魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
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大丈夫、ドーピングは何処もしてるから

「知らない天井…いや、服装もか」

 

目を覚ますと彼は全く知らない部屋で全く知らない服を着ており、携帯などの普段から持ち歩いている物全てを取り上げられていた。

 

「ここ、どっかの隔離病棟か?にしてはナースコール一つもあらへんし」

 

「ここは九島が所有する魔法を研究する機関の一つ、と言ったところだ」

 

「!?」

 

取り敢えず立ち上がって、何処かにドアが無いか調べようとすると、擬装されていた自動ドアが開き初老の男性が入ってきた。黄金のベルトを片手に持ってだ。

 

「ふふふ、やはりこれが気になるか?」

 

黄金のベルトがなんなのかを分かっており、視線がそちらに向いている事に気付いた老人。

ポーカーフェイスなんてする気はなく、笑みを浮かべている。

 

「ちょ、ちょ待ってください。

なんでオレはここにいるんすか?あれすか、なんかキメラみたいなんに襲われたから変な病気を移されてないか調べようしてる…訳じゃないやんな?」

 

「それならば私は宇宙服の様な防護服を来てウイルスの感染を防ぐし、なによりも君を殺して完全に燃やして感染病になるのを防ぐさ」

 

サラッと殺す事を宣言する老人。

この老人が何者かを知っている彼は冗談でないことを即座に理解した。

 

「手塚光國くん、君の事は調べさせて貰った」 

 

「個人情報って言葉知ってるか、爺さん?」

 

「この御時世、個人情報なんて守られてないも同然だ。

とにかく、ついてきなさい。なにがあったか君は知らなければならないし、我々も知りたい」

 

擬装されていた自動ドアが開き、歩き出す老人。

彼は嫌々ついていくと射撃の訓練所の様な場所に到着した。

 

「彼が目覚めた、あれを」 

 

老人の一声で動き出す訓練所にいた白衣を着た職員達。

彼にタブレット端末に似た物を渡す

 

 

「君は一般の家系だからね、CADと言うものを知っているかい?」 

 

「現代魔法を使う時に使用する補助する道具でしたっけ?

って、オレは魔法力とか言うのを一切持ってへんで!!爺さん、オレの事を調べたんやったらその辺の検査結果も持っとる筈やろ!」

 

 

「ああ、知っている…だからこそだ。

なに、難しい魔法をするんじゃない、彼処に置いてある台車が回転して動くイメージをすれば良いだけだ」 

 

「…まぁ、無駄やと思うで」

 

 

結果がどうなるか分かっている彼はCADを起動し、台車が動くイメージをする。

するとどうだろうか、台車がひとりでに動きだした

 

 

「……」

 

 

分かっていた、分かっていた事だ。

魔法が発動すると言う事は、分かっていた。しかしいざ現実を目にすれば驚きを隠せない。

 

 

 

「フフフフ、ハハハハハ、ハーッハッハッハッハ!!

いや失礼。年甲斐もなく笑ってしまって、まさかこんな事があるとは思いもしなかった。恐らくこの説は正しい!!」 

 

しかしそれ以上に喜んだ、職員達が老人が。

彼に起きた異変と組み立てていたある仮説が正しいと。

 

「ちょ、待ってください。

なんでオレ、魔法使えるんすか!?改造手術受けた記憶は無いですよ!!」 

 

「これを見なさい」

 

魔法が使える理由を一応問うと職員がパソコンを見せてくれる。

そこには自分が逃亡している映像が映っており、獣に、キマイラに追いかけられて最終的には海に落ちる所まで映っている。 

 

「この魔獣、名付けるならばキマイラだが何処にいったと思う」

 

「まさか…オレの中に…」

 

「その通りだ。

どうやって、かと言うのを除き私達は一先ずは君の体を調べた。

キマイラが眠っていた古墳を調査していたのは私達だからね、何かあったらと色々と調べていく内に判明したんだ、魔法師に必要な魔法演算領域を持っていない君が魔法師に必要な魔法演算領域を宿していたことを。

驚いたよ、魔法師が魔法を使えなくなるのはよくある話だが、その逆なんて聞いたことはない急激なパワーアップはあれども、文字通りなにもない0からのスタートの例は無い。だから、色々と仮説をたててみて、古墳を調べた」

 

 

老人はこの時代では珍しい紙の本を、漫画を取り出す。

彼も知っている元いた世界にもあった漫画だ。

 

「この漫画は、二十世紀に流行った漫画でね。

霊能力者の小学校教師が霊能力を使って生徒を守る話なのだが、その霊能力者は鬼を自らの腕に封印して、鬼の手を武器にして戦っているんだ」

 

 

ぬ~べ~ですね、分かります。 

 

「精霊魔法と言うのを君は知っているかね?

簡単に言えば自分より火や雷を操るのが得意な存在に頼んで、火や雷を操って貰う魔法だ…君は賢い人間だ、分かる筈だろう」

 

「オレの中に宿ったキマイラが、魔法に必要な事を全てしている?」 

 

彼の中に入ったビーストキマイラ。

本来は仮面ライダーウィザードに登場する生物で、二号ライダーである仮面ライダービーストに変身するのに必要不可欠な存在だ。

仮面ライダーウィザードはその名の通り魔法使いの仮面ライダーで、次回作の仮面ライダー鎧武と違って道具さえあれば誰でも変身できる仮面ライダーではない、魔法使いになれる条件を満たした奴が色々と手順を踏んでやっと変身出来る仮面ライダーだ。

しかし、仮面ライダービーストだけは違う。仮面ライダービーストの変身者はその過程を飛ばしている。

ぬ~べ~の鬼の手の様に、NARUTOに出てくる尾獣の様に超強力な存在をその身に宿し、そいつから魔法を受け取って使っている。

 

 

「全てとは言わないが、その考えで間違いない。

精霊と呼ばれる存在を自らの肉体に封印をし、その精霊が魔法に必要な想子や演算を済ませて魔法を起動する…人工魔法師などと言うのは不可能と思ったが、遥か昔に完成させていたとは」

 

尚、お兄様は改造された人工魔法師である。 

 

「いや、魔法師と言うのは違うなこの場合は古の魔法使いだ」 

 

「その辺はどうでもエエんで、さっさと帰してくれませんか?」 

 

「おや、帰れるとでも?」 

 

「……」

 

人工魔法師、この世界においては不可能に等しい。

出来ないことはないがデメリットが大きかったりする…が、それでも大半は出来ないと匙を投げる。

しかし目の前に彼はデメリットはあれども魔法が使えるようになった一般人、魔法関係の研究をしている人達からすれば喉から手が出るほど欲しい研究材料だ。

 

「冗談さ」 

 

老人は笑う。

彼よりも格上だからか、余裕を見せる。慢心もしている。

今の彼は変身する事すら出来ない只当にただの人だったからだ。

 

「家には帰ってええだけやろ…」

 

「そんな怖い顔をしないでくれ。

考え方を少し変えよう、君は魔法師と一般人を繋ぐ存在になれた。

人工魔法師が普通に作れるようになれば、一般人が魔法師に怯える必要はない。魔法師が一般人を見下す必要がない。一般人と魔法師では魔法師が重宝され、給料にも影響している。しかし、一般人も魔法を使うことが出来れば」 

 

「少しは否定しろや。

エエ話にしとるけども、そんな時代で学生したり会社で働いたりするんはあんたの孫の孫のそのまた孫ぐらいの世代やろう。

それに根本的な解決にもならへんし、今偉そうに威張っとる魔法師達には邪魔でしかない。

オレは今の世代で楽しんで生きたいんや、ノブレスオブリージュの精神は端っから持ってへん…」

 

 

彼は既に分かっている、ここで勝つことが出来ないのを。

しかし足掻く、足掻き続ける。目の前にいるのがこの世界で上から数えて直ぐの実力者だとしても。

 

 

「今はともかく家に帰りなさいそれとこのベルトと指輪も」 

 

仮面ライダービーストに必要なセットをくれる老人。

彼は一先ずは家に帰して貰った、表向きには足を滑らせて海へ落ちて病院に運ばれたと、裏向きには魔法事故で九島の元へ運ばれたと言うことになっている。 

 

「ああ、そう言えばまだ名乗って居なかったね。私は九島烈だ、今後ともよろしく頼むよ」

 

「ええ、こちらこそよろしくお願いします」 

 

彼の未来はお先真っ暗になってきたが、彼はまだ諦めていなかった。

 

「諦めてたまるか…」

 

とは言ったもののレ◎プ目にはなっている。








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