魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
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転生者恒例行事 モノホンノエリートバスター

「とうとう決着をつける時が来たようね」

 

「とうとうって、そもそもでぶつかり合う機会は無かったですよ」

 

少ししか休憩をしていない光國と向かい合う真由美。

三巨頭を上手い具合に出さないようにあの手この手を使っており、まともな対決は今回が初である。

 

「まぁ、互いにくだらない大人の勝手な都合や事情関係無しにやりましょう」

 

「私としても、そうしたいけど…無理よ…」

 

「…オレに負けろと?」

 

「大丈夫よ…私が勝つから」

 

一触即発の空気を醸し出す光國と真由美。

自身の絶対を疑っていないのもあるが、真由美は若干だが仕方無いと諦めている節がある。

ある意味、天狗なのは真由美だったりする。

 

「そうか…それを聞いて安心した」

 

心置無く、本気で戦える。

天衣無縫の極みは使えない事はないのだが、それとは別にしたかった事があった。

互いに距離を取り、試合開始のブザーが鳴り響くと同時に光國は百練自得の極みを発動した。

森崎の時と違いラケットを持っている光國の左腕にオーラは集中していた。

 

「手塚くん、それには大きな弱点があるわ」

 

人間が持つオーラを特殊な目を使わずに見えるレベルに一ヶ所に凝縮するのと先程の愛梨との試合で百練自得の極みの弱点を完全に見抜く真由美。

射出口から射出された一個目のボールは真由美の元へと向かい、ダブル・バウンドを使う。

百練自得の極みはオーラを凝縮しているので、凝縮していない部分が疎かになる。

手塚光國には手塚ゾーンがあるが、それは一度ボールに触れなければ使うことの出来ない技で最初のボールは自らの足で取りに行かなければならないのだが、腕にオーラが集まっているので足が追い付かない。いや、常人ですら追い付けない。

 

「弱点があるとするならば、オーラが見えて目がチカチカすることですよ」

 

しかし、光國は常人の域を遥かに越えているテニヌプレイヤーだ。

百練自得の極みの膨大なまでに圧縮された普通の人にも見えるオーラを左腕から足に動かすと、倍速で返球されたボールに一瞬で追い付きラケットを構えた瞬間にオーラが左腕に戻して倍の倍、四倍の威力と速度で打ち返す。

 

「あんな方法があったの…」

 

無我夢中で使っていたので、全くと言ってコントロールが出来ていなかった愛梨は驚く。

もし試合中にアレを使うことが出来たのならば、また試合の結果は変わっていたかもしれないと想像するが、直ぐに頭の中から消す。そして市原に近寄って、ボールを指差す。

 

「大丈夫ですか、あのままだと倍々ゲームですよ」

 

光國が打ち返した球を更に倍速にして返球する真由美。

そしてそれを倍にして光國は返すと言うループを繰り返していくのだが、ラケットを使っている光國が圧倒的なまでに不利だ。

 

「もうすぐ二個目のボールが射出されるけど、どうするつもりかしら?」

 

倍々ゲームは油断をすれば均衡が崩れてしまう。

ラケットを使っている光國は、ボールを打つためには自らの足で移動をしなければならないのだが、移動をすれば最後倍々ゲームは終わってしまう。

 

「ああ、大丈夫です…そもそもの話で、元会長は既に大きなミスを犯しています」

 

「大きなミス?」

 

「手塚くんを相手に、特化型CADだけで挑んだ事です。

仮にこの倍々ゲームの均衡が崩れてしまい、手塚くんが破れた場合は次があります。

ただただ、ボールを拾って新たに打ち返せば良いだけで手塚くんの使っている技は全て身体技術であり魔法は百練自得の極みのみ。

対して元会長ですが、ボールを拾いに行かなければならない場合ですが…手で投げると言う行為は出来ない事では無いのですが、手塚くんを相手に、いえ、魔法師を相手にするクラウド・ボールではそれは余りにも悪手。CADに入れられている魔法を使って、手塚くんのコートに飛ばさないと入りませんが…」

 

その場合はダブル・バウンドを使うことは出来ない。

ベクトルを逆転させて、倍速するダブル・バウンドは一種の返し技だ。

この魔法は自らが攻めるのではなく攻めてきた相手の力を利用するものであり、自らが攻める魔法ではない。完全に後手の者が使う魔法でボールを拾って相手コートにボールを飛ばすときには使えない。

 

「二個目のボール…」

 

そうこうしている内に、二十秒がたち射出される二個目のボール。

今度は光國の元へと落ちてくるのだが、光國はそのボールを拾わずに一個目のボールを二個目のボールにぶつけた。

 

「奇策で来ても、全てお見通しよ!」

 

マルチ・スコープで全てを知覚している真由美。

二方向から来るボールを返すのはお手の物で倍返しで返球する。

 

「…どうした、攻めないのか?」

 

手塚ゾーンになっていないボールを縮地で取りに行く光國。

真由美を撃ち破る決定打を与えない光國に対し、真由美は光國に対しての有効打が無かった。

ベクトルを逆転して、倍速で返球をするのならば手塚ファントムと同じ引き寄せる回転ではなく、真逆の追い出す回転を掛ければ勝手に引き寄せられる。

手塚ゾーンと同じ回転量の手塚ファントムを掛けるだけで、光國の手元にボールが来る。

決まり手に欠けている事を指摘するのだが、反応をしない真由美。

 

「…言い忘れた事があった。122-21だ」

 

「え!?」

 

此方から攻めるしかないなと倍々ゲームを止めるべく、ラケットを右手に持ち変える。

そして、已滅無で威力をかき消しつつも、小さくドロップボレーをする。

 

「静かなること、林の如く…」

 

「山を解いた!?いえ、それよりも」

 

手塚ゾーンを解除して、攻めに入る光國。

勝負を決めに来たことに驚く人は驚くのだが、大半の人はそれには全く驚いていない。

 

「魔法の同時発動!?」

 

光國の左腕には膨大なまでの燃えるオーラが宿っていた。

左腕に宿っていただけで他にはなにも宿ていなかったのだが、急に変わった。

光國の周りにはキラキラと光の粒の様なものがあり、光國は才気煥発の極みと百練自得の極みの同時発動をしていた。

 

「アレって、同時発動出来るんですか!?」

 

一瞬だけ消して、才気煥発の極みを発動しているわけでもなく才気煥発の極みと百練自得の極みを同時に発動している光國。

あんな事は不可能だと愛梨は言うのだが、市原は気にしない。コレぐらいならば、光國にとっては朝飯前だと試合に集中する。

 

「妙技」

 

ドロップボレーをしたボールは、真由美のコートには向かうことが無かった。

光國側のコートのネットにぶつかって、ボールは空中を浮いた。

 

「そこで、使ったらルール違反だぞ…」

 

遂に動いた真由美のポイント。

たった1ポイントだけだが、それは大きな1ポイントだった…のだが、それよりも大きな物を失った。

ネットの真上を浮いているボールは、まだ光國のコートにある扱いだ。

この状態でダブル・バウンドを使えば、真由美は相手のボールが相手のコートにまだあったのに魔法を使ったことになり反則となる。

 

「妙技、綱渡り」

 

ボールはゆっくりとゆっくりと…ネットの上に落ちる。

この状態でポイントは真由美に入るのだが、問題はそこではない。物体の移動する力が0になりかけている。

コロコロと転がっている低反発ボールは、ゆっくりとゆっくりと落ちていった真由美のコートに落ちていく。

 

「それ以外は、無いんやろ?」

 

ゆっくりと落ちていくダブル・バウンドで返そうとするのだが、無駄だった。

既に重力に引っ張られるだけのボールのベクトルを逆転させて倍速にしても無駄だった。

 

「悪いが此処からはオレのターンだ…絶対予告、122-21だ!」

 

再び左手でラケットを握る光國。

この時点で真由美の勝機は無い。一度でも、自陣にボールを落として残した時点で光國には勝つことは出来ない。

 

「マルチ・スコープを使いこなせていないみたいですね。

多方面で見ることが出来るだけで、多方面で見て処理するだけで、その先を見ていない。1000手とは言わないが、100手先までのすべての戦略パターンをシミュレーションしなければならない」

 

三個目のボールが射出され、試合は続くが光國は圧倒する。

ボールが増えたことにより、多方面に意識を集中しなければならないのだが追い付かない。

倍々ゲームで強くなる低反発ボールの一個や二個ならばまだなんとか対処できたのだが、三個目からは追い付かなくなる。五個目でなにも出来なくなる。

 

「ダブル・バウンドは百練自得の極みで破られ、マルチ・スコープも才気煥発の極みを越えられない…無様だな、七草真由美」

 

「…手塚くん?」

 

光國の絶対予告通りのスコアで、第1セットが終わった。

有り得ない事態が起きたと困惑する少数の者とスゴいと称賛する大多数の者とわかれ、歓声が鳴り響く。光國は真由美を嘲笑っており、なにかおかしいと市原は感じる。

 

「って、なんやおったんか」

 

戻って来た光國は愛梨が居ることに驚く。

普通に帰ったのか、裏で見ているのかと思ったのだが愛梨は普通に市原の横にいた。

 

「ちょ、飲みもんとって」

 

「あ、はい…本気ですか?」

 

「ああ、本気だ…こう言う言い方は、誰にとっても大変失礼だが言う。

十師族の七草家の天才と、師補十八家のエクレール・アイリを倒すことにより、オレの覚悟は本物へと成就する…」

 

散々、家がどうとかお前を見せろ的な事を言っていたのに急に変わった光國。

なにか怪しいものを食べたのか?それとも天衣無縫の極みでおかしくなったのかと市原は困惑をするのだが、そんな市原に大丈夫だと言って安心をさせる。

 

「一色…いや、愛梨…それと市原先輩…見せてやるよ、最強と言われたテニスの王子様のテニスを」

 

※ テニスでもテニヌでもなく、クラウド・ボールです。

 

「百練自得の極みでも才気煥発の極みでもない。

この試合まで取っといた、対七草真由美対策を…まだ使っとらん風林火山の真の姿を見せてやるわ」

 

「風林火山の真の姿?」

 

縮地法による高速移動、風の攻撃技、ジャイロレーザーの風

六種類の返し技、零式ドロップ、時間差地獄、綱渡り、鉄柱当ての林

十三の処刑法、佰八の波動球、ブラックジャックナイフの火

あらゆる攻めを無に変える已滅無、全ての球を集める手塚ゾーンの山。

まだ見せていない技はあるのは分かっているが、それは全て風林火山に部類される技ではないのかと愛梨は考えるが

 

「やはり、ちゃんとあったのですね」

 

「当たり前やろ…孫子の方が正しいんやぞ」

 

市原はやっぱりと言う顔をしていた。

森崎との試合の時から、ずっとずっとあるんじゃと考えていた。

 

「どういう意味?」

 

「風林火山って言ったら、武田信玄だが元々は孫子からの引用とされていて…まぁ、コピペで二つ抜けとるんや…風林火山自体がフィクションとかいう説もあるが、その辺はどうでもいい…すうぅぅぅぅぅ…」

 

小さく長く息を吐いていく光國。

8000mlの肺活量は伊達ではなく、かなり長い間息を吐いて精神を集中させる。

息を吐き終えると今度は空気を吸い、深呼吸をするのだが直ぐに止めてベンチから立ち上がった。

 

「!」

 

「…んじゃ、行くか

市原先輩…アイシングの用意をしといてくださいね」

 

第2セットが始まるので、光國はコートへと向かうのだが愛梨は驚く。

今の光國には無駄がある様で無かったり、無いようで大きな無駄があり、実際のところはどうなのかが分からない雰囲気になっているのを市原は気付く。

 

「本気で、勝つつもりなのね…」

 

たかがクラウド・ボールと言えども、相手はあの十師族。

クドウと関わり深い人とはいえ、勝ってしまうのはとんでもない事で互いに面倒な事だ。

なにかを決意した光國の覚悟を見届けようと愛梨はじっと試合を眺める。

 

「疾きこと風の如く」

 

第2セットがはじまり、射出口から光國にボールが射出される。

居合い斬りの要領で光國はラケットを振り、超高速のボールを打つのだが

 

「百練自得の極みを使っていない!?」

 

百練自得の極みを発動させていなかった。

一瞬で発動できるものだが、発動はさせておらず圧倒的な素早さが売りの風を使った。

無論、真由美はダブル・バウンドで打ち返すのだが、ほぼと言うか真正面から打ったので真正面にボールは返るのだが

 

「徐かなること、林の如く」

 

バックステップを取りながら、ボールを打ち上げる。

風の威力を完全にかき消す、風林火山に対抗する風林火山をぶつけた。

 

「!」

 

それと同時に尻餅をついた光國。

今が攻める時だと、ネットの手前ギリギリでボールを返して天井にボールをぶつけるのだが

 

「一瞬で後方に!?」

 

気付けば光國は一瞬でボールが落下する後方へとやって来た。

縮地法の様に動作を上手く隠しているのではなく、本当に一瞬で現れた。

 

「動くこと、雷霆の如し!!」

 

そしてラケットを刀に見立てたかの様に両手で握り、ガットではなくグロメットの部分をボールの正面に向けて、素振りの要領でボールを打ち返す。

 

「え…嘘…」

 

この世界の魔法は、物の情報や状態を一時的に書き換えて事象に作用させるものだ。

ダブル・バウンドの場合はベクトルの情報を換えたりしているのだが、魔法は今起きている状態が強すぎれば時には書き換えることが出来ない。

マルチ・スコープでコート内部を見渡すことが出来る真由美は、後ろを振り向いてしまった。

 

「どうした、顔色が青いぞ」

 

光國が打ち返したボールに対して、ダブル・バウンドが使えなかった。

いや、使ったには使ったのだがボールの状態の定義を改変することが出来なかった。七草真由美の魔法よりも強いボールを打った。

 

「やっぱり…やっぱり、隠し持っていたのね!」

 

「エリカちゃん、アレを知ってるの?」

 

観客席で見ているエリカは遂に来たかと興奮をする。

美月はこの事を知っていたのかと聞くが、首を横に振る。

あくまでも、存在するかもと言うものであり、もしかしたら存在しないもの。それが今見せた技だ。

 

「美月、風林火山を言えるかしら?」

 

「えっと、疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵略すること火の如く、動かざること山の如しで武田信玄で有名です」

 

「そうなんだけど、少しだけ間違いがあるのよ。

風林火山って言うのは孫子の兵法に関する本に書かれているのだけれど…風林火山だけじゃないのよ。後、二つあるのよ…それが今見せた技…雷、動くこと雷霆の如し」

 

チラリとリーナを見るエリカ。

風林火山の雷の存在は知っているが、どう言った技かは知らない。

一番長く一緒にいるリーナならば知っているんじゃないかと見つめる。

 

「アレは素早さとパワーに全振りをしているのよ。

100メートルを全力で疾走するのと50メートルを全力で疾走するのは同じ短距離走でも全く異なるもの。ましては10メートルとなれば更に違う。

光國はスタートダッシュをそれこそ雷が落ちたんじゃないかと思える様な速度で動きだし、次の手に繋げない、使えば当たれば即死の一撃必殺の如くラケットを素振りしてボールを打った…ただそれだけよ…それだけを使う技術を光國は持っているのよ」

 

「まだ、まだよ!」

 

ボールを拾いに行った真由美は持ってきた普通のラケットを握る。

ここで敗けてしまったらとボールをラケットで打ち返して、雷に備える。

如何に雷が強力と言えども何処かに弱点があると真由美はマルチ・スコープでコート全体とボールを見るのだが

 

「手の内を探ろうとしているけれど…光國くんには無駄よ、元会長」

 

「…っ…」

 

光國の動きから予想して、光國の弱点や雷を見抜こうとするが出来ない。

無駄な動作が無くなった様に見えて、複数の行動パターンを何重にも見せる様な雰囲気を醸し出し、心を閉ざしていた。

それは、対抗戦で紗耶香に教えた閉心術…のその先にあるもので、少しでも光國の情報を取ろうとしている者達は情報が取れず、ある程度の目利きが出来る者達は急に目利きが出来なくなった。

 

「知り難きこと、陰の如く…七草真由美!ただでは返さん、敗北の淵へと案内してやる!!

マルチ・スコープで感じるんじゃない、お前の肉眼で見ろ!最強と言われた、オレの真の姿を…雷、動くこと、雷霆の如し!!」

 

ダブル・バウンドで倍返しした球を更に倍にして返す百練自得の極み。

フィールド中を多方面で近くすることが出来るマルチ・スコープに対して、知覚した後に何百と言う戦略パターンをシミュレーションして最高の手段を見つける才気煥発の極み。

光國はそれを使わずして圧倒的に優位な立ち位置で戦う。

 

「常に優位な立ち位置にいたのは、御互いとも同じだが…今ここで息の根を止めてやる!挫折と言う意味を教えてやろう…動くこと、雷霆の如し!!」

 

「きゃあ!」

 

「温いな、お前の細腕では一生返すことは出来ん。

…ダブル・バウンドは百練自得の極みと雷で返され、マルチ・スコープは才気煥発の極みと陰に封じられる…」

 

「コレが、コレが、手塚くんの真の姿…」

 

「風林火陰山雷…オレには一部の隙も無い!!」

 

最早、打つ手は真由美は持っていない。

魔法を封じられ、ラケットもガットを貫き、使い物にはならない。

本気になり、本気のテニスをする光國には勝てなかった。魔法を使わない光國には勝てなかった。

 

「はぁはぁ…久々にやったから、ちょっと調子に乗りすぎたな…」

 

第2セットも光國の勝利で終わるのだが、汗だくの光國。

足が生まれたての子馬の如くプルプルと震えており、市原が待つベンチへ戻ろうとするのだが

 

「手塚くん!?」

 

「あ~くそ…結果的には二十回ぐらい雷をしてたな…」

 

転けてしまう。

市原は直ぐに駆け寄って、プルプルと震える足に触れる。

そして真っ赤に腫れ上がっている事に気付く。

 

「これは…」

 

「雷は初速に、スタートダッシュに全てを注ぐ…諸刃の剣だ…」

 

「これ以上は、ダメです。

森崎くんとの試合の時は仕方ありませんでしたが、今回はダメです」

 

アイシングを押し付けながら、雷の使用をやめろと忠告する。

この時点で既に激痛が走っており、常人には耐えられないだろうが、コレから更に雷を発動しようとする。手塚光國と言う男はそんな男だ。

 

「悪いけど、オレは勝ちに行くんで…勝って、成就させないと…」

 

「まだ、試合が残っています…U-17の日本代表としての試合が…」

 

「…まぁ、うん」

 

「手塚くんは、九校戦が終われば行きますよね?」

 

「ああ…」

 

愛梨との試合を終えた後に光國の雰囲気が変わった。

迷いを断ち切った事で変わったと気付き、納まるべき場所に納まろうとしている。

なにがなんでも元会長を倒すのは、納まろうと戻ろうとする強い意思を証明する為だが、身体が使い物にならなくなったら話にはならない。

 

「…ふぅ……あ、そうだ……」

 

「どうかしました?」

 

「風林火陰山雷は、昔から使えていた。

百練自得の極みと才気煥発の極みは魔法だ…だから、テニスじゃない…たった今、思い付いた…新しい技…を……Zzzz…」

 

「手塚くん…手塚くん?

新しい技って…ま、まさか!?」

 

眠りに落ちた光國。

市原は起こそうとするのだが、途中で止める。光國の新しい技の正体に気付いた。


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