僕と翔子はFクラス   作:青い隕石

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最新投稿 2017年01月29日(日) 17:17



2017年



誰だよこんな放置していた馬鹿はよ俺だよ。

ごめんなさいなんとかちまちま書いた文が2000字を越えたため投下します。

リアル面でも一段落したため、東方小説の合間合間に投稿できればなあと思いますがまた年単位で放置するかもしれませんごめんなさい。

当初(1話投稿時)の予定では1巻までの展開をおぼろげながら決めて投稿したため、そこまでは行きたいです・・・行けるかなぁ・・・・・・。






28話:映画とかで最前線に出る指揮官とかよく見るけどあれ危険じゃね?

 信じられないことが起こった時、人は一瞬思考を止める。

 

 それはあまりにも受け入れがたい現実を許容しきれないがために起こる一種の防衛反応であると言われている。当然、思考が停止しているのだから今まで行っていた行動も止まって、身体の硬直を引き起こす。

 

 その時間は一瞬か、数瞬か、はたまたそれ以上か。そのわずかな違いが、命取りになることがあるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『須川。音を立てない様にバリケードを崩せ』

 

 代表からその指示を受けたのは20分ほど前のことだった。回復試験が終わり、時間経過と共に悪くなっていく戦況を見守っている最中に呼び出され、人員を10人近くも部下として付けられたのだ。

 

 バリケードとは、Fクラスの前の扉を塞いでいる机の山のことである。開戦前になんとか完成までこぎつけたその防壁はEクラスの侵入を防ぐのに一役買っていた。

 

 もちろん、無理に崩して入ろうとすれば、やれないこともない。ただし、決して軽くは無い机の山であるため一歩間違えれば怪我では済まない事態を引き起こす可能性がある。教室内で組み上げたものなのでこちらから一つずつ降ろしていくには問題ないが、外から道を開けようとするのは非常にハイリスクだ。

 

 学校行事で怪我をすることほど馬鹿らしいこともない。自然とEクラスは何の障壁もない教室の後ろ側の扉から戦闘を仕掛け、Fクラスもそちらに人を集め、必死に防衛を行った。

 

 Fクラスに若干分の悪い膠着状態が20分、30分と過ぎていく。止められてこそいるが手ごたえははっきりと感じているEクラスは作戦の変更など考えるはずもなく、一転突破のためがむしゃらに圧力をかけ続けた。目の前の戦闘に集中力を全て働かせる生徒たちの頭の中からは、いつしか前方の扉のことなどすっかりと抜け落ちてた。

 

 とはいえ、生徒らは目の前の戦闘で精一杯なのだ。万が一余所見でもして戦死でもしてしまったら、地獄の補修授業~鉄人を添えて~が執行されてしまうため、視野が狭くなるのは仕方がない。・・・・・本来であれば、指揮官が全体を見渡さなければいけないのだが、Eクラスの場合はその当人が最前線でドンパチをやらかしていた。 

 

 

 ・・・・・・とまあ外野から見ていた分もあってか、比較的容易に状況を察することが出来ていた。自分ひとりではなく貴重な防衛人員を割いてまで仕事を任された意味についても、ある程度は理解が及ぶ。

 

 問題があるとすればタイミングがシビアなことだが、と思いつつも、他の生徒らと協力してバレないように机を一つずつ降ろしていった。

 

 目の前で繰り広げられている激戦。それを見ていると無意識の内に焦りが生まれてしまうため、なるべく視界から外す様にして作業を続けた。

 

 結果、何とか決壊前に、机の山を取り除くことが出来た。

 

 それなりの重労働であり一仕事した後のような疲労感があったが、本当の仕事はここからだ。

 

 Eクラスの歓声が大きくなった。後方の入り口を見ると、相手の代表である中林の召喚獣が、防衛線に穴を空ける寸前まで悪化した状況があった。もう、こちらの防衛網には十数人ほどしかいない。

 

 「今よ!全軍突撃!!」

 

 ここで勝負を決める。そんな意志が伝わってくる命令が、Eクラスに下った。

 

 代表の掛け声に雄たけびを挙げるEクラス生徒らと、代表本人。その意識が、完全に一転突破に集中した。

 

 

 

 

 

 「今だ!須川!!!!!!」

 

 

 

 中林にも劣らない大きな声が、教室内に響き渡った。その声を最後まで聞くことなく、自分は教室前方・・・・・・今し方封印を解いた扉を開け切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「代表!囲まれましたっ!!」

 

 

 

 私がその知らせを受け取ったのは、最後の突撃命令を出してからわずか1分後のことだった。

 

 あと少し。それこそあと数人倒せれば堰が切れ、全員がFクラス内に雪崩れ込める・・・そんな勝利目前の状況が過去のものになったことが、私は受け入れられずにいた。

 

 相手の代表の叫び声と同時に聞こえた、扉を開ける音。一瞬、何の音だか理解できずに手が止まり、数瞬後に血の気が引いた。

 

 「後ろっ・・・!?」

 

 声を出そうとしたタイミングで、前方からFクラスの召喚獣が突っ込んできた。下がる一方だった相手からの突然の反撃。慌てて迎撃をして数秒後に退けたが・・・・・・その数秒が全てを分けてしまった。

 

 少なくない戦死者に加え、押せ押せムードもあいまってFクラス教室内にほとんどのEクラス生徒が入り込んでいた所為で、廊下にいたクラスメートはわずか2、3人。

 

 その数人が、何も状況が飲み込めないまま戦闘を仕掛けられ、鎧袖一触のような容易さで戦死者リストの仲間入りを果たした。

 

 

 

 嵌められた。

 

 

 

 序盤、最大の憂いを潰せたことで慢心があったのかもしれない。戦争中、自分が代表だと強く自覚していたにも関わらず、我慢できずに最前線に飛び出してしまった。もし私が後ろから戦況を見守っていれば、自ら迎え撃つことで粘りつつ、加勢を呼んで対処できていたかもしれないのに。 

 

 自分の手でケリをつける。その意気込みがどうだ?自分の所為で勝ちが手の平から滑り落ちてしまった。代表である私の、一瞬の判断ミスで。 

 

 「クソっ・・・!」

 

 戦闘の末、なんとか1体の点数を0にする。しかし、その状況を見ても他のFクラスの生徒らは悲観しない。状況が飲み込めたのだろう、先ほどまでとは正反対の燃えるような表情をして、こちらに踏み込んできた。

 

 教室の入り口内側に、半円状に広がるEクラス。それを囲むように展開するFクラス。ここまでは少し前と変わらないがその入り口を、逃げ道を塞がれた。

 

 袋のねずみとは、このことだ。士気の高さで戦闘を優位に進めていた私達。それが今、はっきりと折れる音が聞こえた。こんな状況では、多少の点数の違いはさしたる問題ではない。

 

 包囲されたことで、逆転した形勢。あれだけ攻勢に出ていたクラスメートが1人、また1人と減っていった。

 

 

 

 「やっぱすげえよ代表は!!」

 

 

 

 その声が耳に届いた。その言葉を発したのは、相手方、Fクラスの生徒だった。 

 

 純粋に代表を称える叫び。その生徒の方角奥に、相手の代表がちらっと見えた。

 

 

 

 代表は・・・・・坂本君はニヤリとした笑みを浮かべていた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新学期2日目に行われた試験召喚戦争『Fクラス』VS『Eクラス』。その試合は開始2時間で終了した。

 

 序盤、吉井明久が戦死したことでEクラスが攻勢を仕掛けた。その勢いのまま特攻し、Fクラス代表の喉下まで刃を近づけるも策に嵌り、逆転。

 

 それでもその後数十分は粘ったが、最後は須川がEクラス代表、中林を倒し戦争は終了した。

 

 勝者、Fクラス。初日に続く、2日連続の番狂わせとなった。

 

 

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