艦これすとーりーず ―僕が異世界版艦これの提督になった件について― 作:謎のks
もし何か不適切な表現があれば、指摘して下さると幸いです。
雷鳴が轟き、邪龍の断末魔が木霊する。
そして、光が視界を遮ると──先ほどまでの騒々しい戦場の一幕から一転、辺りは静けさに満ちていた。
静寂の支配する闇の中で、拓人たちは閉じていた目を開く…そこには。
「ヒュドラが…倒れている?」
そこには邪龍ヒュドラが黒焦げとなり海面に倒れ伏した、物言わぬ巨大な鉄塊となった姿、完全に機能停止した状態であった。あれだけ猛々しかった身体の炎は、硝煙と共に消え失せていた。
『何とか…なったみたいだネ?』
由良は拓人たちに近づき五体満足を喜んだ、しかし拓人は疑問が尽きないので彼女を問い質す。
「由良、電気魔導矢に何か細工してたみたいだけど…?」
「私にも説明して、どんなに手を加えても電気魔導弾には、あそこまでの火力は出せない筈よ?」
翔鶴も由良に疑問を投げかける、そんな二人に対し由良の回答は。
『何もしてないヨ、ただ「電圧を上げた」ダケ』
「…えっ!?」
驚く拓人たちを余所に、由良はこの絡繰りを説明する。
『導電性って解るカナ? 簡単に言うト「電気をどれだけ通しやすいか」って性質だけどネ、金属が電気を通すのは周知済みだろうケド、鋼鉄はあんまり電気は通すとは言い難いんだよネ』
由良の言わんとしていることは、拓人も何となしに理解した。対スキュラ戦時に電気魔導弾を使用したものの、スキュラにはまるで効いている様子ではなかったからだ。
「そうよね、だからただ電気魔導弾を使用しても、あの鋼鉄を焼き尽くすのは無理よね?」
翔鶴の回答に肯定し頷く由良。
『それハ例え電圧を上げたとしても同じ、あれだけ大きな鉄の塊に行き渡るほどの電流は流せナイ…でも、そこニ「炎」の要素が加わっタラ?』
「それって、どういう意味?」
拓人の問いに、由良は教鞭を執る師のように語り始める。
『炎は「プラズマ」の一種と言われてイテ、プラズマは通電性が高いことで知られているノ。つまり…単純に電気の通りやスイ炎に電圧を最大まで上げた電気魔導弾を落としタラ…?』
「…巨大な鉄の塊も焼き尽くす「稲妻」になる?」
『ソウ! とは言っテモその考えに自信があったわけじゃナイし、ぶっつけ本番だったケド…上手く行って、良かッタ♪』
由良はそう言い終えると、ホッとした様子で穏やかな笑みを浮かべる。
成る程、ヒュドラは全身に炎を纏っていたので理屈は通っている。それでもここまで上手く行ったのは、由良の少々の知識と咄嗟に出た「多分な行動力」の賜物だろう。拓人は流石だと由良を胸の内で称えた。
──しかし、ここである疑問が拓人から出てくる。
「…由良、あの一瞬に「跳んで」って叫んだのは」
『あ、ウン。電気が水面に漏電する可能性があったカラ、黒焦げにならないヨウに…って?』
「それって…跳ばなかったら「感電死」してたってこと?」
「っ!?」
『…アハハ』
苦笑いする由良を見て、拓人と翔鶴は二人して背筋が震えた。
「由良…貴女ねぇ?」
『ゴメン、デモこれしか状況打破の策が思い浮かばなくッテ…;』
「ま、まぁ何とかなったんだし。終わり良ければってことで?」
拓人の言葉を聞いて、翔鶴も同意して困惑顔から安堵の表情に変わる。
「そうね、確かにヒュドラを倒せたんだし。由良も無事だったし…本当に良かったわ」
『翔鶴チャン…ウン、ありがとう。二人が居なかったラ…私だけじゃどうにもならなかッタ』
由良の感謝の意に、拓人たちはそれぞれに微笑んだ。
三人の長所、出来ることを最大限に活かした戦いだった。もし彼らで無ければ…暴れ狂う邪龍を止められはしなかっただろう。
倒れ伏す邪龍を見て、その実感を噛み締めた三人は深く息を吐き胸を撫で下ろした──
「──っ! そうだ、ドラウニーアはどうなった?!」
束の間の平穏だった、拓人の言葉にハッとして周囲を見渡し警戒する翔鶴と由良。
この黒い霧の立ち込める中ドラウニーアが何か仕掛けてこないことはない、それこそまたヒュドラを復活させられたり、ましてや第二第三の勢力を嗾けられてもおかしくない。
…しかし、辺りは静けさを保ったまま。暫く沈黙の時が過ぎた。
「あれ…?」
妙だと感じた拓人は、恐るおそる前に出て様子を窺う。…が、動きどころかドラウニーアの先ほどまでの憎たらしい物言いも返って来なかった。黒い霧で視界が見えないのもあるが、不気味なぐらいに何もなかった。
「もしかして…逃げた?」
「もしくは、電気魔導弾の電流の余波に巻き込まれたか、ね?」
『うーん、それハ有り得ないんじゃナイかな?』
「じゃあ隠れているのか? …うーん、僕の「能力」でも理解出来ないみたいだ」
拓人はこの状況が何を意味するのか考えるも、自らの「力」を持ってしても理解出来ないでいた。
三人が話し合っても、返ってくるのは静かな波の音だけ、先ほどまでの激戦が嘘のように静かだった──あまりにも静かすぎて、疑いたくなるくらいに。
隠れている可能性もある、しかし──先ほどの由良の言葉で「稲妻が水面に流れた」のは明白、仮に避けられたとしても、ここまで気配を隠すことに
…何かがおかしい。しかしここでずっと立ち尽くしている訳にもいかない、邪龍ヒュドラは倒したが、他にも解決しなければいけない問題がある。三人は改めて話し合う。
「どちらにせよヒュドラを倒した以上ここに用はないし、ドラウニーアが居ないならこの場は退散しよう。さて…長門さんを助力しに行く? それとも一旦外に出る?」
「…そうね、長門には悪いけど酒匂の様子が気になるから、外に出ましょう。金剛たちの元に居ないなら、迷っているかもしれないから迎えに行きたいわ」
『ウン、それで良いんじゃナイかな?』
「分かった、じゃあ行こう。…ふぅ、増援がなくても何とかなるものだなぁ?」
一旦外に出ることで合意となり、一行は辺りを警戒しながらその場を離れようとしていた。
拓人はあまりにもあっさりとした幕引きに、少し拍子抜けな思いもあった。ドラウニーアの執拗な性格は嫌でも理解出来たので、矢張り引っ掛かる部分は否めなかった。
だがこうしている間にも、酒匂たちが敵に見つかっていないか心配になる。切迫した状況だったので仕方がなかったが、これでもし酒匂たちが負傷──有り得ないかもだが、沈んだり──していたら、そう思うとどうしても焦ってしまう。
ともあれ勝ち星は上げたのだ、油断は禁物だが酒匂たちを追いかけても良いだろう。そう思いその場を後にしようと海面を滑る──
──ピピピ、ピピピ。
その時、拓人の手首に付けられた「映写型通信機」のアラームが鳴り響いた。三人ともアラームの音に足を止めた。
「何だ? …望月からか」
何事かと思い、拓人はダイヤルを望月の番号に回すと、彼女からの通信に応答する。
『大将、無事か!?』
ひどく焦った様子の望月を見て、怪訝な表情が隠せない拓人。
「どうしたの、望月? 何かあったの?」
『あぁ、無事みてぇだな。…先ず状況を確認させてくれ、大将…「機獣」には会ったか?』
「えっ、機獣…ヒュドラならもう倒したよ。ほらそこに」
拓人は映像を黒焦げになったヒュドラに向ける、望月は注意深くヒュドラを観察する…少しの間を置いて、安堵した様子の望月。
『よし、穢れ玉は抜かれてねぇな。焦ったぜ…ギリギリセーフってとこか?』
「どういうこと、望月?」
『ああ大将、話せば長くなるが…』
拓人に問われ、望月が事情を説明しようとした──
「──特異点ッ!!」
刹那、拓人の耳に入って来たのは…忌わしい宿敵のあの声だ。
「っ! やっぱり隠れていたのか!?」
すかさず気を引き締め直すと、辺りを見回す…そこには、暗闇にぼんやりと光る「紅い光」だった。
「っ! 翔鶴見るな!!」
「っ、くっ…!」
拓人の声に翔鶴は直ぐさま目を閉じる。
あの紅い光こそドラウニーアの持つ「海魔石」の光、人の持つ負の感情を溜め込む性質を持ち、一度光を放てば負のエネルギーが魔力となり、艦娘は体内のマナが相殺され一時的に意識を失い、酷いときは艦娘であろうと人間であろうと、理性を喪失し激情に呑まれ、海魔石の持ち主の支配下に置かれる。
しかし、光を視認しなければ問題はない。拓人と翔鶴はそう思い目を閉じる──
『──…ッヴ!? グッ……ぐぁアアアア"ア"ア"!!?』
そんな拓人たちを浅はかと嘲笑うように、状況は一変する。
隣に居た由良が突然悲鳴を上げる。驚く拓人は目を開くと彼女を見やる…そこには、胸から紅い光を放つ由良の姿が。
「こ、この光は…海魔石…っ!?」
『ガアアアアアッ!!』
「うわっ!」
由良は獣のように叫ぶと、得物の槌を拓人に向けて振り下ろす。一瞬のことだったが何とか避ける拓人。
正に青天の霹靂であった、由良の胸は紅く妖しい光に照らされ、威嚇する獣に似た歪んだ醜い顔となり、拓人たちに明らかな敵意を向けていた。
「由良っ、どうしてしまったの?! しっかりして!!」
「っ、一体何が…?」
拓人たちは状況が理解出来ず狼狽する、果たして由良の変わりようは何を意味するのか…?
──ぴちゃっ、ぴちゃっ。
「…全く、煩わしい」
すると、暗闇の向こうから足音が聞こえる。音の方を見ると紅い光がこちらに近づいているのが分かる、由良に注意を向けながら一瞥していると…紅い光に照らされ、黒幕のシルエットが現れた。
「…っ! お前がドラウニーア。何だ…その「肌」は?」
最後のさいごで漸く姿を見せたドラウニーア、その格好は医者のような白衣を身に纏い、その下には礼服のような小綺麗なベストとズボンを着ている。顔は面長で吊り上がった細目と眉が特徴的。首から下に海魔石のネックレスを身に着けていた。
至って普通と言えばそこまでだが、違和感は確かにあった。拓人の疑問に思うところは、ドラウニーアの顔左半分が「青白く」変色していること、まるで「深海棲艦」の様相だ。ドラウニーアが黒い霧の中に居ても平然としているのも、艤装も無しに海面に足をつけているのもそれが原因か?
憶測が脳を過ぎる拓人を余所に、ドラウニーアは低く落ち着き払った声色を辺りに響かせ言葉を投げる…まるで自身の揺るぎない勝利を確信するように。
「このまま息を潜めていれば、何も知らない貴様らは何処へと出ていくと踏んでいたのだが。まさか、ジャミング波を抜けて通信を試みるとは…有智高才(ザ・ジーニアス)、矢張り侮れんガラクタだ」
『っち、そこに居やがったのか! 大将、何としてもソイツに機獣の穢れ玉を渡すな! ソイツは穢れ玉使って世界を滅ぼそうとしてんだ!!』
「えっ!?」
望月の端的に状況を表した言葉に、拓人はドラウニーアに向き直り警戒する。ドラウニーアは大手を広げて拓人たちに計画を語り出す。
「成る程それも周知済みか? そうだ、俺は穢れ玉を使い「ゼロ号砲」を完成させる。そうすれば忌々しい艦娘ドモを機能停止出来る、全てな!」
「っ、穢れ玉を抜いていたのはそのためだったのか。そんなこと…っ!」
拓人がドラウニーアへ距離を詰めようと前へ出る、すると拓人より右方向で対峙していた由良が、まるでドラウニーアを守るように間を遮る。
『グウゥ…ッ!』
「っ、由良…」
「無駄だ、海魔石の魔力は全ての深海棲艦を支配する。そこのガラクタも半分深海側に成っているのであれば、操るのは容易い」
「っ! くそ…!」
「フン、チェックメイトは既に打った。貴様らには…かつて友だったこのガラクタを、踏み越えることが出来るかな?」
「っく、この外道…!」
「フハハ、何とでも言え。俺はおれの「使命」を果たすためなら、全てを利用してみせよう! 全ては俺の思うがままだからなぁ!!」
ニヤついて嗤うドラウニーア、しかし…ふとした瞬間、彼の余裕ある顔が冷たい表情へと変わる。それは彼が──恐れでも、焦りでもなく──己の絶対的優位を揺るがす「脅威」を目の当たりにした証拠だった。
「いや、訂正する。今までの俺ならこんなまどろっこしい手段は取らずに済んだ、隠れ潜んでさえいれば全て
「お前…一体なんなんだ、特異点でもないのに全てが上手くいくなんて…そんなの──」
「
ドラウニーアが放った凍てついた一言は、どこか怨念めいたものを感じる。拓人はそう理解するとより一層に顔を引き締めた。
「特異点はお前だけの特権ではない、ということだ。仮にそうだとしても、人とはいつでも神の領域に土足で踏み上がるものだ…「巫山戯るな」とな?」
「っ…?」
ドラウニーアの恨み節の最後にまたも「違和感」を感じ取る拓人。それはまるでこの世の「理不尽」を呪う「哀しさ」か、「寂しさ」のような──
「(…いや、忘れちゃいけない。コイツは全ての「元凶」、どんなに見えない理由があったとしても、今までにコイツが犠牲にして来た人たちは変わらない。絶対に…許しちゃいけないんだ…っ)」
拓人は、危うく揺らぎそうになる己の「甘さ」に喝を入れる。
今まで反省の余地を感じれば、敵であろうと幾度となく手を差し伸べた拓人。しかし今目の前に居るのは、身勝手な理由で世界を滅ぼさんとする「破壊者」である。間違っても許してはならない存在だった。
「さて…駄弁は終わりにするか、俺は悠々と最後のピースを受け取るとしよう。貴様らはそこで己が甘さを悔やみながら見ているがいい!」
ドラウニーアはそう言うと一歩、また一歩と海面を歩いてヒュドラに近づいていく。横向きに倒れた邪龍の首下には、コアを覆い隠す球体が見えた。駆けつけて止めに行きたい拓人だが、由良が道を阻んでいる以上どうにもならなかった。
『グガアァ!』
「くそっ! 望月、今酒匂が外に向かっていると思うから、先に金剛たちに現状を伝えて! 少しでも早く金剛に来てもらわないといけなくなった…!」
『大将たちはどうするつもりだ?!』
「何とかドラウニーアを足止め出来ないかやってみる、それまで金剛たちにこのことを伝えて!」
『分かったぜ! それと、そっちに予備のガスマスク送れねぇか試してみるわ。人手は多い方が良いだろう?』
「うん、頼んだよ!」
拓人と望月は手短にやり取りを済ませると、そのまま通信を切った。
さて、どうするか──拓人が状況打破のため頭を働かせていると、翔鶴は徐に弓と矢を構えた。
「っ!? 翔鶴駄目だよ、相手は…」
「分かっているわ、でもタクト…今はこれが一番よ!」
翔鶴は番えた矢を放すと、矢は真っ直ぐ由良へ向かっていく。
『グアアァッ!』
由良は矢をへし折るためか、得物の槌を構えてはそれを振り下ろす。しかし──既に矢から火が上がっており、艦載機の形に変わると彼女の前で散開した。空振りする由良の後ろで、翔鶴の艦載機は素早く編隊を組んで上昇した。
「おぉっ、すごい!」
「中々でしょ? ウチの艦載機隊は結構練度高いのよ!」
「…っ、クソが!」
翔鶴がそんな話をしている隙にか、ドラウニーアはヒュドラの距離を詰めようと海面を駆け出す。
「──させないわ!」
上空へと舞い上がった翔鶴の艦載機群は、ヒュー…と空気の擦れる音と同時に「艦爆」を落とす。爆弾が海面に着水した瞬間──海面を走る「炎」となりドラウニーアの進行を防いだ。
火炎魔導弾の炎である、簡単には消えないことを知ってかドラウニーアは唸りを上げて憤る。
「ぬぅ、小癪な真似を…!」
「お前だけには言われたくない、この屑男! よくも私の仲間を壊してくれたな、絶対に…許さない! 私がお前に殺された提督たちの、仇を取ってみせるっ!」
「ガラクタ風情が、言わせておけば。調子に乗るなよぉ…っ!」
ドラウニーアは左手を海魔石のネックレスに当てる、ドラウニーアから放たれる魔力の波動により、紅い輝きが一層増す。それと呼応するように由良の胸からも紅い光が。
『グゥアア!!』
「不味いっ!」
由良は翔鶴に向かい得物を構えて海面を走る、翔鶴への危害を防ぐため拓人は二人の間に割り入り、盾で由良の鈍撃から翔鶴を守る。
「タクト!」
「っ、やっぱり槌の一撃は重いなぁ。でも…やらせないぞ!!」
『ガアァ!』
拓人の妨害に由良は、鍔迫り合いの要領で槌に体重を載せて拓人を押し潰そうとする。拓人も負けじと力を込めて押し返す。
「うおおぉっ!」
「くそっ、いい気になるなよ。かくなる上は…っ!」
追い詰められるドラウニーア、今度は翔鶴に向けて「海魔石」を翳す。
「海魔の光よ、あのガラクタの本性を暴くのだ!」
「──…っ!?」
魔力の光が紅く妖しく輝き辺りを照らす、その強烈な光に翔鶴の顔は歪み苦しみを表した。
「ぐうぅ…っ」
「翔鶴!!」
「馬鹿めっ、海魔石の光は負の欲望を暴走させる。マナが相殺されないのは面倒だが、貴様の「怒り」を支配下に置けばそれも些事なことよ! さぁ…あの時のように、我が傀儡にしてくれる!!」
トモシビ海域で怒りに呑まれたように、翔鶴はまたしても頭が掻き乱されるような衝動に駆られる。彼女はまたも操られてしまうのか?
誰しもがそう思うであろう最中、拓人が動いた。
「いいや、そうはならない! 翔鶴、怒りを撒き散らす自分なんかに負けるな! 僕は君を…信じてるからっ!!」
「…っ! ──っぐ、あ"あ"ああーーっ!!」
拓人の声援を受けて、ガスマスク下で苦しんでいた翔鶴は、カッと眼を開きながらも衝動を抑え込み、重みのある身体をそれでも動かすと、矢筒から火炎魔導矢を取り出し、番え、弓を構える。
「な、何ぃ…っ!?」
信じ難い出来事にドラウニーアは顔が引き攣り仰天していた、今まで海魔石の呪縛に抗うモノは居なかったからだ。
「私がっ、皆の……仇を"っ! 取る、ん、だぁーーーっ!!!」
翔鶴は怒りに燃える自身を乗り越えて、矢を解き放った──
「…っ!?」
それは如何なる壁をも優に越えて、高く舞い上がる鉄翼となる。そして…怒りの炎で、黒幕に鉄槌を下す。
──ズドォン! ゴオォ!!
「ギィヤァああああああああ!!?」
様々な困難を乗り越え、拓人たちは…遂に全ての元凶を叩き伏せた。