子供から戻って数日
エレンはひとつの悩みを抱えていた
子供になっていた際の記憶が残っていたのだ
いや、正確には曖昧に残っていた
訓練が終わってから最初の方、おそらくは自分が子供になってばかりのことは全く覚えていない
しかし、寝る前
まだ少し意識がある段階でユミルと寝たことを覚えている
ユミルと寝たこと・・・
「ぬぁああぁぁああぁあぁあぁああぁ」
思わず叫び声が漏れてしまう
それを聞きつけたのか、心配した顔でアルミンが俺の部屋のドアを開け放った
「どうしたんだいエレン!」
頬に汗が伝っている
なんと恥ずかしいことか、自分の行いを省みて恥ずかしさで叫んでしまったとは言いにくい
いや、これはいい機会なのかもしれない
お、俺の最近の悩み
ユミルのことを思うと胸が早鐘を打つ
く、訓練の時とかに目の端に入るだけで
俺の動きが鈍くなって
俺の考えがボロボロになっていって
うん、相談しよう
「あ、アルミン、相談があるんだ」
その後、アルミンに相談した結果俺はユミルにこ、こ、恋をしているんだって言われた
俺は
俺は恋なんてしたことない
恋なんてしたことない、けど
したことないから
してみようって思ったんだ
「アルミン、俺、がんばってみるよ」
それから数時間後、俺はユミルからデートの申し込みともとれる言葉を受け取り、その数日後デートへ行くことになるのだが
この時の俺はまだ知らない
右手から熱が伝わる
熱、といっても心地いいものだ
柔らかい熱とでも表現しようか
私の手は繋いだエレンの手から熱を感じていた
だが、これは決して熱を奪っているのではない
なんというのだろうか
共にする?
同じくする?
熱を・・・感じ合う?
きっと、確かな表現なんて無いんだ
でも、私は確かにそれを感じている
私はこの、エレンから伝えられる熱を感じている
それでいいんだ
・・・って、わ、私は何を考えてるんだぁーーーっ!
「い、痛てっ!」
「わ、悪い!」
エレンの手に思い切り力を込めてしまったことを反省する
「どうしたんだよ?いきなり力込めたりして」
エレンに言われ、今しがた自分の考えていたことを思い返して顔が熱くなることを感じる
ごまかさなきゃごまかさなきゃ
「えええ、エレン!あ、あ、あの店に入ろう!」
咄嗟に口に出たのはひどいごまかしだった
自分でどこを指差したのかも分かっていなかったので後から自分の指差した店へと目を向けてみる
答えは、エレンの口から出た
「服屋か?・・・わかった、喜んで付き合うぜ」
少し誤解しそうになって赤くなった顔を見られないようにそっぽを向いた私を、エレンが訝しむように見ていた
洋服店~ジョナサン~
「いらっしゃいませ~」
店員の定番の言葉を耳にしながら来店
エレンはあまりこういうところにこないらしく、心なしか恥ずかしそうにしている
いや、私もなのだがな
店に入ったのはいいものの、何を見るかなど考えずに指差してしまったものだから
「どうしたんだ?服、見ないのか?」
ふ、服!?私が見るのか?
いや、あ、あたりまえか
エレンはなんか格好良い服装してるし、見るとしたら私のか
「み、見る!」
そして続けるように
「た、ただ、その・・・エレンが選んでくれないか?」
私の頼みに笑顔で了承したエレンは
「それじゃあ探してくるな!」
と言って、洋服店の中を駆け巡りに行った
・・・あー
私どうしよう
めっちゃくちゃ暇じゃないか
・・・あ、いいこと思いついた
んー、いや、これ
男がやるってイメージあるんだけども
まぁいいか
「ユミル!持ってきたぞ!」
エレンは手元に複数の服を持っていた
どれも女性ものというところから見ても、私が着る予定の服なのだろう
と、ところどころにヒラヒラしたものが見て取られるのだが
「ほ、本当に私が着るのか?」
思わず恥ずかしさで涙目になりながら尋ねる私に、エレンは
「俺もさ」
普段、そんな顔しないくせに
「お前がこの服見たところ、見てみたいんだ」
反則だぜ、そういうはにかんだ顔ってやつは
「ど、どうだ?」
試着室でエレンに渡された服を着た私は、試着室に設備されたカーテンに半身を隠した状態で外に待つエレンに訪ねた
「いや、見えねーよ」
まぁ、そうだろう
私は何かを言おうと・・・
いや、何かを言おうか言わまいか逡巡した後に
自分の体をカーテンの外に出した
「お、おぉ」
エレンがよくわからない声を出す
驚き?
感嘆?
感動?
・・・ど、どれでもいい
あ、嘘
綺麗って思ってくれたら嬉しい
じゃなくて!
「ど、どうなんだよ」
私は、フリルのついた白いドレスに身を包んでエレンに感想を求めた
エレンは目を私から離すことなく、頬をポリポリと掻いて告げた
「お、俺は、俺はお前のその格好、好き・・・だぜ」
お互いに
お互いに30秒くらい喋れなくなって
私はついカーテンを勢いよく閉めてしまった
私の顔は真っ赤だった
手を頬に持って行って当ててみる
掌まで熱くなってやがる
目元に涙が溜まっているのがわかる
あぁ、ったく
嬉しくて涙が出るなんていつぶりだよ
ど、どうしよう
書きたいけど長く続けるとほかの子の話が続かないし
でも、ユミルのデート書きたい・・・こ、これがジレンマというやつか!
ポルノグラフィティの歌じゃなしにその言葉を使ったの初めてかもしれない!
もし続けるとしても5回までで終わらせたいと思います!
そのため、次回がとても長くなるかもしれませんがご了承ください
言っていることが何度も変わってしまい申し訳ありませんm(_ _)m