エレン「なんだこの飲み物?」   作:スペイン

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~グリシャの手記より 第23項『夜明け』~

私が身分を偽り幼少の頃に学んだ医学の知識と、外の世界で得た知識とを合わせても、この世界の深淵にある謎は見えてこない

見えてこないのではなく、目を逸らしているだけかもしれない

それもそうだ、知らないことに面と向かって向き合うことは恐ろしい

恐ろしいことは、誰も、皆嫌いだろう

頭の中の整理もつかぬまま、乾いた口の中に潤いを取り入れるためにコーヒーを入れる

カップに注がれていくコーヒーから立ち上る蒸気が香りを届けてくれる

温かい

ふと思い立ち、窓を開けて陽の昇ってくる方角を見た

大きな壁が光を浴びてシルエットのようになっていた

もうじき子供たちも目を覚ます

そうすれば、今日もいつもと変わらない1日が始まる

皆が笑顔でいる世界は遠い

それでも、いま自分に出来る『最良』を私は掴み取っていかなくてはならない

だから、この世界の深淵にも等しい悩みを一刻も早く解決しよう

同じ悩みを抱える者達のためにも、早く解決策を






私の足は、臭い






※筆記されたメモ帳にはところどころ涙の跡と見受けられるものがあり、読んでいるだけでこちらの胸を締め付ける不思議な魅力がこの手記にはあった


断章 えれんと3 ※微エロ注意

こんにちは、アルミンです

 

今日は馬術訓練で、皆で宿舎から少し離れたところにある乗馬訓練場にきています

 

ここに来る途中、突如としてエレンが朝食に残したパンをちぎりながら歩いていたのが少し驚きましたが、なんでも童話を読んだとかでそれをしておくと道に迷わないんだそうです

 

1本道でやっても意味がないことを教えると、これまで来た道に置いてきたパンを拾ってくると言い出したので止めるのに必死になったけど今日も僕は元気です

 

「おーくりすたはすごいなー!」

 

おや、エレンが馬の手綱を引いたクリスタに話しかけている

 

「クリスタの馬は賢いな!俺の馬は言うこと聞いてくれないぞ!」

 

いや、エレンの場合は馬に対して「飛べ!跳ぶんじゃなくて飛べ!」なんて無茶なこと言ってるから聞きたくても馬が聞けないんじゃないかな

 

「ふふ、ありがとうエレン、褒めてくれて」

 

「・・・?」

 

あれ?どうしたんだろうエレンは、怪訝な表情を浮かべているけど、お礼を言ってくれたクリスタにどこか変なところがあっただろうか?

 

「なんでクリスタがお礼言うんだ?」

 

「え?」

 

「俺はクリスタを評価してないぞ?」

 

え?

 

「クリスタも凄いのか?クリスタはすごい馬に乗ってるだけのおまけだと思ってたけど、違うのか?」

 

えぇぇえぇえぇえぇ!?

 

エレンは気づいてないのかもしれないけど結構ひどいこと言ってるよ!まずいもの!クリスタ目に涙ためてるもの!

 

「わ、私だって少しは頑張ってるよ?」

 

そうだよ!クリスタは馬術ではトップレベルの成績を収めているんだ!確かにクリスたの馬は毛並みも良くて良い馬であることは間違いないけど、良い馬は得てしてプライドの高いもの、そんな良い馬を乗りこなしているクリスタこそ本来は評価されるべきなんだ!

 

「自分で言えるなんてすごいな!俺は自分が努力してるのを他人に自慢することなんて出来そうにないや!」

 

え、エレェェエエェエェン!?

 

「じ、自慢とかじゃなくて」

 

「自慢じゃないのか?ならなんで今言ったんだ?俺に知っておいてもらいたかったのか?俺は知りたくなかったな、クリスタが自分の努力を他人に言うことで満足感を得る人間だなんて」

 

「ふぇ」

 

エレン!黒い!なんか今日の君は黒すぎる!おかしいよ!

 

そうだ、何かがおかしい・・・エレンがここまで長い言葉をかまずに言えていることも、エレンがこんなにも酷い言葉を並べていることも

 

でも涙目クリスタ可愛い

 

・・・そーじゃなくてえぇええぇぇ!

 

「え、エレンは、私のこと、嫌いなの?」

 

うわー、もうすぐにでも溢れ出しそうな涙だよ

 

というよりも教官含めたすべての訓練兵があの現場に視線と意識を注いでるよ

 

エレンに対する怒りが皆から溢れ出しそうだよ

 

「ん?好きだぞ?」

 

『え』

 

うわ、思わず声が出ちゃった

 

というかみんなして声が出ちゃった

 

キース教官に至っては止めようと踏み出した足すら忘れたかのような顔してるよ

 

ミカサは・・・

 

「死のう」

 

うん、止めてこよう

 

 

「クリスタはおかしいな、なんで俺がクリスタを嫌わなくちゃいけないんだ?」

 

「だ、だって、あんなに酷い言葉」

 

「ごめんなクリスタ」

 

「え?」

 

「涙目でオロオロしてるクリスタが見たくてさ」

 

『え』

 

また皆して口に出しちゃってるよ、いや僕もだけど

 

「笑顔のクリスタは大好きだ!」

 

「え、えぇ!?」

 

驚くクリスタ、ま、まんざらじゃなさそうだ

 

「でもな、そのクリスタの笑顔を俺が取り払うって考えたら、楽しくて楽しくて、へへへ」

 

「え、エレンっ・・・」

 

驚きを隠せずに後ずさるクリスタ、しかしそれにしては、嫌がっていない

 

むしろ、頬を赤くして、嬉しそうにも見える

 

幼さの残る笑顔で笑いかけるエレン

 

ど、どうしたんだ僕の幼馴染は、ドSに目覚めたのか?いや、そもそも何がどうしてエレンはあんなにも・・・

 

ん?ミカサが何かを書いた紙を僕に渡してきた・・・

 

『エレンは1ヶ月に1回、とんでもなく女たらしになるの

 

 今までは運良く訓練のない日だったから毎回私が街に誘い出して訓練兵の皆を

 

 巻き込まないようにしてたけど、今日は訓練が重なって・・・

 

                                 わかめ』

 

なるほど・・・最後の一文字だけ全力でわけがわからなかったけど、なるほど・・・

 

でも、これまで長く一緒にいた僕もそんなことになるのは知らなかった

 

いや、当たり前か、恐らくその時その時にミカサがなんらかのフォローを入れていたのだろう

 

そうか、今考えればエレンが1月に1回突如として天井から降下してきたミカサにボディブローを入れられて連れ去られていたのはそのためだったのか

 

で、でも、だとしても今のエレンはクリスタにひどい言葉を並べている最低の男じゃないか!女たらしになったにしては随分と・・・

 

その時だった

 

エレンが、目を細めた

 

口元を、薄くのばした

 

冷笑を浮かべたのだ

 

そこに、先程までエレンが見せていた幼さは消え去っていた

 

「クリスタ、ちょっといいか?」

 

そう言ったエレンは、突如としてクリスタの肩を掴んで顔を近づけた

 

驚いたクリスタは思わず目をつぶって硬直、まるで猫のようだ

 

エレンは肩に置いていた手をクリスタの体に沿って、つまりは首を撫でるように経由して頬へと持っていった

 

誰もが思った

 

『(KISSだ!KISSするつもりだ!)』

 

クリスタもそう思ったのだろうか、硬直して握った手がプルプルと震えている

 

エレンはそのまま顔を近づけていき

 

 

 

 

 

「ひゃっ・・・んっ・・・」

 

 

 

 

クリスタの耳元で唇を動かした・・・動かしたが、聞こえなかった

 

代わりに、クリスタのあどけない喘ぎ声が聞こえた

 

クリスタは顔を赤くして、肩を上下させて息している

 

目なんて焦点が定まってないんじゃないか?

 

なんていうか、す、すごいえっちな感じがする

 

一体何を言われたんだ・・・

 

エレンはさらに、今度は僕たちにもわざと聞こえるように

 

「今、クリスタ感じたろ」

 

も、もう僕の及ぶ範囲じゃない・・・!なんだあのエレンは・・・!

 

「なぁ、感じたんだろ?」

 

心の奥に浸透してくるような声だった

 

聞いているだけで腰が抜けてしまいそうになるような

 

「俺の言葉で」

 

クリスタが身を震わせる

 

「俺に虐められて」

 

エレンが言葉を並べながら、クリスタの背後へと回った

 

後ろから、クリスタの手をとると指を絡ませた

 

ぞ、俗に言う恋人つなぎだ・・・!

 

わざとらしく、その手をクリスタの目の前まで持っていく

 

まるで、自分がクリスタを所有していることを分からせるかのように

 

言葉を並べられるたびに身を震わせていたクリスタの視線は、目の前に掲げられたその手にだけ注がれていた

 

 

 

「馬鹿だな」

 

 

 

耳元で呟くように言われたクリスタは

 

次の瞬間、とろけきった笑みを浮かべてエレンに抱きついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1人目 クリスタ編 完

 

 




Mのクリスタがいいです

でもユミルが照れてるのがもっと好きです




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