艦これすとーりーず ―僕が異世界版艦これの提督になった件について― 作:謎のks
作者も頭から煙を吹き上げながら書いております、ハイ。
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妖精さん『話の流れをぶった切り、私さんじょ〜!』
『うふふ〜、びっくりしました? 今までこういう介入はしなかったのですが…そろそろ明言しておかないといけないことが出来まして〜…金剛さんのことなのですが〜?』
『とりあえず物語もある程度進んだので、彼女がどういう存在なのか…まだまだなんとなーくですが、これから説明していきたいと思います〜』
『…あぁ、この空間は「めめたぁ」も許されるようにしました〜。ほら、拓人さんたちも居ませんし…え、分からない? うふふ〜この物語は「考えるよりも、感じること」推奨です〜♪』
『論より証拠ですよね〜? 先ずは…こちらをどうぞ〜! BGMもお忘れなく~☆』
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──物語の一定フラグ回収確認…。
金剛のプロフィールに新たな記述が追加されます!
・使命(カルマ):提督の思い
──其は、愛と運命を掴み取る者。
長い年月が育む愛、一目惚れの恋…そこに差異など無いと、声高らかに宣言せし、無償の愛を捧ぐモノ。
”…その記憶に一切の迷いはなく、例え自分が「自分」でなくなろうとも彼女の意志は変わらない。
守るモノとして、金剛として最後まで提督のために戦い続ける。…それが「偽りの感情」だとは知らずに…。”
金剛の好感度開示…。
金剛の好感度:4
※一定のフラグ回収後、金剛の「アンダーカルマ」が開示されます。
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『はい〜、この場合のフラグとは「ある一定以上物語が進んだ」ことを表します。金剛さんの場合は「彼女の隠された真実に近づいているか」を表します〜』
『要するに〜! 金剛さんだけ、今どれだけ好感度を上げても、物語が進まないと「アンダーカルマも、改二改装可能」も表示されません〜。私が過去に彼女を「鉄壁のメインヒロイン」と呼んだのは、この特別な仕様のためですねぇ?』
『…とはいえ、アンダーカルマ辺りは、近いうちに明らかになると思います。何せ彼が…いえ、なんでもないです』
『金剛さんは、お察しのとおり海魔大戦時の金剛とは「別人」です。では彼女は何なのか…それについても、これからの物語で解き明かされます〜』
『薄々彼女の正体に気づいている方もいらっしゃると思いますが、どうか私と一緒に、金剛さんや他の艦娘たちと、彼女たちの「物語」を見届けてほしいです。はい〜』
『最後に…この物語が、誰かの「幸せ」になりますように…今度こそ、この「
『…うふふ〜、ではそろそろ拓人さんたちの様子を見てみましょー! でわでわ〜』
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「ほい、大将。用意出来たぜ?」
望月がそう言いながら「腕輪」のようなものを手渡してくる。受け取りながら僕は尋ねる。
「…ナニコレ?」
「前に言ったろ? アンタ専用の艤装作ってやるってさ。ソイツはベベと同じ「
得意げに話す望月、そう言われてもピンとこないなぁ? どう見ても普通の腕輪にしか見えないし。
「でも試しに。…剣!」
この場合は「トランスフォーム!」とか言った方が良いのかもだけど、単語で反応するかも確認したい。すると…「カションカション」と気持ちいい音を立てながら腕輪は形を変える、うん。ちょっと小ぶりだけど確かに剣だ。
「流石望月だと褒めてやりたいところだぁ(ブ○リー)」
「フフ、最高の科学者であるアタシに隙はないっ、というワケさ!」
「…分かってて言ってるよね?」
「うんにゃ、アタシの能力的に相手の考えに沿った言葉も自然と思い浮かぶみたいだ」
「つまり理解力:EXですかぁ?」
「はい…(ブ○リー)」
「もっちー、君は天才であり僕の生涯の友だ」
「あぁ、アタシら「ズッ友」だよな…!」
二人は熱い握手を交わす。勢いって怖いね?
ネタが通じて感極まった僕はいつも以上の「わけわかめ」な言葉で望月と永遠の友情を誓い合った。好感度が上がったおかげか望月もノリが良くなったから、ツッコミ役が欲しいところ。
「(天龍)何をアホな事をやってる。タクト、意味の分からない言葉ばかり言うな、場が混乱しかねん。望月も少しは制止しろ、科学者の名が泣くぞ」
「…うーん」
「イマイチだなぁ?」
「もっとこう…「なんでやねん!」みたいな勢いというか…ねぇ?」
「ほう? 斬り殺すぐらいで行けと?」
「いやぁ~クールなツッコミ最高ですね!(手のひら)」
「全くだな!(クルー)」
…茶番もほどほどにしとこ。僕らは宿屋の寝床から出るとそのままある場所へと向かう…。
ここは「シズマリ海域」の近くの島、その村の中。
僕らは金剛の体調が回復した後、一時ボウレイ海域を離れる。
霧が晴れ、晴天の海に戻って来た…なんだか、晴れ間が見えるだけで清々しい気分になるよ。
そして、近くの人気(ひとけ)のある島に行って、情報を集めるため村へ赴いた。
…その中で、僕らはこの海域で起こる怪異を目にしていた。
その村には「呪い」の被害に遭った人々が多くいるようで、犠牲者の変わり果てた姿が散見された…その有様は酷いものだった。
そんな死屍累々の惨状を摺り抜け、僕は呪いの被害にあったという情報提供者の家を訪れ、呪いの犠牲者となった女性の夫の部屋を覗かせてもらった。
「…っ!? これは…!」
そこには何かに苦しみ抜いたように、部屋の惨状が広がっていた。
乱雑に散らかる家具、ベットのシーツはボロボロに破れ、壁には無数の引っかき傷。
この殺伐とした異様な雰囲気は、果たしてこの部屋を荒らしたのが「人なのか、獣なのか」疑問に思うぐらいだ。
死体は既に連合が引き取っているらしく、その場にはなかったが…ありありと当時の無残な情景が思い起こされた。
呪いの犠牲者の家族は、その時の様子を以下のように話す。
「いきなり悲鳴が上がって、部屋に入ったら奇声を出しながらそこら中荒らし回って。どうしたのって聞いても何も答えてくれなくって、代わりに「俺の中に入ってくるな」って言うだけで…血走った目で、どこを見てるのかも分からなくて…怖くて…」
「……」
「どうしていいのか分からずに眺めていたら、急にけたたましく叫んで、そこから泡を吹いて倒れて…そこから意識がなくなってしまって…私…何も出来なくて…どうしたら良かったのか…っ!」
ご主人の変わりように驚き何も出来ず、必死の抵抗と断末魔の叫びを上げる彼を、ただ茫然と立ち尽くし見ている他なかった…か。
後悔を噛みしめる女性を視界に収めながら、僕は確かに実感した。これが「呪い」…人々の生活を脅かす亡霊、か。
「…そうでしたか。すみません、そんなお辛い話をさせてしまって」
「…いえ、連合の提督さんなら信用出来ますし、彼みたいな犠牲者をこれ以上出さないために、情報は惜しみません。でも…必ず原因を突き止めてくださいね?」
「はいっ、お任せください…!」
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…こうして一旦聞き取り調査を終え、情報の整理をする僕らだったが…?
「噂のゴーストで間違いないデースね?」
「そうだね金剛。被害に遭われた人の特徴も一致しているし…問題は「誰が、何のために?」…だけどね?」
「…あの研究員の仕業だ」
天龍の断言には理由がある、あの時研究員が行った「不可思議な現象」…艦娘の身体を”乗っ取る”ということは、呪いと通じるものがあった。
「そうだね天龍、まだ確かな証拠はないけどあの研究員がやったことは、ほぼ間違いないと思う」
「だねぇ、アタシに対してあんな術仕掛けやがるんだからな」
「…望月大丈夫? 恨み節にしか聞こえないけど?」
「そりゃ悔しいからね〜、今度会ったら倍返しさ? ヒッヒ!」
皮肉笑いをしながら闘志を燃やす望月、頼もしい限りだ…やり過ぎないか心配だけど。
「うーん、でも…魂を他人の身体に憑依させるだけで、あんな風になるなんて」
「僕は心を見れるから言えることだけど…ニンゲンの心は「とても不安定」なんだ、器一杯に自我意識があるのに、そこから更なる容量を器に注ぎ込もうとすると…それだけでも精神に異常が出ることは想像に難くないよね?」
「時雨の言うとおりだ。精神ってのは虚ろなもんだから、何らかの形で別の意識が入ろうとすると、余程のことが無い限り元の意識の「主導権を奪われ」ちまうんだ」
「…呪いってさ「他人の精神を自分の精神に上書きする」ってこと?」
「んー、少し違うな。一つの身体に「二つの精神」が在る、ってことさ? 精神異常者とかいるよな? 二重人格とかあーいうの?」
「あー…分かるような、分からないような?」
「乗っ取りとか憑依とかも、一時的に二重人格になっちまう構図なんだが…普通のニンゲンには別の人格を受け入れる耐性はないからなぁ。乗っ取った人格が、乗っ取られた人格にどう影響するのか…それこそ「分からない」がな?」
望月が発した言葉は、何よりも恐ろしい事態だった。
要するに、他人の魂に自分の魂が消されちゃうかもってこと? だとしたら…どんな死よりもゾッとしてしまう。
「まぁ精神を乗っ取るだの憑依だの、非科学的にも程があるがな。そんでもコイツは目的ありきの”実験”は確実だ、例えば他人の精神に入り込んで「どれだけ発狂しないでいられるか」とか「ニンゲンの身体と精神の因果関係」とか。…何をしようとしてるかは知らないが、ヤツらがやろうとしているのは、そういった精神の限界を試す実験だろうさ?」
研究員たちの目的、か。
これは望月から内緒で聞いた話だけど…この世界は五十六様の出現により、それまでになかった文化が現れた。鋼鉄の武装や爆砲、それらを用いた軍事的活動。後年の世界にも大きな影響を与えた…そもそも紛争が今日まで続いている理由だって、彼が残した艦娘が原因だって話だし。
TW機関は、五十六様の遺した技術の解明と昇華が目的…ならそれらの先にあるのは?
「科学」…望月が言うには「超化学」がそこにあるらしい。
それらを機関メンバー並びにドラウニーア等三人の研究員も有していたという。でなきゃ「艦鉱石」やら「機獣」なんて作れないだろうし、この世界の魔法やら錬金術の存在があるから、化学研究の過程で「科学で証明できなかったことが出来た」んだろう。あの魂を移動させる術も、相手を乗っ取る術も、そういった超化学の賜物だろう。…こんなこと今更かもしれないけど?
僕が言いたいのは、そんな超化学を用いてでも彼らが「証明したいこと」は何なのか? ってことだね。…まぁ、望月から「あんまり機関の情報(超化学について)は公にすべきじゃない」って言われてるし。
なんでもこの科学という技術自体、この世界にとってまだ未知の技術であり、それらによる文明の急速発展に長期的な見通しが立っていないそうだ。確かに…僕らの世界でも何十年も時間をかけて連綿と研究され続けてきているけど、未だに奥が深く終わりが見えない。下手したら文明そのものが滅ぶかもしれない、ゆっくりと浸透させていくべきだ。
それに事実として公表したとして、あの要塞で非道な事件を起こした外道が何を仕出かすか分かったものじゃなかった。更に妖精さんからも、その場でそれとなく諭されたので「ヤツにとって都合のいい展開を招く可能性」が出てきた。…この場はそれとなく流すしかないか。
「因みに艦娘は取り憑かれようが、艦鉱石とマナがある限り精神が消されることはない。それでも憑依されたら身体は乗っ取られちまうがな?」
「…なんでそんな実験を繰り返してるんだ?」
「さぁな? だが…アイツらの実験に巻き込まれた被害者は数知れない。早急に止めるべきだ、なんとしても」
天龍に賛同の意思を込めて頷く僕ら。さて…これからどうしようか?
「まずは…ボウレイ海域でまた虱潰しに研究員の居場所を探すか」
「うん、でも…地図に載ってる島は粗方調べたから、探し方を変えないと」
「ウィ。しかしコマンダン、まずはあの霧を何とかせねばならないかと? 視界を確保すれば見逃していた場所も見つかるやもしれません」
「霧を何とかする方法かぁ。…うーん、どうしたものだろうか?」
僕らが頭を悩ませていると、我らが望月氏が名乗りを上げた。
「なぁ大将、ちょいと時間くれりゃ、あの霧ぐれーならなんとか出来るぜ?」
「本当に望月? 出来るんだったらそうしてほしいけど…?」
「おぅ、ついでに色々対策しとこうや。翔鶴、アンタも確か霧をどうにかしたいって言ってたろ?」
「えぇ、お願い出来るかしら?」
「任せな。…ヒッ、関係ないけど翔鶴、アンタちょっと変わったか? 最近は物腰柔らかくなったっつか」
「そうする必要がないだけよ? 今は足手まといになりたくないから」
「そう? 僕的には優しくなった方が翔鶴のイメージだけど」
「貴方の元の世界のこと? ふーん…貴方は、その方がいいの?」
「えっ? …ーん、イメージ的にはそうなんだけど…今の僕はここにいる君がいい、かな?」
「っ! そ、そう…? 良かった…///」
…ん? 何そっぽ向いたりして? またいけないこと言っちゃったかな?
「拓人さん…そんなだから中々好感度が上がらないのですよ?」
「え? 妖精さんそれどういう意味?」
「もぉ…」
「妖精、タクトは人に好かれることに慣れていないだけだ。その内嫌でも理解出来るだろう」
「…天龍さんがそこまで仰るなら大丈夫でしょうね?」
「あぁ、コバヤシ程ではないが、俺も見る目はあるつもりだ」
「…んん? ホントになんの話??」
よく分からないけど、とりあえず話は決まったかな?
望月が霧やらの対策の準備をする間、僕らは研究員の居場所の特定を急ぐため地道な聞き込みを続けようと思った。…しかし?
「おぉい! アンタら連合の人だろ?」
村の住人らしき男性が僕らの方に走ってくる。何かあったのだろうか?
「どうしました?」
「いや…どうもウチの知り合いが沖に出てたらしいんだが、その知り合いが…」
なんでも漁に出かけた方々が帰り路についていると、遠くに深海棲艦らしき影を見た、という…しかもそれは。
「ソイツは全身真っ白なヤツだったって言ってたんだ」
「っ! 深海棲艦の姫?」
「霧の海域から出てきたのかな?」
「分からないけど…ねぇ時雨、今更だけどこの世界じゃ「姫」はどういう立場なの?」
「ふむ…姫は深海たちの上位種と言われているよ? あまり人前には姿は見せないけど、そのどれもが艦娘と似て非なる容姿をしている。強さも一際大きなものだよ」
「こっちではそういう感じなんだね?」
「大将とこでは違うのか?」
「ん、あくまでフィクションだけど。人類は深海棲艦と終わりなき戦いを続けていて、ヤツらは世界各国の拠点を次々と襲っているんだ、まるで軍隊のように。姫たちは雑魚深海艦たちの司令塔をやってるんだ」
「なるほど、俺たちのも似たようなものだが、各々が好きに暴れている印象だな? 隊列こそ為しているが、人類転覆とか策めいたものは感じないな?」
「まぁだがそれこそ下手な軍団より厄介だろうな? あの黒幕がレ級のヤローを従えるみたいにな?」
天龍と望月の説明に納得する僕、でも…それなら何の目的で人前に姿を現したのか?
「あの、その白い影は他に何か特徴は?」
「えっ? そうだなぁ…何かデカイものを背負ってるって聞いたが? …なんだったか?」
「…っ! タクト、どうやら近くに来たみたいだよ」
話の途中に時雨が海の方角を指している、彼女の探知能力に引っかかったみたいだ。
「どんな感じ?」
「ここから2、3キロにいるみたいだ。海の上に一人、動いているわけでもない、まるで何かを待っているみたいだ」
「…どう思う望月?」
「ぜってー罠。」
「(天龍)俺も不用意に動くことは避けるべきだと思う」
「…んー、このまま聞き込みを続けても、収穫なさそうだしなぁ」
「……あ、あーっ! そうだ思い出した!」
男性が今まで考え込んでいたらしく、大声で叫んで思い出した内容を話してくれた。
「ソイツの話じゃ、白いヤツはいきなり漁船内に乗り込んで来て、暴れ回ったそうなんだよ」
「っ! 怪我人はいませんでした?」
「幸いか全員無事なんだが、その白いヤツは「身の丈ほどの大剣」を担いでたそうで、狭い船内でぶん回してたそうなんだ。おかげで浸水しかけたって、ソイツもぼやいててさ?」
「…っ!」
一瞬だった。今まで静かに話を聞いていた綾波は、途端に血相を変えて一人でに走り出していた。
「綾波っ!? どうしたの?」
「おい、なんでもいいが一人で行動するな! 敵の思う壺だぞ!?」
「…聞いていないみたいだ、どうするんだい?」
「追いかけよう!」
「いや大将、ここは二手に分かれようぜ? アタシも霧対策のために時間がほしい」
「なら、望月と野分と天龍はここに残って。何かあってもいけないから、村の人たちを守ってあげてね?」
「ウィ!」
「分かった。タクト、綾波を任せたぞ」
「うん!」
「なんか大変なことになったな…すまん、俺が不用意なことを」
「いえ、仕方のないことなので。それより何かあるといけないので、深海の姫が近くまで来ていることを皆に知らせてください!」
「よしっ、任せろ」
こうして僕と金剛、翔鶴、時雨は綾波を追いかけて深海の姫の待つ海へ…果たして、誰が待っているのか?
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『さて…この辺りでいいかな』
『あれだけ派手に暴れたんだ、奴らは必ず来る。…彼らとはどうしても問い質さなければならないことがある』
白き姫は独り言ちに呟く、すると自然に彼女の「口角が上がる」。
『…? なんだ、何を笑っているんだ? …エモーショナル値は正常、ボディシンクロにも不備はないはず。…っふ、今更…あんな「惨状」を引き起こしておいて、私に笑う資格などないというのに』
彼が思い起こしたのは、実験と称して行われた「人間の精神の限界を試す」実験である。
外道の所業なのは百も承知、全ては彼らの目的を果たすため…。
『だからこそ、彼女には何処か遠くに行ってほしかったが…』
どこか悲しそうに、虚しそうに、白き姫は憂いの表情で待ち人の到来を待つ。
…その一方で、彼女の口角が不意に上がる理由を「彼は」知る由もなかった。