神室町の伝説とガールズバンド   作:ガリュウ432

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龍が如くスタジオ、新作発表記念回です。
まあこれで誰が出てくるかある程度わかったかも知れませんが。
まあこの回限定にするつもりですし、龍が如くキャラとの繋がりもまだわからないですしで、まりな以外との出会いにはしません。
バトルスタイルは体験版時点のものです。


EX9話 ライブ当日 side月島まりな

ーガールズバンドフェスティバル当日ー

ー開始1時間前ー

 

CiRCLEの店長兼オーナーである月島まりなは自分のスタジオで練習しているバンドのライブを見に行くべく、1人、神室町に来ていた。

しかし・・・。

 

「予想通りとはいえ、迷っちゃったなぁ。」

 

真島さんが初めてうちに来たとき、迎えに来てくれって頼んどくべきだったよ・・・。たはは・・・。

 

「けれど、迷ったのも問題だけど治安が悪いことで有名だからね・・・。できるだけ大通りを通ろう。」

 

いままりなが居るところは中道通り裏。すこし入り組んでおり、あまり安全とは言えない道だ。神室町の中で、安全な道というのは無いに等しいが、路地裏というのは特に危ない。・・・しかしそこはやはり定石通り怪しい男がまりなに目をつけていた。

 

(アイツだな・・・!ヒヒ・・・。)

 

しかしその後ろにも、パーマ気味のミドルヘアーの男が立っていた。

 

「見つけた。アイツだよね、海藤さん。」

 

『そうだ。もう直に目の前にいる女に手を出すだろう。・・・そうそうそいつはサクラじゃねえぞ。少しばかりそのへんも考えろよ、ター坊。』

 

「分かってるって。」

 

ター坊と呼ばれた男は仲間と協力し、とある事情で前にいる男を追っているのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここを抜けた先が、大通りっぽいしさっさと行こーっと。」

 

大通りに出ようとしたその時、まりなの腕を何者かが掴み、路地裏のさらに裏へと連れ込んだ。

 

「きゃっ・・・!?」

 

「声を出すな・・・。」

 

口を抑えられる。

 

(なっ、何この人・・・!?怖い怖いッ・・・!?)

 

「ダメだよお嬢ちゃん・・・。こんな町を一人で歩いてちゃあ・・・。襲われちゃうよォ・・・?・・・俺みたいな人に!」

 

財布を盗ろうとしてるのか、それとも『そういう』ことをするのか。はたまた両方なのか。

得体の知れなさからか、まりなの顔がみるみる青ざめる。

 

(助けてっ・・・!!誰かっ・・・!誰かぁっ!!)

 

パシャッ

 

すると道の方からカメラのシャッター音がした。

 

「よし、証拠GETと。」

 

「なっ、誰だっ!?」

 

「だ、だれ・・・!?」

 

「誰も何も・・・、ただの探偵ですよ。」

 

後ろから現れた八神は撮影したと思われるスマホを揺らしながら飄々と喋る。

 

「たん・・・てい・・・?」

 

男も拍子抜けだ。そして、男は大笑いし、その八神に近づく。

 

「探偵さァん。あんた俺が誰かわからないわけ?このバッジを見てご覧よ。東城会直系の錦山組のモンだぜ・・・?」

 

男は凄む。

 

「や、ヤクザ・・・!?」

 

さすがにまりなもヤクザとわかり、怯える。

しかし、

 

「・・・あっ、はい。」

 

八神には響いてないようだ。

錦山組の男はさらに口調を荒らげる。

 

「なっ、てめぇ!錦山組だぞ!この辺のシマ仕切ってんだぞ!!てめえがやってる探偵業なんざ潰すなんて簡単なんだよ!!」

 

仕事を潰される発言にビビる様子もなく、八神は事実を述べる。

 

「いや、その言い難いんですけど。『うちの依頼主さん、錦山組の組長さんなんすよ。』」

 

サラッと重要なことを言う。

 

「へ・・・!?おやっさんから・・・!?」

 

「あんたの素行が酷くて、最近いい評価を受けてる錦山組の信用がまた下がり出してるんだとさ。だけど、あんたに聞いても否定するんだと。でも、原因はあんたとしか考えられないから、うちに組長さん直々に依頼がきたわけ。」

 

「う、うそだろ・・・。」

 

「ホントだって。それを証拠に、あんた役職は貰えてないにしろ上の方にいるのにでかいシノギ貰えずに、最近ほぼフリーだったでしょ?それね、組長さんが調整して、俺が尾行しやすいようにしてるんだよ。そしたらビンゴってだけ。ダメだよ、もう少しバレないとこでやんなきゃ。」

 

「て、てめぇ・・・!!も、もうやけだ!!てめぇをぶっ殺して、おやっさんもぶっ殺してやる!!」

 

ヤクザは無我夢中に殴りかかってきた。

 

「ちょ待てよ!!そんなのありかよ!!」

 

タチの悪い男

 

八神は距離を少し取り、構えをとる。

1対1の対戦に強い一閃スタイルだ。

 

「死ねやぁ!!!」

 

ヤクザからの意外と素早いパンチ。

 

「よっ!」

 

それを軽やかに避ける。

そしてそのまま回り込みパンチとキックを混ぜたコンボを与える。

さらに蹴りを何発もぶち込み・・・

 

「せいやぁッ!!」

 

思い切り上から蹴りをぶち当てた!!

 

「げぶぅ!?ぐっふ・・・、やるじゃねえか・・・!!」

 

「おおう、意外と根性あるんだねぇ。」

 

「うるせえ!これならどうだァ!!」

 

ヤクザは八神の動きに合わせ回り込み、後ろから掴みかかってきた!!

 

「・・・。まだ動きが単純だね!!」

 

「えっ・・・!?嘘でしょ・・・!?」

 

まりなは目を見開く。

 

八神はなんと壁を登り、ヤクザの少し上あたりでヤクザに向かって飛んでいき、ほぼ逆立ちに近い状態で、手はヤクザの足、そして足で頭を挟んだ!飛びついた勢いで少し体を回転させ、そのまま倒れ込み、ヤクザを頭から叩きつけた!

 

「ゲハっ!?なにぃ・・・!?そんなのアリかよ!?」

 

ヤクザは尚もよろよろっと立ち上がる。

 

「トドメだ!」

 

立ち上がった隙を狙いヤクザの頭上の窓枠を掴み、膝蹴りを顔にくらわせ、降りる勢いで腹にも足を振り下ろした!!

 

「ぐああああっ!?」

 

ヤクザは蹴られた勢いで吹き飛ぶ。

 

「あらら・・・?少しやりすぎちゃったかねぇ・・・。」

 

『そのくらいが逃げられないからちょうどいいんだよ。依頼主も依頼通り、捕まえたら呼んでくれという話だから、もう呼んであるぞ。』

 

「ん、サンキュー、海藤さん。」

 

「な、なにもんなんだよ・・・!なんで・・・こんなやつが・・・!!てめぇ・・・、何もんなんだよ・・・!!」

 

「俺?俺はねぇ。探偵。ただの。」

 

そう言いながら探偵の男は懐から名刺入れを出し、名刺を投げ捨てるように座り込んだヤクザに渡す。

 

「『八神探偵事務所 所長 八神隆之』。よろしく。」

 

「八神隆之・・・!クヒヒ・・・覚えたぜ・・・!いつかこの恨み!晴らしてやるからな!!」

 

ヤクザが捨て台詞を吐いた瞬間、

 

「おいゴラァ!!田代ォ!!!」

 

「あっ、山城さん。」

 

「ヒィっ!?おやっさんっ!?」

 

「てめぇ人様に迷惑かけるわ、カタギにてぇ出すわ、組の信用ガタ落ちさせるわしながら『この恨み晴らしてやる』だぁ!?先にワシの恨みをはらしてからにせんかぃ!!」

 

山城と呼ばれた錦山組の組長は思い切り田代と呼ばれる先程のヤクザの男を踏んづける。

 

「ひぃ!!許して下さいぃ!?」

 

「あっ、あのー・・・、山城さん?」

 

「なんですか八神さん!止めんといてください!!」

 

「いや、あのほんとにそのへんで・・・。」

 

「ッチ・・・!今回は八神さんに免じてここまでにしといたら。せやけど、組帰ったら覚えとけよ!!」

 

「ヒィっ・・・!わ、わかりましたァ・・・。」

 

「あとお嬢さん。ウチのアホンダラが迷惑をかけた。なんとお詫びしてええかわからん。」

 

「いえ、いいんです。結果的には何もされてませんし、この方にこってりやられてましたから。」

 

「お嬢さん・・・。すまん!恩に着る!・・・おい田代!キサマもはよ謝らんかい!!」

 

「お嬢さん・・・、誠に申し訳ありませんでしたああぁぁ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

八神は田代の犯行現場の写真と音声を山城に渡し、報酬を受け取った。

 

「さてと、一旦事務所戻りますか。」

 

「あ、あの・・・。や、八神さん・・・でしたっけ・・・。」

 

「ん?あ、はい。そうですが・・・。まだ何か?」

 

「ありがとうございました・・・。助けてくれなかったら、どうなってたか・・・。」

 

「いえいえ、俺は特に何も。仕事の延長線上でしたし。だけど、こんな町に一人で路地裏はかなり危ないですよ。それにこの町に来るのはなにか理由でも?」

 

「あー、はい。それは・・・。」

 

と、まりなは今の時間は何時だったかと思い出す。

 

「・・・あ。」

 

「あ?」

 

「・・・ああああああああぁぁぁ!!!!」

 

「うわぁ!?びっくりした!?」

 

八神が思い切り驚く。

 

「八神さん!!今何時ですか!?」

 

「今?今はだいたい6時30分位だけど・・・。」

 

「あと30分くらいしかないじゃない!!」

 

「もしかして、劇場前広場のガールズバンドのライブに行きたいんすか?」

 

「はい!そうです!ここからどれくらいですか!?」

 

「歩いて5分もかかりませんよ。・・・送りましょうか?」

 

「・・・はい。お願いします。」

 

断ろうかと思ったが、断らなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

また会う気もしないが、一応自己紹介を済ませておき、劇場前広場へと出発する。

 

「しかし、こんな町でライブとはねぇ・・・。治安が悪いんだし、もう少し別のところでやったらいいんじゃないすかね。」

 

「あはは・・・。私も最初、ライブの話を持ちかけられた時は迷いましたよ。でも、彼女たちはまだまだ成長を秘めてますから。作れるライブ環境は作った方がいいと思ったんですよ。」

 

「あ、月島さん運営側なんすね。」

 

「まあ、簡単に言えばそうですね。そこまで何もしてないですけど。」

 

「それでも、ライブの場を作ってやれるってのは、すごいと思いますけどね。」

 

「あはは・・・、八神さんみたいな人に褒められると、照れるなぁ・・・。」

 

「ん?」

 

「あぁ、いや!なんでもないです!!」

 

「そうすか?ならいいんすけど。」

 

しばらく無言が続いたが、直ぐに他愛のない話が始まり、二人で話しながら、劇場前広場まで歩いていく。だが劇場前広場までもうすぐというところで。

 

「それで、CiRCLEに琴奨菊が来た時の話なんですけどー。」

 

「ちょ話が飛躍しすぎてるから。世界観おかしいのにさらにおかしくなってるから。」

 

「へいへーいお兄さん方ー!カップルでおデートかい?いいねぇー!!」

 

不良グループのリーダーらしき男が絡んできた。

 

・・・・・・・・・。

 

「ま、、、こんなこともあるんすよね、月島さん。」

 

「カップルじゃなくて道案内なんですけどねぇ。」

 

「おい!何無視して2人でひそひそ話してんだゴラァ!!・・・ん?姉ちゃんよく見ると可愛いなぁ・・・!よし姉ちゃん!!俺らと遊ばn」

 

取り巻きが月島をナンパするが

 

「嫌です。」

 

「あららぁ、振られちゃったね。」

 

「・・・うるせぇうるせぇ!!」

 

「まあこの人は俺のお客さんなんで、手ぇ出さないで貰えます?」

 

「お?なに?俺らとやろうっての?」

 

「うん、そういうこと。邪魔だから、道を開けろって意味。」

 

「・・・舐めやがって・・・!構わねぇ!お前ら、こいつを殺っちまえ!!」

 

ー不良グループー

 

八神は先程の一閃スタイルから、多人数戦向けの円舞スタイルに切り替える。

不良グループはその間に、八神を取り囲む。

 

「へへ・・・てめえら!!袋叩きにしちまえ!!」

 

「甘いね!!」

 

八神は1番早く出てきた男を叩き、直ぐに反対方向の別の男を叩く。そして縦横無尽に男達をなぎ倒し、最後に1番人が固まっているところに回し蹴りを食らわせた!!

 

「「「ぐわぁあああああ!?」」」

 

「おぉう、一掃だね!さすが八神さん!」

 

この喧嘩が起きる環境に慣れたのか、まりなはもうテンションが上がっている。

 

「・・・おや?もう終わり?」

 

「オラァ!!どこ見てやがる!!」

 

背後からの攻撃。しかし、八神は反転攻撃を食らわせる。

そしてよろけた所に壁を利用して、こめかみに蹴りをぶち当てる。

 

「があぁ!?」

 

「・・・もうこんなことしないでね。」

 

「・・・うるせ・・・え。てめぇ・・・、訴えてやる・・・。」

 

「(はぁ・・・前もこんなことあったなぁ。)いやいや、あんたらが先に手ぇ出したんじゃん・・・。」

 

「いいや俺達が後だ!!このケガ見せりゃぜってえに俺らが・・・」

 

ここで八神はあるものを出す。

 

「え・・・。」

 

「べ、弁護士バッジ・・・!?」

 

これにはまりなも驚く。

 

「いやー、そっちは大人数でかかってきてるし、こっちは司法わかってるし・・・。ちょっと相手が悪いんじゃない?」

 

「あ・・・、あ・・・。」

 

「よし、行こっか、まりなさん。」

 

「あ、はい。」

 

呆然する男達を放っておき、八神とまりなは歩き出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーライブ後翌日ー

 

ーCiRCLE スタジオ内ー

 

ライブ翌日のCiRCLEでは、各ユニットにまりなが労いの言葉を掛けていた。

 

「いやーみんなライブお疲れ様ー!いいライブだったよー!」

 

「まりなさん見ててくれたんですか!?」

 

香澄が聞く。

 

「もちろん!ここのオーナーだよ?ここのお得意様がライブやるんだから、見に行くに決まってるじゃない!」

 

「ま、それもそうですよね。・・・ところで、まりなさん、あの人は?」

 

蘭がコーヒーを飲みながら座っている男の方を見る。

 

「あ、あの人?あの人はね、私の恩人の八神隆之さん。迷った時助けてくれたの。」

 

「あ、ども。」

 

「ど、どうも・・・。」

 

「CiRCLEを見に来るかって言ったら来てくれたの。」

 

「まあ今日は休みですしね。昨日のライブもすごかったですし。」

 

「八神さんも見ててくれたんですか!?」

 

「うん、なんだかんだで全部見たよ。正直すごいなぁって。」

 

「ありがとうございます!!」

 

彩が褒めたことに対して礼を言う。

まりなが、

 

「ところで、八神さんって楽器とかやるの?」

 

「あんまり触ったことはない・・・と思う。」

 

「あら?そうなの?じゃあ少しやって見たらどう!?きっと楽しいわよ!!」

 

こころが楽しそうに言う。

まあ、物は試しか。

 

「なんの曲を引くのかしら?」

 

友希那が気になったように声を出す。

 

「まあ、そこまでやって無さそうだし、コードを弾くくらいじゃない?」

 

「まりなさん、なんか楽譜ある?」

 

「これくらいなら・・・。」

 

「・・・なるほど。よっしゃ、じゃあ少しばかり弾こうかな。」

 

「え、弾けるの!?」

 

「まあまあ。・・・聞いてください。」

 

 

 

「『青いイナズマ』。」

 

 

 

 

「「「「「「ちょ待てよ!!!!」」」」」」

 

 

 

ちなみにとても上手でした。byまりな

 

to be continued…?




はい、キャラ像かわかる前にキャラ崩壊しました。
これじゃ八神じゃなくてキムタクだ。ただまあちょ待てよ!は絶対に使いたいなぁとは思ってました笑

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