上げる。長針は既に6を過ぎていた。

  足音を聞いたクラスメートが色めき立つ。最初の先頭から無事に帰ってきた生徒らで教室中があふれていたため、一気にうるさくなった。

 

  「静かにしろ、2人の迷惑になるだろーが!予定通りに動け!勝利はもうすぐだ!!」

 

  バカ久、ラグナをチラ見しながら叫ぶと、彼らは大人しくなり、教室の扉の前に歩いて行った。勝利、という言葉に反応したのだろう。現金な奴らである。最も、現金であるが故、自分の指示に素直に動いてくれるのでありがたい。

 

  「よし・・・島田」

 

 

  何重にも扉の前を塞ぐクラスメートを見ながら、1人の名前を呼んだ。その人物は戦争が始まった時からずっと壁に軽く背中を預けており、自分の呼びかけに対して

 

 「・・・・・・」

 

  返事を返さなかった。

  いや、違う。そもそも自分の言葉が聞こえていなかった。

 

  ゆっくりと島田の方に歩いていくと、じっと同じ場所、というより同じ人物を見ていた彼女は、こちらに気付き顔を向けた。

 

  「どうしたの・・・代表」

 

  「敵が来たみたいだ。頼んだぞ」

 

 「・・・ああ、分かったわ。気付かなくてごめん」

 

 こちらの言葉を聞き、何回か瞬きをしたのち口を開いた。その後、フッと顔を背け、クラスメートが集まっている扉の前に移動した。

 

 

 足音はもうそこまで迫ってきていた。

 

 

 

 





弾幕アマノジャク難しすぎワロタ

プレイ中にふと気づいたことですが、正邪が使う道具の中に『隙間の折りたたみ傘』、どうみてもゆかりんのですよね。ゆかりんから傘を盗んでそれを無断で使っていると考えると・・・ヤバい、正邪の明日が見えない。






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