「ハリ……ボーグ?」
「テールナー……?」
「いや、違うな」
イグレックとイクスの言葉を否定したのは、ほかならないブラックだった。
ブラックの言葉を聞いて首を傾げるイクスたち。
「それはつまり……進化した、ということですか」
「そういうことだ。君たちは充分強くなっている、ということだよ」
「強くなって……いる」
イクスとイグレックはそれぞれお互いの顔を見合わせた。
それを見てブラックは笑みを浮かべた。
「さて……、それじゃ向かうことにするかな」
「どこへ?」
「決まっているだろう? フレア団が『最終兵器』を使う場所……、それは、」
「それは……?」
「列石があることで有名な場所……セキタイタウン」
◇◇◇
セキタイタウン。
列石があることで有名だが、実際のところはそれ以外何も知られていないとても長閑な村だ。実際、なぜそこまで長閑かというと、その列石自体は珍しいが、歴史的価値がそこまで高いものだとは学者も考えていないため、観光地としてはあまり宜しくないポイントだと考えているようだった。
長閑と知られているその村だったが、今日は様子がおかしいようだった。
「……人の気配が、無い?」
「フレア団め、とうとう本性を出したか」
そう言って舌打ちするブラック。
ブラックの言葉に、イクスは首を傾げた。
「本性を出した……とは?」
「言葉通りの意味だ。フレア団は本性を出していなかった。今までただの慈善団体という認識が強かった。しかしながら、今回の事件で化けの皮をはがしたようだな。……最終兵器を使われてしまうと、不味いことになる。急がないと」
「ちょっと待ってください。最終兵器って、いったい――」
「それはな、あれだよ。この世界を滅ぼすというな、装置らしいんだよ」
声が聞こえた。
そこに立っていたのは、タンクトップに青いジャンパーを羽織った何とも変わった風貌の男だった。
「ウルップさん」
カルネがウルップの声を聴いて、そう言った。
「久しぶりだな、あの、チャンピオンさんよ」
「そんな畏まらずともいいですのに。……ところで、フレア団は?」
「取り敢えず地上に居る連中はのしちまったよ。四幹部、とやらもだ。それで別にいいんだろ?」
そう言ってウルップは後方を指さす。
すると四人の女性が手足を縛られて拘束されていた。あの様子からすると、ポケモンも没収されているらしい。
そしてそれを取り囲むように立っているのは、カロスのジムリーダーたちだった。
「……あとはお前たちだ。地上の連中……たぶんきっと残党は残っているだろうよ。確か、クセロシキというやつだ。あいつは曲者だと、ほかの幹部が言っていた。俺たちはそいつを探すことにする。だから、そうだ、お前たちはアジトへ入れ。そして、最終兵器を止めろ」
「ウルップさん……ありがとうございます」
頭を下げるカルネを見て、ウルップは頭を掻いた。
「よせよ、カロス地方のためだ。あんたが頭を下げる話じゃない。それに……お礼を言うならば、戦いが終わった後でも問題ないだろ?」
その言葉にコクリと頷くカルネ。
そしてカルネ率いるイクスたちは、セキタイタウンの北側にあるフレア団アジトへと向かうのだった。