【ローラースケートに気をつけて!】
4番道路をぶらぶらと歩くイクス。
目的地はミアレシティ――今はイクス以外にもイグレック、サナ、トロバ、ティエルノがいる。彼らも目的地はミアレシティだ。ミアレシティへ向かうには、彼らが今通っている4番道路――パルテール街道というらしい――を通らざるを得ない。
しかしながら、この道路は長い。直線のようにも見えるが、真ん中にある噴水によく観光客が訪れる(美しい噴水として認定されている)のだが、それがあってか、とても長い。
ただし、ベンチがたくさんとある。
「ちょっとベンチで休まないか?」
イクスの問いに、全員は賛成と言わんばかりに、大きく頷いた。
◇◇◇
「ミアレシティはマダマダ先だね……」
ティエルノが呟くと、彼のすぐ横を何かが通り過ぎた。
それは、ローラースケートに乗った女性だった。
「いいなあ……ああいうのに乗れればあっという間に着くんだろうな……」
イグレックがそんなことをぽつりと呟いた。
「だったら乗ってみる?」
そう言われて、彼らは振り返る。後ろにいたのは、先ほどとは別のローラースケートに乗る女性トレーナーだった。彼らはそれを見て、暫く言葉を失っていた。
それを見て、トレーナーは何かを察したのか、小さく微笑む。
「……ああ、驚かしちゃってごめんね。一先ず、これをあげるから乗ってみるってのはどうだい?」
その言葉を、イクスたちはただ頷くことしかできなかった。
◇◇◇
ローラースケート。
スポーツとしても取り扱われているし、警察官が交通手段として用いることも多い。
トレーナーからもらったローラースケートをそれぞれイクスたちは装備する。
「ば、バランスがとりづらい……!」
「サナ、しっかり。ヤヤコマも心配しているよ」
サナはトロバに言われて、そちらを見るとヤヤコマがじーっとサナの方を見つめていた。
「大丈夫だよ、大丈夫だからね……」
そう言って――彼女は支えにしていたイクスの肩から手を離した。
だが、倒れる様子はない。
「や、やった……! やった、やったよイクス!! みんな!!」
サナはぴょんぴょんとジャンプして喜びを体現する。ヤヤコマもサナの周りを飛んで、ローラースケートが成功したことを喜んでいた。
「あ、アハ……。ありがと……ヤヤコマ……!」
そう言って、サナはヤヤコマを抱きしめた。
結局全員がローラースケートに乗ることに成功したのは、それから少ししたときのことだ。
「ありがとうございます!」
そう言って、全員は頭を下げ、ローラースケートで軽快に走っていくのだった。