ではでは!どうぞー!
王都の広場に子供が沢山集まっている。その中心には深くフードを被った若い女性が座っていた。
「さぁみんな!本を読んであげるよ!」
「やったー!」「何の本ー?」
「この国のちょっと前の話だよ。さぁ読むよ?」
「わーい!」
「昔々…と、言っても20年前の話だけどね…」
そう言うと女性は物語を読み始めた。
「あーあなんかいい事ないもんかねー。」
「ベッドの上でゴロゴロしてるだけじゃ永遠に来ませんよ、ハールリアお姉様。」
「確かにフューラの言う通りだわ、ハールリアお姉様、長女らしく振舞ってくれないかしら?」
「なによぉフューラもヒナツカもよって集って…わかったわよ…めんどくさいなぁ…」
「まぁまぁ、あまりぐぅたらしてもいけないってだけですし…それに普段通りの方が姉上らしいですよ。」
「そうよね!ロアーキの言う通りだわ!」
「…ロアーキお兄様?あまり甘やかしては行けませんよ?」
「ははは、申し訳ないな…フューラ。」
他愛も無い会話をしているのはユートジナ王国の王子王女達だ。
1番上の長女ハールリア・ユニオリン、
次女ヒナツカ・ユニオリン、
3番目だが唯一の男ロアーキ・ユニオリン、
そしてしっかり者の三女フューラ・ユニオリン。
4人はいつも通り王族としての勉強をした後、こうして他愛も無い会話をしていた。
そう、全てはいつも通りだった。
━━突然の轟音が王都を襲うまでは。
「っ!なんだ今の轟音は!」
「王都の端辺りからです!お姉様!」
「わかってるわよ!殲滅すればいいのでしょう!?」
「無茶しても助けて上げませんわよ?ハールリアお姉様。」
「ヒナツカなんかに助けられる羽目になるはずないじゃない!私を誰だと思っているの!?」
「はは、姉上達、力の主張もそれまでにして、まずは哨戒、そして速やかな外敵の排除が大切だよ。」
「そっ…そうよね!流石我が弟ロアーキだわ!」
「ありがとうございます、ロアーキお兄様。」
「気にしないでよ、フューラ。さぁ、僕達も行こうか。」
ハールリアとヒナツカが一緒に出ていった後にロアーキとフューラが城から飛び出す。目標は先程の轟音の元凶を発見、そして排除することだ。
「ヒナツカ!見つけた!?」
「はい。ここから前方に少し行ったところに魔物の生体反応がありますわ。」
「了解!飛ばすわよ!」
「全く…お姉様には品性が欠けてらっしゃるわ…まぁその辺りが民衆に人気なのですが…」
急ぎながらヒナツカはハールリアのことで頭を抱える。
そんなこんなでその魔物の場所までたどり着いた。
「なに…これ…」
「お姉様?何が…キャッ!」
そこに広がっていたのは大量の人の死体。その上に大柄なオーガが立っていた。
「む?なんだ…次はどんな奴が来たのかと楽しみにしていれば女ではないか。失せろ、人間よ。俺に女を殺す趣味は無い。」
「そんなこと言われたって引き下がるわけにはいかないわ!アンタが殺した人々は私たちの大切な領民なんだもの!」
「えぇ!お姉様の言う通りですわ!あなたにはここで死んで頂きますわ!」
「…フハハハハ!面白い!俺を殺すだと!?いいだろう!返り討ちにしてくれるわ!」
「生憎だけどあなたに割いてるほど、この話の尺は長くないの、消えて頂戴?」
「お姉様、何を仰って…ってそれを言ってはいけないのでは!?」
「気にしないの!ヒナツカいくわよ!乱れ咲きなさい!
「ぐっ!なんだこの茨は!絡みついて解けん!」
「一撃で仕留めますわ…
「なん…だと…しかし、時間は稼いだぞ、クククハハハハ…」
「死んだわね…それにしても最後何を言っていたのかしら?」
「分かりませんが…あまりいい事ではなさそうですわ。」
オーガを一瞬で倒した2人は帰路につく。
一方で、ロアーキとフューラは魔物の大軍を2人で殲滅し終えていた。
「ははは、少々疲れたね。」
「ええ、そうですわね。」
「さてと戻ろうか…ん?なんだあれ?」
「城の近くに何か…ってなんですかあれ…って!」
「「…ドラゴン!?」」
「えぇ!?やばいよ!急いで戻らなきゃ!行くよフューラ!」
「…はっ!ちょっと呆然としてました!申し訳ありませんお兄様!」
突如として襲来したドラゴンに2人は動揺していた。それは勿論2人だけではなく、合流したハールリア達も同様の反応をしていた。
「あ!ロアーキ!あれは一体どうなっているの!?」
「分かりません!が、なんだかやばそうです!」
「そんなの誰だって分かるわよ!あいつを呼び出した術者は!?」
「お姉様、多分呼び出したドラゴンに乗っているわ。」
「ありがとうヒナツカ!早速行くわよ!」
飛び出して行ったハールリアを追いかけるようにヒナツカ達もついて行く。そして城に着いたが、そのドラゴンは予想以上に巨大だった。
「デッカイわねぇ…何を食べたらあんなふうになるのかしら?」
「えぇ…着目点そこですかぁ?」
「気にしたらダメよね!善は急げ、よ!
「えぇ!?大丈夫ですの?でも、気にしたら負け、ですわ…
「ちょっと待ちなよ…って、聞いてないよね…全く、僕が活路、というか当たるようにしてあげなくちゃ…
「何したらいいかな…あっ!動きを止めます!
4人の魔法がドラゴンに降り注ぐ。
弱体魔法と凍結魔法により翼が砕け、落ちて来るドラゴンに焼ける酸性雨が降り注ぎ下から伸びる茨の先が突き刺さる。次に起こったことは…
「あ、バランス崩して私の薔薇が崩れるわ。」
「えぇ!?どうしましょう!」
「んー…もう無理だと思うな…」
「私もお兄様と同意見です。」
そのまま崩れて茨とドラゴンは城に激突。結局のところ城は崩れる事になってしまった。
「…あっはははは!!いやー面白い崩れ方だったね!いい崩れ加減してるし!」
「はぁ…そう笑っていられませんわ…」
「ははは、姉上らしいよ。」
「そうですね、お兄様。」
そんな笑っている4人を見てドラゴンを呼び出した術者は恐ろしくなって逃げ出したという。実はこの術者はとある凶魔王の手下だが、それはまた別の話。
この騒動から1週間、崩れた城の瓦礫を王国総出で片付けていた。
「さーてと、片付いたし、家でも建てようか!」
「うぅ…私はもう立てませんわ…」
「はは、無理は禁物だしね、ゆっくり休んでいてよ、ヒナツカ姉上。」
「あっお兄様!家の設計図できました!」
「ありがとうフューラ、ふむふむ、なるほど、これでいこう!」
この翌年にユウを王都に呼び出すのだが、まだこの王都の城は崩れたままだったという。
「━━はい!どうだった?面白かった?」
「「「面白かったよ!おねーさん!」」」
「そうか、そうか、それは良かった!」
「ところでおねーさんは何してる人なの?」
「ん?私?わたしはね…」
そう言うと女性は深く被っていたフードを外す。
「えっ!おねーさんハールリア女王様だったの!?」
「ふっふっふー!驚いた?」
「びっくりしたー!」
「うんうん!やっぱり子供たちは可愛いね!」
「女王様ー!また話をしに来てくれるー?」
「うん!また来るよ!楽しみにしててね!」
そう言うとハールリアは立ち上がり馬を呼んで帰っていった。その日から毎週広場でハールリアは子供たちに話を読み聞かせているという。
「━━さぁ今日の話は何だと思う!?」
幕間、如何だったでしょうか!次はいよいよ、っていうか幕間1話分だけだけだしいよいよ感ないですが、いよいよ本編2章が始まります!
新しいキャラが出てくるかも?お楽しみにー!
僕実は今テスト週間中なんですよね…まぁもうすぐ終わるんですけど、その間書いてなかったから書きだめが底を突きそうで…ちょっと不安です。まぁ、しっかりと更新はしていきますので御安心を!