魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
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集中して書きたいから移した


パンがなければケーキを食べればいい

異世界転生、それはある種の憧れを抱くものである。

見たことのない異世界もあり、知っている二次元の世界に転生するのもあり…の筈。

 

「ヒットせえへんな…」

 

 

大阪のとある釣り場で釣りをしている男、彼は世に言う転生者である。

笑い死にと言う過去に数回ぐらいしか無い死に方をしてしまって、気付けば何故か転生していた系の転生者なのだが、普通の転生とは違いかなり変な事になってしまっている。

 

今は魔法科高校の劣等生、通称さすおにの世界にいる主人公。

 

転生して分かったことがあると言うのならば、非日常なんてくそくらえもしくは転生する世界を選ばしてくれである。

 

「しっかし、人全然いーひんな…確か近くで古墳が見つかったんだっけ?」

 

魔法科高校の劣等生の世界観は20世紀の終盤から21世紀の始まりにかけて、男が知っている出来事と大きく異なることが起き、2095年に物語がはじまる。

20世紀中盤までは一部のそっち系の業種の人間以外は魔法を使えず、存在そのものを否定されたりしていたが、20世紀終盤に魔法の理論などが確立されはじめ、21世紀序盤から徐々に徐々に魔法が世界中に浸透、魔法が当たり前の21世紀終盤になった。

 

しかし誰もが使えるわけでもない。一部の人間しか使えず、よくある中世の世界観の異世界ファンタジー物の様に優秀な一族とか家系などの勢力が出来ており、差別も当然の如くある。

 

更には魔法を使える人こと魔法師と魔法を使えない人間との貧富の差が激しかったり、色々と大変な世界であり、一般の家の彼も夕飯がもやし炒めになるかならないかの瀬戸際を戦っている。

 

 

 

「古墳荒らして、大丈夫なんやろか…何時か仏さんに祟られるな」

 

 

 

近所に大きなデパートを作るべく工事をしていると、なんか出てきた古墳。

魔法の存在が当たり前になって以降、古墳や遺跡などは世界遺産や文明の跡地などと言った一部の人間にしか分からない価値から一気に急上昇。

20世紀終盤から表に出始めた魔法が作られる前からあった魔法などを世間では古式魔法と呼ばれ、古式魔法は現代の魔法と比べれば発動が遅いなどの欠点もあるが極めれば現代の魔法を遥かに凌駕するものもある…が、しかし殆ど滅んでるに近い。

 

現代の魔法の方が万能や21世紀までの間に魔法がお金にならないので廃業した、迫害されて滅んだなど様々な理由で古式魔法は無くなっている。

 

そして古墳や遺跡には昔の物などが当然の如く眠っており、中にはお伽噺などで魔法使いが魔法を発動する為に使う杖の様に魔法を補助する道具などが本当に極稀に出てくる。

猫ババしたり、暴走する恐れがあったりするので何処かの有名な家の人達が来ているとか。

 

 

 

「…ルアーに変えるか」

 

 

 

しかし、それは彼にとっては全くといって関係の無い話だった。

 

何故かって?それは至極単純に彼には魔法師としての才能が無いから。才能がないと、魔法は一切使えない。彼は転生者だが普通の家系に生まれているから別に驚くことでもなく、特に珍しくもない。

仮に才能を持っていたとしても、エリートを排出している家系の人と比べればお粗末なもので劣等生になるだけ。普通の家の人で物凄いエリートなんて中々にいない。

しかし彼はそんな事は特には気にしない。むしろ無い方が良いと喜んでいるぐらいだ。

魔法科高校の劣等生は面白くて、好きな作品だがいざその世界で暮らしてみれば色々と変わるもの、一般の家系に生まれたのならば尚更だ。

テレビをつければ魔法を使った事件のニュース、タブレットPCを見れば魔法師を化け物や兵器扱いしている反魔法団体の講義の動画、原作では語られてない事などが様々。

そしてこれから起きるであろうお兄様をさすおにと言うべく出来事を考えれば、魔法師なんてロクなもんじゃないと考えている。

一部のアニメや漫画はあくまでも視聴者としては好きだが、その世界で生きてみたいかと主人公になってみたいとは話は別、住めば都ではなく住んだら地獄だったと言うのが多々ある。

生まれや立ち位置によって住めば都、住んだら地獄に変わる世界、そんなのは何処も当たり前かもしれないが、この魔法科高校の劣等生は特にそれが強い世界だった。 

 

「あかんな、全然釣れん…なんや、おかしいな」

 

ルアーに替え、獲物を狙うも相も変わらず釣れずボウズな彼。

今日は晴天で風も特になく、海が物凄く荒れているわけでもない。魚が居なくなる時期でもないのに全然釣れない、釣りをやっていればそんな日もあって当然なのだがそれで納得をしてはいけない。

 

二次元の世界を生きるためには、コンビニでタバコ一個を買ったことを妙だと感じるコナンくん並みの疑い深さを持っていなければならない。 

 

「家に帰るか」 

 

なにか起きると感じれば、現場から離れれば良いだけのことだ。

釣具を少し雑に片付け、事件現場にならないであろう家に逃げ帰ろうとするのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

 

 

地震が起きる。

震度1か2かの物凄く弱い地震が起きる。

五十年以上先の未来でも地震大国日本故に別に驚くことでもないだろう。

 

「うぉ!?」

 

しかし突如起きたことにより尻餅をつく彼。

予想通り変なことが起きてしまったと、騒ぎが大きくなる前に逃げるべく立とうとすると彼の身体に影が被う。

 

「…あれって…なんであれがここに…」

 

彼は空を見上げた、自身を被う影の正体を知るために。

あれはなんだと少しだけ見たものが理解できずに思考停止をしてしまうが直ぐに意識を取り戻し慌てる。

あれはなんだ、鳥だ、飛行機だ、スーパーマンだ、いや、豚だ!それも違う。

四足歩行のライオンの様な生物で左肩がファルコンの顔になっており、翼がはえている。右肩がイルカの顔になっており、尾ひれの様な翼がはえている。

胴体の胸部分は牛の顔になっている。背中の腰の部分から尻尾にかけてカメレオンになっている。

 

「ヤバい、完全に転生特典や!!」 

 

彼はその生物がなんなのかを知っている。

その生物がこの世界には居ない、別世界の存在だと言うことを理解している。

では何故ここにいるのか、それは恐らく自身の為に用意された世に言う転生特典だろうと考えて逃げに走る。

 

「誰かぁあああ!!

ポリは無理やから、魔法師を呼んできて!!」

 

なんの力を持たない彼は逃げる。

無論、ただ逃げるのではなく大声で叫び誰かに気付いてもらう為に。

だが不幸なことに周りには人がいない。何時もならば釣りをしている人達がいるのだが、今日が古墳の調査の日なので、なにかあったら困ると古墳付近の家の人達は避難をさせられ、それ以外の地域の人達も何かありそうと避難をしたり出歩かなかったりしており防波堤までの道のりに人はいない。

 

「あんな二次創作でも誰も選ばんハズレを使ってたまるか!」

 

魔法師ではないが体には恵まれているんだと必死になってテニスをやっている彼。

本人は知らないが日本代表候補に選ばれる実力を有しているものの、ただの人である彼が獣である奴から逃れる事など出来ない。

 

「見つけたぞ、上質な器を!」

 

「くそぉおおおお!!オレ、普通の人やったのにぃいい!!」

 

獣は彼に向かって突撃する。

 

必死になって作った距離をあっという間に縮めて、彼に突撃し彼を吹き飛ばす…と同時に金色の魔方陣が出現し、その魔方陣に飛び込んで消え

 

 

 

「あ、死んだな…」

 

 

 

彼は海へと落ち、落ちた衝撃で意識を落とした。

 








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