魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
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戦わなければ生き残れない

「え~皆様、大変お待たせいたしました」

 

 

※フラッシュにご注意ください。

 

 

「ただいまより、緊急会見をはじめたいと思います」 

 

各TV局のカメラが、新聞社の記者が、週刊誌の記者が集まる中、遂にはじまる記者会見。

第一高校の百山東校長が何故この様な事にと汗をかきながら、頭を下げる。 

 

「え~まず、今回の一件のはじまりである、インターネットの●ちゃんねるでの書き込みですが」 

 

軽く自己紹介を画面の向こうに居る人達に済ませて、本題に入る。

魔法科高校関係の教育の偉いさんがマイクを手に取り 

 

「詳しく調査した結果、主に国立魔法大付属第一高校の事を書かれておりました」

 

早速、裏切った。と言うか売ったのである。

書き込みをした光國達は一高の生徒であり、一高の事しか詳しいことを知らない。

一科生と二科生の様なものを使っているのは一高、二高、三高、で三つであり花弁と雑草と呼んでいるのは一高だけで、三高は普通科と呼んでいるが、光國達にとってはどうでもよかった。ここまで騒いでくれるのが一番の目的だった。

 

「まず、国立魔法大付属第一、第二、第三のみ定員を200名としています。

この三つの魔法科高校のみ成績のよかったものと悪かったものに振り分けてクラス分けをおこなっております。

しかし、残りの第四から第九の高校は定員が100名であり、一科生と二科生の様な成績によってクラス分けをしておらず、教師の不足等もございません」

 

「不足 など とおっしゃりますが、危険な魔法を教師の居ない前でしていたと書き込みがあります!これは、無かったと仰るのですか!」 

 

「質問は後ほどとさせていただきます!」 

 

教師などが居ないところで勝手に危険な魔法の使用、例えそれが誰かに向けた物でなくても世間は騒ぐ、騒ぐ、とにかく騒ぐ。全力の質問は後ほど発言でそれはあったと認める。

光國達は基本的に第一高校の事を書き込んだ。それと同時に嘘も書き込んだ。ただし、その嘘が非常に厄介な嘘であり、他の魔法科高校でありえるかもしれない嘘だ。

教師の居ない場所で危険な魔法の使用は一高でもあったことだが、他の高校でも探せばありえる。

 

「第一高校の一科生と二科生の制服の違いがあり、学校側も差別をしているとありますが学校側はその様な事をしているわけではありません。生徒同士が競い合い高みを目指すべく競争心を煽るためで、その様な意図はございません。事実無根です。」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「百山校長を売る方向性か…」

 

「ジジイ、てめえ加重魔法をかけんな…重い」

 

一方その頃、光國達は記者会見を見ながら生の九島烈と会合をしていた。

なんでかとは言うまでもない、ここまで騒ぎを大きくしたのだから会わない方がおかしい。

と言うか、あのアカウントでバレない方がおかしい。

 

「てか、なんでオレはクソジジイと主従椅子をしなきゃならんねん」

 

主従椅子をしている光國は愚痴る。

主従椅子をしなければならないといけない程に、九島烈は今回の一件に怒っている。

 

「光國、ミユキ達への説明を言われた通りしたわよ」

 

「お、おぅ…」

 

「…閣下…その、流石にそう言った事をさせるのは」

 

「リーナ、なにも言うんやない…」

 

一先ず深雪達はリーナへ電話をすると予想した光國。

常にリーナの側に居るし、頭の良い達也ならば直ぐ様電話をするのだろうとリーナにカンペを渡したら、予想通り電話が来てなにが目的などを言った。

 

「何故、ここまで騒ぎを大きくした?」

 

「一科生と二科生の溝を埋めるため…後は、意識改革と言うなの先行投資や…おい、徐々に重さを上げんな!メシメシ言うてるぞ!」

 

リーナも来たので、本題に入る九島烈。

一科生と二科生に分かれて面白いと、なにかがある、なにかをするとは思ったが国中の魔法師にとって大迷惑な事をするとは思っていなかった。

加重魔法で重さを増やしながら、光國達の企みを聞いた。

 

「一科生と二科生の溝を埋めるためだけに、世間をここまで騒がせるのか…」

 

「当たり前やで…天下の第一高校をどうにかするのはこれしかないんや。

魔法科高校は学校じゃなくて国の主要機関とも言っても良い場所やねんぞ、分かっとるんか…あ、重さを増やすな200越えたぞ!」

 

「変えるとは言っているが、これで終わりかい?」

 

今、画面の向こうでは校長や関係者達の会見があり上手く言い逃れをしつつ百山校長に責任を押し付けている。

この会見である程度は第一高校の改善は出来るがそれまでであり、自分は魔法師だから偉いと勘違いをしている選民主義の魔法師達をどうにかすることは出来ていない。

この男がそれだけで終わるほど馬鹿じゃないのは、知っている。

 

「…かなり無謀な事をするんや。

第一高校の求めてるもの自体は余り間違っとらん…成績が良い=強いんは確かや…少し待ってたら、分かるからこれ以上は」

 

「ならば、何故余計な書き込みをした?」

 

●ちゃんねるを見ると、第一高校で起きた出来事に加えて起きてないが、限りなくありえそうで批難されていそうな事を書かれており、それで九校全てが休校になって会見をして居ると言うことはそう言うことが実際にあって誤魔化したと言うことだ。

第一高校で起きたことだけを書き込めば、第一高校だけを炎上させることは出来た筈だ。なのに余計な事を書き込んだ。

 

「意識改革の先行投資や…バカなガキみたいな事を言うたる…クソジジイ、あんたには友達がおるか?」

 

「友?」

 

「リーナに渡したカンペにも書いたけど、魔法師には一般人の友人がおらん。

これは、何気に魔法師達にとっては一番どうにかせんとアカン問題で、早い内にその辺の改革をどげんかせんといかん」

 

それは宮崎の方言ではと一瞬だけ思考停止するも、光國の言う一番どげんかせんといかん問題をなにか理解した九島烈は考える。

九島烈は魔法師は兵器としてしか利用されない事を問題だと考えており、それをどうにかしないと魔法師の才能を持っているだけで社会的地位が低かったり化物扱いされたりする。

 

「これから先、魔法師が一番真面目に考えないといけない問題は一般人との交流や。

ただでさえ世間は一般人は、魔法師に対して誤解を多く持っとるのに魔法師はなんもせえへん。知っとるか?遺伝子操作で生まれた人造人間やと思われとるねんぞ。あながち間違いちゃうけど…これから先、魔法師は社会に進出するならばコミュニケーションが、対話の心が必要なのはもう明確、新しい技術だなんだと作っても大衆が受け入れてくれんくなる。初の魔法師兼政治家を出すぐらいの頑張りせえへんと」

 

光國は魔法科高校の劣等生の序盤までしか知らない。

そこから先、かなりの巻数あるのを知っているが、内容を知らない。しかしこれだけは彼は言える。

この先、お兄様御一行は文字通りただの一般人と深く関わることは絶対にない。

軍人でもなんでもない、家族の誰かが魔法師でもなんでもないただの普通の人とは関わらない。

だからこそ、気にした。魔法師と一般人の交流を、エネルギー問題の解決を魔法でしようと考えているが一般人が、一般社会が受け入れるかどうかの問題を気にした。

光國は魔法師達のコミュニケーションをどげんかせんといかん問題だと考えていた。

 

「百家に十師族に師補十八家、古式魔法の家系。

どいつもこいつも秘術だからとか後ろめたい事をしてるから魔法師同士の交流を無くし、更には魔法師として一般人との交流も全くといって無い。神権政治の時代やないんやから嫌われて当然や。

他にもそれなりの家系も選民意識があったりするし、困ったら魔法とか考えとるし、とにもかくにも意識改革を、それに加えて一般人にも正しい魔法師を知って貰うのが大事や…ちょ、クソジジイ、ヤバい、ヤバいぞぉおおおお!!」

 

「あ、床が!」

 

遂に九島烈の加重魔法に耐えきれなくなった光國は主従椅子のポーズを保てず、地に伏せる。

それと同時に床がメシっと凹み、リーナが光國の側による。

 

「魔法師と一般人の交流か…」

 

そして九島烈は考える。

魔法師の今のところの利用方法が軍事関係のものばかりだ、それに危機感を覚える時が多々ある。

もし、この馬鹿が言うように魔法でエネルギー問題の解決が出来たのならば社会的地位の向上は出来る。

では、そうなったら次はなにが大事か、今現在、記者会見で指摘されている魔法師の人間力である。

魔法師が関わろうとしている社会は人間の社会であり、何れはその部分の解決をしないといけない。しかし、何処もそれはしようとしない。

魔法師が上で人間は下と見下しているから魔法師=偉いの選民主義のところがある。今こうした事を考えてしまっている自分も選民主義かもしれない。

 

「…光國、そろそろよ」

 

「お、おぉ…そうか…そろそろか…」

 

九島烈を無視してテレビに視線を向けるリーナと光國。

記者会見は進み、ボロボロと魔法師の問題が露になっていく。

この辺はお昼のワイドショーでどうにかしてもらうとして、遂にやって来た質問タイム。

 

『「質問、よろしいでしょうか?」』

 

『「どうぞ」』

 

先ずは一人目を当てる百山校長。

すると、一人目の記者が徐に上着を脱ぎはじめる。

 

「ホンマに、恐ろしいな…オレも見習わんと」

 

上着の下にはなんと第一高校の制服を着ていた。

 

「壬生先輩を」

 

当てられた記者は、記者ではなかった。

密かに潜り込んでいた、壬生沙耶香だった。

 

「…なにをするつもりだ?」

 

最後の王手を決めに来たのは分かるが、なにをするか分からない。

ここで壬生が桐原を訴えれば、事実無根と言って誤魔化していたのが無駄になる。

だが、訴えるのならば騒ぎを大きくする前に訴えても問題ない。それで会見を開ける。

だからこそ、最後の王手になにをするか分からない九島烈。

 

『「一科生と二科生の制服を違うようにしているのは競い合って高みを目指すと言いましたが、競い合う場はあるのでしょうか?

生徒の中には実戦向けの生徒も存在し、一科生と二科生をただ成績だけで評価していては、学歴社会と言われた時代にいた学歴だけ高くて現場では使えない生徒と学歴は低いですが、現場では使える生徒は評価をされません」』

 

壬生は一歩ずつ前進をし、百山校長の前に紙を置いた。

百山校長はその紙を読めと、読まないと訴えるぞと言われたと感じる。

 

「本来なら、あの役はオレがやる予定やねんけどな…」

 

記者会見にカメレオンの擬態魔法で紛れ込む算段だったが、壬生が自分でやるといった。

剣道小町と言われていた自分を、学校を炎上させるために売った。それだけで充分なのに、更に追い詰めるために自らで志願した。

 

『「後日…生徒会長、風紀委員長、部活連会頭には中立の立場に立っていただき一科生と二科生の対抗戦をしようと思います。つきましてはその結果のみを学校の公式HPに記載させていただきます」』

 

「これが狙いか…全ては、これの為に、これだけの為にここまで騒ぎを大きくしたのか!」

 

九島烈は理解をした、光國の狙いが一科生と二科生の対抗戦をすることだと。

そしてそれだけの為に騒ぎを大きくしたのを。

 

「さーて、ここからが本当に頑張らんとアカンとこや…成果主義の学校には成果でどうにかせんと」

 

一科生と二科生の対抗戦。

二科生が勝てば、天狗になってる一科生の鼻を叩き折れる。

二科生が勝てば、二科生だと自分は名家じゃないと諦めてる奴等に勇気を与える事が出来る。

二科生が勝てば、学校側も生徒側もあれこいつもしかして?と評価をされる。

 

「ただ学校側に訴えて勝負する場を作っても意味はない。

勝利しても学校側はうんともすんともしない、生徒の評価が変わるだけやからな…ここまでハードルを上げたんや、二科生が勝ったらなんもせえへんのはいけねえな、いけねえよ」

 

尚、主従椅子とはOrzの体制をしている人を椅子にする女王様と下僕でよくみるあれである。








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