魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
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一年にたった1日、会えると言う世にも奇妙な物語

「…」

 

目を覚ますとリーナは知っているけど、知らない天井を見た。

 

「ここは…」

 

九島の本家の一室の天井だっけ?とゆっくりと体を起こしたリーナ。

体が痛いとかそう言うのは一切無く、むしろ快調で今すぐにテニスが出来るほど。

 

「確か…そうだわ…」

 

「目を覚ましたか」

 

眠る前になにをしていたか思い出したリーナ。

すると、九島烈と藤林響子が部屋に入ってきたのだがどうも空気が重苦しい。

九島烈は読み取りにくいが、響子は今にでも泣きそうな顔で伝えるべきか否かで悩んでいる。

 

「…なんで光國と一緒に寝かせてくれなかったの?」

 

九島に呼び出しをくらったとしても、普通に光國と一緒に寝るリーナ。

もうその辺については九島では諦めており、寝かせるのならば光國と一緒の筈なのに光國は居ない。

 

「リーナを此処に運んだのは司波深雪と司波達也だ、既に東京に帰ってしまったが後日ちゃんとした礼を言いなさい」

 

その質問に答えない九島烈。

連れてきたのは深雪と達也だと分かると顔に出さずやっぱりか…と遺言を思い出す。

 

「…一度しか聞かないわよ…光國は、光國は…何処なの?」

 

「…手塚光國は死んだ…」

 

「っ!!」

 

九島烈の一言を聞くと枕を九島烈に投げつけるリーナ。

魔法もなにも掛かっていない枕をあえて避けず、顔で受ける九島烈は無言でリーナを見つめる。

 

「そんな…そんな筈が」

 

「自分が見たものを疑うのか?

…早すぎる別れだ…少し、席を外す。頼んだ」

 

「はい…」

 

九島烈は席を外す。

今此処でなにを言ってもリーナは信じないし、乗り越える事は出来ない。

事情はあれども、同情から始まったかもしれないが手塚光國と育んだ愛は本物だ。

そんな手塚光國が死亡し、絶望したのだ。本当の意味で立ち直るには誰かの手を借りる事無く、自力で立ち上がらなければならない。

 

「…お前は敵を作りすぎだ…」

 

唇を噛み締める九島烈。

魔法師の世界とはいえ、もっと輝ける場所を用意する事だって出来た。

一向に尻尾を振らず、友好的になろうとしなかった光國を哀れむ。これが、今の世界に世の中に歯向かった者の末路だと考える。

 

「せめてもの手向けだ…白い魔法使いを捕まえて、お前の様な存在を増やさない世の中にしよう。犠牲はお前だけで良い。」

 

光國が最も喜ばない事を、弔いの花として添える九島烈。

涙は流さないが、怒りを露にしてリーナと響子が居る部屋の前から離れていった

 

「…機械類は無いわね?」

 

そしてそれを確認するリーナ。

さっきまでの泣きそうな顔はなんだったんだと言いたくなるぐらいスタイリッシュと言える顔で部屋に盗聴機などの機械類が無いかを探す。

 

「リーナ?」

 

「ふぅ…なにがお前の様な存在を増やさないよ!

確かに犠牲は付き物よ…けどね、それで良いって納得した時点でおしまいなのよ!

努力ってのが如何に少ない犠牲にするかってなら、その幻想をぶち壊すわ!ファ●キュー!!」

 

盗聴などがされてないことを確認し終えると、中指を突き立てるリーナ。

光國が死んだのに、悲しむ素振りすら見せない。無理矢理笑顔になっているわけでもなく、悲しむ理由が無いかの様に平然としている。

 

「全く、光國もあの白いのも…私を混ぜなさいよ…」

 

しょぼんと落ち込むリーナ。

悲しむとかでなく、仲間はずれの疎外感が嫌だなと落ち込んでいる。

 

「あ、あの、リーナ?光國君は死んだのよ?」

 

「あ…」

 

響子の反応を見て、やっべ私も知らないなら他の人だってと自身の失態に気付くリーナ。

この期に及んでまだなにかを隠していることを自供してしまい、渋々語ることにした。

 

「えっとね…遺言を貰ったのよ」

 

「遺言?」

 

「そう…自分の嘘に乗れって。

光國がまだなにか隠し事をしているのを、九島は見抜いていた。他の人も見抜いていた。

ベルトの変化にも気付いていて、全ての真実を知り情報を握っているのは手塚光國だって、手塚光國は邪魔な存在だってわかっていた…偽造死よ…」

 

リーナに残した光國の遺言。

 

 

「自分の嘘に乗れ」

 

 

自身の存在が邪魔ならば、消してしまえば良い。

自身の存在が無ければ、情報は手に入らず目障りだと思っている連中はなにもしない。目的を失ってしまう。

光國は魔法師の世界では戸籍や名前を改竄とか当たり前だと話していた。

きっとそれを伝えるべく、そんな事を話したんだと理解するリーナだが

 

「目を、目を覚ましなさい!!」

 

バシンと、とても良い音が鳴り響くビンタを響子にされた。

響子は怒っており、懐から写真と鑑定書を取り出す。

 

「過去に採取した唾液のDNAと頭部に残っている血液のDNAが一致。

更には脳解剖の結果、手塚光國が魔法師でない事を証明した証明書よ…光國君は、死んでいるのよ!!魔法的面でも科学的面でも調べ尽くしたのよ…」

 

ポロポロと涙を流す響子。

結局自分はなにもすることが出来なかった。

もう少し、もう少し頑張って手を伸ばせば救えたかもしれないのに、全てを捨てる覚悟なんかができていなかった響子はそのもう少しが出来ずに後悔し、弱い自分を憎んだ。

 

「な、なにを言ってるのよ?

ほら分身したじゃない、それを使って」

 

「光國君がもう魔法師じゃないのは知っているでしょ!!」

 

それすらも嘘だと言うが、直ぐに否定される。

頭部の写真と鑑識の診断書は紛れもなく本物、人格や性格はともかく腕は本物の連中が作り上げた代物である。

 

「嘘よ…嘘に決まっているわ!!」

 

光國は最後に嘘に乗れと言ってきた。

それは自身の死を偽装しろと言う意味だ、そうに決まっている。そうじゃないと、そうじゃないとおかしい。

リーナは声を出そうとするが出ない。目に見える証拠をつき出されてしまい、心の何処かで光國は本当に死んでしまったと認めてしまった。

 

「ちが…ちが…」

 

再び走馬灯の様に頭を駆け巡る光國との思い出。

出会いから別れまでが流れ終えると、リーナは深い絶望をしてしまい、自身の中のなにかが壊れてしまった。

 

「リーナ!?」

 

深い絶望をしたリーナの体にヒビが入る。

ファントムを知らない響子はどう言うことと慌てるが、直ぐに医者を呼ぶべく外に出ようとするが、ドアが開かない。

 

「なんで、ドアが!!」

 

「…ふふ、そうだ…」

 

絶望をし、自身がファントムを生み出すと、なにかが変わると分かったリーナ。

気持ち悪いが、それでも力が体中から溢れでる。今までとは比べ物にならないぐらいに、快調だ。これならばと一つ、あることを浮かべる。

 

「光國が居ないなら、もう好き勝手やっても良いわよね?」

 

手塚光國といたことにより、別の視点から色々な事を見ることが出来たリーナ。

魔法なんかなくても別にどうってこと無いと、普通って意外にも難しいとかそんな事を学ぶが、それと同時に魔法師の異常さをより知ることが出来た。

だからよく分かった。世界はもう、本当に手遅れなところまでやって来ているのを。

民間と国のパワーバランスがおかしくなっている。十師族>国とも考えている馬鹿達が多いのを、国に使い捨てされないとはいえ、余りにもやり過ぎている。

腐った世の中を変える革新的なナニかがその内起きるだろうが、もう遅い。もう待てない。

リーナはこの絶望を受け入れようとする。自身の中にいるファントムにこの腐りきった世界を壊してもらおうとする。

 

「…光國がいないなら、死ねば良いのよ…」

 

「リーナ、意識を保って!!」

 

絶望に飲み込まれ、ゆっくりとゆっくりと眠りに落ちていくリーナ。

完全に意識が絶望に飲み込まれていこうと言うその時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファミチキ、ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

なんでよりによってそれなのかは分からない。

しかし、少なくともリーナの頭の中には光國の声でそれが過った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、Lチキください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつ、直接脳内に…ああ、そうか…」

 

頭に響く光國の声。

Lチキかファミチキのどちらかを用意すれば良いのかと考えるのだが、そうじゃない。

この声がなんなのかをリーナは理解した。

 

「一緒に生きてるのね…えへへ…」

 

光國は今も自分と一緒に居てくれるんだと笑うリーナ。

絶望を乗り越える事に成功した彼女はファントムを出現させることなく、制御下に置くことに成功した。

 

「今のは…」

 

「…光國…うん、うん…そうなの。

皆ね、勘違いしているの。そうそう…うん、うん…ええ、成功よ」

 

なにもいないところに語りかけるリーナ。

響子は体のヒビが消えたことよりもそっちの方を気にしてしまう。

 

「リーナ、なにを言っているの?」

 

「あら…そう、聞こえないのね。

折角光國がいるのに…キョウコは信頼できるでしょ、貴方は何だかんだで信頼も信用も出来る唯一頼れる大人だって…恥ずかしがらないの」

 

誰かと会話をしているようだが、誰もそこにはいない。

響子はリーナの顔を、リーナの目をみて気付く。リーナの目は死んでいた。

出会った頃の手塚光國と同じく、完全に死んでおり、リーナの精神がどうなっているのか気付いた。

リーナは精神を病んでいる。リーナは幻聴が聞こえてしまっているんだと、そう判断した。

 

「リーナ!!」

 

「っきゃ…なに?」

 

「大丈夫…大丈夫よ、最後に残った貴女だけは絶対に!」

 

光國に対してなにも出来なかった。

せめてリーナだけでも守らなければならないとリーナを抱き締める。

だが、リーナは暑苦しいと響子から離れる。

 

「貴女に守ってもらわなくても、大丈夫…私には光國がいるのだから…あ、そう言えばまだ挨拶をしてナイわ」

 

幻聴で正気を保てなくないリーナ。

響子はゾクッと身震いをするのだが、挨拶の発言で思い出す。

光國の戸籍なんかは光國の母親が持っている。九島が色々と用意したが、絶対に首を縦に降らなかった。

死亡したら死亡届とかそう言うのを用意しなければならず、そう言うのは母親が出さなければならない。契約している物とかを解約した場合、母親が相続しないといけない。

 

「…お祖父様が行っても、殴られるだけね」

 

光國の母親は九島烈が大嫌い。

塩を撒くどころか、焼き固めた岩塩を投げつけるレベルで魔法師は嫌いじゃない。

要は性格の悪い魔法師は大嫌いで、その辺を見抜く目を持っており、光國自身も母親の事をすごい人と言っている。

 

「ねぇ、こんなんじゃ失礼でしょ?」

 

黒いスーツと黒いネクタイと言う葬儀の格好で大阪にやって来た。

光國の死亡報告を志願し、リーナも連れていかなければならないと来たのだがリーナは服装に不満を持つ。

 

「私、ちょっとゴシックな黒いウェディングドレスが良いって光國と話していてね…あ、でも結婚式とか恥ずかしいって嫌がっていたわ…二人だけの結婚式…神父役が欲しいわね…」

 

「リーナ、早く歩きなさい」

 

もうどうにも止まらないリーナ。

言葉で正気に戻すのは無理だと判断し、引っ張って歩かせる。

 

「場所的には、此方の筈だけど」

 

四天王寺中学からちょっと距離があり、レトロ感満載の所を歩く二人。

ここに住んでいるなら東京でも珍しい古くさいアパートに住みたいと思うだろうと辺りを見渡す。

上の地位の人間の響子は仕事以外でこんな所には絶対に来ないだろう。しかし、悪くはない。心地良い。

 

「あ、あった…アパートね」

 

光國が住んでいるアパートと同じ雰囲気を醸し出すアパートに到着した響子とリーナ。

何処の部屋だっけと確認をしようとするのだが、リーナが先に歩き出してチャイムを押した。

 

「ちょっと…」

 

「大丈夫よ…ここから光國の匂いがする」

 

勝手にチャイムを押したリーナだが、その目には迷いはない。

間違ってたらと確認するが、そこが光國の家の部屋で間違ってなかった。

 

「あら、ちょうど良いタイミングに来たわね…浅漬けが出来たところよ」

 

ガチャリとドアが開くと、綺麗な女性(容姿が三雲香澄)が切った胡瓜をパリパリと食べながら二人を出迎えた。

 

「あ、あの!!」

 

「良いから、とっとと入れ。

謙ちゃんとかが、あの馬鹿は一回ぐらいは私に顔を見せに来るってその辺を走り回ってるわ」

 

リーナと響子を見て全く驚かずに、部屋に入れる綺麗な女性もとい光國の母。

ちゃぶ台を取り出し、冷たい麦茶を置くとキッチンに立った。

 

「ごめんなさいね、茄子の方はちょっと行っちゃって」

 

胡瓜の浅漬けを切ったものを出してくる光國の母。

茶菓子の代わりに出したのか?生活が厳しいと言っていたからかと口にするのだが

 

「あ、美味しい」

 

結構、旨かった。

パリパリとリーナは食べる。

 

「貴方がアンジェリーナ、いえ、リーナね…そう…」

 

美味しいと黙々と食べるリーナを見て、茶を啜る光國の母。

 

「自己紹介がまだだったわね、手塚閖よ…うちの子がなにかと迷惑をかけたり掛けられたりしたわ。ごめんなさい、それとお前達も反省しなさい」

 

肝っ玉と言うか虎視眈々な手塚閖。

空気を読んで御世辞を言うようなタイプでないのが、なんとなく分かるが此処までストレートに言う人ははじめてだと茶を啜る響子。

 

「此処に来たのって、アレでしょ?光國が遂にくたばったのよね?」

 

「ぶぅ!?」

 

用件を言う前に言われて、言い方がアレだったので吹き出す響子。

悲しむ素振りすら見せない手塚閖は汚いわねとちゃぶ台をテーブル拭きで拭いた。

 

「な、なんで知ってるんですか?」

 

「そりゃあ、光國と会ったからよ。

にしても、あのクソジジイ…家で傷付けることはあっても、外部からは守り抜くって言ったのに、殺されてるじゃない。ナツメグしか入れてないスープを飲ませるか、ドリアンと酒で殺してやろうかしら…いえ、殺すんじゃなくてガチンコ対決の場所が欲しいわね…良い年した老害を殴り倒す機会なんて早々に無いし」

 

表情一つ声色一つ変えずに恐ろしい事を語る閖。

ああ、これは親なんだなと納得しているのだが直ぐに飛んでもない事に気付く。

 

「光國君に会った!?」

 

手塚光國に出会った事に驚く。

それをみてあれ?っと、閖は首をかしげる。

 

「…リーナ、で良いのかしら?

私の事は閖さんでお願いね…リーナは聞いていないの?」

 

「えっと、光國の声は聞いたけど…詳しい事は。

聞こうとして語りかけているのですが、一向に返事が無くて」

 

「馬鹿ね、返事しようにもその場には居ないのだから当然じゃない」

 

「あ、あの!!

すみませんがなんの話をしているかの、説明を…私にはなにが何やら」

 

「あら、さっきから光國の話をしているじゃない…胡瓜食べる?」

 

話の意図が理解できない響子。

閖はリーナが幻聴を聞こえてしまっている事を知っている。

そしてさっきからグイグイと胡瓜を進めてくる。何故か胡瓜を進めてくる。

 

「あの…光國君は、死んだんですよ!!もっと、もっと悲しむとかそんなのを」

 

「そうは言ってもね…流石に三年も顔を合わせてないし、この前顔を見れてちゃんと元気にしてるってホッと一息つけたし…一年に一度、顔を出してくれるみたいだし…一番上の秀吉が既に成人して、一人暮らしをはじめてるけど年に数回は家に帰るって言ってくれて、実際に来るから…子が自身の元から巣だったけど、ちゃんと顔を出すときは出してくれる孝行息子だから寂しいっちゃ寂しいけど、泣くほどじゃないわ。これから自分の余生を楽しもうと言うオバンな心が…まぁ、まだ一番下の娘が居るからまだまだ頑張るけど」

 

「…」

 

狂ってるのか、それとも現実を受け入れられないのか分からない響子。

この時点で響子は間違っていた。閖は狂ってるわけでもない。現実を受け入れられないわけでもない。

 

「て言うか、さっきから露骨にヒントを出してるのに気付かないの?」

 

最後の胡瓜を食べる閖。

どういう意味だと考えていると、閖はサングラスを掛けて手帳を取り出す。

 

「ここ最近が、なんの日だったか思い出しなさい」

 

閖がそう言うとここ最近がなんの日かを思い出そうとする響子。

ここ最近あったことと言えば九校戦とU-17、今起きている事と言えば各種のインターハイぐらいで特に目ぼしいものは…無い…のだが、あるぞと皿を流し台に入れてアピールする閖。

 

「トゥルルルルン、トゥルルルン」

 

更には何かのBGMを口ずさむ。

何かあったかと必死になって思い出そうとし、鍵となるキーワードはないかと探る。

そして見つける。胡瓜の浅漬けを出した際に、茄子の方も出したかったが出せなかったと申し訳ないと軽く謝ったのを。

胡瓜と茄子の季節は夏、夏真っ盛りの今が食べ頃だが、何故よりによってその二つなのかとなる。ここ数日で、その二つが関わりのある事が何かあったかを思い出す。

社会人の、しかも国の人間である彼女にとっては休みなんてものは無い。右向けば左向けばテロリストなこんな世の中、当然と言えば当然だ。だから、忘れていた。

 

「…あ、ぁぁ…ああ」

 

お盆の存在を。

響子はリーナが聞いた声が幻聴でないと確信した。

リーナの容態が変化した際に部屋を出ようとしたのに出れなかった、叫んだのに誰も反応しなかった理由が分かった。

どうして光國の母が自分達が来るのが分かっていたのか、悲しむ素振りを全く見せないのか、胡瓜の浅漬けは出せたのに、茄子の浅漬けが出せないかが分かった。

 

「出るものが出るってことで、家賃が下がらないかしら?」

 

「いいいぃいいいい、やぁあああああああああ!!」

 

閖の言葉がどういう意味かまだ分からないほど、馬鹿じゃない響子は気絶した。

 

「…気絶したわね…やれやれだわ…」

 

「あの…光國はなにを」

 

「死んだら救われるって言うけど、日本人って死んでからが本番なのよね…ま、あの子を信じておきなさい。リーナ、光國はうちの子で一番面倒だけれど、やる気を出して誰かの為にってなった時は誰にも手をつけられないわ…ちょっと、一服させて貰うわね」

 

閖はコンロの火を使い、煙草に火をつけた。


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