艦これすとーりーず ―僕が異世界版艦これの提督になった件について―   作:謎のks

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 うぉあ! UAが10,000超えてる…!

 個人的に前人未到なので嬉しい。

 見てくださった方々、ありがとうございます。

 さて、今回僕の艦これ作品に共通する「ある組織」の名前が登場します。

 拓人たちの物語にどのように関わっていくのか、その辺もご想像して楽しんで頂ければ(役割はほとんど変わらないけど)。

 …あ、今回も無駄に長いよ。すみません…。



でも説明回って無駄に長いから、ついつい飛ばしちゃうよね?

 僕はカイトさんと他の娘たちに、今までの経緯を話していく。

 僕が他の世界から呼ばれたこと、僕が特異点という特別な存在であること、そして…艦娘を知っている理由も。

 

「コマンダンが、他の世界の住人…!?」

「特異点…?」

「ワタシたちが、ゲームっていう遊びの中の、空想の人物…?!」

 

 野分、綾波、金剛は自分たちの知らない情報を聞かされ混乱している様子。特に野分や綾波は、あまり詳細を話さなかったからな。

 

「今まで黙っててごめん。僕も今まで夢見心地だったし、話し出すと絶対混乱するから」

「い、イエそれは…いいんデスけど…その、トクイテン? というのは?」

「えっと、まぁ簡単に言うと「神さまに選ばれた」ってとこかな? 妖精さん?」

「えぇまあ。その認識で大丈夫かと」

「そ、それじゃ…神秘の奇跡! みたいなことも出来るデース?」

「うん。そんなに大したことじゃないけど…?」

「いいや。俺はコイツの力でこの姿になった、カイニ…だったか? このパワーアップは、選ばれし艦娘の力に匹敵する」

「うぇっ!? た、確かに姿も前と変わってマスし、力も上がってるみたいデスが…?」

「コマンダン、そのカイニは艦娘なら誰でも変われるものでしょうか?」

 

 …うーん、難しい質問だ。(メタいけど)こればっかりは運営の今後次第だし。

妖精さんによれば「僕が転生した後に実装されたとしても、ある程度近い未来なら大丈夫」だって…天龍の例があるから信じられるけど、僕はそれを観れるわけじゃないし…?

 

「まぁ、限られた艦娘しかなれない…としか。僕もどう言っていいか分からないけど」

「そうですか…残念です」

「ワタシは? テートク! ワタシもカイニになりたいデース、テンリューだけずるいデース!!」

「あはは…まぁ君なら大丈夫だよ、金剛」

「納得出来ないデーース!!」

 

 金剛は両腕を突き上げながら抗議する、うん可愛い。

 

「あ、翔鶴はどう? 聞こえてる?」

 

 僕の呼びかけに反応して、ドアの向こうから声が聞こえる。

 

『聞こえてるわ。貴方…変だとは思ってたけど、別世界のニンゲンだったのね?』

「あはは、幻滅したでしょ? この世界の何も知らない僕が、君たちの提督なんて」

『…そうね、流石に驚いたけど、それで貴方が私たちの提督ではない、というわけでもないでしょう?』

「翔鶴…」

『自信を持ちなさい。貴方はここまで私たちを導いて来た、それは紛れも無い事実よ。私はその結果は認めているのだから、一応ね』

「…ありがとう、翔鶴。でもやっぱり君って…ツンデレ?」

『だから、知りませんって言ってるでしょ? 全く、茶化さずにまともにやりとり出来ないの?』

「あはは…!」

 

「…さて、話を聞いてもらって大丈夫かな?」

 

 カイトさんが僕らの話に区切りをつけるように声をかける。僕らはカイトさんの方へ体を向けて話を聞く体勢を作る。

 

「良し。では…あの黒幕について、だね」

「はい…」

 

 固唾を呑んでカイトさんの話に耳を傾ける。いよいよか…。

 

「まず彼が何者か…まぁ端的に言うと「神父ではない」よ、アレは要塞の住人を騙すためのカモフラージュだ」

「じゃ、じゃあアイツは一体…?」

 

「彼の名は「ドラウニーア」。彼はかつて研究者だった…「TW機関」のね」

 

「…えっ!?」

 

 僕は思わず声を上げ目を見開いた、ドラウニーア…? なんだ、そんなNPC聞いたことないぞ。…いや、それも驚いたけど。

 

「TW…ジュピター機関じゃなくて?」

 

 カイトさんは首を横にふる。

 ドラウニーア、機関の名前…原作とこれだけの相違があるなんて、妖精さんの言っていたことは本当みたいだ。それにしても…TW機関だっけ? このアルファベットには何の意味が?

 

「Twice war (二度目の争い) …それを防ぐため創られた、対脅威防衛兵器開発機関…それがTW機関だよ…いや、だった。かな?」

「え…? どういう意味ですか?」

「潰れたのさ、機関は既にない。連合が威信をかけて創り上げた防衛機関だったが…裏では非合法な研究や非人道的な実験が繰り返されて来た。それを知った我々は、機関の凍結と構成員の一斉逮捕を行使した…逃してしまった奴らもいたが」

「その…ドラウニーアはそこの元研究員だった…と?」

「そう、逃げた研究員は全部で三人、彼はその内の一人だ。僕は総帥から逃げた研究員の追跡と確保を命じられているんだ」

「なるほど…僕らはそのお手伝いをする形になってたんですね?」

「あぁ、全く…戦争を防ぐために働いていたはずなのに、まさか自分から争いを仕掛けるとはね、TWが違う意味に聞こえる、とんだ皮肉だね」

 

 カイトさんは両手を上げてお手上げのポーズ、僕らもなにか疲れたのか、自然と長いため息が出る。

 

「ドラウニーアが何故金剛を狙うのか、何故機獣の穢れ玉を集めているのか…今はまだ分からないが、我々の包囲網を潜り抜け自身の目的を着実に進めていることは、君たちの報告からも見て取れるね?」

「アイツは…艦娘を完全に抹消したいと言っていました。でも具体的に何をしようとしているのか、まだ不透明な状態で…もし何処かで鉢合わせたら、今度こそ目的を聞き出さないと」

「そうだね、ただ…ヤツも馬鹿じゃない。どんな形であれ君たちにあそこまで追い詰められたのだから、これからはより慎重に動くようになるだろう。そうなると目的云々を聞き出す以前に、彼を探し出すのは実質不可能に近い」

「そ、そんな…」

 

 僕がアイツをあそこで捕まえられていたら、ここまで面倒にはならなかった、か。

 …いや、後悔しても仕方ない。今は出来ることを考えよう。

 

「では、残り二人の研究員を見つけて、ドラウニーアや機関について聞き出す…というのは?」

「それが賢明だろうね。まぁ、彼らの居場所が特定できれば…だけどね?」

「そうか…うーん、せめて目的がもうちょっと鮮明にならないかなぁ?」

「…皆さん、少しよろしいでしょうか?」

 

 野分が話を一旦中断するよう呼びかけた。僕らは野分の顔を見やると、彼女は静かに語り出す。

 

「ボクは住人の避難勧告の途中、あの神父に出会いました。そして彼が黒幕だということを暴きました…その時、黒幕は自身の目的を「楽園を作ること」だと言っていました」

「そ、それって…!」

「はい…艦娘を排斥し、何百年も前の世界の…楽園だった頃以上の「無限に幸福を得られる世界」を築き上げると」

 

 野分の情報はカイトさんにとって驚きを隠せないもののようだ、彼は「ほう?」 と感嘆の声を上げていた。

 

「なるほど…ではあの資料はそういうことか」

「えっ? カイトさん、何か知っているのですか?」

「…ドラウニーアは逃亡の際に、機関の資料の大半を持ち去ってしまったんだ。実験のレポートや研究成果をまとめたもの、そして機獣の設計図もね。それらが彼らの手元にある以上、我々が彼らの目的がなんなのか知る由もなかった」

「そんな…」

「しかし、彼らの立ち去った後の研究所にある資料が残っていた。…そこには「楽園に至る方法」と書かれていた。残念ながら表紙以外は破り捨てられていたけどね?」

「っ! 始めから…少なくとも機関を離れた時から、世界から艦娘を排除することを計画していた、と?」

「正確には分からないが…その話が本当なら、彼は本気で大それたことをしようとしている。ということだね?」

「ヤツめ…神に成り代わろうとでも言うのか?」

 

 天龍の言葉に、沈黙と少しの唸り声が響く。それでもその推測はあながち間違いじゃないだろう。

 

 そういえば…妖精さんは分からない? 黒幕のこと。

 

「すみません…カイトさんが話した内容は予見出来てましたが…それ以上は私にも分からないんです。ドラウニーアに関することだけはイレギュラーで、どこで何をしているのか、全く見えないんです…」

 

 そんな…妖精さんでも分からないなんて…。

 

「あぁ〜! なんなんだよアイツ! チートでも使ってるのか!?」

「落ち着いてください、拓人さん?」

「…ごめん」

「取り乱したい気持ちは分かるよ。だからこそまずは整理してみてはどうかな? 君たちが見聞きした黒幕の行動を」

 

 カイトさんの言う通り、ここは冷静に分析してみよう。僕らが見てきた、今までの黒幕の行動は…。

 

 

 

1.金剛を怒らせようとして力を引き出そうとし、その力を自分のものにしようとした。

 

2.百門要塞の地下での神隠し。住人たちを無理やり実験の被験者にしていた。住人たちは肌が白く硬質化して、意識はなく死んでるも同然だった。

 

3.廃坑の巨大魔鉱石、黒幕が持ち去ったようだが、何処へ持ち去ったのかは不明。

 

 

 

 ということだけど…なんだろう、なにか…忘れている気がする?

 

「拓人さん?」

 

 人差し指を立てた妖精さんは、そのまま指を口元に持っていく。ヒミツ…ってこと?

 妖精さんは分かっているんだ、僕が忘れていることの内容を…でも。

 

「(それを言ったらマズイんだね?)」

 

 妖精さんは僕の心の声に頷く。

 このことを安易に漏らしてしまうと、世界の運命が書き換わり…最悪「黒幕にとって都合の良い展開」が来てしまう可能性がある。

 

「(もどかしいな…)」

 

 僕たちは言葉に気をつけながら、トモシビ海域で黒幕が行った行動をカイトさんに伝える。

 

「…ふぅーむ」

「何か分かりませんか? カイトさん」

「いや…しかし、地下での出来事はそれで合っているのかい?」

「へ? は、はい…?」

「そうか…。実は捕らえた機関の研究員の中に「突然死」を遂げる者がいる、という報告が相次いでいてね?」

「どういう意味でしょうか?」

「彼らは機関がやろうとしたことについて情報を少なからず知っていた、だからなのか…取り調べを行おうとした矢先に「不自然な死」に至ったようでね」

「不自然とは?」

「噴血、発火、心臓停止、数多の切り傷…と、バリエーションが多すぎるが、とにかく突然、決まって取り調べを行う前、その前に口を開けて情報を漏らそうとしても同じ結果だった」

「っ! それって…黒幕の仕業でしょうか?」

「口封じの可能性はあるね。その中に「まるで石化したように」固まり死んでいた者がいたんだ、ちょうど君たちが言ったように、肌が白くなり固まった者たちが…」

 

 カイトさんの言葉で、僕らは理解した。

 確実に「ヤツ」だ、情報を喋ろうとする裏切り者を…粛清しているんだ…!

 

「アイツ…!」

「胸糞悪い話だぜ…」

「そうか、その反応から察するに君たちもそう思うんだね。もしそうなのだとしたら、僕には気になることがある」

「…それは?」

「言い方が悪くなるが、他にも多種多様な死に方をしている研究員たちがいてね。その中に「突然人が変わった」ように叫び、そのまま生き絶えた者が存在する」

「人が変わったって…薬物か何かですか?」

「いや大将、目撃したヤツによれば…まるで「呪い殺された」ようだったらしい」

「の、呪い…?」

「ひぃっ!?」

 

 望月の言葉に、思わずすくみ上がる野分。カイトさんは構わず続けた。

 

「とにかく、その殺され方が問題なんだ。誰がやったにしろドラウニーアが石化に関わっていたと仮定すると…あの海域が怪しい」

「能書きはいい。カイト、結論を言ってくれ」

 

 天龍の催促に、カイトさんは一つ咳払いをすると回答する。

 

「"ボウレイ海域"…最近その海域で妙な怪奇現象が起こっている。その中の一つには…「亡霊に呪い殺された」と」

「…!?」

「これはあくまで推測だけど。…もし呪い殺されたことが彼らの実験の産物なら、その海域にドラウニーア、もしくは残り二人の研究員がいて、トモシビ海域で行ったような実験を繰り返している…どうかな?」

 

 カイトさんのその推理は、僕らのいる空間に確かな戦慄をもたらした。

 

「もしそうなのだとしたら…尚更犠牲者が増える前に、早く止めないと!」

「ふむ…確かにそうしたいのは山々だが、我々としては確たる根拠がない以上は、ボウレイ海域へ行くことは出来ないんだよ、怪奇現象の調査だけでは無駄足になる可能性が高い」

「そ、そんな…!」

「タクト君、貴方はこの世界について色々理解しているのよね? 何でもいいの、なにか彼らの手がかりになるような情報はないかしら?」

 

 加賀さんに追及される僕…でもどうだったろうか? その怪奇現象も黒幕と何か関係が……? 待てよ?

 

 ボウレイ海域…そうだ、思い出した!

 

 もし仮にその海域の怪奇現象を調査していくと…そう、そうだ。確かルールブックにも、そういう風に書いてあった。やっぱり大筋では流れは変わってないんだ!

 

「どうしたタクト、激しく頷いて?」

「テートク?」

「金剛、皆! 黒幕かはまだ分からないけど…逃げた研究員の足取りが…分かったかもしれない!」

 

「っ!?」

 

 僕は皆と情報を共有する(妖精さんも頷いてるし大丈夫だと思う)。

 それは、この先の未来の展開…おそらくだけと、ボウレイ海域で「三人の研究者の一人」に会える…!

 ボウレイ海域のイベントの一つに「逃げ出した研究員」っていうのがあって、それはジュピター…じゃない、TW機関の元研究員に遭遇し、様々な情報を得られる、というのがあったはず。

 

「確かなのかい?」

「はいカイトさん! まだドラウニーアが居るか確定ではありませんが…必ず一人、その海域にいるはずです!」

「…加賀さん」

「分かっています、すぐに()()()を向かわせましょう」

 

 加賀さんは慌ただしく執務室を後にする。カイトさんもどこか興奮気味に話しをまとめる。

 

「タクト君、君たちに緊急の任務を依頼したい。至急ボウレイ海域へと向かい、現地で怪奇現象の調査及び、逃げ出したTW機関研究員の捜索を開始してくれ」

「はいっ!」

「わっかりまシター!」

「頼んだよ! それと…僕の部下である「選ばれし艦娘」の一人も同行させる、彼女も役立ててやってくれ!」

「えっ、加賀さんや加古たちではなく?」

「探索向きの能力だからね、彼女が適任だ。まぁ君たちは初めて会うだろうが、きっと仲良く出来るよ!」

 

 おぉ〜…これまで選ばれし艦娘は「加賀さん、加古、長良」の三人に会ってるわけだけど…後二人のうち一人か、んー楽しみ!

 

「拓人さん、言ってる場合ですか…;」

「でも妖精さん、その世界の英雄みたいな凄い人と共闘するのって、燃えない?」

「言いたいことは分かりますが、それどころじゃないでしょう?」

「分かってるよ、ふふっ」

「本当に大丈夫ですかねぇ…?」

 

 僕もこうは言ってるけど、やらなければならないことは理解している。

 絶対にあの黒幕の好きにさせない。必ず化けの皮を暴いて、計画を阻止してみせる…!

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ──ボウレイ海域、とある小島……。

 

「……」

 

 見渡す限りが霧に包まれた、不気味な雰囲気を湛えたこの海で、一人佇む男が…。

 

「…そうか」

 

 白衣に身を包む男は、何かを憂うような表情で虚空を見つめる。

 

「来てしまうのか…この海域に……」

 

 それだけ呟くと、くるりと身を反転させて後ろの小屋へ戻ろうとする。

 

「…やはり君は、ここへ戻ってくるのだね……”金剛”」

 

 果たして、その言葉の意味するものとは…?




○TW機関

ドラウニーア(黒幕)が所属していた「対脅威防衛装置開発機関」で、海魔大戦のような巨大な争いを未然に防ぐため、連合によって設立されました〜。
本来は、イソロクさんが遺した異世界の技術の研究、及び昇華が目的でしたが、裏では非合法で非人道的な実験を繰り返して来たようです。
それに気づいた連合は、機関の閉鎖と所属研究員の一斉逮捕に踏み切りました。
しかし、ドラウニーア含め三人の研究員を逃してしまい、連合幹部であるカイトさんは、逃げた研究員の行方を追っています〜。
今では連合の負の象徴となりましたが、かの機関の研究によって異世界の技術が、この世界に浸透したのも事実のようで、連合は機関に代わる「新たな組織」の構成を考えているようですね〜。
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