エレン「なんだこの飲み物?」   作:スペイン

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さて、今回は少し長い構成となっております

それでもお楽しみいただけるという方はこのままご覧下さい





βー5 忘れない4

なんだよ・・・これ

 

あー、今の状況を説明するとだ、私の前にエレンが座ってるんだ

 

エレンが座っていて、パスタを食べてる

 

うん、パスタはカルボナーラだ

 

ちなみにクリームたっぷりの卵をかけたやつだ

 

あ、私のはトマトソーススパゲッティだぞ、ミートソースもあったんだがこのご時世だからな、高いみたいだ

 

いや、料理の内容はわりとどうでもいいんだ

 

そ、それよりも今大変なのは用意された飲み物だ

 

少し、思い出してみよう

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

時間が過ぎるのはとても早くて、気がつくともうお昼時だった

 

洋服店から出た私たちはトロスト区の住宅街を通りながらアイスを買って食べ歩いていた

 

アイスを買うときにカップル割を適用されてエレンと私がお互いに顔を赤くしたけど、まぁ、嬉しかったな

 

そういえばエレンはどう思ったんだろうか

 

・・・うぁ、ふ、深く考えるのはやめよう

 

なんだか自分の嬉しいことばっかり想像して口元がニヤけちまう

 

「なぁユミル」

 

私がそんなことを考えていると、エレンは私の肩に左手を置いて話しかけてきた

 

いきなりのことで驚いて私が体の緊張が抜けないまま振り返るとエレンはあるお店を指差した

 

ゆびさされた方向に目を向けるとそれは近頃人気を博してきている『パスタ』のお店だった

 

作りやすい、食べやすい、様々な味付けをしやすい

 

この調理されるために生まれてきたかのような素晴らしい性能で、『パスタ』はまたたくまに有名になり主に女性から支持を集めていた

 

「ん、そうだな、そろそろ飯にするか」

 

私がお店の方へと歩を進めようとしたところ、振り返った体勢で死角になっていた方向から男性がこちらに向かってきていたため

 

ドン

 

「あぅ」

 

ぐぇ、ぶつかっちまった

 

「わ、わるい」

 

私は平謝りすると少し先を行くエレンのもとに小走りで追いついた

 

エレンはそんな私の方を振り向くと何かを渋ったかのように右やら左やら上やらを見て

 

「ユミル、う、腕掴むか?」

 

・・・

 

・・・はぁ!?

 

「な、えっ!?」

 

い、今こいつなんて

 

う、腕?

 

いや、手を握るだけでもあんなにあわあわしたんだぞ?

 

ど、どうする!?

 

いや、掴みたいけど

 

・・・えぇいもう!

 

 

 

ギュッ

 

 

 

「ふぇ!?」

 

私は勢いのまま、エレンの腕に自分の腕を絡めた

 

エレンが驚いていたのがなぜなのかわからないが

 

なんだか自分がやろうとおもったことを実行に移すことができて私はとても嬉しかった

 

そこに

 

「お、俺、服の裾を掴むか?って意味だったんだけど」

 

・・・あ?

 

『ユミル、う、腕掴むか?』

 

あ・・・

 

「う、うわあぁあぁあああぁあ!」

 

「い、痛い痛い!おい、振り回すなって!」

 

「う、うるさいばかあぁあぁああ!」

 

それでもこの腕を離さないのは、ちょっと意地になってるからであって

 

こ、この行為に恋愛的要素はないからな!

 

 

 

 

 

パスタ屋~Cataluna~

 

お店の中に入ると、私たちを迎えてくれたのはオレンジ色の暖かい暖色色の光だった

 

給仕に案内されてテーブルにつくと、エレンが端に置いてあったメニューを私に手渡してきた

 

「(こ、こいつ、レディーファーストってか?嬉しい事しやがって)」

 

エレンはその間に威嚇にあった給水器から2つの水を持ってきてくれた

 

なんだこいつの紳士っぷりはぁああぁあ!

 

なんかいつもより大人びて見えてきたぞ・・・

 

頭の中の困惑を表に出さないようにしながらメニューを見ていくと、途中で少し気になるものを見つけた

 

「(ん・・・なんだこれ?)」

 

思わず怪訝な顔をした私に、エレンは少しメニューを覗き込みながら

 

「どうした?なんか気になるものでもあったか?」

 

私はエレンに聞かれ、エレンにも見えるようにメニューを傾けて目に付いた項目を指差した

 

『二人用ドリンク、今なら半額サービス中』

 

「これなんだけど・・・」

 

『本来なら1200円!』と書き添えられていることから、2人用で600円になるということだ

 

1人300円ならば安いものだろう

 

そんな考えのもとでユミルは提案した

 

「これ、頼んでみないか?」

 

エレンはこういったメニューに感心しているのか「へぇ~」なんて声を出すと、大きく頷いて賛成してくれた

 

「それじゃあ、あとはメインの方だな」

 

私はパスタのページまでペラペラとめくり、エレンから見えやすいように本を横に向けて二人で覗き込んだ

 

「(あ、あわ、これやるまで気づかなかったけど近いな・・・)」

 

め、メニューを見なきゃ

 

そう思いながら見てみると、『ミートソーススパゲッティ3600円』という文字がデカデカと書かれていた

 

さ、さすがに高いだろ

 

ほかには・・・

 

お、トマトソーススパゲッティ1000円か

 

「エレン、私はトマトソースを頼ませてもらうぞ」

 

「お!ユミルがそれを頼むなら俺はカルボナーラでも頼むかな」

 

エレンはメニューを見たままに

 

「あ、後でトマトソースの方を1口もらっていいか?」

 

そう聞いてきた

 

「あぁ、もちろんいいぞ」

 

 

・・・・・あれ?

 

私とエレンはお互いに黙って動きを止めた

 

改めて考えてみると、これって

 

 

 

い、いや、確かに何かを食べたフォークでパスタとかの麺類を食べると必然的に他の麺とかに『間接キス属性』が付与されるけど

 

きっとそういう意味を意識していったわけじゃないよな?

 

ち、ちがうよな?

 

と、エレンの方を見てみると

 

メニューを凝視したままに顔を真っ赤にしていた

 

・・・

 

 

 

あー

 

 

 

ばか

 

 

 

 

 

しばらくして、食事が運ばれてくる前に私たちの頼んだ二人用ドリンクなるものが運ばれてきた

 

まず運ばれてきたのは1つのグラス

 

とても大きなグラスで、一人で飲みきるにしてはだいぶ量が多いだろう

 

と、私たちが『これはどちらの飲み物だろう?』と困惑していると

 

追加で1つのストローが届けられた

 

『ストローの先端と考えられるのが3箇所ある不思議なストロー』が

 

形を表現するならばYだろう

 

いや、YのVの部分がもっと狭くなっている形だ

 

・・・何に使うんだ?

 

エレンはストローを持ってVの部分を広げてみたり狭めてみたりしている

 

・・・!

 

あ、どうしよう、わかっちゃった

 

じゃない、わかっちまった

 

「え、エレン、貸して」

 

あ、だ、だめだ

 

キャラが崩れそう

 

でも、考えがまとまらなくて

 

「ほい」

 

私は渡されたストローを、グラスに

 

 

 

 

 

 

 

「はあぁあぁぁぁあぁあぁああ!!?」

 

 

 

 

 

どういう飲み物なのか気づいたエレンが大きな声を上げる

 

うーん、そりゃあそうだろう

 

私は思わず黙ってしまったけど

 

そこから、お互いに会話がうまく成立しないままにパスタが届けられ

 

 

 

今に至るというわけだ

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

チュルン

 

私の口になめらかに入っていったトマトソーススパゲッティが綺麗な音を立てた

 

そこで、あることを思い出した

 

「あ、そういえば1口の話って」

 

そこまで話して、その話のあとに恥ずかしがったことも思い出した

 

「話って・・・ど、どう、なったのかなって思って」

 

尻すぼみになった私を見てエレンは苦笑

 

そんな流れに恥ずかしさを覚えた私の前に、1つのフォークが差し出された

 

「ほれ、アーン」

 

エレンがこちらに笑顔を向けながら、フォークにパスタを絡ませて差し出していた

 

躊躇

 

いちゃ、いらないものだろう

 

恥ずかしがるから、恥ずかしいんだ

 

恥ずかしがらないように意識すれば

 

・・・いや、そうじゃないな

 

私は、この恥ずかしいって感情をエレンに覚えるのが

 

少し、嬉しい

 

だから、私はこの感情を大切にしていこう

 

「あ、あーん」

 

口の中に広がった味が、私の恥ずかしさと一緒に胸の奥の深いところに刻み込まれた

 

 

 

 

いくらかパスタを食べていると、段々と味に飽きがくるものだ

 

そこで、私は少し辛さが足りないと感じて、タバスコをかけてみた

 

私がかけ終わると、エレンが手を伸ばしてきたのでタバスコを渡してあげた

 

エレンもカルボナーラにタバスコwかけようとしたが、近くを通っていた店員さんがエレンのカルボナーラに鷹の爪を軽くふりかけてくれた

 

確かにカルボナーラにはタバスコよりもそちらのほうが合うだろう

 

私は口の中にトマトソーススパゲッティを放り込むと、どういった風に味が変わったのかを楽し・・・

 

「「ひゃ、ひゃりゃい!」」

 

の、飲み物!

 

近くにあったグラスを手にとって自分の下に持ってこようとする

 

 

何故か向こう側に引っ張られそうになり、仕方なく自分の頭を持っていく

 

ストローに口をつけてチューーーッと中のみずを吸うと、口の中に広がっていた辛味が段々とほぐれてきて

 

「(あー、楽になってきた)」

 

一息ついて、飲み物の味を楽しむ

 

楽しもうとして

 

自分の目の前に、何かがあることに

 

いや、誰かがいることに気づく

 

この状況、1人しかいない

 

え、エレンだ

 

目線を向ける

 

あ、目があった

 

ち、近い

 

これまでで、一番

 

少し姿勢をただそうとすると、軽くおでことおでこがコツンとあたった

 

重なったおでこから、エレンの熱が伝わってくる

 

は、恥ずかしい

 

 

 

 

恥ずかしいよぉ

 

 

 

でも、なんでこんなに

 

 

 

 

 

 

 

嬉しいんだよぉ

 

 

 

 

 

 




さて、いつもより少し長いものとなってしまいました

次回は記念小説の4を書きますので、そのあとに本編という形になります

さて・・・いよいよ次回でユミル編はラストです

自分はライトノベルや漫画のハーレム主人公がよく作品中では誰と付き合うのか決めないままに終わるという展開が好きではありません

ラストはラスト

終りを持ってきたいと思っておりますので、お楽しみに
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