傷を負ったわけでもないのに、先程の戦闘で手が震えていた。
しかし、立ち止まっている暇はない。一息つきたいという気持ちを殺し、俺は立ち上がった。
もう何度目か知れない轟音が奥の部屋から響き渡る。俺は覚悟を決めて、木っ端微塵となったドアに近づいていったのだった。
穴だらけの部屋で彼らは戦っていた。木で作られたバリケードで塞がれた窓から、少しだけ日が漏れて来るが、それでもまだ薄暗い。
その中だ。バッド・カンパニーが射撃する度に、火花が散るので、兵隊たちの居所はすぐに掴めた。
「このまま海を割って航海をしたというモーゼのようにッ!
本体のおめーをぶっ叩いてやるっスよ〜〜〜ッ!」
その兵士たちの群れに突き進む者が一人いた。
迫りくる弾丸の束を、その強力なスタンドで蹴散らす。真っ直ぐに本体である虹村先輩に向かって行っていた。
しかし、真のハンターはまず足元を警戒する。仗助は足元に設置されていた地雷を踏んでしまい、倒れ込んでしまった。
「まず足にダメージッ!」
くッ! と歯を食いしばり、苦い表情を浮かべる仗助。そこにヘリが追撃をいれようと迫る。
よく攻撃用ヘリに詳しいわけでもないが、あれは確かアメリカ陸軍のアパッチとかいうやつだ。固定武装にM230 30mmチェーンガンを持ち、ハイドラ70ロケット弾やヘルファイア対戦車ミサイルの運用が可能で、強力なレーダー、それにバックアップされる火器管制装置やGPSなどの航空電子機器を搭載している。
虹村先輩のスタンドが何処まで現実のを再現しているのかはわからないが、非常にまずい状況というのは確かである。
「そして次に腕――何?」
虹村先輩の視線がこちらに向いた。それは俺が、自分のスタンドを出現させ、既に取懸けを終えていたからだ。
「貴様……、そうか。運良く掛けの角部分に当たっていたというわけか。」
なぜ俺が弓を引けるのか――、それを先輩はひと目で見抜く。
「いいだろう。お前のスタンドにも少しばかり興味がある。射ってみろ」
弓を半回転させ、大三に入る。
そのとき意識することは、元々握りに掌根を乗せること。そう教わったのだ。誰でもない、この先輩に……。
「どうした? 手が止まってるぞォ〜?」
先輩が俺を急かす。しかし、中々俺は引き分けれないでいた。決心がつかないのだ。人に向けて弓を射ることも、その相手が先輩だということにも。
「射れと言っているんだッ!」
その叫びに、ようやく俺は動いた。歯軋りをして、小刻みに震えながら。もう何が正しいのかなんてわからない。今までひたすら意識していたことも、すべてスルリと抜けて、頭が真っ白になった。
正に、最悪の射だった。
暇だったから投稿しました。空き時間に書いたので、短いです。