エレン「なんだこの飲み物?」   作:スペイン

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リヴァイ班の朝は早い

とは言っても早いのはごく一部の人間だ

今回はオルオという男の朝を見ていこう




超記念小説 リヴァイ班の日常

朝、目が覚めた彼はカーテンを開ける

 

部屋の壁の一部に四角い窓が添えられていて、クリーム色のカーテンがしかれている

 

両手でカーテンを掴んだ彼はふすまを開くときのように両端へとカーテンを追いやる形でそれを開いた

 

この時、カーテンを勢いよく開けるとカーテンの端の部分が窓枠で擦れて傷ついてしまいやすいためゆっくりと開ける

 

陽が差し込んでくる東側の部屋は彼がどうしてもと頼み込んで割り当ててもらった部屋だ

 

理由もきちんとある

 

彼はカーテンで隠す形で窓際にあるものを置いていた

 

ジョウロである

 

古代の生物として文献に残っていた”ゾウ”の形をした優しい緑色をしたジョウロは何を隠そうリヴァイからの贈り物だ

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

去年のオルオの誕生日、オルオに何か贈ってやろうと考えたリヴァイはそのことをハンジに相談した

 

するとハンジは「彼は知識欲旺盛だからね!何か見たことのない生き物をかたどったものをあげたりすると喜ぶんじゃないかな?」と答えた

 

ちなみにオルオが知識欲旺盛という情報は完全にハンジの出まかせだ

 

しかし、リヴァイはそれに気づかないままに誕生日プレゼントを求めて街に繰り出した

 

探せど探せど見つかるのは犬や猫の置物や宝石細工、時折見かける見たことのない生き物のペンダントなどもあったが”ゴキブリ”という響きがどうにも好きになれなかったリヴァイは購入を断念した

 

せめて花を贈ろうと思い立ち寄ったFlowerArrange~Fregrance~というお店で店先に並ぶ綺麗な花達の隅、小さなサボテンの横にそのジョウロはあった

 

まず惹かれたのは可愛らしいデザインだった

 

手にとったリヴァイは神妙な面持ちでそのジョウロを様々な角度から見てみることにした

 

U字型のカーブを描く鼻のようなパーツが特徴的で、ずんぐりとした足がこれまた可愛らしかった

 

目元を見てみれば大きくて丸い瞳と目を合わせることになる

 

口元はにっこりと笑っており自然とリヴァイも笑みがこぼれた

 

その笑みを見て店員さんが「ひっ」と短い悲鳴をあげたのは目元が笑っていなかったせいだろう

 

背中にあたる部分には取っ手がついており、持ち運ぶ際にも不便さは感じないだろうと予見できた

 

「ほう、悪くない」

 

リヴァイはそれを店員に「買いたい」と申し出ると

 

「えっと、ジョウロだけだと宝の持ち腐れになってしまうのでもしよければ花もご一緒にいかがでしょうか?」

 

差し出されたのは隣に置かれていたサボテンだった

 

一見するとチクチクとしていて怖いサボテンだが、リヴァイの目には自己主張を頑張っている少年のようにも見て取れた

 

「問題ない、値はいくらだ」

 

店員は紙にパパパっと計算を書くとその結果をリヴァイに見せてきた

 

「2000エンか…たしか財布に5000エンあったはずだ…」

 

そういって財布を開いたリヴァイは悩んだ

 

財布の中には2000エン札と1000エン札しかなかったのだ

 

「(ちっ…なんてことだ…)」

 

現在、壁の中で紙幣として発行しているものは1000エン、5000エン、10000エンだ

 

2000エンも昔は多用されていたのだが、1000エンを2枚払えば良いだけならば無理に持っている必要もないと判断され、生産が取りやめになったのだ

 

なので、現在2000エンはとても貴重な紙幣であり、特にそれを集めているわけではない人でさえも使うことをためらうものになっているのだ

 

リヴァイの頭の中で天秤が傾く

 

オルオの誕生日 と 2000エン でだ

 

2000エンをハンジやエルヴィンに見せびらかしたい気持ちと、オルオが「ありがとうございます兵長」と言っている姿を交互に連想する

 

段々と濃い霧がかかって見えなくなったのは…

 

「ありがとうございましたー!」

 

リヴァイはこうして、ゾウのジョウロとサボテンを購入

 

後日このプレゼントをもらったオルオは彼のものとは思えないほどの滑舌の良さでお礼を言ったのだという

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そのジョウロを手に取り、窓を開けてそこに置かれた植物へと水をやる

 

無論、サボテンだ

 

なぜこのように隠す形で置かれているか、というと

 

「俺が兵長からもらったものをなんで他人に見せにゃならんのだ」

 

というどうでもいい理由だったりする

 

しかし本人曰く、自分だけが知っているサボテンの成長を記録することが日課になってきていて、毎日ごくわずかな変化を見つける、ただそれだけのことが楽しく思えてきたのだとか

 

水やりを済ませ、彼は寝巻きにしていた白いYシャツを脱ぎ新しいYシャツを着る

 

手に調査兵団の服を持って洗面所まで向かい、鏡とにらめっこしながらその日一日を過ごす髪型を整える

 

洗面所を出る際に忘れずに調査兵団の服を着る

 

彼が言うには、時折着るときに昔のことを思い出すのだという

 

彼の訓練生時代の姿がまるで想像できないのは私(筆者)だけではないと思うのだがどうだろうか

 

そんなこんなで、彼の朝は食事へと移る

 

食事のために階段を降りて食堂へと向かうと、リヴァイが割烹着(かっぷぎ)姿をして小皿を口元に運んでいた

 

小皿には黄金色の液体が見受けられることからも朝食に出すスープの味見をしているのだとすぐにわかった

 

今日の朝食も美味しそうだ

 

彼の1日はこうしてはじまる

 

 

 

        強い兵士の

                    なんてことはない朝

 

 

 

 

 

「おはようございます。兵長」

 

 

 

 

 

どこか嬉しそうにそう言った彼に

 

 

 

 

 

 

「あぁ、おはよう」

 

 

 

 

 

そう返してくれる人がここにはいる

 

 

 

 

 

「おはよう、オルオ」

 

 

 

 

 

「ようオルオ」

 

 

 

 

「早いなオルオ」

 

 

 

 

そう言ってくれる人が

 

 

 

ここにいる

 

 

 

 




風が強いとね、時として人の家には木の枝が突っ込んでくるのですよ

はい、すこぶる不幸でした

でもこれだけは言わせてもらう!

病院食ってのはうまいんだ!
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