魔法科らは逃げれない。   作:天道無心ビームサーべ流
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入学編
冷静に考えれば、お盛んなことである。


リーナと暮らしはじめて早数年たった。

時折リーナと一緒にリーナの実家に帰って、確実に外堀を埋めに来る作戦をしてくるがもうどうでもいいと思い出している光國。一度想像妊娠をした事があるのでもういいやと諦めてる。

そんな事よりも競馬だぜと知り合いに馬券を買いにいって貰って競馬をやったり、競艇をやったり、闇サイトで九校戦の賭けをして、研究の手伝いを名目に九島から貰った金を着実と増やしている。

 

 

 

「…」

 

「私よりも上がいるなんて…いったい、誰かしら」 

 

やっと始まる魔法科高校の劣等生。

主人公が通う魔法科第一高校へと向かう道中、リーナは不満げな顔で自分が首席じゃ無いことに呟く。 

 

「別に首席じゃ無くてもいいだろう」

 

「ダメよ、遠縁とは言え私はクドウなのよ…あの時、間違えなければ…」

 

 

九島と言う日本の魔法師にとっては絶対的存在の名前を持つリーナ。

もし悪い成績や成果が上がらなければ、九島の顔に泥を塗るだけでなく光國の側に入れなくなる可能性があり焦る。尚、首席はさすおに言っている人こと司波深雪だ。

本当に初歩的なミスがあり、例年ならば首席だったのだが司波深雪の成績が断トツなせいで初歩的なミスすら許されない状況でリーナと深雪の成績はほぼ一緒なのをリーナは知らない。 

 

「て言うか、なんで貴方は二科生なのよ!」

 

「…なぜだろうな?」 

 

魔法科高校は成果主義の高校だ。

入試の成績でクラス分けをされ、成績の悪い二科の劣等生の制服には成績の良い一科の優等生の制服にされている花弁の刺繍が無い。

リーナの制服には花弁の刺繍が施されているが、光國の制服にはなにもない。

 

光國は魔法科高校の劣等生になった。

 

 

「…まさかとは思うけれど、手を抜いた?」

 

 

「馬鹿を言うな。

仮に落ちた場合、オレは施設送り…お前とも離れ離れになるぞ」

 

光國は一切、手は抜いていない。

現代魔法は本当に普通だが、それでも手を抜かず頑張ったが二科生だった。

 

「そう、よね…ええ、そうね。

光國、落ちたら私と離れ離れになっちゃうものね…頑張ったわね」

 

「ニヤつかないでくれ」

 

 

自分が意識されている事を嬉しいとニヤつき、距離を縮めるリーナ。

光國を逃さないと腕を掴もうとするのだが、避けられる。しかし距離は離されない。

 

「話を戻すが、首席じゃ無い方が良い。

後任を育てるべく、生徒会に入れる、なんて事が起きる…仮にリーナが何らかの組織のトップだったら後任の為に首席に声をかけるだろう?」

 

「え、ええ!そうね!!」 

 

「…もう少し誤魔化せ、オレの様に」 

 

「何度も言っているけど、普通に喋らないの?」 

 

「…今度、沖縄にいってみるか?」 

 

「…もう、水着が見たいなら素直に言ってよ…その、また胸が大きくなったみたいだし」

 

「なにを勘違いしてる」 

 

家や九島の人達の前では堂々と関西弁で喋る光國だが、それ以外では出来る限り標準語を喋っている。

この数年側にいたリーナはそれに馴れずにいる。

変な方言で恥をかくわけにもいかないし、リーナに移ると九島になに言われるか分からない。

 

「日本各地の方言を勉強してこい。

世界でもトップクラスに難しい日本語が更にややこしくなり、もう頭がクルクルパーになるぞ」

 

「クルクルパーの時点で分からないわ…」 

 

ニホンゴ、ムズカシイ。

 

数年住んでいるが、分からない時が結構ある。

水着はともかく、何時かは光國となにもかも忘れて旅行へ行きたいと思う。

 

 

「それにしても、早く来すぎたんじゃない?」

 

 

第一高校についたリーナは時間を確認し、入学式まで大分時間があった。

もう少し一緒に寝ていても入学式には充分間に合うのだが、光國に早くに叩き起こされた。

 

 

「お前を負かした相手を見たくないのか?」 

 

「…見てみたいわね」 

 

自分を負かした相手を気にするリーナ。

この第一高校には十師族の七草と十文字が通っている、そう通っている、つまりは在校生である。新入生ではない。

今年度魔法科高校に入学する十師族の新入生はリーナの知る限りは、一条家の一条将輝だけで、その一条将輝は魔法科第三高校に入学した。

だから、気になってしまう。自分よりも上の人物を。

 

「でも、そう易々と会えるものなの?」 

 

「入試のトップは新入生総代を勤めるから、早めに来ないといけない…ああ、噂をすればなんとやらだ」

 

 

光國が後ろを振り向いたので、リーナも振り向いた。

 

「!」 

 

後ろには自分達と同じ女子が一科生、男子が二科生のペアがいた。

男子の顔立ちはそれなりだったのだが、女子の方は美しかった。見るもの全てを魅了する、そんな美しさで同性であるリーナは驚き心を奪われかける。 

 

「納得できません。何故お兄様が新入生総代をお勤めになれないのですか?

入試の成績はトップだったじゃありませんか!私ではなく、お兄様が新入生総代を勤めるべきです!」 

 

しかし女の一言で戻った。

 

「お前も普段はああいう風に見られているんだぞ」

 

「なら、隣にいるのは貴方ね」 

 

「いや、それはない…アレが最上位とするならばオレは地を這うアメーバだ」 

 

「卑下しすぎよ…」

 

お兄様と比べられれば誰だってそうである。

光國達と同じ感じの二人組こそ、さすおにこと司波深雪とお兄様こと司波達也であった。 

 

「あ、こっち見た」 

 

リーナもリーナで色々と存在感を放っており、司波兄妹は気付いた。

尚、光國の存在も気付いてはいるがリーナのインパクトが強すぎるせいで特に気には留めていない。

 

「おはようございます」 

 

にっこりと微笑み挨拶をする深雪。

あ、これは自分に向けられている挨拶じゃねえやと光國は逃げようとするのだがリーナが足を踏んで、動けなくしており逃げれなかった。 

 

「ええ、おはよう。

驚いたわ、自己採点でも新入生総代は余裕でいけると思ったのに奪われるなんて」 

 

遠回しに嫌味を言うリーナだが 

 

「ええ、私も驚いています。

本来ならば私ではなく、お兄様が新入生総代を勤めるべきなのに…」 

 

深雪は別方向に返した。

それを聞いて何とも言えない表情のお兄様もお兄様でなにかと大変だった。 

 

「お兄様?」

 

 

「はい、本来ならば入試のテストも魔法もお兄様が」 

 

「深雪、それは仕方ないことだと何度も言っているだろう」

 

「ですが!」

 

「ふ~ん…貴方のお兄さん、実戦向きなのね」 

 

「「!?」」

 

 

二人だけの世界に入ろうとした矢先、お兄様を見抜くリーナ。 

 

「…何故、いきなりそんな事を?」 

 

「ここの入試って、筆記と実技に別れているけれども実技の方に問題があったわ。

対象物に対して魔法を発動して、その際の速度や干渉力を測るだけのテストと言うよりは貴方は魔法が使えますかと調べられてる気分だったわ。

動かないマトになら魔法を使うよりも殴った方が早いんだから、それなりの魔法師を連れてきて時間以内に隠し持っている鍵を奪って箱を開けるとかの方がより使える成績を出せるって光國が…光國も、似たような感じだから」

 

「オレに回さんといてくれや…」 

 

二科生の証とも言える刺繍をされてない部分に触れるリーナ。

二人の視線が光國に向けられてしまい、光國は余計な事をと頭を抱える。

 

「だから、実戦向けと言ったのか…」 

 

「敵を見るような目で見るな…」 

 

下手に目立ちたくない司波達也。

入学早々に実戦では動くがテスト形式だと逆にダメなタイプと知られてしまうのは面倒だなと光國を見る。

 

「ところで、こんなところにいて大丈夫なのか?

新入生総代は入学式に面倒な祝辞をしなければならないと聞いているが…」

 

「あ、そうでした!お兄様、私はこれで…えっと」

 

「手塚だ」

 

「アンジェリーナ=クドウ=シールズ、リーナで良いわよ」

 

「手塚さん、リーナ、失礼します」 

 

話題を変えると、入学式まで時間が迫っている事に気付く深雪。

三人に一礼をして校舎へと向かっていった。 

 

「…そう言えば、名前をまだ聞いてないわね。妹の方がミユキで」 

 

「俺は達也、司波達也だ」 

 

「双子なのに似ていないわね…」 

 

「よく双子と間違われるが、俺が四月、深雪が三月生まれで兄妹なんだ」

 

 

「随分とおさか…聞かなかった事にして」 

 

「?」

 

 

生んでから直ぐにヤることヤってんだなと浮かべて顔を真っ赤にさせるリーナ。

実際のところは色々とあるのだが、冷静に考えればお盛んな事である。お兄様は意味を気づかない。 

 

「そう言えば、手塚も同じと言っていたが手塚も実戦向けと言う事なのか?」

 

「………まぁ、百聞は一見にしかずだ」 

 

興味の対象を何故か此方に向けるお兄様。

どうしたものかと考えて、一先ずは試してみるかとお兄様の前に立つ。 

 

「待て、入学して早々にこんなことを、それにこんな場所で」 

 

「最初は、グー……最初はぐー…」 

 

腕試しをする為に襲ってくるかと身構えつつ止めるのだがバトルする展開にはならなかった。

光國はじゃんけんをするべく、手を出したがお兄様は反応できなかった。感情が薄いので、ノリが悪かった。

 

「…最初はぐー…」 

 

「タツヤ、やってみれば分かるわよ…結構本気でやってみて」

 

中々に乗らないお兄様を見て、もうやめようかなと考えているとリーナが乗せた。

これにはなにかの意味があるのだろうかとじゃんけんをするお兄様だがパーで負け 

 

「あっち向いて、ほい!」

 

 

あっち向いて、ほいにも負けた。 

 

「最初はぐー」

 

「待て、これは」 

 

「いいから、最後までつきあいなさい」 

 

「じゃんけんぽん!」

 

 

この一連の流れになんの意味があるか分からないお兄様。

答えるよりも見る方が早いと、最後まで付き合ってみるのだが

 

 

 

「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」「じゃんけんぽん!」「あっち向いて、ほい!」

 

 

 

「!?」

 

 

全てにおいてお兄様は負けた。

途中から本気になったのだが、それでも光國に勝つことは出来なかった。

 

「あら、面白そうな事をしているわね」

 

光國に勝つことが出来ない事に驚いていると、横から割って入ってきた女性の一科生。

彼女の名前は七草真由美、十師族の七草家の人間でこの第一高校の生徒会長でもある。

生徒会長で新入生への挨拶があり早目に登校してきたのだが、光國と達也の役割を見て面白いと割って入った。 

 

「貴女は?」 

 

「あら、ごめんなさい。

私は七草真由美、この一校の生徒会長をしているわ」 

 

「七草…十師族ね…」 

 

「貴女は、アンジェリーナ=クドウ=シールズさんね」 

 

「…よく知っているわね」

 

「知っているもなにも…三年前に徳川の埋蔵金を掘り当てたじゃない」

 

「やめて、それを言わないで…結構大変だったのよ…」

 

徳川の埋蔵金を手に入れたリーナは一躍時の人になった。

コブラ、カメ、ワニの爬虫類のコアメダルの存在を隠すべく九島が大々的に発表した。

徳川の埋蔵金だと判明したので報労金を貰ったのだが、猫ババしていた分を差し引いても尋常じゃない程の額で、金目当ての人が近付いたり、呪いの手紙が届いたりと大変だった。

元から深雪とは方向性は違うが容姿の良いリーナは、莫大な金を手に入れたので男に言い寄られたりするのが大変で苛めになりかけた事もあった。 

 

「第一、見つけたのは光國だし…」 

 

「あら、そうなの?」

 

「リーナの方が名前的にも顔的にも絵になりますので、そう言うことに…生徒会の準備をしなくていいんですか?」 

 

「もうこんな時間ね…それじゃあまた…」

 

七草会長は、深雪が向かった方向と同じ方向へと走り出す…のだが 

 

「最初はぐー!じゃんけん、ぽん!」

 

「あっち向いてほーい!」 

 

「…楽しんでね!」

 

「…ふ、オレに勝とうなんて百年早いんだよ」

 

 

 

途中振り向き、光國にあっち向いてほいを挑んだが不様に敗北をした。

ここで普通に勝って魔法科高校を楽しんでねと言い、上には上がいるんだと言うのを分からせる展開だが、光國は普通に勝ってしまった。

 

 

 

「まぁ、十師族と言えどもオレに(あっち向いてほいで)勝てるはずはないか…」

 

 








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