魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
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特別競技 あの子のハートキャッチ・自分の心臓鷲掴み

白い魔法使いが現れた次の日

 

「仕込みをしてくると言っていたが…ホテルにそれらしいものは無かったな」

 

お兄様はハーレム状態(深雪、エリカ、雫、ほのか)と共に優雅に朝食を食べながら、今日やる予定のレクリエーションについて考える。

 

「手塚さんの事だから、深夜でレクリエーションをしてくるとは思わないけど」

 

「雫、労働基準法とかそっち系に引っ掛かるよ」

 

まだどんな内容か伝わっていない魔法科高校生達。

どんな内容かは手塚が伝えてくれる(考えさせられている)らしいが大丈夫かと心配しており、第一高校の生徒達も少しだけ恐怖感がある。

 

「大丈夫よ、ほのか…手塚さんは真面目にやれば凄い人なのを貴女も知っているでしょ…多分、どうにか出来るわ…多分」

 

「深雪、説得力にかけるわよ」

 

本当になにをするか分からない光國。

自分達の遥か上を常に行き続ける男、確実になにかをしてくると言える。

 

「あ、リーナと…ミキ」

 

「…ぼくのなまえはみきひこだ…」

 

大丈夫かなとなっているとリーナとヨシヒコと言う珍しい組み合わせに気付いたエリカ。

声をかけると死んだような顔で死んだような声でヨシヒコは何時もの訂正をした…

 

「え、え…どうしたの!?」

 

「…ちょっと手塚にレクリエーションの裏方を頼まれてね…うん…」

 

「…だ、大丈夫よ、ヨシヒコ…エリカやミユキなら絶対に越えられるわ」

 

余りにも昨日とかけ離れているヨシヒコに驚くと何とか元に戻ったヨシヒコ。

リーナとヨシヒコは裏方になりレクリエーションの内容を伝えられ、恐怖に支配されていた。

 

『「ピンポンパンポーン、魔法科高校の生徒の皆様にお知らせします。

レクリエーションは魔法を使わない、人間力を競う競技ですので裏方の方も是非参加ください。応援に来てくださっている生徒も参加して構いません。

11時から昨夜懇親会があった場所で詳しい説明を致しますので皆様、制服ではなく私服を着てください。制限の方は参加できません」』

 

なにがあったのと固まっていると、ホテル内に市原の放送が流れる。

彼女も光國に裏方を頼まれていたのだが

 

『「必ず…必ず、生きて帰ってきてください…七草元会長!第一高校の皆さん…いえ、魔法科高校の皆さん!」』

 

「いったい俺達はなにをさせられるんだ…」

 

普段の市原とは雰囲気が違うので謎のプレッシャーがかかる達也。

せめてとリーナとヨシヒコにレクリエーションの内容を聞こうとするのだが、逃げた。

 

「…達也くん、参加して…手塚くんが敵に回り、ミキ達が使い物にならない以上は達也くんが…最後の、希望なのよ」

 

殆どの魔法科高校生達が謎の恐怖心が煽られる中、時は進み昨日懇親会が起きたホールに向かった第一高校御一行。

 

「えっと…第一高校でラストだな…」

 

裏方をしているレオがチェックをいれた。

 

「レオも、裏方か…レクリエーションはなにをするんだ?」

 

「達也…絶対に生き残れよ…」

 

達也の質問を答えず、何十もの鍵を入口にするレオ。

お前なら多分大丈夫、なんだかんだでどうにか出来ると信じているのだが教えてくれない。

 

「皆様、お静かにお願いします……はい、皆が静かにするまで45秒もかかりましたね」

 

壇上に立ったスーツ姿が無駄に似合う光國。

何処の校長だお前はと軽くボケるのだが、スベってしまいなんとも言えない空気になるのだが光國は自らで壊していく。

 

「全員、なにをするか分からないと怯えさせて申し訳ない。

大丈夫だ、ホテルの屋上と屋上に鉄骨で繋げて、その上を歩かせるようなレクリエーションをするつもりは一切無い…あのクソジジイの言った通りの事をする」

 

将来考えなければならない事を深く考えさせ、乗り越えさせる事が出来る面白いレクリエーション。

自らでハードルを上げた光國だが、態度は相変わらずのままだった。

 

「…人間力とはなにかと言われれば、色々とある。

その中でなにが大事かって言われれば、コミュニケーション能力だとオレは思う。

自分は高貴な存在とか、家に相応しい友人とかそう言った考えを持っている奴がいるかもしれない。

オレはその事については特にああだこうだ言わない、変な奴と付き合って悪影響を受けたら、問題だ…が、見下したりするのはまた話が違う。

ここにいるのは、選ばれた存在、勝ち取った猛者達、エリート…かもしれないが、忘れてはいけない。お前達がその立場に立てたのは、支えてくれた人が居たから、持ち上げてくれた人が居たからだ。踏み台がいたからだ。

高貴だ下品だ気にしていているのならば、まだまだ甘い。周りが自分より上でも自分より下でも、自分と言うものを保ち続けたり、正面から接することが大事…やと思うんやけどなぁ、オレは。

でも結局、そう言う立派な奴は遥か上に立ってしまって、現場とか遥か下と関わったりしない嫌味な奴に見えてくるしなぁ…けど、上の人が威張れるのは現場の人が真面目でそつなくこなしていたりするから…あぁ、もう本末転倒やなぁ…」

 

「……何時かはどうにかしないとならないな…」

 

普通に良い事を言えるのに、何時も何時も肝心なところで変なことになる光國。

全員の心に響いたりするのだが、締まらない。達也はアレが今後光國が鍛えなければならない人間力だと考える。

 

「え~…では、レクリエーションの内容を説明します。

まず、このレクリエーションは魔法ではなく人間力、コミュニケーション能力を競います。

魔法師とか魔法師じゃない奴とかそう言うのを気にしている奴、魔法師=兵器とか言う考えをされて当然だ。魔法師=絶対とか思ってるなら、そう言う考えを受け入れろ。

世の中は戦争が起きないけど犯罪が起きる程度の平和がなんだかんだで回る…魔法を兵器以外の魔法でしか出来ない、置き換え出来ない平和利用方法を考えて次の一歩を踏み出した奴が魔法師業界の開拓者だ…はい、と言うことで、レクリエーションは学校対抗ナンパ対決だ!!」

 

「ちょっと待てぇえええい!!」

 

良い感じの事を言っていたのに、言っていたのになんでそうなるかと森崎は叫んだ。

それに続くかの様に全員がざわめきだす。

 

「手塚、なんでよりによってナンパ対決なんだ!」

 

「考え方を少し変えろ森崎、この九校戦を見に来てくれている魔法師の才能を持たない人達も来ているんだ…そう言うのを大事にしないといけないんだとオレは思う、ここ最近、世間は魔法師に厳しいんだ」

 

「そうなるようにしたのは手塚、お前じゃ」

 

「お前がオレ達にCADを向けてきたのが全ての始まりだからな!」

 

森崎を問答無用で黙らせる光國。

森崎が黙ると説明に入ろうとするのだが、ふざけんなと言う顔をしている奴が多かった。

 

「手塚くん、幾らなんでもナンパ対決って」

 

「はいはい、そう言うと思っていました。

けどまぁ、話を最後まで聞いてください七草真由美さん…貴女はお見合いをした事はありますか?いや、貴女だけじゃない。

この場にいる皆さん、お見合いをした事は御座いますでしょうか?心の中で手を挙げてください、目を閉じて心の中で思い浮かべてください、当時の事を!」

 

学生らしくないとか学生としてどうかと言おうとしたが、これぐらいは予想をしていた。

 

「お前は、なにを言いたいんだ?」

 

「クリプリス…お前は一条か?一条将輝か?将輝か?」

 

「ク、クリプリス!?」

 

今までプリンスとか言われていたが、クリプリスと言われたこと無いので驚く一条。

愛梨は光國の言葉にピクリと反応し、光國を見た。

 

「七草先輩…貴女はお見合いをして受け入れましたか?」

 

「…受け入れていないわ」

 

「他の人達も受け入れたり、受け入れなかったりしているだろう。

仕方ないと受け入れず、お見合いをしたりして幸せをゲットした人は本当におめでとうございます。

受け入れなかった人達は…どうして、どうして受け入れようとしなかったのですか?代表として七草先輩、答えてください」

 

「…結婚とか、まだそんな歳じゃないわ」

 

「許嫁と言う手がありますよね…そうですら無いのは、何故でしょうか?」

 

「……その人と、結婚したくはなかったからよ…」

 

「ですよね」

 

真由美の答えを聞いて満面の笑みを浮かべる光國

 

「まさか…」

 

達也は光國がナンパ対決をしようとする理由に気付いた。

 

「…きっと七草先輩は七草じゃなく、真由美として見て欲しいとか思っているんでしょう。

他にもお見合いを断った人達もそんな感じだろう…大半のお見合いは、その子の為を名目に家を安定させたりするために結婚させようとするんだろう」

 

このご時世のと言うか魔法師の許嫁やお見合いなんてのはそんなものだ。

上の階級の魔法師ほど望んだ結婚なんてものは出来ない…仕方ないと受け入れたりする。

中には相思相愛になって成功している人達も居るが、そんなのは一握りだ。

 

「お見合いが嫌だって、反発するのは勝手だ。

だが、一度でも反発したのならば、最後まで反発し続けろ。

自分を自分として、名前で見ない人と結婚したいとか思っているのなら思う存分して良いと思う。お前達は名前なんかなくても生きていける実力がある…お見合いが嫌だと言うなら名前捨てる覚悟を持たないといけない。都合の良い時だけ●●家とかそう言うのはダメだと思う…その内、言われるぞ●●家の名前を名乗るならばどうとか…大人になった後に親になった後に子供にそんなものを押し付けない大人になって欲しいと思う…このナンパ対決って言うのは、一種の反抗だ。

自分を保つことができて親や家の名前を使わずに自分の足で歩くことが出来ると言う証明を、覚悟を見せつける機会でもある。何時かはその覚悟を持つか持たないかの場所に立たないといけない…じゃあ、その反抗、何時やるの?今でしょ!」

 

時代的に尋常じゃない程に古い流行語を使う光國。

それが流行語だと言うのに気付かずに考えさせられる魔法科高校生達。

お見合いが嫌ならば全てを捨てる覚悟を持たないといけない、もし捨てられないならばそれは嫌なお見合いを受け入れなければならない。

 

「と言うことで、一般の異性を口説いてきてください。

魔法師はダメで異性でお願いしますよ…と、言いたいんですけど…人数多いので取り敢えず減らしますが…市原先輩、柴田、西城、ヨシヒコ、リーナ、紗耶香先輩、キャモン!」

 

ナンパをするだけで良いこのレクリエーション。

参加する気は無かった人達は参加しないといけないと考えはじめているので、やっとすすめるとバーテンダーの格好をした市原先輩達が出てくる…

 

「お兄様、アレは!?」

 

「て、手塚ぁあああああああ!!」

 

遂に叫んでしまった、本来ならば叫ばないのに何故か叫んでしまった達也。

バーテンダーの格好をした市原達は出てきた…ペナル茶やイワシ水などの特性ドリンクや、カラフルなおにぎりが乗ったお盆を持って。

 

「な、なんなのよ、あのカラフルなおにぎりは!!」

 

「あくと飯だ…さて、ナンパは一発勝負だ。

もし失敗したのならば、このおにぎりとドリンクを食べてもらう…参加しない奴等はドリンクだけを飲んでもらう」

 

「ごめんなさい…エリカちゃん…」

 

「許してくれ、皆…」

 

止めたんだけど、止めることは出来なかった美月とヨシヒコ。

この場にいる奴等全員に対して謝った…本当に、本当にごめんなさいと。

 

「あ~人数が多いので減らしますね。

許嫁とちゃんと結婚するとか普通に彼氏彼女とか居る奴は挙手してくださいね…こう言うのはフリーな奴がやらないといけないから」

 

「真由美、さらばだ!!」

 

「いくわよ、啓!!」

 

「うん!!」

 

ドリンクの恐ろしさを知る第一高校は走り出す。

今日はレクリエーションしか無いとは言え、アレを飲んでしまえば今日一日はなにもできないと、飲んでたまるかと死ぬ気で走る。

 

「あ、嘘をつくと困るのでキスとかしてください。

この場に彼氏とかが居ないならば、電話をして愛してると叫び愛してると返答させてくださいね…因みにここで告白をするのも大いに結構。

だけど、この九校戦で優勝できたら付き合ってください系の告白はNGだ…ヨシヒコ」

 

「なんで僕を名指しするんだ!僕は代表選手じゃ」

 

「そう言うな、柴田の胸を揉んでから良い感じだろう。

柴田もヨシヒコにだけ女の顔を見せてるし…良いんだぞ、皆が程よい温度の目でお前達を見ている」

 

「もう、殺してください!!」

 

参加しなくて良い条件が出ると走り出す生徒と途中で止まる生徒。

もし、この場で参加しないと意思を示せば最後、お見合いとかを断ったりすることは出来ない。仕方ないではなく、絶対に受け入れないといけないと気付く。

 

「悪いな、手塚」

 

「クリプリス…」

 

「一条だ…そう、俺は一条だ。

お前の言いたいことは分かるし、将来そうやって重荷を背負わせるのはダメだ。

だが、俺は一条将輝、十師族の一家、一条の跡取りだ…他の奴は好きな道を選んでくれ、俺は一条を選ぶ」

 

「クリプリ…じゃ、飲んでくれ」

 

このレクリエーションを辞退する意思を、自分は一条だと決めたクリプリス。

光國は市原が持っている炭酸飲料を渡す。

 

「甲羅だ…」

 

「やれやれ、コーラか。

炭酸飲料は余り好きじゃないんだが、こう言ったのも一つのコミュニケーションでレクリエーションなら喜んで飲もう」

 

コップを手に取った一条はストローを使わずにコップに口をつけて飲んだ

 

「きょええええええええ!?」

 

「将輝!?」

 

甲羅を口に入れると奇声をあげるクリプリスもとい一条。

普段はしないであろう顔をして、暴れまくるどころか魔法を発動してしまう。

 

「こっちよ、クリプリスくん!」

 

どうなっているんだとなるなか、窓を開けた紗耶香。

クリプリスは飛び回りながら窓の外に出ると、自身の周りを爆発させていき、爆風で上昇していき

 

「た~まや~!」

 

「…汚い花火ね、イチジョウ…」

 

美しく散っていった。

 

「将輝は炭酸飲料を飲まないけど、飲めない訳じゃない。

コーラであんな事になるはずはない…まさか、お前は毒を!」

 

「誰が何時、コーラだって言った!カーディナル・ジョージ!

コーラじゃない、甲羅…鼈の生き血を炭酸飲料と混ぜたジュースだ。多分、十文字先輩ならば飲み干せる…で、他は?」

 

甲羅の説明を終えるとドリンクの凶悪さを理解した第一高校以外の面々。

飲んで逃げようと考えはなくなり、ナンパを成功させない限りは死んでしまうと本能が叫んでいた。

 

「男性で一番成功しそうな一条が開始する前に脱落とは…あ、因みに優勝した学校にはオジイのウッドラケットと豪華焼肉セットが送られます。焼肉食べて、テニスで遊んでください」

 

こうして生きるか死ぬかのナンパ対決は幕を開けた








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