艦これすとーりーず ―僕が異世界版艦これの提督になった件について―   作:謎のks

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 はい皆様お待たせしました、ボウレイ海域編突入でございます。
 といってもすぐ突入というわけでなく、色々伏線とか? 説明とか? 回収出来たらと思いますので、お付き合いください。

 ちなみにですが、トモシビ海域編でのメインヒロインは一時的に金剛から「天龍」に代わっていました。このシステムはボウレイ海域編でも変わらず、今度は金剛と天龍以外の誰かに焦点を当てていきたいと思います。誰でしょうねぇ? まぁ次ぐらいに分かると思うよ。

 …なに? ハブられるヤツもいるんじゃないのかだと? ハハハ、全員メインヒロインなんて人生そんなに甘くないze☆
 なんてのは冗談として、メインの六人は自身の過去(アンダーカルマ)を掘り下げる形で活躍を与えたいと思っていますので、その点はご心配なく…ん? それでも金剛がメイン(空気)になるって? 大丈夫、ちゃんと彼女の晴れ舞台も用意しています。

 …大分長くなってるから、いつになるかわからんがね。

 巻いていこう! (大嵐○太郎)


ボウレイ海域編
まずは下ごしらえ(なんの?)


「そっか…もうお別れなんだね? タクト、今までありがとう」

「えぇ…マユミちゃんがそれ言う? マユミちゃんがやりたいっていうから…」

「もうタクト、そういうことは言わないの! ムードが台無し!」

「ムードて…;」

「…でも、寂しいのはホントだよ。ねぇコバヤシさん?」

「……っ、ゔぅ…」

 

 名残惜しそうに呟くマユミちゃん、隣にはうるうると目に涙を溜めたコバヤシさんが…。

 

 僕らはこの百門要塞に起こった怪事件を解決に導いた…失ったモノも多かったけど。

 それでも任務を遂行したことは間違いない、なので僕らは鎮守府連合へ戻り、カイトさんにこの一連の事件のあらましを報告しなければならなかった(色々聞きたいこともあるし)。

 

 とりあえず先ずは僕らの鎮守府へ戻らねば、それを目の前の二人に報告したら「お別れぐらい言わせて!」と、いつものようにマユミちゃんのわがまま…失礼、鶴の一声で、百門要塞の正門にて僕らの送り迎えをしてくれることになった。

 

「うん、今までありがとうマユミちゃん、コバヤシさんも。二人が居てくれたから助かった」

「うぅ…そんなキラキラした目で言わないで、私って涙脆いの…っうぅ!」

「もうコバヤシさん! …私たちも楽しかったよ。もし要塞が立て直ったらまた来てね、マーミヤンで待ってるからさ!」

「うん…!」

 

 マユミちゃんが差し出した手を取り握手する僕。艦娘たちも口々に別れを惜しんだ。

 

「っひ、まぁ達者でな」

「惜別…」

「少しは楽しかったわ、また会えるといいわね?」

「ウィ! きっとまた会いましょう!」

 

 望月、綾波、翔鶴、野分…それぞれの言葉でお別れを告げる。でも…その中に。

 

「まったねー! いやぁ長いアルバイト生活だった…」

「ふふ、えぇ。感慨深いですね?」

 

 何故か舞風と早霜が。しかも口ぶりから僕らに付いてくるみたいだ。

 

「ダメ…?」

「う…舞風、そんな上目遣いで言われたら、断れないよ」

「あぁ、ちょうど鎮守府の留守番役を探していたところだ」

 

 どうやら彼女たちはフリーの艦娘みたいだ、天龍やほかの艦娘も了承してくれたし、問題はないだろう。

 これで我が鎮守府の艦娘も八人になった、この調子でどんどん増えて、ゆくゆくは大艦隊を…って、言っても仕方ないか。管理も大変そうだし。

 

「でもまぁ二人にはお世話になったし、皆とも仲良く出来そうだし…よろしくお願いするよ」

「わーい、やったー! …(ちらっ)」

 

 嬉しそうな舞風だったが、僕らに気づかれないように誰かを一瞥しているようだ。

 

「(野分…)」

「…舞風さん?」

「ん? あ、そっか! これからよろしくね〜♪」

「よろしくお願いします」

「うん、こちらこそ! …あれ、そういえば伊良湖ちゃんは?」

「伊良湖ちゃんはお店を閉めるわけにもいかないって張り切ってたわ…ごめんなさいね? この場にいないあの子の分まで、見送らせてちょうだい?」

「そっか…でも仕方ないよね?」

「あぁ、今の要塞には伊良湖が必要だ」

「その分アタシが盛り上げるよん♪ ワントゥ〜スリィー!」

「タクト、大変だろうけどマイちゃん任せたから(サムズアップ)」

「あはは…了解」

 

 こうして、賑やかになる僕の艦隊だったが…ふと横を見やると浮かない顔をしている金剛が。

 

「どうしたの?」

「い、いえ。ワタシ…この要塞でろくに活躍出来てないと思って…」

「あぁ、まあ仕方ないよ。ブ男理論だろうし多少は…むぐっ!?」

 

 喋っている僕の口を突然塞ぐ天龍、舌噛んだらどうするの…?

 

「馬鹿、空気を読め。女はそういうところを見るんだぞ」

「…っぷは!? ご、ごめんなさい…」

「うぅ…テンリューはテンリューでなんか変わってるし、テートクと距離近いし…」

「む…」

「どっちみち地雷だよね☆」

「(早霜)舞風さん、少し黙りましょう」

 

 落ち込む金剛を見かねたのか、マユミちゃんが一言。

 

「金剛、私はタクトとお似合いなの金剛だけだと思うから、応援してるね!」

「ま、マユミぃ〜!」

 

 感動の頂点に達した金剛はマユミを抱きしめる。百合かな?

 

「ありがとうマユミ…必ずまた会いにきますからネ!」

「うん、でも…なんだか貴女とはまた会える気がするんだ。だから…またね金剛、皆!」

「えぇ、また会いましょうねぇ!」

「うん、二人とも…本当にありがとう!」

「サヨウナラー!」

 

 海面を滑りながら、僕らは手を振りながら見送る二人の仲間に手を振り返す。

 この要塞にもずいぶん長い間居たような気分だった…辛いことも、もちろんたくさんあったけど…本当に、また来たいな。

 

「(望月)そういや大将、気になってたんだが…そのカッコまだしてんのな? もう制服に着替えてもいいんだぜ?」

 

 望月は僕のラフな姿を指摘する、これはこの要塞に潜入するとき、身元がばれないようにって着替えたものだけど…。

 

「ん? あぁ忘れてた。まぁ…提督とか”柄じゃない”から、このままでいいかな…?」

「…アンタ、つくづく大物になったねぇ?」

「いやいや…この格好に愛着が湧いてるのかもね?」

「そうかい? っひ! 好きにしな!」

 

 望月と談笑を交えながら、僕らは一路ハジマリ海域へと舵を切った。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 さて、こうして鎮守府に帰還した僕らは…まず加賀さんに今回の任務の報告書を提出する。

 

「ご苦労さま。本当によくやってくれました、ゆっくり休んでちょうだいね?」

「えへへ…でも、僕らにもやらなきゃいけないことが出来たので、せっかくですけど休むことは出来ません」

「黒幕のこと…でしょ?」

「やっぱり分かります?」

「えぇ。あの人もそれを承知で貴方たちをあの海域に送り出したのですからね」

「…鬼畜ってよく言われません、カイトさんって?」

「それどころの話じゃないわね。おっと、無駄話はこのあたりにしましょう。…カイト提督との話し合いの場を設けましょう、それでいいかしら?」

「はい、こちらでも色々調べようと思いますが…一番はやっぱりカイトさんに聞くこと、かな」

「分かりました。…ふふっ、少し見ない間に見間違えるほどの成長をしたようね?」

「おかげさまで…では、僕はこれで」

「えぇ、次の貴方たちの活躍に大いに期待します。…頑張ってね?」

「はいっ!」

 

 僕は加賀さんに敬礼をすると、その場を後にした。

 

「…本当に、大きな背中に成長してくれました。タクト君」

 

 加賀さんは人知れず、そんな言葉を零すのだった…。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「…で」

 

 僕は執務室で、天龍と一緒に妖精さんと向き合っていた、ようやく事の次第を話してくれるようになった妖精さん。

 元の世界で死んだ僕をこの世界の創造主にして(実際にそうなるよう願ったのは僕だけど)自分の目的のために僕を利用しようとした、裏で暗躍して僕を立派な提督に仕立て上げようとした…アレ?

 

「…なんか、妖精さんが悪者っていうのも違うよね?」

「騙されるな、コイツは明らかに目的をもってお前をあの要塞に導いた、そこに善悪の概念があれお前に隠し事をしていたのは事実だ」

「そうだけど…」

 

 天龍の言う通り真実を隠していたのは明白だけど、そもそも黒幕と初めて会ったときも、海魔石の効果を察知して僕らに知らせてくれたし…訳があって隠している、としか思えないんだよなぁ…。

 

「さぁ、いい加減話してもらうぞカミサマ。お前は…俺たちに何をさせようとしている?」

 

 天龍の最後通告に、妖精さんは意を決した様子で閉じていた目を開いた。

 

「ようやく話せるところまで来ましたねぇ…拓人さん」

「えっ? どういう意味?」

 

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「…!?」

 

 衝撃の告白に、僕らは思わず口を大きく開いていた。妖精さんは続ける。

 

「貴方にある使命を果たしていただきたいと思いまして。本来はあの場で貴方に打ち明けるのが筋でしたが…そう易々といくわけにはならないもので?」

「ちょっと待って!? …その言い方って、僕が巻き込まれたみたいな感じじゃない? だって…え? 僕が作ったんだよね? この世界を」

「あぁ〜それが言いづらいのですが…この世界は元々「私が創った」もので、貴方が作ったとは言えません。貴方はこの世界に「呼ばれた」…というのが正しいでしょう」

 

 え…。じゃ、じゃあ…黒幕の言っていた「僕のせいで艦娘が生まれた」って言うのは…?

 

「はい、騙した形になってしまいましたが…貴方には何の責任もありません。全ては私が招いた結果です」

 

 あ…あの白い空間のやり取りも?

 

「えぇ。お芝居です」

 

 な…なんで?

 

「あの場で貴方に話すワケにはいかず…本当に申し訳ないです」

 

 ペコリと頭を下げて謝意を示す妖精さん、天龍は要領を得ない顔で訝しむ。

 

「…タクト、何を言っている? コイツは何故いきなり頭を下げている?」

 

 僕の心の声に妖精さんがそのまま反応したようだ、置いてけぼりの天龍に分かりやすいように…ってワケじゃないけど、僕は全身の力が抜けて…膝から地に着いた。

 

「なっ!? タクト!」

「は、ははっ…怒っていいのか、喜んでいいのか…」

「すみません。貴方を騙して傷つけたのは事実です、ですので私はどのような罰でも受ける覚悟です、消えろと言われれば消えます。でも…どうか特異点の使命だけは」

「あぁうん、分かってるよ。でも妖精さんは消える必要はないよ、むしろこれからもサポートしてほしい」

「た、拓人さん…?」

 

 妖精さんは驚いた様子で僕を見つめていた、ずっと騙していた自分をこれからも傍に置くというのだ、確かに狼狽えるのも無理はない、でも…。

 

「ほら、僕って頼りないでしょ? 元の世界の話を気兼ねなく出来る人(?)もほしいしさ。…ダメかな?」

「しかし…」

「やれやれ、お人好しだな。…何を躊躇っている? タクトがこう言っているのだ、俺はもうお前を咎めん。お前が居た方が何かと役に立つだろうからな」

「うんうん、どうかな妖精さん?」

「…本当に、よろしいんですね?」

 

 目に涙を浮かべ、声を震わせながら尋ねる妖精さん。

 

「もちろん、これからもよろしくね、妖精さん?」

「…はいっ!」

 

 僕の微笑みながらの、心からの回答に妖精さんは嬉しそうに涙をこぼしながら笑った。




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