ー東京駅ー
「ふぅー。着いた着いた。」
今日は休み(お前は年がら年中休みだろとか言わないで)だが、俺は今、久しぶりに神室町に向かっている。
まあ理由としては真島さんに呼び出されたからだね。とはいえガールズバンドのライブを神室町でやるなんてねぇ。
「危険極まりない行動なんじゃないのこれ・・・?」
あっ補足しておくと俺今はそこまで金ないってわけじゃないからね。貧乏なのは変わってないけど借金には追われてないし、どちらかというと安定してる方だよ。
「今日は交通費も出てるしね〜。」
さてと、タクシーを拾うか。ってあっ。珍しい。ワゴンタクシーだなんて。
「へい、お客さんどちらまで?」
「神室町までお願いできます?」
「構わないけど・・・。お客さん運がいいねー。ついさっき俺、あのガールズバンドのAfterglow?だったかな?を神室町に送ったんだよ。」
「へぇ!そりゃあまた!」
「兄ちゃんも見に行くんだろう?」
「見に行くって言うよりかは運営側ですね僕は。」
「それもまた運がいいじゃないか!仲良くなってきな!女っけなさそうだし!」
「んぐぅ・・・、なんでわかったんですか・・・。」
「男は雰囲気でわかるもんだよ。」
この運ちゃん・・・。強い。
ー神室町ー
予想以上に早く着いちゃったな。
「どうしますかねぇ・・・。」
と歩いていて目に付いたのはバッティングセンター。
するとすれ違った人達が喋っている内容が聞こえた。
「なあ!さっきバッセンにいたのガールズバンドじゃね?」
「そんなわけないだろ。・・・マジで?」
「・・・マジで。」
・・・なんでまたバッセンに?
まあいいや。時間つぶしがてら、何本か打っていきますか。
ーバッティングセンターー
「さってと今日の景品はっと・・・。」
プロフェッショナルコースは・・・。
レスポール・・・?あぁ、ギターの型だっけ?
んー・・・、売れば金になるかなぁ?
ま、やってみますか。っと先客?女の子だ・・・。
「ふっ!」
カキャンッ
「おー、当たってきたねー。」
「・・・でもダメ。もう来ない。つぐみ、今何時?」
「まだ全然時間あるよ。」
「・・・どうしよ・・・。」
「やっぱ欲しいのか?あのレスポール。」
「・・・ん、まあ・・・。」
「限定版だもんねー。」
「まさかこんな所で出会えるとは思わなかったのよ。」
・・・まあ次やらせてもらおうかな。
「ごめん、話し込んでるとこ割り込むようで悪いけど、次、入っていいかな?」
「あっ、どうぞ。すみません、話し込んでて。」
「いや、いいよいいよ。」
ま、10本打てればいいかな?
「そういえばあの人、すっごいガタイよかったよね!」
「そう言われれば凄くがっしりしてたな。」
「すごい見た目では打てそうー。」
「たしかに分かるかも、」
カーンッ!!
「「「「打った。」」」」
バァンッ
「「「「ホームランだ。」」」」
「・・・すごい。」
「蘭も絶賛ー。でもすごいねー。1発目ホームラ」
バカーンッ!!
「「「「「また打った。」」」」」
バンッ
「「「「「またホームラン。」」」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「すげぇ・・・。今んとこ全球ホームランだ・・・。」
「次ラストかな?」
バシュッ
(っ!!キレのあるカーブっ!?パーフェクト・・・逃すか!!)
シュウウウウ・・・
グウワキーンッ!!!!!
バァンッ
「いぃっよっしゃあっ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「本気喜びー。」
「兄さんやるねぇ!ほらこれ!景品だ!持ってきな!」
レスポールの限定版を手に入れた。
「さてと・・・。はい、これあげる。」
「え・・・?」
「いやー多分だけど君たちガールズバンドでしょ?後ろのギターのカバンとかベースのやつで思ったんだけど・・・。違ったかな?」
「いや、そうですけど・・・。いいんですか?」
「うん。俺、ギターわかんないし、このバッセンに来たのも時間潰しだったしね。俺がそれ持ってるよりかは君が持ってた方が良さそうだしね。」
「あ、ありがとう・・・ございます。」
「蘭の嬉しそーな顔ー。」
「そ、そんな顔してないし!」
「口角上がってるぞ?」
「そ、そんなことないし!!」
「あっはは!素直に喜んどこうって!」
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「ありがとうございます。」
「いやいや、何度も言わなくていいって。さっきの理由もそうだけど、まあ俺からのよろしく的なプレゼントだと思って。」
「え?」
「よろしく的な・・・?」
「そう。俺、今回のライブの役員だからさ。まあ偶然とはいえって感じだけど。」
「じゃあ自己紹介しとこうよ!アタシ達のライブを支えてくれているんだし、困ったことがあったときに聞けるじゃん!!」
「そうだね。俺は品田辰雄だよ。まあ適当に呼んで。」
まず最初はさっきのギターをあげた赤メッシュの子。
「美竹蘭・・・。Aftergrowのギター、ボーカル担当です。よろしくお願いします。」
やっぱりギター担当とは思ってたけど、ボーカル担当でもあったのか。
「ああ、よろしく。・・・まだ嬉しそうだね。」
「そ、そんなことっないですよっ・・・!」
顔からダダ漏れである。
次は・・・うん。優しそうな普通の子。
「羽沢つぐみです!えっと、キーボード担当です。よろしくお願いします。」
「ああ、よろしくね。」
・・・・・・。
「あっ終わりなんだ!?」
ピンク髪の子がつっこむ。
「いやまあ普通の自己紹介ということで・・・。」
「そうそう。」
次はワインレッド色の髪色の子。
「ドラム担当の宇田川巴だ。よろしく頼む。」
「うん、よろしく。」
「品田さんは凄くガタイがいいってさっき話題になってたんだけど、スポーツを何かやってたのか?」
「(まあそうか・・・そうだよな。)いやまあちょっと野球をね。なんだかんだバッセンだけ行ってる感じかな?」
「それでもパーフェクトは凄いよ。流石だな!」
「ああ、ありがとう!そう言って貰えると嬉しいね。」
次は銀髪の女の子。
「ギター担当の青葉モカでーす。モカちゃんでいいよー。好きなものはパンでーす。よろしくねー。」
「よ、よろしく。(すごい軽い子だなぁ。)」
「まあ、、モカはこれが通常運転なんです。」
蘭ちゃんからの言葉。
「なるほど。」
最後にピンク髪の子。
「ベース担当の上原ひまりだよ!よろしくね品田さんっ!!」
「ああ、よろしくひまりちゃん。」
「品田さんバッティング凄かったです!アタシ感動しました!」
「ああ、ありがとう。そう言われると嬉しいかな。」
「・・・?なんで今少し悲しそうな顔を?」
つぐみちゃんから言われた。
「・・・そう?気のせいじゃない?」
「それならいいんですけど・・・。」
はは。この子達には何も関係ないからね。
「ん、もういい時間だね。そろそろ会場に向かおうか。」
「そうですね。」
ーバッティングセンター前ー
「ちょっと待ちな兄ちゃん達。さっきレスポールを手に入れてたよなぁ?あれ俺が手に入れるもんだったんだけどさぁ・・・。」
「・・・。みんなこれガン無視でいいから。」
「おー、ガン無視ー。」
「いやおい・・・。」
「設営ってどれくらいしんどいかなー?」
「まあ割ときついんじゃないか?」
「まあ飯出るしいいかな?」
「おい待てよ!!ここ通りてえんならさっさとレスポール置いてけってんだよ!!」
「このギターは俺からこの子にあげたものだよ?あんたがどうこう言えたことじゃないの。」
「てめぇっ!!」
バキィッ
「あっ!?」
「品田さん、大丈夫ー!?」
「全然。屁でもないね。みんな、離れておいて。・・・それと、あんた、手ぇ出しちゃったね。・・・後悔しないでよ?」
ーVS チンピラー
「はっ!やかましい!もう1発くれてやる!」
グアッ!!
ガシィッ
「甘いよっ!!」
飛んできた拳を受け止めそのまま胸ぐらをつかむ。
「せぇいやっ!!」
そしてそのまま蹴飛ばす。
「けっ!クソが・・・ッ!」チャキッ
「うえっ!?ナイフ!?ちょ、それはせこくない!?」
えーとなんかないか・・・。・・・前と似たような棒がこんな所にも。
「まあいいや!これで五分五分だね。」
「へへ・・・!死ねやぁ!!」
カキィッ
ナイフを棒でいなし、そのまま下から殴り上げる。
「がぁっ!?」
男はあっけなく浮き上がる。
「行くよ・・・!せえいやっ!!!」
グアキンッ!!!!
「ぐわあああああっ!?」
「おー、よく飛んだー。」
「品田さん戦いも強いの!?」
「すごい・・・。」
「なんというか、すごいフィジカルだな・・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「す、すみませんでした・・・。」
「もうこんなことしないようにね。」
「は、はぃぃ・・・。」
「さ、時間取られちゃったね。会場に行こうか。」
「ええ。・・・それで品田さん・・・。」
「なんだい、蘭ちゃん?」
「さっき咄嗟に拾ったはずの棒なのにあんな素早く・・・?」
「まあ俺は武術とかやってはないんだけどさ。野球人なのかものを大切にするんだよね。だからかなぁ?だから蘭ちゃんにすんなりギターを渡せたのかも。」
「え?」
「音楽を本気でやってる人ってさ、身の回りのものを大切にするんだよ。楽器もそうだし、仲間も、友達も、身内も。そのギターケースだってキズはあるとはいえちゃんと綺麗に保ってる。だから思ったんだよ。『このギターはこの子が持つべきだ、俺なんかが引き受けていいものじゃないって。』」
「なんか・・・、プロフェッショナルって感じだな!」
「はは、懐かしい響きだなぁ。」
「・・・なんかのプロだったってことー?」
「あ、口に出てたか。・・・俺、プロ野球選手だったんだ。『1日』だけね。」
「やっぱどおりで・・・って1日だけ!?なんで!?」
ひまりちゃんを中心にみんなが驚く。まあだよね。
「・・・まー色々あってね。でも野球に対する情熱は確かだったつもりだし、手を抜かなかった。だから1日だけでもプロに入れたと思ってる。みんなもやるなら高みを目指すといいと思うよ。・・・高みへの道を掴んだ時から、世界が変わるからね。」
「・・・なんか品田さんカッコイー。」
「ああ、そうだな。輝いて見えるよ!」
「ありがとう。美人に行って貰えると嬉しいな!」
ガンッ
「っつぅ〜ッ・・・!!」
「褒めた途端に電信柱にぶつかった・・・。」
「大丈夫ですか・・・?」
つぐみちゃんにもひまりちゃんにも心配された・・・。
「・・・実はこんな人なんだよね・・・。」
そう言ったら少し5人は微笑んで
「「「「「まあ見た目からそうかなぁと。」」」」」
「それ酷くない!?」
to be continued…
つぎ、出会い編終わり。秋山とPastel*Paletteです。『現役アイドル』と何かと関係ができる秋山さん。