大人エレンの完結の1つめです
サシャとのお話はここまで・・・本当は寝るときのユミルとの絡みも書こうと思っていたのですが
食事は、人のお腹を満たす
それだけでなく、幼少の頃から多くの味を知っていると脳の発達を助けることとなり、頭も良くなるという
ただ、私はそうは思わない
そう
私はそれよりも
食事は心を満たしてくれると
そう思っている
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝
・・・最悪です
あ、あれは起きた時でした
昨日、エレンと一緒に寝たのですが、それを忘れていた私は、毛布の中に感じる暖かい存在を思いっきり抱きしめたのですが・・・
そ、その時にはもうエレンが元通りになっていて
それで、エレンが起きてしまって
・・・あ~~~どないしよ~~~!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝の食堂、いくつもの木製のテーブルが並んでいる中、ひとつのテーブルに男が突っ伏していた
男は猫っ毛の癖がある髪の毛を自分の手でクシャっと掴み、悩んでいるのであろう、そのまま頭を掻いては唸ってを繰り返していた
その男、エレン・イェーガーはひとつの悩みを抱えていた
「んぁ~~!」
それはほかでもない、昨日のできごとに関することだった
女性寮からそのままここにきたのだが、起きたら服が大きくてぶかぶかになってしまい
肌が見え隠れしている状態だ
昨日のできごと・・・彼は、エレンは自分の行動を覚えていた
「俺は、俺はなんつー恥ずかしいことを・・・!」
昨日、おそらくはあの時のんだすっぱい飲み物のせいで・・・
そのせいで
お、俺、サシャとキスを・・・
キ・・・キスを・・・
「う、うああぁあぁぁああぁあ!」
そ、それに、一緒に寝て
あ、あ、あ、朝だって、起きたら
サシャが抱きついて
む、胸が俺にあたって・・・
悩める男は食堂で一人青春していた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
少し経ち
まだ食事の時間には余裕があるその食堂という場に、ひとつの影が現れた
「?」
エレンはその気配を察知してそちらへと目を向ける
しかし、そこにいた人を見て、すぐさま自分の正面へと向き直ってしまった
そう、影の正体はサシャだった
「え、え、え、エレン!」
「さ、さ、さ、サシャ!」
声が明らかに緊張しているサシャとエレン
震えた声は、怖がっているようにも聞こえる
「「は、はい!」」
思わずいい返事で返す両名であったが
お互いに何故名前を読んだのか思い出せないのか
頬をカリカリと掻きながらお互いに目を合わせないようにしている
「(くっそーーー何を話せばいいんだ?『いい唇でした?』いやいやそんなどっかのナンパ男みたいなこと言えないっての、なんだっけ、こういう時は確か・・・あぁ、そうだ!昔アルミンがすごい笑顔で女性といざこざがあったらこう家って教えてもらったことがあるじゃないか!そうだよ!それを言えばいいんだ!・・・あれ?なんだっけ?)」
「(わわわわわわ、え、エレンがおる!なんで?なんで?一回男性の寮の方に戻った思てたのに・・・どうすればええんやろ、な、なんか話題、なんか話題・・・あぁもう、別にウチはエレンのこと好きなわけやなくて、え、エレンは男やってのは昨日の夜にもうええって思えるくらいに意識したんに、こ、こ、こんな朝からエレンの顔見てもうたら、思い出してまう!)」
お互いに混乱する中
先に口を開いたのは
「あ、あのっエレン!」
サシャだった
「き、き、き、昨日のことなのですが」
カチコチとまるで音が聞こえそうなほどに緊張したサシャ
「わ、わ、私たちは訓練兵ですし、あ、ああいった事は忘れて訓練に集中をするべきですよね?そうですよね?」
と、自分で言ったにもかかわらず涙を目に浮かべながら案を出してみる
当たり前だ、昨日のことを忘れることなんて
「ば、ばかやろう!昨日のことを・・・」
反射のように口にしたあと
頬を染め
口元に手を持って行き人差し指の第2関節を唇で挟みながら
「昨日のこと、忘れるなんてできるわけねーだろ」
「(えええぇぇぇぇえぇええぇ!?エレン何を言ってるんですか!?私との思い出を忘れたくないなんてそんな!)」
「いえ、で、ですがエレン!」
「な、なら!」
大きな声でサシャの声をかき消すエレン
「お前は、忘れられんのかよ」
「(わ、忘れられるわけ・・・)」
「忘れられるわけないじゃないですか!」
そうだった
そうに決まっていた
「忘れられるわけ・・・」
口に出す中、思い出し、顔を朱に染める
それはエレンも同じで、口に出せば出すほどそれが記憶の栓を抜いていくかのように、思い出が溢れ出てくる
そんな中、エレンは溢れ出した記憶の中から、あることを思い出した
「(あ、そうだ!アルミンが俺に言えって言ったのは確か)」
「私は、男性を意識したことなかったんです!」
そんなことを知らないサシャは、自分の言葉を並べていく
「な、なのに、あんなに密着して私にあんなに意識させて」
自分の胸の内にあることを
「いつも、いつもいつ死んでもいいように、後悔しないように美味しいものを食べて心を落ち着かせていたのに」
自分の胸の内で、隠していたことを
「あんな、あんなことがあったら」
「あんなことがあったら!エレンのこと男性として見てまうやんか!」
顔を赤くして、肩を上下して
息が荒くなったサシャの、『本当』を、エレンはみた
いや、見せてもらった
「(い、今言えばいいんだよな?し、信じるぞアルミン)」
「サシャ」
「なっ・・・なんですか?」
真面目な顔をしたエレンに、思わず身構えてしまうサシャ
エレンはただ、意味も分からぬ言葉を口に出した
「月が、綺麗ですね」
「・・・ひゃ」
「ば、ばかああああああああああああ!」
走りさっていくサシャ
置いてかれるエレン
「なんだよあいつ・・・」
『・・・ひゃ』
「なに恥ずかしがってんだかわかんねーけど・・・さっきの、可愛かったな」
・・・
「お、俺は何を言ってんだあああああああああ!」
なんてことはない日常の一ページ
ただ、これは何かの始まりだったのだ
でも、今はこれでお話はおしまい
今はおしまい
女性は、男性を意識するようになり
男性は、意味も知らぬ言葉で女性を惑わせた
それから数ヵ月後
男性は同じ意味を持つ言葉を女性からもっとストレートに聞くことになるのだが
それはまた
別のお話
サシャEND
っというわけで、サシャ編終了です!
これと同じようにすべてのエンディングはエレンが元に戻った朝から始まります!
そこのところをご了承ください!