魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
<< 前の話 次の話 >>

46 / 62
wんんwこの業界は16で熟女、18でBBAですぞ!

「優勝おめでとう、光國」

 

「…」

 

クラウド・ボールで優勝をした光國。

レオ達は空気を読んだのか、それともエリカの最後を見届ける為なのか第一高校用の医務室に向かっており、選手控え室にいる光國の前にはリーナしかいない。

 

「…光國?」

 

「…それは、使えるのか?」

 

自分が優勝したが、今度はリーナの番だ。

待機状態のビーストドライバーを見る限りは、余り成果は出ていない。

その事を聞くとアハハと苦笑いをしており、光國はため息を吐いた。

 

「…なんとか出来ないのか?」

 

「え?」

 

「残念ながらそれは無理だ」

 

鞄から古くさい感じの手鏡を取り出して語りかける光國。

それは本来、グリーングリフォンが見ているものを写し出す鏡なのだがそこには白い魔法使いが写っていた。

 

「!?」

 

「それはキマイラを宿した者用のドライバーだ。

いや、違うな。そもそもの話でベルトはファントムの力のみを扱う物で、普通の魔法使いが使うならばCADの方が効率が良い」

 

「…と、こいつは言っているが?」

 

「知り合い…だったの?」

 

手鏡を見せたリーナは少しだけ怯えている。

光國と白い魔法使いと知り合いだったとは思っておらず、光國は明らかに怒っていた。

 

「私に怒っても無駄だ。

少なくとも、君は魔法科からは…いや、魔法科らは逃げられないのだから」

 

「誰が上手いことをいえと言った…」

 

「しかし、逃げられないのは事実だ。

私と君はそう言った星の元と言うか、そう言う立場だ…」

 

無言で数秒間にらみ合いを繰り広げる光國と白い魔法使い。

一触即発な空気だが、リーナは勇気を出して口を開いた。

 

「私がビーストになれば、九島は色々と大迷惑よ。

敵を更に増やすかもしれないけれど、それでも抜け道が出来る可能性があるわ」

 

「…」

 

「抜け道が出来る…それは少し違うな…」

 

「え?」

 

「抜け道は最初から存在している。

だが、十師族をはじめとする魔法師=絶対と思っており、自身を魔法師と言う上位的種族と捉えている人間に阻まれている」

 

リーナが必死にもがき作ろうとしている抜け道。

そんな物は最初からあった。光國は知っている、最初からどうにかする方法があるのを。

しかし選ばなかった。いや、選ぼうとしなかった…

 

「抜け道って、そんなのあるの!?」

 

「それは……無いわけは無いんやけど…出来ひんよ、そんな事は…色々と迷惑を掛けてまうし…リーナがどうなるか分からんし、本当にその場凌ぎに近い」

 

「私がどうなるかって、私は別にどうなっても」

 

「おっと、それ以上は言うな…皆が無事ならば、自分は犠牲になっても良い。

所詮、そんな言葉は弱者の自己満足に過ぎない…強く生き延びるならば、自分と救いたい存在、両方を選ばなければ…愛したものを愛してくれたものを戦い守り抜いてこその、指輪の魔法使いだ…」

 

自己犠牲の自己満足は許されないし、許さない。

白い魔法使いは鏡から消えたので、この話は此処までにしてアイス・ピラーズ・ブレイクに向けて気持ちを切り替えようとするのだが互いにそんな事は出来ない。

 

「…白い魔法使い(仁王)が、味方となる同業者がいる…か…」

 

自身よりも強いであろう仁王がいれば、どうにかなるかもしれないが見えない。

今のこの状況から抜け出すことが出来るのかが、具体的なビジョンが光國には見えない。

勝利のイマジネーションが今の彼にはなかった。

 

「…っと、くよくよしていてもダメだ…」

 

『ドライバー、オーン!!プリーズ、GO!!』

 

光國はリーナからベルトを外し、装着すると起動させリーナの左手の薬指にプリーズのウィザードリングを装着させて魔法を発動。

 

「!」

 

指輪を経由して魔力が注がれ、体から力が沸き上がるリーナ。

これは光國が常日頃から貯蔵している生きる為の力でそれを察したリーナは指輪をベルトから離そうとするのだが、光國はリーナの体に異常が起きない限界ギリギリまで注いだ。

 

「これだけあれば、一先ずはどうにかなるな」

 

「待って、コレって光國が生きるのに必要なものじゃ」

 

「問題無い…オレの役割はもう終えた。

白い魔法使いと会合を果たし、クラウド・ボール新人戦で優勝した。

後はリーナがアイス・ピラーズ・ブレイクの新人戦で優勝すれば、終わらない夏休みは終わりを迎える…」

 

「…ええ、そうね…」

 

あの白い魔法使いが光國の力になろうとしているのが分かったが、光國は白い魔法使いを求めない。

今、光國を助ける方法が無いリーナは返事をするだけだったが、光國がリーナから貰い生きるために貯蓄していた想子をリーナへと戻した為に体がとても軽い。

 

「優勝してくるわ」

 

カッコよくリーナは出るのだが、本日は予選しかしない。

決勝戦は明日することになっており、リーナは本来雫が出場する枠を使い出場した。

その為か雫と同じ対戦相手と戦い、決勝戦までは深雪とエイミィと戦うことはなく

 

「ぐふぉおああおおあ!?」

 

決勝戦。

リーグ形式で戦うことになっており、エイミィは深雪に負けた。

優勝以外は敗け同然としており、負けた時点で優勝出来なくなるので、その時点で特性ドリンクを飲まされる。

エイミィは赤酢と青酢を混ぜ合わせた様に見えて、実は全く混ざっていない赤い激辛、痛覚、青い酸味、酸っぱい、赤と青の交差していない謎のドリンクを飲まされて意識を失った。

ちなみにだが、出ない場合でもこういう運命にある。

 

「…この九校戦で、いったい何人が気絶すれば良いんだ…」

 

「別にええやん…お陰で一回戦敗けの選手は誰もおらんねんから…」

 

担架で運ばれていくエイミィを見て、合掌する達也

棄権とは言え負けてしまったエリカと摩利、普通に負けた桐原、普通に負けた里美スバル、実は飲むのが二度目のエイミィ、他にも色々な生徒が光國のドリンクの餌食になっている。

しかし、負けてしまった彼女達が悪い。アクシデントをものともしない強さを持っていない彼女達が悪い。

しかし、これ以上の犠牲者が出て大丈夫なのかと、次の試合で深雪が負ければ深雪が訳のわからない飲み物をもう一度飲まなければならない。

 

「流石に、お前が代わりに飲むことは認められないぞ」

 

「そんな事は全く考えていない…勝つのは深雪だ」

 

裏方担当の達也だが、今回はと言うか今回も全くといって光國とリーナのCADの調整をしていない。

リーナの実力は確かなものであり、深雪と対等に渡り合える数少ない魔法師だ。

もしかしたら負ける可能性があるが、深雪のCADは自分が調整をしており勝てると思っている…リーナには最高のCAD(武器)が無い。

 

「そう言うのは、試合を見てからよ…」

 

「その服装で行くのか、リーナ?」

 

戦わない二人が不毛な会話をしていると現れたリーナ。

何時も通りの第一高校の制服を着ており、服装が自由なアイス・ピラーズ・ブレイクでは最も浮いている選手で、深雪の巫女の衣装もあってか影が薄かったりした。

 

「いえ、この格好ではいかないわよ…わざわざ、第一高校の制服で戦ったのは深雪対策よ」

 

リーナはドヤ顔でビーストドライバーを取り出した。

 

「…それ、審査通ったのか?」

 

「通ったわよ…CADよりもスペックが低いと言うか無駄しかないから、どの競技でも使えるわ…」

 

魔法の制限もあればCADの制限もある九校戦。

ビーストドライバーが使えないかもと思っていたが、あっさりと通った。

と言うよりはビーストドライバーが未知の物過ぎるので、どうすれば良いのか分からずリーナから簡単な説明を聞いた後、取り敢えずは通してみたと言ったところだ。

 

「そのCADが、とっておきか?」

 

「達也、悪いがそれは教えれんよ…行くぞ、リーナ」

 

達也の視線が、ビーストドライバーに向いていたのでこれ以上はまずいと引いた光國とリーナ。

 

「手塚が持っている手塚にしか使えない聖遺物…ではなく、リーナが使う聖遺物、逆だったのか?」

 

お兄様の考えは変な方向に傾いてしまったが、誰もなにも教えない。

選手である深雪とリーナは選手控え室に入ると、光國は私服に着替えてから観客席に…第一高校の面々が座っている席ではなく、仁王が座っている席の隣に座った。

 

「はぁ…」

 

「人の顔を見た途端、いきなりのため息か」

 

「わし、色々と用意しとったんじゃがなぁ…来いよ、いい加減によぉ」

 

「なにをするつもりだったんだ?」

 

「ビーストじゃ、体に負荷が掛かる…他の変身グッズ、持っとるけん」

 

「…おい」

 

仮面ライダー響鬼に変身する音叉や笛、音錠を見せる仁王。

光國は一瞬だけ思考停止をしたが、直ぐに意識を現実に戻すと強く睨み、威圧する。

 

「お前、完全に狙っとるやろ…」

 

仮面ライダー響鬼は他の仮面ライダーとは大きく異なる。

と言うか、製作段階の時点で仮面ライダーじゃなく、急遽仮面ライダーになった、ライダーらしくない仮面ライダーの一つだ。

その中でもなにが変わっているかと言えば、変身をしたら服が破れること。

一昔前の美少女アニメと違って、変身を解除したら服装が元に戻るなんて事はない、本当に服が破けており、仮面ライダー恒例の敵から物凄い攻撃を受けて大ダメージを受けると変身が解けるシーンでは全裸になっているシーンがあるぐらい。

 

 

 

朝のゴールデンタイムで、スーパーヒーロータイムで尻を晒した事のあるシリーズだ。

 

 

 

 

「そろそろ、ポロリも必要やっさー」

 

リーナが勝とうが負けようが、変身を解除したら最後、ポロリどころか世界まる見えになってしまう。それを狙ってか、響鬼系を渡す気満々だった仁王。

右か左、どちらかの腕を折ってやろうかと考えるのだが、試合を前に問題を起こしたくはない。

 

「…やっぱ、あるんやな…」

 

「ああ、あったぞい…他にも色々な奴があったぞ…戦士のベルトとか…」

 

「もう、お前一人で良いんじゃないのか?」

 

魔法だけでなく戦士の力すら持っている仁王。

コレだけで充分だと言うのに更に望むのかと、光國は呆れ果てる。

 

「それだけじゃ、ダメなんよ…手塚、お前は三年先の稽古をするつもりはねえけ?」

 

「…九島からどうやって逃れろって言うんだ…」

 

ここでも勧誘をしてくる仁王だが、光國は逃げられないことを語る。

 

「…まぁ、そっちは止めておいてU-17に出てくれんか?

流石にテニス界の柱なんて大層なものはワシには向い取らんくてな…ぶっちゃけたところ、お前がおらんと一回戦敗けじゃ…タイムベントをした理由の2割ぐらいがそこにある」

 

「…あのクソジジイがな…」

 

光國の視線の先にはアイス・ピラーズ・ブレイクのステージは無い。

九島烈だけが写っており、その眼は怯えながらも反抗的な目をしていた。

 

「…ま、覚悟があればの…そろそろ、はじまるぞい」

 

「…ミラージュマグナム、今からじゃ間に合わないよな」

 

「タイムベントはせんぞ」

 

リーナが勝てるかどうか分からない光國は、少しでも勝率を上げるべく仁王を見るが断られる。

 

「…閣下は…いた…」

 

試合がはじまる本当に少し前に出てきたリーナと深雪。

リーナは第一高校の制服のままだったので、観客達は落ち込み、深雪は変わらぬ美しさだと興奮をする。

 

「リーナ、どうして何時もの制服なの?」

 

「別に良いじゃない…コレが着たいって言うのが無いのよ」

 

「メイド服なんて、手塚さんが喜びそうよ?」

 

試合がまだ始まってはいないが、別の試合がはじまっていた。

ファッションショーと言う名のバトルで、圧倒的なまでに深雪が優勢だった。

 

「ああ、メイドね…昔、光國の前でやったら怒られたわ。

自分より絶対なまでに下とか従者扱いとかは嫌だって…慕うのと従者は違うから、二度とするなって…好きな人とは隣を歩きたいってね!」

 

「まぁ!」

 

常に先を行きつつも、後ろを振り向いて手を差し伸べてくれるお兄様とは異なる考え。

しかし、側にいて一緒に歩いていきたいと言う願いは美しく手塚さんらしいと言えば手塚さんらしいと微笑む。

 

「じゃあ、尚更負けられないわね…」

 

「違うわよ、ミユキ…負けるつもりは無いのよ…因みにミユキが負けた場合はいわし水よ」

 

「っ!?」

 

今までで一番の動揺を見せてくれた深雪。

リーナの中のなにかがコレは勝てると訴え、本気になると試合開始のブザーがなり

 

『ドライバー、オーン!』

 

すかさず、ベルトを起動させる。

それと同時に、氷柱が砕けぬ様に情報強化をしてダイスサーベルを取り出して

 

『3!ファルコ、セイバー・ストライク!!』

 

三体の風の隼を深雪の氷柱目掛けて飛ばすと、2つ破壊することに成功した。

 

「っ…っつう…でも…いける」

 

ビーストの魔法を使うのには力不足のリーナ。

演算処理がうまく出来ず頭痛に悩まされるが、それでもまだまだ戦える。

光國に限界ギリギリまで注いで貰った想子、いや、魔力が彼女の力となっている。

 

「それは手塚さんの…」

 

「違うわよ、深雪…コレは私の物よ!

どうして光國と私が一緒なのかを色々と考えているだろうけど、貴女達の考えは、そもそもの間違い!光國自体には、なにも無いのよ…」

 

ダイスサーベルに風の隼、どちらも光國のものだ。

一度だけとはいえ、光國が使ったのを見た深雪はどうしてと困惑しているがリーナは気にせず、ビーストウィザードリングを装着する。

 

「へん……しん、ん!!」

 

『セット、オープン!!』

 

会場は困惑をする。

此処までのリーナの戦法とは大きく異なっている。使ってCADが全く違う事に。

それは深雪も同じことで、攻撃する手がCADを動かす指が止まっていてリーナにはその隙はチャンスだった。

ビーストウィザードリングを何時も魔法を使うときに嵌めこんでいる右のスロットではなく左のスロットに嵌め込み、捻るとビーストドライバーが開いて真ん中の獅子の部分の赤い目が光った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『L・I・O・N、ライオーン!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして獅子の口から魔方陣が飛び出てゆっくりとリーナの元に向かうとリーナの衣装が変わった。

 

「なんだ、アレは…」

 

この場にいるのは、試合を観戦しているのは魔法に関わりがあるものや興味のあるものだ。

故に最低限の魔法に関する知識は持っており、達也は知識と言う点では群を抜いている…しかし、分からなかった。リーナがなにをしたのかを。

 

 

 

 

「私は…私こそが…魔法少女★ビーストよ!!!」

 

 

どうやって仮面ライダービーストに変身したかを。

 

「少女?」

 

リーナの年齢は既に少女じゃないようなと紗耶香は考えるのだが、そこを気にしてはいけない。

ともかく、人々を自然体で、ただありのままで魅了していた深雪だがリーナが全てをかっさらった。

ただありのままの美しさとは対となる、全く別の姿への変身を行い、観客の視線をカメラを全て集めた…

 

 

「ミユキ、貴女をパクっと食べてあげるわ!!」

 

 




今年は大きい方のアルトリアの水着来い、来い







感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。