神室町の伝説とガールズバンド   作:ガリュウ432

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1話 堂島の龍とpoppin'party

時系列的には6終了後の、桐生の存在が消えずに残り、沖縄に戻った場合のパラレルです。6が終わってからしばらく経ってます。作者のほかの龍が如くシリーズとは関係ありません。基本的には神室町とCiRCLE周辺を舞台とします。

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ー沖縄 夕方ー

 

桐生は長い入院を終え、沖縄に帰っていたが、生憎アサガオの面子が修学旅行に行ってしまい、桐生は暇していた。

 

「・・・暇だな。」

 

「ええ暇っすね。兄貴。」

 

勇太も暇をしている様子だ。

子供に対してあれかもしれないが、毎度毎度アサガオの子供たちが買ってくるお土産は謎のセンスがある。

そんな他愛のないことを考えていたら見慣れた名前から電話がかかってきた。

 

「・・・真島の兄さんから・・・?」

 

「えっあの人からっすか?」

 

「ああ・・・。ろくなことじゃないとは思うが・・・。」

 

何だろうか。あの人は基本メールで済ます人だ。電話ということは何かあったんだろうか。

 

「もしもし。」

 

『よう桐生ちゃん!元気しとるか!!』

 

「そっちも相変わらずだな、真島の兄さん。」

 

『そんな訳あるかい。ワシは桐生ちゃんと喧嘩ができんで、退屈しとるんやで!』

 

「それは無理な話だ。東京に行く用事もないしな。」

 

『いや、それやねんけどな。ちょっと手伝って欲しいんや。』

 

「なに?悪いが抗争とかは・・・」

 

『いやそんなんちゃうねん。会場設営を手伝って欲しいんや。』

 

「会場設営・・・?」

 

真島の兄さんからはこうだ。神室町の劇場前広場であるバンド達のライブがあるらしい。それの会場を真島組、まあ真島建設が引き受けたらしいのだ。しかし、明日設営というのに組員の殆どが体調を崩す、家族との用事などで来れないらしい。人数不足で困っているから俺に助けを求めたというわけだ。

 

「冴島とか、秋山にも頼めばいいじゃないか。」

 

『アホ!お前で5人目じゃ!』

 

「5人目・・・?」

 

『冴島の兄弟、秋山、それに谷村、品田、+桐生ちゃんで5人や。』

 

「いやいや2人はいいとして谷村は警察が忙しいだろうし品田は東京に来る金がないだろう。」

 

『谷村は明日非番で駄賃やる言うたらすぐなびきおったわ。品田は飯と交通費と駄賃やる言うたら食いついた。』

 

(それはどうなんだ・・・。)

 

『まあ礼はする。どうせ子供の声が聞こえんちゅうことは修学旅行かなんかで子供ら全員出張っとるんやろ?戸締りと連絡だけして、こっち来いや!ついでに例のあの弟分も連れてきいや!』

 

ブツップーップーッ

 

「相変わらず滅茶苦茶な人だぜ・・・。」

 

「兄貴、何だったんすか。」

 

「ああ、かくかくしかじかでな。」

 

「まるまるうまうまなわけっすね。」

 

「いや2人で何言ってるの・・・。」

 

あ、遥が洗濯から戻ってきたみたいだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「真島のおじさんから?」

 

「ああ。バンドのライブの会場設営を手伝って欲しいらしい。しかも、『ガールズバンド』?ってやつらしい。」

 

「マジっすか!?そんな今流行りのやつらが神室町に来るんすか!?」

 

「おじさんそれ本当!?」

 

おおう夫婦揃ってびっくりするな。こっちまでびっくりする。

 

「なんだ、知ってるのか?」

 

「逆に兄貴、知らないんすか?ガールズバンド。」

 

「ああ。」

 

「ええ・・・。おじさん、流行りものくらいは押さえとこうよ・・・。」

 

「む、むぅ・・・そうか・・・。」

 

「ガールズバンドといったら全国のバンドをやってる女子高生達のことを総称している言葉っすよ。どんなバンドがくるかも分かってるんすか?」

 

「ああ、ある程度な。5組来るらしい。」

 

「poppin'party、Roselia、Pastel❀Palette、After Glow、ハロー!ハッピーワールド・・・!?すごいよおじさん!今をときめくバンドが来るよ!」

 

「これマジモンっすよ!」

 

「そんなに凄いのか・・・?」

 

「ええ、行けるなら行ったほうがいいっすよこれは!」

 

「おじさん羨ましいなぁ・・・!」

 

・・・・・・。

 

「・・・お前達も来るか?」

 

「マジっすか!?」「ホント!?」「あー!」

 

ハルトまで!?

 

ー夜 東京 神室町ー

 

「よう真島の兄さん。」

 

「よっ桐生ちゃん!おっ、遥ちゃん、それに宇佐美ちゃんも来とんな!てかくんの速!」

 

「ご無沙汰してます!」

 

「お久しぶりです、真島のおじさん。」

 

「ハルトちゃんも久しぶりやのー!」

 

「キャッキャッ」

 

ハルトは真島の兄さんを怖がらない。・・・というか東城会の知り合いの強面の顔全員見ても怖がらなかったんだよな。流石遥の子供というべきか・・・。

 

「ほな、今日は別にすることないから自由にしててええで。明日、集合場所に遅れへんかったらええから。あっちなみに真島の兄弟はセレナにおると思うわ。行くなら寄ってみ。それじゃほな!」

 

そう言うと真島の兄さんは颯爽と去っていった。

 

「じゃあ2人には悪いが先戻っててくれるか?俺は幾つか挨拶に回っときたいんでな。」

 

「分かりました、それじゃ先ホテルに戻っときますね。」

 

「おじさん、気をつけてね。」

 

「ああ。戻り道気をつけろよ。勇太、なんかあったら頼むぜ。」

 

「勿論です!兄貴!」

 

・・・あの時、本当に伊達さんには感謝しなくてはな。俺は本当に自暴自棄になっていた。自分の存在を消してしまう覚悟でいた。・・・でもそれは沖縄にいる家族を幸せにしない決断だと気付かせてくれたのは伊達さんだったな。感謝してもしきれねえぜ。

そんなことを考えていたら、ニューセレナについていた。

 

カランカランッ)

 

「いらっしゃ・・・、あら桐生さん!?」

 

「っ!?桐生!?」

 

「おう、桐生やないかい。」

 

「久しぶりだな、伊達さん、ママ、冴島。」

 

「どうだ、あの後からの沖縄での暮らしは。」

 

「良くしてもらってるよ。何も変わらず、みんなと接している。勇太もみんなに歓迎されていたさ。新生アサガオとして、頑張ってるさ。」

 

「そりゃ良かったわ。桐生が旦那いびりしてないか、心配やったわ。」

 

「冴島、そりゃねえだろ。」

 

「いや有り得るな。お前ここで、『1発殴ってやらなきゃ気がすまねえ』つってたじゃねえか笑」

 

「それは流れの問題でだな!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

少しの酒を飲んだ後、秋山にも挨拶をしなきゃならないので引き上げる。

 

「ありがとう3人共。」

 

「なんだ?もう上がるのか?」

 

「ああ。秋山にも挨拶しときたいからな。」

 

「そうか。ほな桐生、また明日な。」

 

「ああ。」

 

バタンッ

 

「・・・あした?おい冴島、明日なんかあんのか?」

 

「アレや。何やったっけ・・・?ライブ・・・や。それの設営を手伝うんや。」

 

「劇場前広場のか?そうか、あれもう明日の夜か。」

 

「下見に来てるバンドもおるやろなぁ。」

 

「までも神室町だからな。治安が悪いことには違いねえから、気をつけねえとな。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

知り合いってのもいいもんだな。

 

「姉ちゃん達、俺と遊ばない!?」

 

「いやあの・・・、私たち帰らないと・・・。」

 

いつでもいるんだな神室町には。

 

「そんなこと言わずにさぁー!」

 

「おい離せよ!香澄が嫌がってんだろ!」

 

金髪の少女が振り払い、男を押す。

 

「・・・おい姉ちゃん。何してくれてんの?女だからって調子乗ってっと痛い目見るぞ?」

 

「やってみなよ・・・!」

 

「ちょっ有咲・・・!」

 

「このアマが・・・!これでも喰らえやぁ!!」

 

パシッ

 

「・・・えっ?」

 

全く・・・。

 

「女に手を上げるところを見せられて、止めねえわけにはいかねえよな。」

 

「っ!!なんだよオッサン!てめぇには関係ねえだろ!」

 

「関係あろうがなかろうが、この子達が困ってんだ。いいからさっさと消えろ。」

 

「あれあれー?そんなくちきいていいのかなぁー?俺らここら一帯で強いことで有名なんだぜ?」

 

「そんな強えヤツらが女に手え出すとか、軽い名声だな。」

 

「・・・、なに?ひょっとして馬鹿にしてんの?」

 

「ひょっとしなくても、俺はてめえらがこの子達に絡んでんところを見た瞬間からバカにしてたんだが。」

 

「てめぇ・・・!」

 

「おい、下がってろ。」

 

「は、はい・・・。」

 

「みんな、行くよ・・・!」

 

タタタタタ・・・

 

「もういい!女は後回しだ!テメェら!このおっさんぶっ殺すぞ!」

 

ータチの悪い男ー

 

「喰らええっ!!」

 

「・・・(なんだこのパンチ・・・。)」

 

ヘロヘロのパンチを見切り、(見切るまでもないが)背後に回り込んだ後にラッシュコンボからのフィニッシュブロウを入れる。

 

「オラァッ!!」

 

男は情けなく吹っ飛ぶ。

 

「もう終わりか?」

 

「馬鹿め!どこ見てやがる!」

 

後から男が襲いかかる!

だが桐生は一瞬の攻撃のスキをついて振り返ったその瞬間にラリアットを当てた!

古牧流・無手返しだ。

 

「ひぃぃぃぃぃ!!?」

 

残りの男が腰を抜かす。

 

「ごめんなさいごめんなさい!もうしません!」

 

「ナンパはてめぇらの勝手だが、女に手ェ出すんじゃねえ。それも見ず知らずのだ。あんなもん見せられて不愉快にならねえ奴はいねぇ。・・・二度と顔を見せるな。」

 

「はいいい!!ごめんなさいぃぃぃぃぃ・・・!!」

 

男達は情けなく逃げていった。

 

「・・・変わらねえな。」

 

「あ、あの!」

 

声をかけられたので振り返る。そこにはさっき、ナンパされて困っていた5人だった。

 

「「「「「助けてくださってありがとうございました!」」」」」

 

「いやいい、気にするな。それよりも、この街は治安が極端に悪いぞ。特にこの時間帯はあまり立ち寄らない方がいい。お前ら、まだ学生だろ?なんで神室町にいるんだ?」

 

「私たち、ガールズバンドなんです。明日、ライブなんで下見しとこうと思って・・・。それで帰りに・・・。」

 

髪の毛が猫耳みたいなヘアスタイルの子がいう。

・・・そういえばこの5人・・・。

 

「・・・もしかしてお前ら・・・。poppin'party・・・とやらのバンドか?」

 

「えっ!?はいそうですけど!なんで・・・。」

 

「ああ、明日ライブ会場の設営やらをやるんでな。多少知ってるんだ。ポスター渡されただけだからもしかしてと思っただけなんだが・・・、まさかその当の本人たちとはな。」

 

「ええ、私達もびっくりしてます。まさか名前を知ってくれてる人がいるなんて。・・・早いですけど自己紹介しときます?」

 

「ああそうするか。俺は桐生一馬だ。桐生でいい。」

 

髪の毛が猫耳みたいな少女から自己紹介が始まった。

 

「ボーカルとギターの戸山香澄です!よろしくお願いします、桐生さん!」

 

「ああ、よろしく頼む。」

 

「あっそうだ。連絡先交換しときましょう!」

 

「え?何故だ?」

 

「明日用ですよ!何かあった時に連絡用として。」

 

「ああそうだな。」

 

「LINEでいいですか?」

 

「(らい・・・?)あ、コレか。ああいいぜ。」

 

「一瞬桐生さんLINEがなにか分かってなかったよな・・・。」

 

「有咲、そこ突っ込んじゃいけないとこだと思う。」

 

次は黒髪の大人しそうな少女。

 

「ギターの花園たえです。よろしくお願いします、桐生さん。」

 

「ああよろしく頼む。」

 

「それにしても桐生さん、只者じゃないんですね。」

 

「!?(まさか・・・、根っからねカタギじゃねえって気付いたのか?いや女子高生だぞ・・・!?)」

 

「なにかスポーツやってらしたんですか!?」

 

「え?」

 

「桐生さん豆鉄砲喰らったね。」

 

「どんな質問来るって思ってたんだろ・・・。」

 

次は・・・、常香澄の後に隠れてるな・・・。

 

「う、牛込りみ・・・です。・・・よ、よろしく、お願いします・・・

き、桐生さん・・・。」

 

「ひょっとしなくても俺は怖がられているのか・・・。」

 

「まあ厳ついの確かですし。」

 

「香澄、もう少しオブラートに包もう・・・?」

 

たえからのツッコミが入る。

次は茶髪の元気そうな少女。

 

「ドラムの山吹沙綾です。よろしくお願いします、桐生さん。」

 

「ああ、よろしく。」

 

「紗綾のところのパンはとても美味しいですよ!食べに行ってみてください!」

 

「ああ、ぜひ来てください!」

 

「あ、ああ・・・。(何処にあるんだ・・・?)」

 

最後に、さっきチンピラに反抗した、金髪の少女だ。

 

「市ヶ谷有咲。よろしく。桐生さん。」

 

「ああ、よろしく頼む。」

 

「桐生さんには普通の口調なんだね。」

 

「どういうことだ?」

 

「ちょっ!それ今言わなくていいだろ!」

 

「?」

 

「まあまあ桐生さんわかってない感じだしいいじゃん・・・。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「じゃあ明日はよろしくお願いします!」

 

「ああ。明日ここに来る途中も気をつけるようにな。日の高いうちに来た方がいいぞ。」

 

「はい、ありがとうございました!」

 

そう言うと5人は帰っていった。

 

「・・・さて、秋山のとこに挨拶に向かうか。」

 

to be continued…

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