そんなgdgdファンタジー幕間!始まるよー!
夕陽が差し込む教室。教室の隅の机で寝ている青年の隣に不機嫌そうな顔をした青年が歩み寄って来た。
「おい冷夜!もうみんな帰っちまったぞ?早く起きろよ。」
「ん〜…あと5分だけ〜…」
「いい加減にしろよ!さっきもそれ言ってたぞ!?いつまで寝るつもりだよ!」
「むぐ、反論の余地がないな…ところで今何時?」
「もう6時だぞ。お前見たいアニメあるとか言ってなかったか?」
「おぉぉぉ!?そうだった!急いで帰るぞ勇斗!」
「ったく…起こすのにも一苦労だ…」
急いで支度をしてダッシュで帰るよ!とか言っているのは素園冷夜。
呆れながら冷夜について行っているのが弦城勇斗だ。
これは2人が転生する前の話──
僕はどこにでもいるような高校2年生。
人と違うところを上げろと言われたら…そうだな、僕には親がいないことだろうか。
「ただいまー…って誰もいないんだったな。」
僕の親は4年前に飛行機事故で死んだ。僕はあまり驚かなかったし泣きもしなかった。ただ、それからずっと心のどこか深いところが欠けてしまったような、そんな気分だった。
「今日の晩御飯は何にしようか、ねぇ父さん、母さん。」
そんな言葉を仏壇に向かってかける。そこに父さんも母さんもいないって知っているのに。殆ど習慣になってしまった。
「さてと、今日の晩御飯は中華だな。」
僕はキッチンへと向かう。エプロンをして冷蔵庫を開ける。
と、その時に呼び鈴が鳴った。
「ん?なんだ?こんな時間に…」
エプロンを外し外へと出る。
「宅配便です…ここにサインを…」
「あ、はい…書きました。」
「こちらです。では…」
随分と無気力な配達員だな。そんな事を考えつつ僕は受け取った荷物を見る。小さな箱だけどこれは一体誰が…?
「ご飯食べてから開けてみるか。」
箱を居間に置き、料理を作る。今日のご飯は天津飯だ。
「かんせーい!…食べるか。」
1人で作った天津飯を平らげる。食器を洗ったあと僕は届いた箱を手に取る。
「一体全体中に何が…これは…ゲーム?」
箱の中にはRebirthCycleと書かれたゲームのパッケージが入っていた。どうやらファンタジーRPGのようだ。差出人は不明だが僕宛てに届いたんだ、やったって構わないだろう。
「意外と面白そうだけどな…でも今日は眠いや、明日は土曜日だし、明日やるか。」
僕はお風呂に入り眠りについた。その時机の上でゲームのパッケージが怪しく光っていたのに僕は気が付かなかった。
「ん、洗濯も終わったしゲームをしてみるか。」
ゲームをやって大体の設定は掴めた。このゲームの主人公は魔王で、
勇者と協力して大勢いる魔王を倒す、といったものらしい。
「うーん…疲れたしちょっと寝るか。」
そのまま寝てしまった。起きて時計を見たらもう6時。
「うわっ!寝すぎた!バイト遅れる!」
急いで支度をして家を出なくちゃ遅れてしまう。焦りながら僕は駅へと向かう。急いだ甲斐もあり電車に間に合いそうだ。
「ん?なんだこれ誰かから着信…?」
僕はその着信を開いた。そこには赤い文字でこう書かれていた。
キミノウンメイハスデニココデツキル
「うわっ!なんだよこれ!君の運命は既にここで尽きる…?どういうことだ?」
不意に後ろから肩を叩かれる感触がした。
僕が後ろに振り向くと
そこには誰もいなかった。
電車が通過するアナウンスが流れる。
その時確かに僕は
目覚めると何も無い白い世界だった。
(ここは…どこだ…?)
声は出なかった。出そうとしてもどれだけ声を絞ろうとしても。
白い世界の真ん中に白い服を着た女の人が立っていた。
(誰だ?あれは。)
警戒をしながら近づく。ある程度近づいたところで気付いたように喋り始めた。
「やだなぁそんなに警戒しないでよ〜!私は神様だよ!君の生きる運命は消えちゃったみたいだね…でもでも安心して?私が君の為に新しい人生を用意したよ!きっと楽しい君だけの生活ができるさ!」
そうして僕は──魔王になった。
冷夜が死んでから1年が経った。あいつは電車に轢かれたらしい。不自然な程自然な事故だった。
「なんでお前が死ななきゃいけなかったんだよ…!俺は…俺は…!お前の為になにかしてやれねぇのがこんなにも悔しいなんて…!」
冷夜の墓に花を供えて墓地をでる。今度の休みに山でも上りに行くか。受験勉強も何もかもやる気が起きない。外はうるさいほどにセミが鳴いている。
「ただいまー…」
「おかえりなさい、どこへ行っていたの?」
「あー…冷夜の墓だよ、母さん。」
「もういい加減に割り切ったらどうなの?あ、それとあなた宛に荷物が届いたから部屋に置いといたわよ。」
「ん…ありがと…」
一体誰が俺に物を送ってくるというのだろうか。部屋に入ると小さな箱が机の上へと置いてあった。そう言えば冷夜が死ぬ前に小さな箱が届いたとか言っていたっけ。
「この箱が冷夜の死の真相を知っているとか…なんて、ありえないよな。」
箱を開けて中身を手に取る。それは1本のゲームだった。
タイトルはRebirthEndless。勇者が1人の魔王と協力して他の敵対する魔王を倒す、というゲームのようだ。
「こんな時にゲームかよ…いや、こんな時だからこそゲームをやるべきか?」
正常な思考を妨げられているかのように俺はそのゲームを始めた。
「へぇ、結構作り込まれてんな…」
少し進めた時点で飽きてしまった。明日は土曜日だ。山に登って全てを忘れようと思う。冷夜の事も、事故の事も。
「んー…!山の空気は気持ちいいなぁ〜っと…」
山の崖近くの展望台で伸びをする。背後に気配を感じた。先程までは感じなかった俺に対する視線と共に。
「誰ですか?俺になんか用ですか?生憎俺はあなたのことを知りませんが…」
「詳しくは言えないが私に力を貸してくれないか?ある1人…いや、1体の化け物の暴走を止めなければならないんだ。」
何言ってんだこいつ。胡散臭いにも程があるだろ。
「いや、胡散臭いにも程があるだろ。…あっ」
つい癖で声に出してしまった。
「胡散臭いのは重々承知だ。君に運命を狂わせるメールが来る前に!」
「いや、言ってる意味がわかんないんすよ。どういうことっすか?」
「吾輩はオーダー。秩序を守る者だ。君の友達は化け物に運命を狂わされたんだ。君にゲームが届いただろう?あれは君の運命を守るためだったんだが…やってないね?」
「やりましたけどつまんなかったんで…」
「やはりか…だがしかし少しは干渉できているはずだ。君には明日が必要か?」
「え?まぁ明日がないと何もできないんで、必要っすね。」
会話の途中で突然俺の携帯が鳴った。圏外の筈なのに。
「しまった、届いてしまったか。君に秩序平定の加護を授ける。この力は君に呼応し強くなる。どうか…どうかこの負の連鎖を止めてくれ──」
「っ!消えた!?おい!どこに行ったんだよ!」
崖の下を覗いて探すが見つからない。消えてしまったのか──
そう思い後ろを向いた時
俺は確かに見たんだ。
何も無い空間から
白い腕が伸びて
目が覚めると近くにオーダーがいた。
(あんたどこに行ったんだよ!俺は!俺はどうなったんだよ!)
叫ぼうとするも声が出ない。
(うぜぇ!なんなんだよ!俺は!どうすりゃいいんだよ!)
オーダーは涙を流しながらユウに喋りかける。
「済まない…君を守ることができなくて…しかし化け物の空間からは切り離すことができた。君の友達と会い、化け物を倒す為に君に新しい人生を贈らせてもらおう。」
こうして俺は──勇者になった。
化け物とは一体誰だろうか…っていうかユウ君は別の人に世界の説明されてたんですねー
これはヤベーイな展開になっていきそうですが化け物とかはまだまだ先ですねー…では次回から第3章的なものが始まります!
章ごとに新しくキャラ考えてますので次回もよろしくお願いしまーす!