僕と翔子はFクラス   作:青い隕石

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 遅れまして申し訳ございません。中間試験もあらかた終わりましたので、投稿ペースを増やしていけるよう努力します。



 話は変わりますが、井上先生、バカとテストと召喚獣完結おめでとうございます。吉井君とその仲間たちの物語、本当に笑わせていただきました。
 ・・・ちょっと10巻あたりから読んでませんが、余裕が出来たら購入しようと思っております。
 改めて、先生、お疲れ様でした。


7話:雄二様は本当に頭の良いお方

 リーダーとして必要な条件を養うにはどうすればいいか?という質問をされたとする。

 

 

 リーダー、日本語でいう指導者、統率者を意味する言葉であり、数多(あまた)の人の先頭に立って物事に取り組む人物に与えられる名である。

 必然的に目立つことになり、結果次第では賞賛も、功績も、非難も、責任も、真っ先に負うこととなる。

 

 

また、リーダーの選択、決断一つ、そう、たった一つで成功か失敗かが決まってしまうことがある。AかBか。対極な選択肢もあれば、一見すると違いが分からない選択肢もある。いや、実はAもBも駄目で、まだ見つかっていないCという選択が正しいのかもしれない。加えて失敗してしまえば、今までついてきた仲間にも少なからず迷惑をかけてしまうこととなる。

 

 

 失敗は成功の母、失敗と書いてせいちょうと読む、という言葉があるが、大抵は責任の軽い個人に当てはまるものだ。トップに立つ者には、許されない場合が多い。次の機会が永遠に訪れないかもしれないからだ。

 

 

 

 そのような重圧を常に背負いながら行動するのがリーダーである。当然、必要な条件は平々凡々なものではない。

 

 皆を引っ張っていく強い統率力、皆を従わせる威厳、皆から頼られる人望、臨機応変に対応できる頭脳、逆境にくじけない強い精神力、ブレることのない決断力・・・・ぱっと思い浮かぶだけでもこんなにたくさんある。

 

 もちろんこれは氷山の一角だろう。ほかの人に聞けば、別の答えが返ってくると思う。それこそ10人がいれば10通りの解答が聞けるはずだ。

 

 

さて、ここで最初の質問に戻ってみよう。どのようにして養えばいいか?

 

 

 

 ・・・うん、ぶっちゃけると10数年しか生きていない自分にそんなこと聞くんじゃねえ!っていいたいけど、そんな野暮なことはしたくない。

 といっても、自分は生まれてこの方リーダーシップなんてとったことないから、養い方なんてわかるわけないんだ。精々、グループ学習の班長を務めたことくらいで、ほとんどのチーム活動において脇役をやってきたからね。

 まあ、一番の理由としては、そんな面倒くさいことが出来るかってことだけど・・・とにかく、そんな僕だ。自分自身の経験談が無いので、具体的なアドバイスはできそうにない。

 

 ただ、抽象的なことでいいなら言える。間違った解答は言わない自信がある。僕はこう答えるよ。

 

 

 

 

 

 

―――雄二を参考にすればいいよ、ってね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「秀吉、前に出てこい」

 

 

 両手を大きく広げたポーズを崩さないまま、雄二は親友の1人を読んだ。先ほど自己紹介の先陣を切った、秀吉である。

  

 

秀吉は「わ、わしか?」と困惑した表情を浮かべたまま胡坐を解いて立ち上がる。どうやら事前に知らされていなかったらしく、足取りにも戸惑いが表れているようだった。

 

 

 雄二は今みたいに、事前予告なしで突然呼びつけることがあるから困る。まあ、無理なことは頼んでこないけど。そこら辺は断られないようにちゃんと考えているのだろう。

 

 ともかく、教室の前に出て行った秀吉はくるっと向きを変えて、こっちを向いた。

 

 

あ~、いつ見てもかわいいよ、ほんと。戸惑っている顔がさらに味を出している。学生服は男子用だけど、逆にそれがいい!確かに女子高生と言えばスカートだけど、ネクタイにズボンのコンボもなかなか破壊力があると思うんだ。それに

 

 

 

「・・・明久」

 

 

よしこれ以上はやめようそうしよう。大丈夫、僕は一途な男だからお願いしますそんな目で見ないで翔子様。

 

 

 

「雄二よ、突然呼び出して・・・いや、突然なのはいつもの事じゃが・・・此度は一体何用じゃ?」

 

 

秀吉が、ちらっと雄二の方向を確認しながら聞く。雄二はその質問には答えず、秀吉に近づいていった。

やがて、秀吉の真横に立ち、今まで挙げていた手をぐっと降ろした。

 

ガシッ!という音と共に、秀吉の両肩に、雄二の両手が乗った。

 

 

 ・・・ちょっと強くやりすぎじゃない?ほら、秀吉が「お゛お゛お゛お゛・・・・・・」ってなんかすごい声出してるよ?地底の旧地獄跡から響くような声だったよ!?

 

 

 「あ、すまん秀吉。バカ久にやるノリでやっちまった」

  

 

「ゔ・・・つ、次からは、気を付けて、欲しい、のぅ・・・」

 

 「分かった。さて皆、こいつの名前は知っているだろう。木下秀吉、演劇部の期待の星だ」

 

 

 振り下ろした場所を軽くさすりながら雄二が話を始める。クラスからは「もちろんだぁーーーー!!」という雄叫びが返ってきた。もちろん複数。秀吉の自己紹介を一度聞いて忘れるような男子はそうそういないだろう

ああ雄二、さっきの発言について僕も雄二に話があるから。足洗って待っていろよ。

 

 

「・・・明久、足じゃなくて首だと思う」

 

 (∩ ゚д゚)アーアーきこえない

 

 

「ここにいるということは、秀吉はFクラスだ。だが秀吉にはお前らに無い武器を持っている」

 

 

そこで言葉を区切ると、雄二はずっと言葉を発していなかった福原先生に声をかけた。

 

 

「先生、秀吉の古典の点数、何点か分かりますか?」

 

「なっ・・・!ゆ、雄二!?」

 

 「すまん、ちょっとの間付き合ってくれ。先生、お願いします」

 

 雄二の発言に先生は「分かりました、少しお待ちを・・・」と言い、手に持っていた厚いファイルをめくり始めた。

 

 秀吉は、まず雄二に手を伸ばしかけ、次にファイルに伸ばしかけた後、ため息をついてその手を降ろした。そりゃあ許可なく自分の成績を公開されるのは嬉しくないだろう。

 

 でも、もっと抵抗しないのかな?前に秀吉の成績表見ようとしたらものすごい勢いで拒否されたことが・・・

 

 

 「ええと・・・見つかりました。木下君、よろしいですか?」

 

 「か、構わぬのじゃ・・・」

 

 

 先生は言う前に、一旦本人の確認を取った。秀吉がうつむき気味に許可するのを見て、再び目を落とした。

 

 

 「え~、木下君の古典の成績は、215点です」

 

 

 先生が言葉を発してから一瞬だけ間があり、次に教室がどっと沸いた。

 Fクラスの平均点数は2ケタ、しかも十の位で四捨五入すると0になってしまうような点数である。

200点越えとなれば十分にAクラスを狙える、いや、打ち勝てる点数である。

 

 

「すごいじゃんか木下さん!」

「霧島さん以外にも戦力がいる!勝てるんだ!」

 

「その、こ、この教科だけは得意なのじゃ・・・」

 

 

皆に賞賛されて、秀吉の顔が赤くムッツリーニちょっとカメラ構えないように後で撮った写真よろしく染まる。なるほど、無理に止めようとしない理由が分かった。この点数なら堂々と自慢できる点数だ。

 

そういえば結構前、「役作りじゃ」とか言って古典の単語やら文法やらを勉強していたのを見た事がある。本当に、演劇が絡むと集中力が増すんだなあと思ったが、まさかここまでだとは。

 

 

ここで、反応を見た雄二が一際大きな声を出す。目が輝いているようにも見える。

間違いない。締めに入るつもりなのだろう。

 

 

「いいか?こう言っちゃあ秀吉に悪いが、総合点数がFクラスでも、努力をすれば1、2教科なら短期間で点数を採れるようになる。秀吉が古典に力を入れ始めたのは去年の後学期からだ。つまり、お前らも高得点を狙えるんだ。そして、高得点を取れればAクラスにも勝てるかもしれない」

 

 

おおおおおお!とざわめきが大きくなる。

 

 

「その為には努力だ。必死に、死に物狂いで勉強しろ。Aクラスに勝つも負けるもお前らの頑張り次第だ。もう一度言う。お前らの頑張り次第でAクラスをつかめる可能性が上がるんだ。今まで本気で勉強してこない奴、今回だけでもいい。本気、死ぬ気でAクラスに挑め!」

 

「「「「「おっしゃああああああああああああ!!!!!」」」」」

 

 

Fクラスに今日一番の雄叫びが鳴り響いた。一目瞭然だ。10分ちょっと前まではだらけたりしていたクラスメート全員が目を輝かせている。やる気の変化は言うまでもないだろう。

 

 

 

なるほどねぇ~、と思った。Fクラス生徒全員に1、2教科を徹底的に勉強させ、その教科の点数を上げさせる。全教科全滅じゃあどうしようもないけど、最悪1教科でもいいから武器を作っておけば、あとは自分の采配次第でどうとでも補える、といった所だろう。

 

 

 

そのためには皆に、全クラス中一番学習意欲の低いFクラス生徒に勉強をさせる必要があり、それが最大の問題だったが・・・結果はこの通りである。

 

最初の叱責から始まって唐突な提案をし、最後には全員を同じ方向に向かわせる。本当に敵には回したくないよ・・・。

 

 

ま、これから退屈はしなさそうだけどね。どうせ雄二には頼まれるだろうし頑張りますよ。

 

 

 

Aクラスに勝つんじゃああああああ!と騒いでいるクラスメートを見ながら、うん、と背伸びをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ちなみに最初はDクラス相手だ」

 

「このタイミングで言うの!?」

 

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