9月・・・モンスターハンター4
10月・・・ポケモンXY、BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA
苦渋の末、私はモンハンを諦めました。中古品早く出ないかなぁ[壁]д・)チラッ
どうしてこうなった。
殺気がブレンドされた視線が全方位から(最後列だが、後ろの壁で反射して)突き刺さっている。針のむしろという言葉を嫌でも実感できた。
ちらっと翔子を見る。ものすごく申し訳なさそうな顔をされた。
ちらっと先生を見る。こっちすら向いていなかった。
ふと目を落とすと無意識に握りしめていた手が映った。ゆっくり開くと、手の平に冷や汗がびっしりと付着していた。
その事件は翔子の番に起こった。
「次の人、お願いします」
「・・・はい」
・・・ざわっ・・・!!
翔子が立つと同時に、教室がざわめいた。島田さん、・・・・・・・秀吉以来3人目の女子だから、という理由ではない。翔子は才色兼備として有名であるが、その彼女がFクラスという事実に気が付いたからであろう。学年主席を狙える人物がここにいるとなれば誰だって驚くに決まっている。
・・・それより、20人以上自己紹介をしてきて女子の数が片手で足りるってどういうことだってばよ。
「・・・霧島翔子です。これから一年間、よろしくお願いします。それと・・・」
小さくお辞儀をした翔子は一旦言葉を切ると、座らずにあたりを見渡した。その行為をじっと見ていると、
「・・・・・・明久を傷つけたら、消す」
・・・なんか、すっごく低い声が聞こえた。声質的には女子の声だったが、バス、テノールの方々顔負けの、腹に響く声だった。
悲しいことに、僕はこの声を何度も聞いたことがある。最近の例を挙げれば、半月前、ベットの床の下のカーペットの裏側に隠していた成人への片道切符が見つかった時だろうか。あの時は毘沙門天を背中に見ながら半日聞かされた。今度見つかったらスサノオを見る羽目になるかもしれないのでより厳重な場所に隠した。神々を身に降ろせる人物なんてよっちゃんだけでいい。
「「「「「イ、イエスマム!」」」」」
翔子を捉えていた視線を前に移すと、9割方の男子の直立不動で敬礼をしていた。分かるよ、その気持ち。あの声には逆らえないもんね。あと康太、そろそろメンテナンス終わってもいいんじゃない?
「はい、ありがとうございました。仲睦まじいですね」
先生の発言にぽっ、と顔を赤く染めた翔子はこっちを見ながら座った。先生、今の流れでよくそんな平和な言葉が出てきますね。合ってますけど。
にしても、今ので教室の温度が一気に下がったなぁ。そりゃああんなこと言われたらビビるしかないだろうけどね。
次に発表する人、僕の彼女がこんな空気にしてしまってすみません。彼女の美しさに免じて許してやってください(・ω<) てへぺろ
まさかの自分だったでゴザルの巻。
いや、許すけどさ、翔子は許すけどさ、この状況で発表しろと?
とりあえず立って「よ、吉井明久です」って言ったら空気が一転して殺気がバンバン飛んできたんだよ。『明久』が僕だって分かったからだろう。
何故自己紹介する前からクラスメートに敵愾心を持たれなければいけないのか。『2年になったら友達100人作ろう大作戦(ドンドンパフパフー)』が早くも崩れてしまいましたよ。たった今考えついた作戦だけどさ。
駄目だ、逃げても何も始まらない。ここはどうするべきか考えよう。
1・・・平凡な自己紹介をする。
2・・・空気を和ませる自己紹介をする。
1にしたい。何も考えないで1にしたい。僕の中の悪魔が1にしろと囁く。が、これをすると、この空気・・・殺気まみれかつ重い空気を変えることが出来ず次の人にバトンを渡すことになる。
2に挑戦した場合はどうなるだろうか。成功した場合は皆が笑って暮らせる世・・・じゃなかった、皆が笑って万事解決となるが、スキープレーヤーもびっくりのスベり方をしてしまった場合、渡すことになるバトンの重さが1の比ではなくなる。
どうする・・・。助けてくれ!ともう一度隣に顔を向けた。
翔子はさっきよりも申し訳なさそうな顔をして、そっぽを向いた。
島田さんはそもそもこっちすら向いていなかった。
・・・・・・ええい!漢は度胸だ!女子供の手助けなんかいらぬ!平凡な結果に満足するよりは突撃して砕け散れ!!
すぅ・・・と息を吸う。その微かな音に皆の注目が集まる。その顔にできる限りの笑顔を作り、口を開いた。
「改めて、吉井明久です。気軽にダーリンって読んで下さい♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
静まり返る教室。誰も口を開かない。カチッ・・・カチッ・・・と時計の音だけが耳に響く。
4月にしてはやけに教室の温度が低いが、ガラスが割れているせいだと信じ込み、静かに席に座った。
嗚呼、ごめんなさい、責任も何もない次の人。あなたには重すぎる業を背負わせてしまいました。願わくばあなたに幸あれ。
机に突っ伏し、精一杯の謝罪を心の中でしながら、僕は深い罪悪感に苛まれた。
・・・・・・その音が聞こえるまでは。
『ガラッ!』
「お、遅れて・・・すみま、せん・・・」
「わりいな、寝過ごした」
「「「「「・・・!?」」」」」
前に座る人が立ち、何とか口を開こうとしたその時、教室のドアが開いた。
「ああ、やっと来ましたか。これからは遅刻をしないようにしてくださいね」
「は、はいっ、すみません!」
「善処はする」
2人分の声がした。先生が廊下側に向かって話しかけると、返答が来こえた。
途端にクラスがざわめいた。・・・翔子と同じような理由で。
「え、えっと・・・姫路瑞希です、よろしくおねがいしますっ」
「ん、自己紹介の時間か?・・・ま、いいか。ラグナ=ザ=ブラッドエッジだ。これから1年間よろしくな」
入ってきた2人ラグナと瑞希・・・成績トップトラスにして才色兼備、共に僕の親友である。