文化祭などで多忙でしたがやっと書けました!
「「――――――――――っ!!!」」
残りの2体も同じように叫びながら浮かび上がってくる。
「っ!あああああ、うっせー!?なんだよ!ビックサイズ級が吠えるなんて聞いてねえぞ!?」
暁「私は何回もこの声を聞いてたわよ?」
「…できればこのままあなたに色々聞いていたかったけどそうは行かないようね。」
目を凝らしてみると母艦から何か黒い塊が大量に海に落ちていく。そして、少ししてこれまた大量の深海棲艦が浮かび上がってくる。
「おいおい、どうすんだ!?お前ビックサイズ級を沈めるんだろ!?俺が言っちゃなんだがその斧をぶん回して倒せるのはちょっと難しくねえか!?」
暁「そうね。この斧で倒すのには『時間がかかる』わね。」
「時間が、かかる…?」
暁「二人とも、30秒ほど時間を作ってくれない?今から私は無装備になってしまうわ。それに、私の勘ではあいつらはみんな私に向かってくる。」
「30秒で、いいのね?」
槍の紫が聞き返す。疑われると思ったが案外信じてもらえるようだ。まあ、仕方がないだろう。あっちが言ってるビックサイズ級とやらは今の艦娘には撃沈不可。さらに、活動が活発しているなか、嘘でも倒せると言った暁にかける他ない。
「お、おい龍田こいつを信じるのかよ!?」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう天龍ちゃん?たとえこの少女が言っていることが嘘だとしてもビックサイズ級を止めれるのはこの子しかいないのよ?それとも天龍ちゃんがあいつを沈める?」
「う…わ、分かった分かった!30秒だな!?」
暁「ええ。」
剣の紫は槍の紫と一緒に母艦のところへ突っ込んでいった。
剣の紫にも守ってもらえるなら、大丈夫だろう。されさて、こいつを起動するのはかなり、久しぶりだ。メンテナンスをしてないので動くかどうか少し怪しい。全く軍も困ったものをつけてくれたものだ。
暁はその場で足を少し開いて立つ。そして言った。
暁「艤装具現化!」
「コードを確認…確認完了。対象者を暁と確認…駆逐艦暁を実行します。」
どこからか機械音が聞こえた。暁は少し体を前に倒す。すると暁の背中から、金属のパイプのようなもの2本が『生えてきた』。
「具現率10%…20%…30%…。」
機械音とともに暁の背中から生えてきた2本のパイプのようなものが伸びていく。
「…100%…試作型対特別歩兵隊用12cm連装砲の具現化完了。」
暁の背中にはパイプに繋がった大きな砲があった。
妖精さん「な、なんだありゃあ!?」
漣「うはー…デッケエ…。」
暁が何か叫んだらなんか、すっげえ大きい物が出てきた。見た感じ細いもので支えているようのだがあれで、支えきれるのだろうか。
曙「な、なにあれ。」
朧「12cm連装砲っぽいね。」
潮「で、でも大きすぎない?」
暁「本体と砲への神経接続を実行。」
「本体と砲への神経接続を実行します…接続完了オールグリーン。」
暁「2基ともに徹甲弾を装填。」
「2基に徹甲弾を装填…装填完了。」
さて、準備は整った。それにしても、重い重すぎる。立っていられるのがやっとだ。あとはあの二人が射線から避けてくれれば…。
天龍「おいおい!?今度はなんだ!?」
ふと、後ろを見たらなんかすっごい物が少女から生えてた。以上。
龍田「天龍ちゃんもうすぐ30秒経つわ。」
龍田は冷静に天龍に言う。あれを見てもあんまり驚いている様子はない。
天龍「おいおい、お前はあれ見て驚いてねえのかよ!?」
龍田「驚いているわよ。だからこそあんなのに撃たれたら大丈夫じゃ済まないでしょ。すぐに離脱しないと。」
天龍「な、確かに。…分かったすぐに離脱しよう。」
二人の紫が離れたようだ。これなら撃てる。
暁「一番砲塔用意!目標右前方特歩兵母艦一型!」
「了解。目標特歩兵母艦一型。」
暁の右の砲が少しずつ動いていく。母艦は暁へ向かうようにさっきよりもスピードを上げてどんどん近づいてくる。
「目標への照準完了。」
暁「一番!テェッ!」
ズドン!と大きな音がする。この音を聞くのはかなり久しぶりだが、やはり反動がすごい。2〜3mほど後ろに滑るし、いちいち耳が痛くなる。
撃った砲弾はまっすぐに母艦へと進み。…貫いた。母艦についた穴から海が見える。
「__________ッ!!!」
悲鳴のようなものを上げて母艦はゆっくりと沈み始めた。
暁「次!二番用意!目標左前方特歩兵母艦一型!」
「了解。目標特歩兵母艦一型。」
次は左の砲がゆっくりと動き出す。
「目標への照準完了。」
暁「二番!テェッ!」
こちらも、ズドン!と大きな音がし、少し後ろに飛ばされて、耳が痛い。今度は少しの時間音が聞こえなくなった。何回やってもこいつには全く慣れない。
砲弾はとんでいき先程と同様に穴を開ける。
暁「これで2体目…あとはあいつだけ。主砲の再装填開始!」
「…接続エラー。主砲再装填できません。接続エラー。主砲再装填できません。」
暁「な!?こ、こんな時に!?」
元々再装填時のエラーは多かったが…今まで10年以上メンテナンスをしないでここまで動いただけでも奇跡だろう。
暁「…艤装格納。」
こうなってしまってはこいつはただの重しだ。さっさと片付けてしまおう。しかし、あいつを斧で沈めるには少々時間がかかるし、なかなかに疲れるがしょうがない。
「…母艦が2隻やられたか…。流石にやばいかな。やっぱり、暁を倒すのに3隻じゃあ無理そうだなあ。今回は君の勝ちだよ暁。」
暁「あれ?引き返してる?」
今から斧で潰しに行こうと思ってたのだが急に母艦と母艦が出した奴らが全員反転して遠ざかって言ってしまった。
暁「…もったいないわねえ。」
暁としては、全部叩き潰してしまいたかったが…おっと、それどころではなさそうだ。紫がこっちによってきた。
「さーて?今度こそ吐いて貰おうか。…お前は何者だ?あの運動神経にあの巨大な砲。そこら辺の艦娘のやることじゃねえし、ましてや大本営の響たちがやるようなことでもねえ。」
「それに、駆逐艦の見た目をしておきながら、戦艦5隻撃沈。ましてやあんな短時間でビックサイズ級を2隻も沈める…。もう言い逃れはできないわよ?」
暁「あ~、えーっとそれは〜。」
まずいまずい。この状況どうやって切り抜けようか…。妖精さんの方を見るとピンクがこっちをボーッと見てるせいで妖精さんは無装備状態だ。よし、そうだこれなら、これなら逃げ切れる。
暁「あっ、ビックサイズ級。」
天龍「なに!?」
天龍と、龍田は後ろを振り返るがそこにビックサイズ級はいない。
天龍「おいおい。いないじゃないか…。」
と、戻るとそこにはあの少女がいない。
龍田「やられたわねえ。」
天龍「急いで追うぞ!」
よしよし、引っかかった引っかかった。このままダッシュでピンクのとこまで突っ走る。丁度いい妖精さんは、ピンクの手のひらの上に乗っている。
暁「ぬうううううううう!」
「うわあ!?」
妖精さん「!?!?」
暁が変な声を出しながらひったくるように妖精さんを奪い…
暁「さあ、妖精さん。こんなところさっさと逃げ出しましょう。」
走りながら宙に浮いて、少ししてから一気に上空へ走ってそのまま横奈まで飛び去って行った。
天龍「クソッ!はめられた。」
龍田「対空砲も届かないわね…。上に報告しましょうか。」
天龍「そうするしかないようだな。…チビども!俺達は『大本営』に戻る!」
漣「は、はい!ありがとうございました!」
天龍「はあ…3隻のビックサイズ級に変に強いチビが出てきたりと今日はつかれたぜ…。」
天龍と龍田は針路を変え大本営の方へと戻っていった。
今回で2章の本編はお終いです
次回は前言ってった通りキャラクター紹介となります。