記念として、リヴァイ兵長と小さなエレン(3歳)がであったらというものを書いてみました
状況を説明いたしますと
・エレンがちっちゃくなっちゃった→104期生とゴタゴタ(ここまで元々のお話)→夜の見回り(という建前で有力な調査兵団候補を確認しに来た)でリヴァイ兵長とエルヴィン団長登場→見慣れない子供発見→保護
記念小説 小さなエレンとリヴァイ兵長1
夜
二人の男と一人の少年が夜のトロスト区を歩いていた
あたりには未だ露店を開いている者など、多くの人がまだ見て取れる
「リヴァイ、あそこが今日の宿だ」
背の大きな男が一つの建物を指さして言った
白い壁にレンガの屋根、どこにでもありきたりな建物であったが、建物の扉付近には憲兵団の印が描かれている
リヴァイと呼ばれた男は鋭い目つきでそちらの方を睨むような目で見る
「おい、エルヴィン・・・ひとつ聞いていいか」
エルヴィンと呼ばれた男、先程記述した背の高い男がそれに答えた
「ん?どうした、なんでも聞いてくれ」
リヴァイは自分の手、詳しく書けば繋いだ手を一瞥すると前を向き直った
いや、向き直ろうとしたのだが
「へーちょ!さみぃ!」
繋いだ手の先にいる少年が眉尻を下げながら見上げてきた
そのため、リヴァイは腰をかがめて視線を合わせてやった
率直な意見はすぐに何が言いたいかわかる
リヴァイはそういった素直な子供は好きだった
「寒い?チッ・・・我儘なガキだな」
リヴァイは面倒くさそうにそういうと、自分の羽織っていたジャケットをかけてやった
受け取った少年は少し大きなジャケットの裾をぎゅーっと握り締めた
「ちょっとでけぇけどあったけぇ!」
掴んだ裾を顔に持っていき、布の感触を楽しむように頬をスリスリとすると、リヴァイに向き直った
「ありがと!へーちょ!」
夜にもかかわらず太陽を彷彿とさせる笑顔と感謝をリヴァイへと向けた
リヴァイは、純粋な感謝を向けられたのは久しぶりだった
それもあってなのか、胸に『来る』ものがあった
「・・・チッ、寒くないならいい」
リヴァイは立ち上がり、再びエルヴィンの方を向き直った
「すまないな、途中で会話をやめたりして」
エルヴィンはリヴァイを微笑ましいものを見るような目で見ることをやめて、口元に笑みを浮かべながら目を合わせた
「いや、ハハハ、人類最強も女性と泣く子には勝てないといったところかな?」
楽しそうに喉で笑うエルヴィンだったが、リヴァイの苛立ちを感じて即座に苦い顔をした
「・・・話の続き、いいか?」
リヴァイに言われ、エルヴィンは頷いた
「ガキ・・・いや、エレンだったか?こいつも泊まるってことだよな?」
エレンと呼ばれた少年は自分の名前に反応するように手をピンッと伸ばして挙手をした
が、誰にも気付いてもらえずしょんぼりした
「あぁ、今の時間から帰ることも不可能ではないが寒さとこの子のこと考えると今日はやめておいたほうがいいと思ってね」
エルヴィンの返事にリヴァイは中指と親指の腹を擦り合わせて熱を起こし、外気に触れさせることで寒さを確かめた
「・・・そうだな、確かに寒いようだ」
リヴァイはチラリとエレンの方を見る
目が合い、エレンの顔に笑顔が生まれる
すると、エレンは何かを見つけたのか目を大きく開いた後にリヴァイの顔をすぐさま見て
「へーちょ!りんごー!」
と、不思議な呪文を口に出した
「?(なんだ?ヘーチョリンゴ?こいつの名前・・・はエレンだし、ヘーチョリ・・・という鳥がいるのか?いや、鳥と決め付けるのは早い・・・まてよ)飯という可能性もある、となるとリンゴの種類か?クソッ、子供は言葉が足らねぇんだよ)」
リヴァイが何を言っているのか分からずに眉を寄せて考えをまとめていると、エレンの顔がみるみる青ざめていった
「へ、へーちょ、ごめんなさい」
「は?(そういえばこいつはさっきも俺のことをへーちょと呼んでいたな、となると、へーちょりんごってのは俺のりんごのこと・・・?しかし俺はリンゴなぞ栽培していない、どういうことだ?)」
ガクガクとリヴァイに怖がりながらもその恐怖を紛らわせるために恐怖の対象であるはずのリヴァイの服を強く掴んでいる
その様子を見てリヴァイにはバレないようにそっぽを向いて口元を抑えながら笑いをこらえているエルヴィンだった
「り、りんご・・・欲しくて・・・」
エレンがか細い声で言葉にする
リヴァイは何かを納得したような満足のいく顔をすると
「少し待ってろ」
・・・
「別にりんごを買ってくるわけじゃねぇぞ・・・」
期待を込めた瞳で見てきたエレンに杭を刺して市場の方へと向かっていった
「ぶふっ・・・く、くふふはは」
エルヴィンは声を押し殺そうとしながらも笑いが漏れてしまっている
エレンは手元が寂しくなったのか、笑いをこらえているエルヴィンのもとまでトテトテと歩み寄り足元に抱きついた
「ぎゅー」
口で効果音を出しているものの、抱きつかれているエルヴィンからすると握力が加わっているのかもわからないほどに弱々しい『ぎゅー』だった
「ふふ、エレン、寒いだろうけどもう少し我慢していてくれ」
エルヴィンはエレンの頭に手を置くとわっしわしと頭を撫でた
「うわぁ、や、やめてよ~」
いやいやと素振りを見せるものの、頭を撫でられるのが気持ちいのかエレンは目を猫のように細めて段々と拒否の姿勢がなくなっていった
「~♪」
エレンがエルヴィンからのナデナデを楽しんでいると、リヴァイが戻ってきた
「よう、なんだお前ら、親子みてぇだな」
手に紙袋を持ったリヴァイは戻ってくるなりエルヴィンを呆れたような瞳で見た
「はは、エレン、私が父親だとしたらリヴァイは母親になるのかな?ははは」
エルヴィンの言葉に軽い吐き気を覚えながらもリヴァイは一言
「行くぞ」
ふたりは一度目を合わせると、歩を憲兵団の印の書かれた家屋の方へと進めた
扉の前まで来た時だった
「重いな」
?
エルヴィンとエレンは何を言っているのかとリヴァイを見つめる
「重い、あぁ重いな・・・おいエレン、これを持て」
そう言ってリヴァイはエレンに紙袋を渡した
紙袋に入った赤い何かがゴロと音を立てる
「それに腹もいっぱいだ・・・ふぅ、仕方ない、エレン、俺の余りもので悪いがお前にそれをやろう」
「ブフゥッ!」
思わず吹き出したエルヴィン
それもそうだ、先程はリンゴをあげないと言っていたリヴァイが、こんなにも遠まわしな方法でエレンにりんごをあげようとしているのだ
「いいの?いいの?」
エレンが両手で抱えるように紙袋を持って嬉しそうに跳ねている
「・・・あぁ、楽しんで食えよ」
リヴァイは頬を少し、注視してもわからないほどにホンの少し染めてそっぽをむいてそう言った
「へーちょだいすき!」
「っ!」
一瞬目を大きく見開き、リヴァイは大きく咳払いして
「さ、さぁ、早く部屋を借りるぞ」
焦ったようにそう言って、建物の中へと入っていった
続くように入っていったエルヴィンは
「ッ~~~!」
口を大きくふくらませて口元に手をやって顔を赤くして、それでも我慢できないレベルまで笑いをこらえていた
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ってなわけで記念小説1!これからお気に入り登録が5増えるたびに進んでいきますのでお楽しみに
次回は大人版エレンのサシャエンドを書いていきますのでそちらもお楽しみに!