艦これすとーりーず ―僕が異世界版艦これの提督になった件について― 作:謎のks
唐突で申し訳ありませんが、そういうことです。まぁ3日目だけになりますが…こっちかX(旧Twitter)でちょっとした感想でも言えたらと思いますので、宜しくお願いします!
サイハテ海域に封印されていた深海化金剛と死闘を演じ、その戦闘データを回収するため紛争する拓人艦隊の面々。全ては最愛の仲間であるエリ(金剛)を蘇らせるため…しかしあと一押しのところで艦隊は全滅一歩手前まで追い込まれてしまう。
深海金剛が拓人艦隊を滅してくれようと凶撃を翔鶴に向けた…次の瞬間、炎が弾けて深海金剛を吹き飛ばし翔鶴との距離を空ける、その間…翔鶴を守るように彼女の前に立つ人影が──白い道着に黒い胸当てと青い袴、黒髪のサイドテールが波風に揺れている──それは有事の際に深海金剛を再封印するために待機していたはずの「加賀」であった…!
「…っ!? 加賀…
翔鶴は自身の窮地を救ったのが、深海金剛封印の要である加賀であることに驚きを隠せず疑問を当の本ニンにぶつけた。
加賀たちは拓人たちが深海金剛に敗れたと判断された場合、シゲオの号令によりサイハテ海域を抜け出すであろう深海金剛を迎え撃つ形で移動を始める、そういう手筈だった…だのに加賀は深海金剛の前に現れてしまっている。
他でもない使命感に重きを置いている加賀が
その問いに対し加賀は…振り返り翔鶴の安否を確認すると、ひどく落ち着いた口調で話す。
「その答えを返す前に、一つだけ言わせて下さい。──
「っ! それは…」
翔鶴は深海金剛に自身の実力が絶対に及ばないことを悟ると、精神の支柱を砕かれたように歯を強く噛みしめ敗北の絶叫を見せた。それは──例え敵わないものだとしても──敵に弱さを見せることがどれだけ味方に影響を与えるかを考えない、愚かな行為だと加賀は諭していた。
「もう真面に戦えるのは貴女だけ、それを承知しておきながら簡単に弱さを晒したのは、貴女の未熟故のことでしょう。それでも──貴女の後ろには、貴女が守るべきモノたちが居る。それを…努々忘れないことです」
「──…確かに軽率だったわ、ごめんなさい加賀。貴女の言うとおり…私が倒れたらもうタクトたちを守るモノが居なくなる。今度こそ…絶対に諦めないわ!」
翔鶴の闘志を再び灯すことに成功した加賀は、眼前の敵に気を配りながらニコリと口元を緩ませた。そして会話を交えながら先ほどの疑問に答えていく。
「良し、その意気です。それにしても…彼女と正面から戦って擦り傷と打撲痕だけで済むとは。他の娘たちも遠目で見た限り軒並み無事。安心しました…貴女たちは本当に運が良いですね、翔鶴…貴女の場合は実力もあるでしょうが」
「そ、それはでも、私では彼女に致命傷を与えられなかったから…いや、そうじゃなくって!」
「落ち着きなさい。私が何故此処に居るのかですが…貴方たちがサイハテ海域に向かって行った後、他の選ばれし艦娘と話し合いましてね。その中で思い出したんです…彼女が道を逸れてしまったら、私が何としても食い止めると約束を交わしていたことを」
「そんな約束を? そうだったのね…だから命令を無視してまで私たちのところへ?」
「そうです、それ以上の仔細は一旦置いておきましょう。…ここまで良く戦い抜きました。翔鶴…それにタクト君に他の艦娘たちも、お見事でした。ですがどうか…ここから先は私に
「っ! 加賀…貴女まさか」
加賀の言葉の端々から伝わる「悲壮感」から何かを感じ取った翔鶴、その最中…加賀の腕に着けた映写型通信機から怒号が飛び伝わる。
『──何をやっておる加賀! 戻れ!! 殺されてしまうぞ!?』
シゲオが声を張り上げつつ慌てた様子で加賀を止めに入る、幾ら選ばれし艦娘同士であろうと今の深海金剛を止めるのは無茶だと理解しているからこその制止である。だが…加賀は腕の映写型通信機を顔の先に持ってくると、映し出されたシゲオの眼を真っ直ぐ見て対話を始める。自身の気持ちを…燻ぶる「覚悟」を燃やし尽くすために。
「申し訳ありません総帥、彼女を止めるには最終的に特殊封印術式が必要だと理解しています。ですが…私のこの「想い」は、彼女を止めたがっている。それに…深海金剛をここまで追い詰めることが出来るのは現状タクト君たちだけでしょう、後続に全てを託すというのは愚かな考えなのかも知れませんが…彼らこそがこの世界を守る「希望」なら、我々は身を挺してでも彼らを守護するべきだと存じます」
『お前の気持ちは分かる、じゃがそれでは君たちが…っ!』
覚悟高まる加賀を必死で交代させようと説得するシゲオ、が…ここで加賀に賛同する声が上がる。
『──シゲオ総帥、どうあれここまで来てしまった以上後戻りをあの鬼神は許さないでしょう。ここは…いっそ彼女に全てを背負ってもらいましょう』
『ぬぅっ!? 正気かユリウス?! それでは…』
『あと「15%」なんです! それだけの戦闘データを取れればエリ君は目覚めるっ、それに…今しがた連絡して確認しましたが、他の選ばれし艦娘たちも急いでこちらに向かっているとのこと。仮に敗北して加賀に危機が迫っても他の選ばれし艦娘が間に合って持ち堪えてくれば、それだけで戦闘データ回収も、データのインストールとダウンロードの時間も稼いでくれることでしょうっ。
自分で何を言っているのかは理解しているつもりです、ですが…もう時間が無いっ、この場から全員逃がすことになったとしても、今の深海金剛にその場凌ぎの安易な作戦が通じるとは思えないっ、もう加賀君やタクト君たちを信じてみるしかないっ、残念ながら我々には、これしか方法が思い浮かばないのです…っ!』
窮地に駆け付けた加賀が深海金剛の全力を引き出し、戦闘データ収集率を100%まで持っていく。仮に倒されようとも残りの選ばれし艦娘たちがこの場にヒトリでも間に合うことで、エリ(金剛)復活まで持ち堪える
あくまでも希望的観測で、その通りに事が運ぶとは限らないが…それでも投げ込まれた「一糸の救済」に、ダレもが冷静ではいられなかった。例え
ユリウスの鬼気迫る表情とそこから発せられる力強い言葉に、喉に言葉が詰まって何も言い出せないシゲオ。同期としてかつての海魔大戦を戦い抜いた加賀なら…深海金剛を止められるかもしれないと、シゲオもそう思い至り黙って重く頷いた。
『…っ、すまん加賀…君たちに負担は…なるだけ掛けたくはなかったっ』
「謝らないでください。これは…私たちの「けじめ」でもあります、あの時…彼女を犠牲にして平和を取ってしまった、我々の「罪」を拭うために必要なことなんです」
『加賀…っ!』
『すまない加賀君、君の助力に感謝するよ。私を存分に恨んでくれて構わないが…今は緊急時だ、我々の目的のために非情とならせてもらう』
「どちらにしろ私もここまで来た以上、引き下がるつもりは毛頭ありません」
そう言い切る加賀の澄んだ声に秘められた「鋭い覚悟」を感じ取ったユリウスは──心で済まないと謝りながら──それ以上は何も言わずに淡々と状況を説明する。
『先ほどの会話で聞いていたと思うが、現在の深海金剛からの戦闘データ収集率は「85%」だ、15%以上取れたらそこから急いでデータインストールとダウンロードを開始する。つまり──データ収集かつ
「無論です、私はそのためにここまで来た。彼女を必ず止める…私の本気で、全てを出し切ってでも。その過程でデータを奪取してみましょう、出来うる限りになるでしょうが」
『期待しているよ、ところで…少し気になることがある。時間がないので手短に答えてほしいのだが…
ユリウスが疑問として思うところとして、深海金剛と拓人たちの半径約100Mに「空間遮断壁」が張り巡らされているはず。何故容易に内側に入ってこれたのか…その言葉に対し加賀はあっけらかんとした様子で答えた。
「…? どうも何も
『──成る程、矢張りな。おいマサムネ…加賀君がこう言っているのだが、何か弁明はあるか?』
加賀の答えにユリウスは顔を引き攣らせながらマサムネに対し言葉を投げかけた、その言葉に怒気が乗せられていることに気付いたマサムネ、困った様子で釈明を始める。
『ヤァ~そう言われてもネェ? ユリウスが「大詰めだからデータ整理に集中しろ!」…って目で睨んで訴えていたじゃないのカイ!』
『だからと言って空間遮断壁を張り忘れるな! この戦いが今後の世界にどれだけの影響を与えるか分からないんだぞ!?』
『そんなこと言われても知らないヨヴェイビー! 君にも責任があるんじゃナイのカイ? 焦らせるからネ!』
『っ! お前は…#』
どうやら加賀がここまで辿り着けたのは、空間遮断壁が──おそらく翔鶴の対消滅
『もう良いっ! 寧ろ張らんでくれて助かったわい、加賀が翔鶴を助けに入れんかったやもしれんからのぉ。この際じゃから遮断壁は張るのは止めておこう、他の艦娘たちのこともあるがそれ以上にこの窮地を乗り越えんかったら、どの道世界は終わるじゃろうからの!』
『…はぁ、それもそうですね。マサムネ…その凡ミスをデータ整理では絶対にしないでくれよ、この局面でそれは致命的な敗因になりかねん』
『まぁ任せてくれたマエ! 現にデータインストールとダウンロードの準備もほぼ済ませているからネ、回収完了したらいつでもいけるようにネヴェイビー!』
そう言って通信の向こう側の科学者二人は、戦闘データの整理に集中していく。
「──加賀!」
状況を理解した翔鶴は、首輪型の「計測器」を外して加賀に渡す。これが必要でしょ? そう問いかける翔鶴に対し、加賀は翔鶴の方を素早く向いて差し出された計測器を手に取る。助かりますとだけ告げては急いで首に計測器を着ける加賀。
その間に深海金剛は何をしていたかというと──
自身の頭の中でぐるぐると蠢き回る情報の波に足を取られていたからだ…深海金剛にとっての
「…さて?」
加賀が計測器を着け終えると、そのまま深海金剛の元へ近づこうとしていた…と、思い出したかのように振り返り、翔鶴に言伝を頼む加賀。
「翔鶴、貴女は私が彼女と戦うことをタクト君に伝えに行って頂戴。それから──貴女はタクト君たちとその場で待機、
「分かったわ。加賀──後はお願い!」
「えぇ──任されたわ」
翔鶴は加賀の言付けに了承を返すと、そのまま身体を光の粒に分解させて瞬時に姿を消した。
──そして文字どおり光の速さで拓人たちの元へ無事帰還すると、拓人たちは喜びを露わにして迎え入れた。
「翔鶴! 良かった…本当に無事で何よりだよ!」
「タクト、皆。見てのとおり加賀が私たちの代わりに戦ってくれているの! 彼女は──」
そう前置きを置いたうえで翔鶴は、事の顛末を簡潔に話していく。加賀と深海金剛との約束と、それを果たさんとする加賀の覚悟を垣間見たこと…それらを話し終えると、拓人は正に鬼神と戦わんとする女傑に思いを馳せる。
「加賀さん…金剛のことを話す時の彼女はどこか寂し気だったけど…そういう経緯があったのか」
「えぇ。彼女はおそらく──己を顧みず深海金剛を倒すつもりよ、あの化けモノを止めるには沈めるつもりで挑まないといけないもの。彼女はそれを承知の上で」
「そうか──でも…彼女自身の目的もあるとはいえ、僕らの戦いで加賀さんを犠牲には出来ない。翔鶴…まだ動けそう? もし加賀さんと深海金剛との戦いが終わったら…」
「もちろん助けに行くわ! タクトの言うとおり彼女ばかりに頼っていられないもの!」
拓人の加賀救助の要請に、翔鶴は首を力強く縦に振って答える。
絶望的な状況に変わりないが、希望はまだ消されていない。ならば…自分も諦められないと、拓人は翔鶴に向けてニカッと笑うと、再び加賀の方へ視線を向ける。一瞬でも気を抜くと奪われかねない…加賀を救うために、拓人は注視してフタリの戦いを見守っていく。
──翔鶴が拓人たちの元へ戻った直後、加賀は翔鶴が見えなくなったことを確認して前に向き直ると、固まったように動かない鬼神にゆっくりと滑るように近づいて語り掛ける──数十年ぶりに交わされる英雄同士の会話である…。
「金剛…貴女にもう一度出逢えたら、これだけは絶対に言っておきたかったことがあります」
『…ッ!?』
静かな口調で切り出した加賀に対し、金剛はハッとしたように前を向く。先ほどまでの威勢は何処へ消えたのか、恐れと混乱が浮き出た引き攣り顔で加賀を見つめる。そして加賀は──
──加賀は、ただただ激昂した!
「──何をやっているのですか、貴女は!!」
『──ッ?!』
「貴女はあの時、作戦を私たちに伝えるとき「封印をすれば海魔の脅威が無くなり、平和な時代が訪れる」と言いました! ですが肝心要の「術者諸共に封じられる」ことを最後まで私たちに伏せて、挙句一緒に封印されて…貴女が犠牲になった平和なんて、私は考えたくもなかった! それでも貴女は世界のため愛するモノのためと自らを贄とした、それは百歩譲って貴女らしいとしましょう! …何ですか、その醜い姿は? 深海金剛? 人類の新たな脅威?! 巫山戯ているのですか!!」
『…ッ、訳知リ顔デ行キ成リ説教デスカ? 確カニ私ハ海魔大戦ヲ戦イ抜キマシタガ貴女ニ覚エハry』
「まだ口答えするなぁっ!! 私が喋っているんです! 貴女じゃないっ!!」
『・・・ハイ。』
思いの丈を吐き出す加賀、深海金剛の制止を振り切り尚も怒りを言葉に乗せ投げ続ける。
「大体貴女は恰好つけて先走りすぎる癖があるのをいい加減自覚して下さいっ、海魔との戦いもこの方が早いからと自分ヒトリで片付けようとして! それで私たちが…確かに
『・・・アノ』
「まだっ!! それにも関わらず貴女は自分ヒトリ身を投げ打って海魔と共に封印されて! 貴女がイノチ懸けで守ったという事実も時代の経過で忘れ去られて!! 貴女はそれで満足かもしれませんが、そんなの私が許すわけないでしょうっ!? 愚の骨頂です! 馬鹿の極みです!! 貴女が言ったのでしょう「自分が道を踏み外したら、私に引っ張り戻してもらう」と! 私は──
貴女はそんな「罪」を犯したのです、友や愛するモノたちの信愛を裏切ったのです! 全くもって腹立たしいっ、だから──今回は、私も機会を与えられたとして、貴女を全力で止めます。この憤怒…受け止められるものならやって見せなさいっ!!」
一頻り鬱憤を吐き出した加賀は、興奮しているのか乱れた息を整えながら敵を見据える。深海金剛が
その深海金剛はというと──加賀の気持ちを聞き終えてからそれに応えるように、一つずつ現在の自身の考えを晒していく。
『──加賀、デシタカ。残念ナガラ今ノ私ニハ貴女ガ何ものナノカハ
「──えぇ、そうでしょうね? 貴女が深海棲艦となった以上
深海金剛の弁解に、一定の理解とどうしても譲れない思いを見せる加賀。それを見た深海金剛は──内心ほくそ笑んでいた、心のざわつきが焦りと同時に訴えかける…
『フフン、ソノ怒リ…良イデスネェ。貴女ニハ覚悟ヲ問イカケルマデモナイ、全力ヲ以ッテ叩キ潰シテアゲマショウ! 用意ハ良イデェ~スカ?』
「いえ──しばし待っていて下さい、直ぐに終わりますが…」
『ハァン?』
加賀はキッパリそう言うと辺りを慎重に見回し始める、周囲に何もないことを確認すると──深海金剛に対しこれ見よがしに左手の平を見せつける。すると…その薬指に「指輪」が嵌められていることが確認出来た。
「見えますか? 左薬指の「コレ」が。只の指輪ではありません──これは私の力を抑える「封じの指輪」です、これを外すと…
加賀の不可解な言葉に、深海金剛は眉をひくつくかせると反論する。自身より強くなるなど──有り得ないと。
『何ヲ言イ出スト思エバ、ソンナ美味イ話ガ有ルモノデスカ! 貴女ノ”力”ノ底ナド知レテマスヨ、ドンナニ実力ガ上ガロウトモ、私ニ勝テル相手ナド存在シナイノデェース!!』
「そうでしょうか? それでは──試してみますか」
深海金剛の煽りに乗った加賀は、その「指輪」を外し始める。右親指と人差し指で左薬指の指輪を掴み、ゆっくりと上げていく──
──その間、加賀は在りし日の「御方」の言葉を思い出していた。
・・・・・
──良いかい加賀、君と長良を呼んだのは他でもない。最後の戦いに赴く前に…この「指輪」を着けて行ってほしいんだ。そしてそれを一度着けたら…
「──これは、まさか「封じの指輪」ですか? 私たちフタリに…封じるべき力があると言うのですか? いえ…話の流れから
…鋭いね、その通りだ。君たちがこれから行く最後の戦いで、君たちの力が最大限高まり限界を越える場面が訪れることだろう、だが──私が
「そんな危険な力を…私たちが」
何、そう怯えることもあるまい。その指輪を装備している間は君たちの新たな力が発露することは無い、安心すると良い。ただ仮に…君たちの前にどうしても勝たなくてはならない相手が現れた場合、それを外すことで窮地を脱出出来るならそうすれば良い。だが…本当に滅多に外してはいけないよ?
「…それは、この最後の戦いに使っては?」
それは許可出来ない、この戦いが終わった後で…という話だよ。海魔との最後の戦いの間は
「…っ、しかし」
加賀、今の時点で君には観えないだろうが…君たちの能力を必要とする強敵が、必ず君たちの前に現れる。その「とっておき」は…時が来るまで抑えておきなさい、そして…願わくばその日が来るまで、君たちが生き残ることを祈っているよ?
「…了解しました──」
・・・・・
「これが…今この時が、そうなのでしょう──元帥閣下!」
加賀は指輪にまつわる過去を反芻し終えると、決意を秘めた表情で顔を引き締めながら指輪を一気に引き抜く、すると──彼女の周りを紅い炎が包み始めると同時に…体感温度が一気に上がっていく!
──ゴオオオオオオオォッ!!
『ナッ!? コレハ──』
紅炎は一気に燃え広がり、深海金剛をも飲み込んで一帯に広がっていく、遠目からそれらを見ていた拓人たちは──突如現れた赤く輝く、天を衝くほどの巨大な炎柱に驚愕した!
「な、何だアレは!? 加賀さんは…あんな力を隠し持っていたのか?! 改二なのか…でも加賀さんは…いや、天龍の例もあるし」
「暢気してる場合じゃねぇぜ大将! こりゃあ凄まじくデケェ炎だ…このままだと余波の尋常じゃねぇ熱が!?」
「──皆、熱波が来るだろうから私の後ろに隠れて! バリア―で風圧を防ぐわ!!」
拓人たちが加賀の本気の豪炎に慄いていると、翔鶴が前に躍り出では光の球体で辺りを包んで障壁と為した。望月の予想通り熱波が凄まじい勢いで拓人たちの後ろへ駆け抜けて行くと。波は荒立ち轟々と風は吹き荒ぶ、そんな数分間の後──熱波の晴れた拓人たちが目にしたのは、炎の柱で蒸発して出来た「海に開いた広大な穴」であった!
「ひえぇ、海に大穴開けるたぁ一目でヤベェぜ! カイニ相当か、加賀の実力から言えばそれ以上になってもおかしくないぜぇ! コイツが本気の加賀なのかい!?」
「流石だな…加賀!」
『ウィ、流石ボクたちの監査艦! ですが…ッ!』
「深海金剛は今まで、これぞという最大の実力を軽々と超えて来た…果たして」
「どうなるか、よね。それでも私たちは下手に手出しする力も無いでしょうから、ここまで来たらもう…見守るしかないわ、加賀が
望月、天龍、野分、綾波、翔鶴はそれぞれの言葉で加賀を讃える一方で、深海金剛の悪運の強さも散々見て来ていたので、兜の緒を緩めることは無い。互いに頷き合うと辺りの警戒をしつつ加賀と深海金剛の戦いの行方を見守る。
「(加賀さん…貴女だけに重荷を背負わせない! 何かあれば…僕が!!)」
拓人は胸中でいよいよ
──一方、海の穴の地底ではフタリの猛者が対峙していた。
片方は苦虫を嚙み潰したような顔の鬼神、もう片方は──燃え盛る煉獄火炎をその身に纏い、鋭く輝く眼光で鬼神を睨みつける女傑である。
「これぞ、我が炎の極地。数十年溜め込まれた激情の焔、貴女に──この「火焔」が作り出せるかしら? 金剛…っ!」
『…ッチ! 確カニ炎ノ扱イハソチラガ上ノヨウデェスネ? ダガ! ソレデモ勝利ハ──私ノモノネェーーーッ!!』
加賀の言葉に、深海金剛も負けじと炎を纏い戦闘態勢に入る。
此処に──深海金剛対加賀「改二」の、決戦の火蓋が切って落とされた…!
〇封じの指輪
人間やそれらに属する生命体の潜在能力を一時的に封じることの出来る指輪だ。単純な性能だが古代のエルフや魔法学者が共同で編み出した強力な封印術式が編まれていて、一度着けてしまえば本人が「外す」という意思を見せない限り勝手に外れることは無い。
この「潜在能力」は艦娘の改二の能力にも有効で、艦娘が着けると「
さぁ──全力で勝利を死守する金剛と、全力で彼女を止めようとする加賀の…正に”決戦”だ! 果たして戦いの行方は? そしてエリは無事復活を果たすのか? そして世界の行方は? …ここからも決して眼を逸らしてはいけないよ? 我々は──