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此度の一件は世間、主に魔法師とは深く関わりの無い一般社会では学校側がなにかと助長させていたいじめとミス、そして魔法師が調子に乗っていてやはり危険な存在だと思われている。
これについては魔法科高校及び魔法師全体が悪いと言う世間の考えが、間違っているとは言えない。
この国立魔法大学付属第一高校に入学して以降、自身が魔法師だから偉い。一科生に選ばれたから、二科生に対してなにをやっても良い。そんな考えや選民思考を持ち、精神面において未熟な者が後をたたず、何名かは見逃されているものの猶予無く刑務所に入れられるレベルの生徒がいます。
精神面において未熟な者は、やはり十師族や百家の様に何処か名のある者達と比べれば弱いが平均以上の実力を持っているために、今後精神面を高めたり人間力を高める授業が必要なのは確かです。
「はい…はい…ええ、わかりました」
俺は逃げるに逃げれない状況で生徒会長を押し付けられました。
余り目立つことはいけないのですが、考え方を少し変えて生徒会長の地位を利用することにしました。
魔法科高校及び魔法大学は、日本の魔法師にとって失ってはいけない国の重要施設であると同時に十師族が下手に手を出すことが出来たり出来なかったりする曖昧な場所です。
そこで生徒会長に立てばなにかと学校を動かしやすくなりますので、甘んじて受けます。
「お兄様、どちらからで?」
「師匠からだ…脱走者が出たようで、退学すると…」
「また、退学者が増えましたね…」
人間力を高める授業がどんなものかはまだ決まってはいません。
しかし、悪いことをしたら停学をさせるだけでは基本的に人は反省しません。
最初の内は反省しますが、徐々に休みだと遊び呆けてしまったりするので九重八雲の九重寺に叩き込み、弟子ではなく僧侶として精神面を鍛えなおして貰うことになりました。
第一高校と専属契約をしたので他の魔法科高校は真似できず、九重八雲はお金が手に入る事に喜びを感じていました。
手塚への賠償金の為にサラ金を借りるかどうか検討していたので、ある意味よかったのですが、そもそもの話で手塚を試して不意打ちをしたのが悪いのでなんとも言えません。
「森崎くんですか?」
「いや、剣術部員だ」
俺達が入学してから一番最初に事件を起こした、森崎家の森崎駿。
彼もまた九重寺に入れられて、坊主になり精神面を鍛えています。
事件を起こした森崎駿は学校側から退学が命じられたり、自主的に退学したりするかと思いましたが、普通に在学しています。
桐原武明と共に九重寺で精神を鍛えられており、続々と脱落していく退学者と違い一歩ずつ一歩ずつと成長をしている。
九重八雲氏が言うには、桐原武明は人を斬る力はあれども命を奪う覚悟や心などは持っておらず、その手の修行が必要だが立ち直ることは出来そうとのこと。
森崎駿に関してはかなり難しいとのことで、まだ二科生を見下していると言うよりは手塚との対戦で
もし使いこなせれば、体術ではあの千葉を越えられるらしいが全くといって使いこなせる気配は無い。
退学者に関しては、弱かった。第一高校が悪かったとしか言えない
この世界は弱肉強食の世界、弱い相手にはなにも言えない。
「達也く~ん…疲れた」
「七草元会長、仕事中では?」
「元会長って言わないで…真由美でいいのよ、達也♥️会長」
「もしもし深雪です。
あ、はい。例によってサボりで…奉仕活動を名目にですね」
前々会長である七草真由美は、風紀委員の下っ端として馬車馬の如く働かせている。
事務系の仕事を与えられる事無く、現場仕事で二科生達の愚痴を聞いてサボっているのが多かったりして、渡辺風紀委員長に日々怒られています。
これについては特に気にせず、実技などの授業なのですが今のところは教師が補充されない、と言うよりは第一高校に就職をしたくないと言う意見が多く、一先ずは今いる教師が一科生と二科生をローテーションで授業を受け持ち、生徒の自主学習能力を試すためとしています。
来年には補充は絶対にすると言っていますが怪しいです。
「司波会長、第三高校の公式HPで試合結果が載っています…此方で言う一科生の全勝で、名前も載っています」
一科生と二科生の対抗戦、二科生の勝利は大きな影響が出たようで第三高校も真似をして圧勝しました。
御丁寧に一科生とも言える生徒達の名前を載せており、一条や一色などの魔法師として名のある生徒ばかりで、余計な事をさせないのと無名な者を調子に乗らせない為と思われます。
「流石に、千葉さん達の様な特殊な人達は中々に居ませんからね…」
「それもありますが今回、二科生は十師族に師補十八家、百家を相手にしていないのが勝利の要因…と思います」
「手塚さんなら、勝てるルールを作っていそう…」
今回、対抗戦に参加した二科生達。
千葉エリカ、西城レオンハルト、柴田美月の三人は普通の一科生の魔法師と同等どころか、それ以上の力を発揮した。
千葉エリカの剣術、西城レオンハルトの強靭な肉体、柴田美月の霊子放射光過敏症候群
三人はそれぞれの個性を生かして戦った。
それについては正当な評価を与えなければならず、もしその事についてまともな評価をしないと言うならばそれは評価をする人が悪い。
彼等三人の様な特殊なケースは少ないものの、他にも存在しており、その手の者をどう評価するかが今後重要となっていき、魔法科高校もそう言った生徒を鍛える専用の授業を用意するか検討中のことだ。
もし彼等のような存在を大きく無視したら、日本の魔法師業界は大きな損失をするだろう。
「深雪…生徒会の仕事は終わったか?」
そして騒動を起こした男、手塚光國。
俺に生徒会長を押し付けた先代の生徒会長は、対抗戦が終わった後はひっそりと身を潜めた。
と言うよりは、ここからは大人の時間で都合の良いときだけガキ扱い大人扱いをする青少年にはなにも出来ないと言いなにもしていない。
手塚の事だから、なにか出来る筈なのだがなにもしていないのを見る限りは本当になにも出来ない…と言うよりは、普通に面倒だからなにもしていないらしい。
アンジェリーナ=クドウ=シールズ曰く
光國はやる時はやるけど、やらない時はやらない男
とのことで、シンプルに面倒だからなにもしていない。
生徒会長を俺に押しつけたのも、事務仕事とか責任が面倒でそう言ったことに向いていない…と言っているのだが
「あ、はい…今終えた所ですよ…手塚部長」
「やめろ」
男子女子テニス部が合併した、男女テニス部の部長をやっている。
森崎の断髪式が終わった後、手塚は男子テニス部に入ってくれと頼まれたらしい。
テニスは二度としないと手塚は断ったのだが、せめてコーチでも良いのでと言い出すと女子テニス部がコーチだけならば此方にも来てよと言いだした。
アンジェリーナ=クドウ=シールズにテニスを教えてるならついでにとなって、一騒動起こりかけたのだが、手塚が男子女子テニス部全員を相手に6ゲーム1セットマッチの試合をして誰一人、1ポイントも奪えぬまま完全勝利。
テニスは重量制限もなければ男女差別も特に無い紳士的なスポーツな事もあり男女共に合併し、手塚が部長の男女テニス部になった。
幸いにも男女混合の大会も普通に存在しており、一種の出会い…テニサーと呼ばれるものに近くなった。
その際に手塚のラケットを作ったオジイがテニス部の監督となった…のだが、百山校長にオジイを紹介した際に「まだ生きていたのか!?」と驚いており、聞けば百山東が小学生の頃から今と同じオジイだったらしく、黒船が来たときからオジイとのこと。
「お兄様、今日こそパイルミラージュを完成させましょう!」
「ああ」
そして深雪と俺はテニス部員になりました。
男女混合のダブルスプレイヤーとして頑張っています。
「市原先輩と中条先輩はどうですか?
事務仕事ばかりだと運動不足になりますし…テニスは楽しいですよ」
「え、良いんですか?」
「構いませんよ…スポーツは楽しんで勝利をもぎ取らないと…それに基礎スペック低い奴等の良い薬になりますし」
「では、お言葉に甘えさせて貰いましょう」
手塚は部長になったものの個人戦や団体戦、男女混合の大会等には一切出ない。
それどころか大会には来ない。
「千葉、お前には逆手一文字を覚えてもらう」
「…え?」
「取り敢えず、逆手で実戦でも使える剣技を身に付けてこい
お前、練習に全然来ないつもりだろう…正直なところ幽霊部員として登録してるだけなら退部を進めるが…こう言った性格にあった練習ならば、良いだろう」
「ま、まぁ、それなら真面目にやるけど…なんで逆手一文字?」
「答えだけを、教えてやる」
手塚は指導者としての能力もそれなりに高かった。
高い実力に高い指導力、そして時折オジイがくれるアドバイスがテニス部員を大きく育てており全国を目指せるんじゃないかとなるのだが無理らしい。
「今のを出来るようになれば、地方クラスの実力になる」
「地方クラスって…全国じゃないの?」
「全国区舐めるな。
女子については余り知らないが、全国区どころか世界レベルの戦極清純、越智月光に全国区と世界レベルの間の大和雄大が東京にいて、他にも九州最強の立花に、一応全国区の兵庫の門脇、関西最強の四天王寺のスピードスターにマッスルスター……これが学校で、他にもテニスクラブ組がいるんだ…恐ろしいぞ、全国は」
「因みに手塚くんは何処に?」
「高校生以下の最強の10人、Genius10ぐらい…腕が落ちている」
一流には勝てない、だが二流には勝てる。
手塚光國の魔法力はそんな感じで、中途半端に才能を持っている。
そのせいで、テニスプレイヤーとしての道を阻まれたことは非常に残念だろう。
「オレのことはどうでも良い。
それよりも、逆手での剣技を覚えてこい…壬生先輩が相手をしてくれる…魔法を使うなよ」
「分かってるわよ」
今回の一件で大きく成長した人が誰かと言われれば壬生紗耶香だ。
剣道小町、全国二位と言う輝かしい功績や異名を売った彼女だがそれ以上の大きな成果を得た。
教師の正しい指導を受けて、徐々に徐々に頭角を現し壬生紗耶香の魔法力は大きく成長。二年生最強じゃないかと噂されているのだが、余りその事を喜んでいない。
手塚もその事について余り良い表情をしていない。
独学や自力ではどうにもならないと言うことがしっかりと分かり、しっかりした指導を受ければ成果が出たのなら当然と言えば当然だろう。
「お兄様、お願いします!」
「任せろ」
手塚が色々と手を抜いている事が判明した。
本人が専用のCADとか使っていると言っていたのだが、少々不可解な点が一つある。
リーナは手塚光國の事を語った際に欲しくもない力を手に入れてと言っていた。
魔法と言うのは生まれ持った才能が無ければ使えない。なので、この言い方はおかしい。
なにやら恐ろしい事を企んでいる…と思ったが、どうも違うようだ。
「手塚…お前は何時から考えていた…一科生との対抗戦を、この状況を」
「そうだな…壬生先輩を助けた時だ、ラケット壊れるのはマジで予想外だった」
手塚光國は俺達魔法師と住んでいた世界が違っていたので、俺達と感覚が違う。
その為に俺達にとっての普通は手塚光國の普通は違っていたようです。
「色々と辛かったが、壬生先輩みたいな綺麗で強い人達の笑顔を見れて守れてよかったよ」
手塚光國は笑わないし魔法を全然使わないけど、壬生紗耶香をはじめとする二科生達の笑顔を見たくて守りたかった。だから今回の騒動を起こして、大きな改革をしたんだと俺は思いました。 司波達也】
「…いや、作文んんんんんん!!」
今回の一連の騒動の報告書を読み終えた四葉家当主、四葉真夜はタブレット端末を叩きつけた。