はい、ラスト
これだけ見てくださる方もいると思うのであらすじを
エレンとお買い物デートに
↓
服を選ぼう!
↓
お食事も済ませよう
↓
今ここ
なお、今回も長いです
あ、それと
※ここで少しオリジナル設定として、街から兵舎までの道のりを説明させていただきます
『兵舎はトロスト区の東、少し乾燥した土地にあります
その周囲はアニメなどでも描かれていたように植物のあまりない平地となっており、兵役する者たちに時間がわかりやすいよう、兵舎からは日が見えやすいように土地がならされております
それゆえ、トロスト区では有数のベストスポットポイントとして有名でもあります
ですが、兵舎があるという理由と、捕獲した巨人をその周辺で見かけたことがあるという情報から近寄るものはあまりいない
そういった状況にある』
以上で設定説明を終了させていただきます
それでは、本編をご覧下さい
時間っていうのは残酷だ
人の無意識で長さが変わるっていうのに
人がどうにか伸ばそうとしても試行錯誤してる間にどんどん短くなっていく
でも、もっと残酷なのは
過ぎた時間はいつか忘れてしまうことだろう
それが、私の持論
涙が出るくらいに、自分でも悲しいと思う
だから、私は『今』を生きる
『今』流れるこの時の中で自分として
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夕方
「だから!その時ライナーがケチャップで死体のふりを・・・って、もうこんな時間か」
エレンとくだらない話をしながら過ごしていた昼下がり
気が付けば、もう陽は沈みかかっていた
本来、つまりは兵役していなければ
陽が落ちてからこそが私たちくらいの年頃が活発に動く時間帯だろう
でも、私たちはそうはいかない
あとおよそ30分、それが私たちに残された時間だ
・・・おかしな表現だ、別にあと30分で息絶えるわけでもないのに
なのに、こんなにも時間が惜しく感じるなんて
「その『ライナー殺人事件』の続きは気になるけどさ、もうそろそろ街から兵舎の方に向かわないとだろ?」
私の言葉に首肯し、エレンはそれまで座っていたベンチを立ち上がって沈み行く太陽を見た
私から見たその横顔は、どこか苛立ちを抱えているように見えた
そして
苛立ちを抱えているように見えたその横顔に、私は何故だか嬉しさを覚えていた
私と、同じことを考えていてくれたら
なんて
「うしっ!いくか!」
エレンに先導され、私もベンチから立ち上がり歩き出す
街中の建物の隙間から陽の光が差込み、私たちに影を作る
こういう時、本当に思う
『影がその人の闇を映し出すものじゃなくて
本当に良かった』と
自分でも思う、馬鹿な話だ
今になって、昔を思い出して
昔に苦しんでるってのか
「どうした?」
エレンが声をかけてきた
今、私はどんな顔をしていたんだ?
エレンは心配そうな顔をしている
「な、なんでもないさ」
・・・変なごまかしだったかな
「ふーん・・・まぁ、なんだ」
「?」
「俺のこと・・・頼れよ?」
・・・
な、なに言ってんだこいつ!
なに言ってんだこいつ!!
「ばっ、ばかじゃねーの!」
あ~もう、ばかはどっちだよ!
素直になれよ私!
・・・しばらく歩いて
街から離れてきた
山岳地帯・・・とまではいかないもののゴツゴツとした岩が目立つ
エレンは少し先を進みながらも時折こちらを振り返り気にしてくれている
少し遠くを見れば、小高い丘の向こうに沈み行く太陽が見える
前を行くエレンの影が私の足元まで伸びてきていた
段々と長くなっていく影が
どうしようもなく時間の経過を感じさせた
私は、さっきのところからずっと考えていた
『素直』
自分で思ったことなのに、自分で自分の『素直』がわからない
嘘をつかないこと?
隠し事をしないこと?
・・・だとしたら
だとしたら、私は言うべきなのか
この世界の全てを
私たちの学んでいる技術の、本当の矛先を
人類と巨人と、神々の話を・・・
いや、ダメだ
今話したらダメだ
それに、『素直』になるっていうのは、なんだか違う気がする
エレンに対して素直になる・・・それもあるけど
まずは、私は
自分に素直になろう
「エレン」
呼び止めた
エレンの足が止まる
当然の流れなのに、その流れに安心を覚える
「どうした?」
振り向くエレン
顔を見ただけで、自分の胸が高鳴る
今から
私は告白する
エレンの顔を直視できずに、思わず近くにある石なんかに目をやる
でも
これじゃダメだよな
そんなことを思って、頬をポリポリと掻いてエレンに向き直る
きっと、すごい顔が赤くなってるんだろうな
涙目になってるかもしれない
「私はさ、周りと少しずれているところがある」
そう、みんなとは違う
いい意味でも、悪い意味でも
「だから、人に避けられるってことが多かった」
今も
昔も
「きっかけはさ、きっとあんたが小さくなったあの事件だったんだよ」
思い出してみる
可愛かった
可愛かったと同時に
気づかされた
成長ってやつを
「あんたは小さくなって、私を美人だのなんだのって言ってくれた」
まぁ、母親と勘違いしてたみたいだったけど
それでも
嬉しかった
「私は、その時久しぶりに自分が『女』だって思えたんだ」
私の持つ変わらない部分
『ユミル』であること
『女』であること
私にとっては、とても大切な部分だ
「それが」
「すごく嬉しくて」
伝えたいのに
言葉が喉で詰まるみたいだ
まるで息ができていないみたいに
肺が空気を求めてる
顔が赤いとかじゃなくて
顔が暑い
頬が熱を持っているのが分かる
目元まで熱くなって、油断したら涙が流れてしまいそうだ
でも
伝える
「気がついたのはここ数日だよ」
「気がついてからは、ほんと、どんどんその気持ちが大きくなっていって」
「今じゃもう、エレンを目で追うようになってさ」
「あんたを朝に見ると、すごい」
「すごい、幸せになった」
「でもさ、やっぱり見てるだけじゃダメみたいだ」
「エレンとミカサの家族みたいに・・・」
「家族以上に、エレンと親しい関係になりたいんだ」
「ふふっ」
「ずっと黙って聞いてくれてありがとよ」
「言いたいことはさ、たった1言なんだ」
「でも、言いたいこと以上に伝えたいことがあって、こんなに長くなっちまった」
「エレン」
「私に、あんたを愛させて欲しい」
「エレンが、好き」
静かな時間だった
風が頬を撫でる
熱を奪っていくと共に、心地よくもある
遠くから聞こえる鳥の声が、静寂を意識させる
その静寂を
「俺は・・・さ」
エレンが、破った
「巨人を倒したい、巨人を駆逐する。そんなことばっかり言ってる」
「ジャンなんかからは死に急ぎ野郎だなんて言われちまってる」
「でもさ」
エレンが、1歩私に近づいてくる
私までの距離はおよそ3歩といったところだ
「巨人ばっかり見てたはずなのに、最近別のことが気になるんだ」
2歩
「最初は否定した、否定しては・・・そうやって否定した自分を嫌いになってた」
3歩
目の前まで来たエレンは、顔を赤くしていた
それでも、私を見ていた
まっすぐ、私を見ていた
エレンの瞳の中にいる私と目が合う
なんだ、目に涙なんて浮かべてやがる
恥ずかしいな
恥ずかしいけど
エレンも、目に涙を浮かべてる
ははっ、おそろいだ
「俺は、お前が気になってた」
「ユミルが、気になってたんだ」
「まさか、先に言われるとは思ってなかったけどさ」
「ユミル、俺も、お前のことがっ・・・」
「いや・・・そうじゃないな」
「俺にも、ユミルのことを愛させて欲しい」
「いつまでも」
「俺と共にいてほしい」
「好きだ、ユミル」
夕陽差す平野で
二つの影が重なった
さて
ユミルENDとなりました
ユミルENDとなりましたが、これもちょっとした持論です
愛し合ったからには、ユミルENDって名前で終わらせたくないんです
そんなわけで次回
ユミル・エレンEND
ご期待下さい!
※短文による改行、セリフばかりの文章、不快に思われた方がいらっしゃいましたら誠に申し訳ございませんでした