魔法科らは逃げれない。   作:アルピ交通事務局

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一度起きた病みと闇はドミノ倒しの倒れていくドミノの如く増えていく

光國が懇親会の会場を抜け出した後、他の来賓者や偉い方の挨拶を終えた。

九島烈にライダーキックを叩き込んだ事はなかったかの様になっているが、光國の事を気にしている人は気にしている。

 

「確実にアドリブだけど、大丈夫なのかしら?」

 

愛梨も光國の事が気になっており、何事も無かったかの様にいるリーナに聞いた。

 

「まぁ、何だかんだでどうにか出来ると思うわよ」

 

リーナは光國を心配する素振りは見せない。

魔法関係の知識量では上回っているが、頭の回転や視点が違う光國ならどうにか出来ると信頼していた。

実際のところは、なんにも考えていなかったりするのだが割と即興で浮かべることは出来る。

 

「随分と信頼してるようですが…何故、彼と一緒に居るの?」

 

「…なんでそんな質問をするの?」

 

「…彼は、ハッキリと言えば下の人よ。

世界最巧の魔法師たる御方をあろうことかクソジジイ呼ばわりで、態度も悪い。

こう言った場でも改めず…貴女の品位を疑われて下げることに」

 

「なるでしょうね」

 

「!」

 

光國と一緒にいてはいけない。一緒にいれば、周りの評価も下がる。

愛梨は光國を見てそう思ってしまった。そしてそれは事実だったりするので、リーナは一切の否定をしない。

 

「光國は下の人間よ。

生まれも何処か凄い家でもないし、魔法師としては中途半端。

金魚の糞って言われたらある意味そうかもしれないわよ…言っておくけど、だからこそ高貴な存在が手を差し伸べなければならないなんて義務感は無いわよ」

 

「なら、どうして」

 

「罪悪感とか同情だったわ…昔はね」

 

リーナは思い出す。

魔法科高校に通うまでの光國との三年間を。

とても楽しかった…魔法師として鍛えている時以外は、とても楽しかった。

魔法師として鍛えている時の事は思い出したくない。ただの人だった光國はただの人をやめる為に必死になって、何度も何度も吐いていた。

そんな事はしなくても良いと否定して、止めることを自分は出来なかった。いや、止める素振りを見せることすら出来なかった。

 

「でも、今は普通に好きなの。

上には上がいて、上の人だった私は下の人だった光國と色々とやったわよ。

大豪邸とかプライベートビーチとか山海の珍味とかそんなのどうでも良いわ…普通のアパートで、ちっぽけかもしれないけど幸せな時間…貴女は過ごした事があるのかしら?」

 

「…」

 

「この懇親会から、つまんない顔をしているわよ貴女」

 

男どころか女も魅了する深雪を見て上とか下とか、これだから男は的な事になっていた愛梨。

リーナはそんな愛梨を見て面白くないと思った。つまらないとしか感じなかった。

 

「一色なの?愛梨なの?一色愛梨なの?」

 

「…どういう意味?」

 

リーナが聞いたことが分からない愛梨だが、リーナは意味は答えない。

自分で考えるも答えが分からず気になる愛梨

 

「…答えが知りたいなら、光國の方がよく分かっているわ」

 

説明しずらいので光國にパスをするリーナ。

これ以上は特に難しい会話なんてせずに懇親会は幕を引いた。

 

「何処だ…何処にいやがる!」

 

一方その頃、光國はブラックケルベロスを追いかけ駐車場までやって来た。

道案内をするかの様にブラックケルベロスが駐車場まで導いてくれたが、駐車場に着くと姿を消した。

それはつまり、この駐車場に白い魔法使いこと仮面ライダーワイズマンがいると言うことなのだが辺りを探すも誰もいない。

 

「グリフォンを呼び戻すか」

 

一人では見えないものが見えるかもしれないとベルトを起動させグリフォンの指輪をはめて呼び戻すのだが

 

「光國君…」

 

九島烈の孫娘こと藤林響子が来た…グリフォンを掴んでだ。

 

「げ…」

 

「スパイ行為は戦術として立派だけど、九校戦では禁止されているわ…と、普通の生徒ならちょっと説教をしたけど…なんで九校戦に出ているの!!ダメじゃない!!!」

 

「ちょ、藤林さん」

 

「響子さんでしょう!

スパイ行為するにしても、グリフォンを使っているし…なんで、なんでそんな危険な事をするの!君は此処にいちゃダメなのよ!!」

 

グリフォンを手放し、光國の肩を掴み叫ぶ響子。

彼女の事を知っている達也ことお兄様がこの光景を見れば、きっと驚くだろう。

それほどまでに普段の落ち着きのある彼女とはかけ離れていたのだから。

 

「説明、説明しますから…て言うか、こんな所におってエエんすか、もう若くないんですよ…合コンのひとつでも」

 

光國が古の魔法使い・ビーストになった後、魔法師としての基本を学んだ。

CADとはなにか?魔法は情報を改変しているとか、古式魔法とはなんだとか、それこそ魔法師の家に生まれた子供なら10歳になるまでに全部覚えている事を光國は教えられた。

なんとなくとはいえ光國はその辺は分かっていたのだが、文字通り0からのスタートなので九島もどうしたら良いのか分からず取り敢えず文字通り一から教えた。

そしてリーナとの出会いがあり、魔力を常に食べ続けなければならない事が知られた。

その後は東京に暮らしだした光國は響子に魔法師関係の勉強を教えて貰っていた。

 

「君を見捨てて私だけ幸せになる…そんな事、そんな事出来るわけないじゃない!」

 

「あ、自分は何時でも結婚できる勝ち組発言」

 

数少ない事情を知っている響子は最初は可哀想だと思い、熱心に教えた。

そして、魔法師も悪いものじゃないと励まして魔法師の道を勧めており、逃げるに逃げれない光國は魔法師になる為に色々と勉強をしたが響子は分かってしまった。

 

手塚光國には魔法師としての才能が無い

 

と言うことに。

決して光國は成績は悪くはない、悪くはないが凄くもない。

死ぬ気で勉強して100点取るぞ!ではなく死ぬ気で勉強して80点以下の点数を叩き出さないぞ!と言う人間の光國、頭は悪くはないのだが達也と言う天才を知り、周りが名ばかりじゃない本当のエリート集団で彼女自身がエリートだったので才能が無いんじゃと感じてしまった。光國自身も勉強でエリートに勝てないのを認めていた。

 

「それで、こんな所でなにを…まさか、死のうとしていたんじゃ」

 

「いやいやいや、しませんって」

 

勉強以外も色々と教えていた響子。

魔法師だからと言って、なんでも魔法で解決したりしたらダメよと心に学ばせることを教えていた…が、光國(馬鹿)は弾けた。

いくら前世の記憶があっても、人を流血させたり殺すレベルの暴力を振るうことには躊躇いがある。響子には余りそう言うのが無かった、そう、無かった。光國にはあった。

中身おっさんの転生者といえども、普通だった光國は普通をやめる為に色々とやった。

それは気持ち悪くて仕方なかった。自身やリーナが嘔吐してしまう程だった。光國も嘔吐していたが、止めなかった。一緒にいたリーナは、響子はやめてほしかったけど、何時大きな戦争になるか分からないこの時代で魔法師になれば当たり前になると、避けては通れない道だった為に止めれなかった

 

「自分の幸せ、考えた方が良いですよ?」

 

「…別に、いいわよ…見捨てて幸せにはなりたくないわ」

 

光國は優れた環境での努力で補っているが、魔法師としての才能は無い。

しかし、他の事には才能があった。響子は思った。

 

こんな事って、良いの?

 

と言う疑問を、素朴な疑問だ。

人工的に魔法師を作れるようになれば、魔法師全体に影響を及ぼす。

だが、確立された人工魔法師製造法が出来たら九島は独占する。

そもそもの話で人工的に作れてもなにも変わらない。意識改善が大事だったり、軍事利用以外の科学等で置き換え出来ない魔法だからこそ出来る技術の開発が必要だったりする。

 

「君は、こんな所にいちゃダメなのよ…」

 

そっと耳元で呟く響子は少し精神が壊れている。

自らで狂おうとしていた手塚光國をどうにかしないといけないと本気で考えている。光國を救いたいと思っている。

九島烈の事が大嫌いになっていた。何処かの名家のエリートと結婚なんて出来ないと悪影響を受けていた…でも、なんにも出来ないのが現実である…今の時点では

 

『シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!』

 

「っ、何処だ!!」

 

過保護な響子に困っていると、白い魔法使いドライバーの音声が駐車場内部に広がる。

音が響く構造なのか、発生源が分からず手当たり次第探すのだが見つからない。

 

『シャバドゥビタッチヘーンシーン!シャバドゥビタッチヘーンシーン!』

 

「なに、なんなのこの音は!」

 

光國は光國、仕事は仕事(それはそれ、これはこれ)と気持ちを切り替えた響子。

驚きながらも臨戦態勢になり、何時でも誰かを呼べるようにする。

 

『チェンジ、ナウ!」

 

「…何処にいるんや…」

 

探しても探しても見当たらない。

響子から解放されたグリフォンが飛び回るが何処にもいない。

 

「光國、これはまさか!」

 

「ああ、そのまさかや!」

 

「光國君、どういうこと?」

 

「ざっくりと言えば、オレと同じ指輪の魔法使いがいる…」

 

「なんですって!?」

 

古式魔法師とはなにかと関係深い九島。

指輪を使った魔法があるのは知っているが、光國が使っているタイプは光國しか居なかった。

 

「何処、何処なの!?」

 

「落ち着いてください!」

 

「落ち着けるわけが無いじゃない…光國君以外にも、同じことが出来る人がいるのよ!!」

 

九島の手に渡れば、どうなるかは分からない。

だが、今ここで保護することに成功すれば、停滞している今の状態からなにかが変わる。

興奮を隠しきれなかった響子を落ち着かせようとするが

 

『チェーン、ナウ』

 

「そこって、マジか!」

 

姿を見せない白い魔法使いは攻撃をして来た…二人の直ぐ近くにあった車の鏡から一本の鎖が出てきた。

 

「異界から来やがったか」

 

ダイスサーベルをベルトから出して、鎖を切り裂いた光國。

今まで見向きもしなかった鏡を見るとそこには白い魔法使いがいた。

 

「この魔法はいったい…」

 

「多分、加重系とかで空間ねじ曲げて此処とは違う世界を剪定して、干渉して移動したんじゃないんすか?んでもって、その移動した世界は鏡が写し出せる世界…昔から、鏡は異世界とか真実を写し出したり出来るらしいんで…」

 

「そんな魔法、聞いたこと無いわよ!」

 

「オレ、基本的にこう言うのって専門外ですよ!テニスしか取り柄が無いんすよ!!

ただまぁ、魔法があると証明できたなら精霊も神様も地獄とか天国も隣の世界とか平行世界理論とか間違ってなかったり、実在する話ですよ!」

 

白い魔法使いが写る鏡を見つめる光國と響子。

あくまでも鏡が別世界を写し出しているだけで、鏡を攻撃したところで白い魔法使いには一切のダメージはない。

 

『クリアー、ナウ!』

 

「っ…」

 

鏡から飛び出してきた白い魔法使い。

その手には笛でもあり槍でもあるハーメルケインが握られていた。

 

「…君は、彼と同じなの?」

 

「シャファレジャロアミョムションショミムボリャエファンーグレンーデュジャフォファカデェジュジエブリョファショ?(この人はお前が仮面ライダービーストなのを知っているのか?)」

 

「おいこら、日本語喋れるだろう」

 

「シャウエウジャシュデェグフォシンムシャンファショエコロレジュガウファンバリャウ(こう言う特殊な言語の会話は必要だろう)」

 

「…ちょっと待て、もう一回頼む」

 

「てにゃわんな…シャファレジャロアミョムションショミムボリャエファンーグレンーデュジャフォファカデェジュジエブリョファショ、シャウエウジャシュデェグフォシンムシャンファショエコロレジュガウファンバリャウ!(この人はお前が仮面ライダービーストなのを知っているのか?こう言う特殊な言語の会話は必要だろう)」

 

「…えっと……ああ、そうだ」

 

「なにを言っているか、分かるの?」

 

「知識で知ってるレベルの言語で、使ってるやつははじめてみましたけど…て言うか、普通に日本語喋れるだろう!」

 

知っている人は知っている言語を使う白い魔法使い。

これは彼なりの優しさだった。

 

「|アミョイジャアビリェデェショフェンシェフォエショエコションレジュガウファン…アミョイロジムディエデェゴフェンオジュジエブリョフォ?(お前と俺しか出来ない会話が必要だ…お前は転生者であっているな?)」

 

「…ああ、そうだ。

オレはお前と同じ、ファントムを宿す指輪の魔法使いだ…まさか、他にも居るなんてな…」

 

「なんて言ったの?」

 

「そのベルト、原型(アーキタイプ)だが…貴様も同じ魔法使いなのか?って…法則性とかどういう翻訳とか教えれませんよ…オレ自身もイマイチ分かってませんし」

 

「じゃあ、キマイラが」

 

「知らんな、この様な言語…」

 

「…|アミョイロデョデュアフェカベリャショエデェジエブリョショ?(お前はさすおにを理解しているか?)」

 

「これがどういう魔法か理解しているのか?だと?

オレはそう言った事を考えるのは苦手で知らん…と言うよりは、こんな魔法はカーディナル・ジョージだろうが、トーラス・シルバーだろうが解析するの無理だろう…嫌でも日本語は使う気は無いか…」

 

「…光國君」

 

「…なんですか?」

 

本当は違うことを会話しているのに気付かれたかとビクッとなる光國だが、怯えていると感じる響子。

 

「あのザ・魔法使いみたいなのには日本語が通じるのよね?」

 

「ええ…て言うか、応援とかを呼ばないでくださいよ…誰を呼んでも死にますよ」

 

「呼べないわ…呼べば最後、君の事が知られてしまうから…それに誰を呼んでも死ぬと思うし」

 

仮面ライダービースト。

 

パンチ力 推測値5,3t

キック力 7,5t

ジャンプ力 ひと跳び31m

走力 100mを4,6秒

 

と言うスペックだ。

滅多な事では変身しなかったり、殺す意味での殴る蹴るが嫌な光國だが変身すれば尋常じゃない程に強い。これに加えて四つのマントに、今はなれないが強化形態もある。

魔法を使うのに数秒以上掛かったり、無駄な所が多かったりするのだが変身する前に殺す以外の攻略方法が無いぐらいに強い。

60キロを越える速度で走れたりする奴を魔法ありとは言え、倒すのは無理でありビーストに変身している光國は本来の使い手であるマヨネーズ使いよりも強い。

唯一勝てそうな跳躍力も勝ったところでビーストは空を飛べるので無駄である。

 

「…はじめまして、私は藤林響子です…貴方の名前は?」

 

「…」

 

日本語が通じるならばと対話を試みる響子。

 

「…答えたくないなら、答えなくて良いです。

君も、キマイラみたいなのを宿しているのでしょう…私と来てくれませんか?」

 

「…」

 

全て同じかどうかは不明だが、同じタイプが存在していた。

この事について喜ぶ響子だが、喜ぶ暇なんて何処にもない。他の誰かに見つかる前に保護をしなければならない。

 

「…アミョムロ、シャファデョシェフォフェションアシャブリョショデェジュジエブリョファショ?(お前はこの先なにが起こるか知っているのか?)」

 

「なんて言ってるの?」

 

「お前はこの力を知っているようだが、どうするつもりだ?って」

 

「どうもしな…いえ、保護します。

殆どの人が知らないだけで君やこの子の力を狙っているのは星の数ほどいます、どうか」

 

「エゴ、ミュベリャデェンゴバリャウ。フェンシェブリョロムエカシャイジャブリョシュイム(いや、無理じゃろう。出来る範囲を越えとるけん)」

 

「それは…まぁ、せやけども……いや、無理だろう。この人の出来ることじゃないって言ってます…意外に詳しいな、こいつ」

 

響子が光國や白い魔法使いを心配をしてくれるのはありがたいし、味方になろうとしてくれるのはありがたいが今のままでは、だから?となってしまうだけである。

彼女には絶対に近い力が無い

 

「…私じゃどうにか出来ないかもしれませんが!」

 

「|アミョイロジョジョショコフォエファショ?デェジュジエブリョフォボリャ、ダファジェショボリャフォボリャフェンシェブリョファンバリャウ?(お前は戦わないのか?知っているなら、その力なら出来るだろう)」

 

「…それは…えっと…|ジョジョショウジュジ、フォフェフェジョエデェジファン?グランウベリャガシュフェンショエシュイジュフェンシェブリョディショエデェンゴフォエムファンダン…デェングジュデェダンシュカウジェゴグルンジュジ、シャンジフェミョコブリョアフェエデョミョフェショジュフェロシャムジエカシュジュションイデュシュンボリャエファグリンジュファフォフェショションレジュガウフォムファン…シュグレンコフェンジュフォションビリェジョショジェシュファアビリェフェロフォフェミャフェンシェフォエ(戦うってなにに対してだ?暴力で解決出来る世界じゃないんだぞ…十師族を打ち破って、後手に回るお兄様に勝つには根底を覆すぐらいの別のなにかが必用なんだ…首輪で繋がれている家畜のオレにはなにもできない)」

 

「…てげな、やーや…」

 

知っている人は知っている言語で返事をすると驚いた白い魔法使い。

何処かの方言でしゃべると赤い指輪をつけて白い魔法使いドライバーに触れる

 

『シャバドゥビタッチヘーンシーン、シャバドゥビタッチヘーンシーン!』

 

「光國君、なにを言ったの!?」

 

「おい、ちょっ待てよ」

 

鳴っているベルトの音声と赤い指輪。

前者はともかく後者は光國が知っている白い魔法使いが使わないものだ。

無論、光國が知っている白い魔法使いと目の前にいる白い魔法使いは違うのはわかっているのだがそれでも驚きは隠せなかった。

 

『ヴォルケーノ、ドラゴン!ボゥー!ボゥー!ボゥーボゥーボォー!!』

 

「…マジかぁ…」

 

「彼は、ドラゴンを、宿しているの…」

 

白い魔法使いは仮面ライダーウィザード・フレイムドラゴンスタイル(SICver)に変身した。

 

「さらばじゃ、原型(アーキタイプ)、電子の魔女…また会おう」

 

『テレポート、ナウ!』

 

白い魔法使いは転移魔法で消えていった

 

「…いったい、なんだったの…」

 

「…」

 

命拾いをして落ち着くが、考える光國。

少なくとも、敵意や悪意は此方に向けてきてはいない…白い魔法使いは交流を取ろうとしてきた。

 

「まさか、他にも居るなんて…でも、よかったわ」

 

白い魔法使いが居なくなって一息をついた響子は嬉しそうだった。

さっきまで叫んでいたのが嘘のようにスッキリとしていた。

 

「光國君は一人じゃなカったわ…やっと、停滞から抜け出せたワ…」

 

しかし、光國を掴んでいて離そうとしなかった。


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