艦これすとーりーず ―僕が異世界版艦これの提督になった件について― 作:謎のks
僕たちは「襲われた商船」の任務中に、レ級率いる敵艦隊と交戦する。その最中に敵に不意を突かれて轟沈の危機にさらされる翔鶴。
僕は妖精さんから教えてもらった「異世界転生の特典(スキル)」を活かして、彼女を轟沈から救う。色々言っていたけど怒り心頭になっていた僕は乱暴に言葉を投げつけその場を無理やり収めた(傷ついてるだろうから、後で謝らないとなぁ…)、しかしレ級の猛攻は続く。今度こそ万事休す!と思ってたら金剛が金剛パリィして助けてくれた。
対峙するレ級と金剛との、真剣勝負が始まった………と、いうのが前回までの展開。ここからどうなるかというと?
「はあぁぁあああ!!」
『…ッギ! ギャァアアアアアア!!!』
金剛に吹き飛ばされたレ級、体制を立て直したと思いやいきなり吠え始めた。ゲームだとこの後仲間を呼んだりして戦況がややこしくなるんだけど…?
『■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーッ!!!』
そのとおりだったよ(^p^)>テヘッ☆
駆逐艦イ級辺りがうじゃうじゃと海中から沸いて出てきた。わぁいこの展開どこかで見たことある〜死亡フラグ乱立中?
「相手にとって不足なし! もう止まらないわよ! 覚悟しなさいっ!!」
威勢良く啖呵を切る金剛、その勢いのまま深海の相手に向かって突進! …うわわわ、エネルギーフィールド? 的なの展開して突っ込んでるよ、イ級たちがピンボールみたいに跳ね飛ばされてくよー(・∀・)ザマァ!
「…あの娘、一体なんなの?」
翔鶴が完全に理解不能って感じで僕に聞いてきた。そんなこと言われても。
「さぁ? 僕にも分からない」
…って言うしかないよね?
「さぁ? って…一緒に居たんじゃないの??」
「いやぁ、なりゆきまかせというか…」
「何よそれ、使えないわね。これだからニンゲンは」
「はぁ!? そこまで言う!!? ###」
「…でも、ありがと」
「は?」
「っ!? な、なんでもないです!」
翔鶴がなんか急に顔を赤らめてるんだけど、こっちはこっちで別のフラグ立った? でも残念、僕が好きなのは金剛だけだから。
「…ツンデレ?」
「そんな言葉知りません! もう忘れてったら!!」
「(可愛い〜)…あ」
翔鶴の反応を楽しんでいると、金剛の無双っぷりが目に止まる。加賀さんの言葉を借りるなら。
「ッハ!! (ズゥン!)」
拳を一振り、空が震え。
『■■■■■■■■■■■■■■■ーーーッ!?』
拳を二振り、敵を薙ぎ。
「ハアァァアアア!!!」
拳を三振り、海が割れた。
…文字通りね? 海面に拳を叩きつけると、波飛沫を纏った水の衝撃波がまたもイ級たちを吹き飛ばした。三国無双とかこんな感じなんだろうなぁっ…て、流石に不謹慎かな? でも「砲撃しろよ。」とは思うよ。
「凄い…」
翔鶴も金剛の暴れっぷりに唖然としていた、そりゃそうだ。
加賀さんの言っていたことが本当か、正直まだ分からない…でも、金剛がメチャクチャ強いってことは変わらないようだ。
「いけー! 金剛ーー!!」
声が枯れるまで、僕は精一杯に彼女を応援する…彼女がそれに応えてくれるって、信じているから…!
「ハアァァァアアア!!!」
──だが、このまま行けば勝利は確信的と思われたこの戦い、ここからまさかの展開に…。
『ギ………ッグ!』
…ん? レ級が懐から、何か出してる…なんだアレ? 小さくて見えづらいけど、種みたいだ…?
「…っ!? おい! 何してんだ!! ソイツを止めろ!!!」
望月が叫ぶ、一瞬彼女に気を取られると、満身創痍気味のレ級は手近にいたイ級に向けて一粒の種を飛ばした。
種はイ級の表面に貼り付き、それを見たレ級はニタと嗤いながら…。
『…ビースト、シフト「S-cylla」』
レ級が何かを呟いた瞬間、イ級の身体に突き刺さる触手…さっき張り付いた種からにゅるりと数本の、メタリックカラーの触手が伸びている。
『■■■■■■■■■■■■■ーーーッ!?!!?』
イ級が苦しみ出した。なんかヤバイ予感が…!
「え!?」
イ級の表面を、謎の種から発生した鋼の外殻が覆っていく。
徐々に、じょじょにイ級からの叫びが聞こえなくなり、イ級「だったモノ」は形を変えていく……
衝撃を隠せない僕たちに戦慄が走った。
「こ、これって…!?」
鋼鉄の塊は、原型となったモノの大きさから、更に肥大化していく。
機械化された身体から前足等と見られる部位が形成されていく。
シルエットから連想できるのは…"狼"?
『Voooooooーーーッ!!!』
海の上に悍ましい姿が浮かぶ。
鼓膜を突き破る遠吠え、腹の底に響く重音…空間が震え、僕らも自然と恐ろしさが湧き出てくる。
「…ひっ」
その時、僕の中でなにかがプツンと切れた…分かりやすく言うと「San値直葬」。
「な、何なのアレ…深海棲艦? いえ、もっと別の…?」
「……………す」
「? 貴方どうしたn」
「すっげー! カッケーーッ!!」
「…は?」
「何アレ!? ゾイ○? カッ○ブ? メタル◯ルルモン?! ホラーチックの中にほんのり匂うカッコよさがまたたまらないなぁ! 深海棲艦を基に? 変身したの?? なにそのSFちょーやばたにえん!? あはは! RPGだからってなんでもかんでもやりすぎ、視聴者置いてけぼりだよ〜? あ、ここは閲覧者か。どうでもいいけど僕らどうなるの? 食べられる?? 殺される??? いやーどこのクトゥルフだよってハナシだよー? とんだティンダロスだよね!」
あは、( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
…と、僕はどうやら「不定の狂気」に陥った模様、とにかく目先の非日常から逃避するのに必死になってるみたい。お恥ずかしい限り…;
「! ……っ!!」
──バチィン!!
「うわらば!?」
「しっかりしなさい! 貴方は提督でしょう!? こんなところで現実逃避しないで! 意識を強く持って!!」
狂気に取り憑かれたように笑う僕を、翔鶴は気つけの一発で正気に戻してくれた。
「…あれ、僕…!? うわぁ! 何アレ!?」
「正気を取り戻したようね? …分からないけど、アレはイ級だったナニカということは確かよ?」
僕らが話し込んでると、望月がぽそりと言葉をこぼした。
「…スキュラ」
スキュラ? それってあの神話の…? 僕らが訳が分からないでいると、望月はレ級を睨みつける。
「テメェ…まさかアイツの差し金か!?」
「アイツ……?」
『…ギキ』
レ級は僕たちに向かい、目を細め、口角を歪め、嗤うと海中に姿を消していく。
「待て!」
望月の制止を無視して、レ級は完全に居なくなった。
「…なんなんだ一体? レ級は何が目的で……」
「大将、詮索は後だ。先ずはアレをなんとかしねぇとな!」
望月が指差す方向には、イ級を素体にした新たな脅威だった。
『Gruuuuuu…!』
スキュラと呼ばれた怪物は、離れたところでイ級らと対峙していた天龍たちに目をつけると…?
『VOOOW!!!』
「…!?」
前の足を屈めそのまま跳躍、巨体からは想像できないジャンプ力とスピードであっという間に…。
「天龍、危ない!」
「違うぜ大将、狙いは”艦娘”じゃない…!」
望月の言う通り、怪物が捉えた背後は「イ級」のモノだった…!
『■■■■■■■■■■■■■■ーーーッ!!?』
『Gruuuuuuvoruuuuuuuu!!!』
イ級に噛みつき、大きな口と牙と顎でイ級の胴体を引きちぎる。
「っ!!?」
そのままむしゃむしゃと黒い肉と化したモノを貪る…おえ”ぇ…。
「イ級を、食べてる…?」
「スキュラは深海凄艦を食べることで、パワーアップするんだ。先ずは捕食して…充分力が溜まったら、アタシらを襲ってくるだろうね?」
つまり、この場にいると僕らも危ないってこと!? うぅ…せっかく転生したのに、あんなのに食べられて死ぬなんて…絶対イヤだ!!
「商船はもう完全にこの場から離脱しただろうし、僕らもここから逃げなきゃ…」
「ああ、逃げられるモンならな? さっきの見たろ? 下手に逃げてもすぐに追いつかれる。アレがあの場に現れた時点でもう終わりさ」
全く、楽な仕事だって聞いてたのによぉ。と望月はぼやきながら頭を掻く。確かに…例えゲームだったとしてもあんなのが序盤で現れるなんて、普通思わないよね?
「どうする大将? 一応倒せない事は無いが、この面子じゃ賭けもいいとこだ。戦艦や空母クラスで艦隊組んでやっと止められるだろうからな?」
「…うーん、ごめん。さっきから状況が変わり過ぎて、感覚が麻痺してるみたい? もう当たって砕けろする?」
「駄目! まだ諦めちゃ!!」
金剛が僕らの方に駆け寄ってくる。
「テートク! 私がアレを足止めするから、貴方は皆でアレを止める方法を考えて!!」
「! そんな、待って金剛! 君もボロボロだろ!? 無理は」
「大丈夫! 貴方のためなら、何度だって立ち上がる! 見ててね!!」
「金剛ーーーー!!!」
僕の叫びを背に、金剛は怪物の注意を引くために艦砲射撃を実行する。胴体を直撃したが平然と佇む怪物は、ギラリと眼光を金剛に向ける。
『Vooooo!!!』
「来なさい…!!」
金剛はすぐさま僕らから遠ざかり、怪物もその後を追っていった…。
「…おい、どうなっている?」
天龍が野分と綾波を連れて僕らに状況確認する。
「天龍! このままじゃ金剛が!!」
「何!? …っち!」
「待ちな天龍。…アンタが向かったところでアレには敵わないぜ?」
「…!」
天龍は激昂した表情で望月の胸ぐらを掴む。
「! 天龍!?」
「黙ってろ! …お前は金剛を見捨てろと言うのか?」
「違ぇよ。姐さんが居なくなったらアタシも困るからな? 全員でかかった方が勝率が高いってことさ」
「…っち」
天龍は半分納得、半分ブチ切れた様子。それでも望月を離してやる。
「…ねぇ、本当に勝算あるの? こういうのって一人ずつ戦って様子を見た方が…?」
「大将、そりゃアレの素性が分からねえ場合だ。確率的にも勝機は薄い、幸いアタシはアレが何なのか知ってる、その上で作戦を立てた方が話が早い」
なるほど、ジョ○ョがとんでもないことしてたことは分かった。
「…金剛」
「大将、姐さんを助けてぇんならアンタにも協力してもらうぜ? アンタもアタシらと同じような異能を持ってるみてぇだからな?」
「…うん、分かった」
僕は金剛を助けるため、そして全員無事で戻るため、あの怪物に戦いを挑む…でも。
「か、帰りたい……! (ガクガクブルブル)」
果たしてこんな僕が、こんな状況を打開出来るのか?
それはまだ、僕自身にも分からない、いやホントどうなっちゃうの!?