ユグドラシルより来たりて   作:あきちゃま

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飽きてないですよ?(震え声)


第2話

 拝啓。

 お父様、お母様、あと出来が良すぎて劣等感を与えてくるこの世で最も尊敬するけど最も殺したいくらい憎いお兄様。この腐れ兄とは反対に僕に優しすぎるお姉様、お元気でしょうか。

 僕は何故かよく分からないドラゴンにご主人と呼ばれながら生きていくことになったようです。

 この世界は、争いの絶えない血で血を洗う残酷な世界だと思うのですが(まだ誰にもあってないから知らんけど)、できるだけ涙を流す人がいないそんな世界になれるよう頑張ります。

 またいつか、会える日を願って。

 敬具。

 

「会えるかああああああああああ!!!!」

 

 FRANC1SCOは嘆いた。王の独裁体制とかなんか諸々はないけど、きっと会える筈がないと思ったので。

 というより、わんと言えが喋っているし、コンソールが表示されていない辺りかなり昔に流行った「なろう系」とかいうものだろう。1作品目から断念した俺にはちょっと想像つかないけど。

 大体の流れはこうだ。

 

 なんか色々あって異世界転生。

 ↓

 異世界でチートす。

 ↓

 キャー!俺さん素敵!

 ↓

 オナペ◯トハーレム完成。

 

 この強敵との戦いにワクワクしない感じのどこが良いのだろうか。俺にはちょっと分からない。

 もしかしたら、分かる日が来るのかもしれなかったのだが、それもこんな状況ではどうしようもないだろう。しね。

 

「あー、どうせなら超絶美少女として生きていきたかったな。色んな国の王子とか騎士とかを侍らせながらクソビッチとして生きていく。サイコーだな!」

 

 考えることがクズそのものであった。

 そもそも、『バカは世界を救う』にまともな人間はいない。加入条件が極振りなだけならまだ良いが、極振りで尚且つ上位ギルドとして戦い続けてきたのだ。

 ユグドラシルというクソゲーは、上位へと登ろうと考えた時にはガチビルドでなければ限界があるというのが常識であった。

 しかし、そんな常識を圧倒的なプレイヤースキルで覆していったのが極振りだ。まともな人間が揃っている筈がない。ましてや、ここにいる男はその常識破りの集団でリーダーを務めた男。常識が裸で逃げ出す程の非常識の塊であった。

 

「とりあえず情報収集が重要だな。ワンと言え!お前何か知ってるか?」

 

「この世界が我々のいた『ユグドラシル』とは大きくかけ離れた世界とだけは理解できる。我を倒せる強者の気配も感じないしな。」

 

 ワールドエネミーを倒せるやつがポンポンいてたまるか。

 自分がワールドエネミーを倒せる強者の1人であることを置いて、文句を言う非常識がここにいた。

 そもそも、ワールドエネミーを単独撃破可能なプレイヤーはユグドラシルにおいても片手の指で数えられるか否かといった程度しかおらず、1日で全てのワールドエネミーを撃破可能な人物に限ると、実際に成功してみせたこの男しかいない。

 掲示板で最強プレイヤーの1人として名前があがるには、やはりそれなりの理由があるのだ。

 

「んー、やっぱりここは異世界なのか?ワンと言えに乗って空を飛んでるわけだけど、モンスターに1匹たりとも遭遇しないし、『ユグドラシル2』が開始された可能性は低すぎるか……いや、しかし。」

 

 いくらなんでも異世界転移したとか恥ずかしい。

 一時期話題となったテーマ(とはいえ、100年近く前の話)であるではあるのだが、流行に乗るだけというのはそれだけ安い男みたいで気に入らない。

 誰もが想像もつかないような出来事を成し遂げてこそ、男というものだろう。極振りとかそういう理由で始めたし。

 

 

 なんて1人で考えていたFRANC1SCOだが、ワンと言えが前方に何かを発見したため、警戒を始める。

 その出会いは、彼の運命を決める出会いだったのかもしれない。

 

 白銀の鎧がまるで地面を優雅に歩くように空中を散歩しているのだ。

 一歩、また一歩とこちらに近付いてくるが、その優雅な歩き方はまるで芸術品のようである。

 

「やあ。君はぷれいやーでいいのかな?」

 

 プレイヤー。

 つまりはそういうことなのだろう。

 

「いつの間に『ユグドラシル2』が始まったんだ?いや、NPCの君に聞いても無駄だということは分かってる。運営に問い合わせるにはどうすればいいかだけ教えてくれないか?」

 

「きっと君は勘違いしていると思うよ。僕は君たちが100年に一度この世界に来ることを知っているだけさ。」

 

 そういう設定なのだろうか?

『ユグドラシル2』は『ユグドラシル』とは別の世界であり、100年に一度『ユグドラシル』から訪れる人物がおり、それが我々プレイヤーということか。

 着眼点は悪くない。いやむしろ面白い。しかし、この設定のためにコンソールを消すとか、身体の感覚を鋭くするとか流石にやり過ぎだろう。

 

「なるほど、すごく面白い設定だとは思うよ?だけどさ、これは流石に不味いでしょ。電脳法的ににガッツリアウトでしょ。キャラの流用可能とかも嬉しいけど、これ絶対アウトでしょ。」

 

「うん、どうやら話し合いが必要なようだね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というのが100年前にあった出来事さ!」

 

「やめろ。恥ずかしくて死ぬ。」

 

 俺はリグリットに過去話を暴露されていた。今まで自分がプレイヤーであることを隠していたのは申し訳ないとは思うが、流石に俺の恥ずかしい過去まで暴露しなくてもいいじゃないか!これ以外にも恥ずかしい過去あるけども!

 

「それでなんじゃ。そんな話をするためにわしを呼んだのか?」

 

「まもなく、例の日がやってくる。」

 

「一〇〇年の揺り返しだよ。」

 

 切り替えの早い奴らだ。さっきまでふざけあっていたにも関わらず、本題に入った瞬間鋭い眼差しでこちらを見つめている。

 それもそのはず、この世界はよくも悪くもユグドラシルプレイヤーに影響されてしまう。

 六大神──彼らは人類の守護者として国を興した。法国は明らかに周辺国家と比較できない軍事力を有している。

 八欲王──彼らはこの世界にユグドラシルの魔法を捻じ込み、竜王たちと盛大な殺し合いを始めた。

 十三英雄──世界を滅ぼそうとした魔神に対抗するべく戦った英雄たち。リーダー含め数人はユグドラシルプレイヤーである。

 

 そして俺とワンと言え、改めユリア。

 なんとこのワールドエネミー、メスである事が判明したのだ!人化の指輪が無くても人間種への変身が可能であるというどこのチートだ!というめちゃくちゃ強いドラゴンでした。

 俺たちもこの世界で比較的自由にやっている。冒険者で暴走したり、竜王に喧嘩を売ってボコったり、法国に援助しまくったりなど世界に影響を与えまくっている。

 しかし、ツアーとの協定で世界を衰退させる行為はしない事を約束している。

 

「次にやってくるプレイヤー。もしくはギルドが俺たちと敵対しないとは限らない。というか、俺を見たら十中八九敵対するかもしれないからな。」

 

 対策を練らねばならないのだ。

 特に対応可能な俺たちが。

 

 

 

 

 

 




原作無視?ちがうよ(震え声)
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