転移したら進化した件 作:循環
「リュウよ。我輩達は帰ってきたのである!」
識別者に慣れてきてから数日、ようやくガビル先輩達が帰ってきた。
戦場では指揮官を潰されて意気消沈していた下位魔人達を捕虜にしたり、ミリム様の配下である竜を祀る民との交流を行なっていたらしい。
竜を祀る民は自分らと同じ龍人らしく、ガビル先輩が蜥蜴人からの龍人なら、龍人は龍から龍人になったそうで、龍の様な見た目はしておらず人の形をしているらしい。
それと、ミリム様からリムルさんへの手紙があったそうで、
「へー、ミリム様からの手紙ですか。何かあったんですかね。直接言いそうな方ですのに」
「うむ、どうやら向こうでの食事は質素なものでそうでな。食事会でも開いて料理への関心を持って欲しいだそうだ。あの方も色々と配下に気を遣っているのだろうよ」
ここは日本人と言うかリムルさんの食への執着が強いから他に比べると仕方ない事だと思っていたら。なんと竜を祀る民での食事は自然のままにと言う考えで、野菜は生のまま。調理するとなっても肉を焼く程度で味付けなどは全くしないと言う。
「そんな食生活なんですか…。だから、ミリム様はここにしばらく居着いていたんですかね」
そう言いながら、美味しそうに食事をしていたミリム様を思い出す。結構、気ままに生きていると思っていたけどそうでも無かったのかな。
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それからは、ガビル先輩達がいなくなって停止していた作業を取り戻すかの様に皆が動く。
魔王クレイマンとの戦争やユーラザニアの避難民達に使用した回復薬を補充し直す必要があっていつもより真剣になる。
今まで傷を治す為に回復薬は使っていたが、今回は避難民達に重傷の人達がいて、腕を欠けた人を完全回復薬で治す所を見て命だけでなく今後の人生もを救うということに実感を感じたからだ。
とはいっても、材料であるヒポクテ草は有限だし、抽出する事の時間の短縮は未だに出来ていないので特に変化はない。そんな訳で張り切ったはいいが結果はいつもより少し早く終わった程度となった。
そんな感じで不完全燃焼していると、ようやくゲルドさんが帰って来た事で幹部全員が集まってでの会議が起きた。
内容は、リムルさんの魔王の領域がジュラの大森林全域となり、森に住んでいた人達が一斉に挨拶に来るだそうだ。それに対してリムルさんが人を集めると言う事でいっそ祭りを行い盛大にしようとなった。
更にカイジンさん達が自分の実験で、魔素の操作に試験運用していた魔素集積装置が完成した様だ。これで魔素漏れによる空気中の魔素濃度の上昇を防ぐ事ができる事となった。まあ、ヴェルドラさんのような規格外の魔素にはまだ耐えられないようだが。
他にも西方聖教会やファルムス王国、魔王クレイマンのそれぞれの背後の存在について調査をするとなった。
そして自分達はリグルドさんと協力をして祭りの準備を行うこととなった。
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まず何をするかなどをリグルドさんやベスターさんなどで集まった所
「さて、リムル様の魔王となった祝いという訳で吾輩は演武を所望するのだが皆はどうだろうか?」
「私は研究成果の発表などをしたいですかね。ここテンペストの技術力を振るう良い機会でしょう」
「では、音楽と言うのはどうでしょう。建国して間もないですから、ここは文化的な側面を見せておくべきでしょう」
ガビル先輩が演舞、ベスターさんが技術発表、リグルドさんが音楽。そんな意見を自分が紙にでもまとめていく中
「音楽なら演武の後ろで流すは出来るでしょう。ここはリムル様がいかに素晴らしいかを吾輩達が歌いましょうぞ!最近良い歌詞が思いついたのです」
ガビル先輩はリグルドさんの意見を聞いてより演舞を押してくる。しかし、ガビル先輩が作った歌詞はいまいちなのは皆知っているので
「それなら、様々な楽器を使ったオーケストラはどうですか?確かリムル様が作った学校で音楽を学んでいる者達がいたはず」
「おお、それならタクトと言う者達がそう言った練習をしているのを聞きとても素晴らしかった覚えがあります。彼等に依頼しましょう」
ベスターさんが意見を出してリグルドさんが後押しすることでガビル先輩の意見は封殺された。
そうして祭りの準備を始めていくのだった。
今回は日記の方から少しネタを取って見ました。他のスピンオフの設定も書くことが出来たらなと思っています。
出来る限り設定は出したいけど雁字搦めになると書けなくなってしまいそうでなかなか書けませんね。