side_炎を纏う馬の子
『……向こうですね』
複数の人間の気配がしますし、あの不思議な人間の臭いもします。
それに……森が一番ざわついています。
さて、そろそろ別れる頃合いですかね。
『先ほど決めた数匹は向こう側へ回り込んでください!
それと、ヨルノズクさん。よろしくお願いします!』
彼の者達がいるのは、運良く人間の住む町のすぐ近く。
数匹にはギリギリ出口側へまわって貰います。
そして、たまたま寄っていたという、ヨルノズクさんに応援を呼びに行って貰います。
人間を捕らえるのは我々のみでも可能ですが、その後は私達にはどうも出来ません。
ですので、人間は人間に始末を……と。
……時にあのヨルノズクさん、ずいぶん小柄で綺麗な色をされていますね。
閑話休題。
そうもしている間に、現場へたどり着きました。
『居ました!あいつ等です!』
≪あいつ等か!≫ ≪もう我慢ならねぇ!≫ ≪容赦はしねぇ!≫
皆さんに伝えつつ、場へ躍り出、私に皆さんが続きます。
皆さんフラストレーションが溜まっているのか、多少言葉が悪いのはご愛敬。
それに、私だってもう自分を抑えられませんしね。
皆さんと一気に場へ躍り出ます。
「な、何だこいつら!?」
「おい、こいつら、もしかして……!?」
「もしかせずとも、この森のポケモンか!?」
「な、囲まれてるぜ!?」
「「何ぃ!?」」
私達の本願は、密猟者の捕獲。
ですが、私自身の目的はそんなゴミ達のことではありません。
あの人間は――――ッッ!
「はは……グッド、タイミング、だね」
私の目的、それはあの不思議な人間でした。
しかしその人間は、体中ボロボロで、さらに、足に深い傷を負っていました。
……あれは、毒針か何かでしょうか。
ポケモンでも何でもない、人間が、そんな傷を負って、平気なはずがないのです。
でも、あの人は、両手を地につけ、笑いながらこちらを見つめています。
もう、意識も薄れてきていると思われるのに。
どうして、そんなに――――
「ッ―――!お前ら!この人間がどうなってもいいのか!」
なっ!人質まで――――!
なんと愚かしく、無様な生物なのでしょう。
人質に取られた彼女は、最初何を考えているのか分からない顔をしましたが、すぐに目つきを鋭くすると、男の前へ手の平を出し……?
彼女の手から何かが飛び散ったかと思えば、彼女は解放されていました。
あれは……土?
しかし、せっかく解放されたにもかかわらず、彼女はその場へ倒れ込んでしまいました。
限界が来たのでしょう。ですけど、安心してください。
もうこの場は、治まりますから。
だって、ほら。
密猟者共は皆さんが眠らせましたし、空を見ればヨルノズクさんがいます。
もう、安心ですよ。
だから、私たちは密猟者どもへ―――
side_不思議な不思議な
……うーん、眠い。
いつの間にか、すっかり眠ってしまったみたい。
何してたんだっけ?
えっと、友達と私の部屋で話していて、用事が入ったからもう帰ると言われたから見送って、眠たかったから目覚ましをかけて寝て。
……うーん、今がその続きなら、私は目覚ましで起きていて、今は目覚ましの音が鳴り響いているはず。
つまり、違う。
んーと、その後になんかあったっけ?
あ、なんか分からないけど、違う世界にいたんだっけ。
ポケモンがいて、ブラブラしてたらポニータに出会って、おまけにハンターにも見つかって、それで――――ッ!
やばいじゃん!と思い、目を開けてみる。
……部屋?
足を見てみれば、包帯が巻かれている。少し痛むけど、動かせないほどではないかな。
ここはどこだろう?もしかして、あのハンター絡みだったり……いや、無いか。
確か、ポニータ……さんが助けに来てくれたから、おそらく味方の家か何かの中だろう。
でも、病院とかじゃないんだね。ポケモンセン(ry
とか考えてると、部屋のドアが開いた。
「あ、目が覚めたんだね!」
『だねー!』
そこからは、室内帽子の少年と、その連れであろう茶色っぽい兎(?)が出てきた。
んー、取りあえず、一言。
「もうちょっと声を抑えてくれると嬉しいかな、うん」
「あ、うん、そうだよね。ごめん」
『えー?何でー?』
うん、平和で何より!