転移したら進化した件 作:循環
増加者で段々と上げながら移動をしているおかげで時々上げ過ぎて転んだり、ぶつかったりすることがあるが順調に進んでいた。
「よく考えたら、この森で他の生き物を見た覚えがないな。」
小鳥などは声が聞こえたりするのにドラゴン見ないのを見ないななんて思い呟いたのが、フラグだったのか目の前に、人を食うことだってできそうな大きな蟻が視界に写った。
「うわぁ、でかい蟻だな。こっちを見てないのを見るとまだ見つかったりはしていないのかな?一応平和的に解決できるのか確認するかな……おーい、聞こえるか?ここら辺がなんて言うか知っている?」
相手に知能があることを一応考えて、とりあえず両手を上げて声をかけてみたが結果は
「ジーーーーーーーーーー!!」
とまるで威嚇するかのように、身体を伸ばして口をカチカチと鳴らしている。とても友好的な姿とは見られず、嘆いていると隙を突いてくるかのようにいきなり噛み付いて来た。
「うおっと、あぶね友好的に接した筈なのにいきなり攻撃してくるとかジェスチャーが通じてないのかな。やっぱり知性はないと見ていいか。」
と考えながら噛み付いて来ようとする蟻から距離をとって躱しながら考える。この蟻を倒していくべきか、逃げるべきか。
倒すにしたら身体を強化して、この巨大な蟻に向かって突撃し殴り倒すしかなく、下手に強化しすぎて貫通したりでもしたら体液を被ることになると考えると直ぐに決断した。
「ここは撤退。アレに向かっていくとか正気じゃないし、万が一でも蟻の体液とか被りたくない。」
嫌悪感が勝り、自分が来ていた方向に蟻を誘導した後、一気に距離を離すために跳んだ。
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あの巨大な蟻から逃げ切った以降は、背中に生えた翼を使って見ようと思いパタパタさせて見たりしたが、いまいち使い方がよく分からず滑空することはなんとかできたので、跳んで滑空跳んで滑空というように進んだりし、地上で寝たりするのは流石に危険かと思い。
枝の太い大きな木を探し、木の上で少し仮眠をとったりして移動を続けていると、あの爆発の後であろうクレーターを見つけた。
「まあ、そんなもんだろうと思ったけどやっぱり誰もいないか。これからどうしようかな、気がついたら異世界いるし、身体は変化してるし、もし元の世界に帰るとしたら元の体に戻ってからじゃないと無理だよなぁ。どっかに亜人の国とか探してそこで暮らすとかもありかな?」
元の世界に未練は少しはあるがそれ以上にこの変化してしまった体について考える。
おそらく増加者でドラゴンの因子とかを増加して、それを吸引者で取り込んだせいでこんな体になったのは大体分かる。じゃあ取り込んだものを分解して取り出すことはできるのだろうか?元の世界戻ったら解剖エンドが待ってそうだし、そもそも戻る方法が無いかもしれない。
『すいません、聞こえていますか?』
そんなこんなで考え込んでい続けていくらか経ったのか、声が聞こえて来たので前を見てみると薄黄緑色の髪をし、半透明な女性がいつのまにかいた。
「うわっ、人がいた!あの、ここがどこかわかりますか?気づいたら森の中にいて、身体は変化するわで何も分からないんです。」
ようやく見つけた、対話できそうな相手がいるとわかって興奮していると
『すいませんが貴方の言葉はよく分かりませんので、こちらから挨拶させていただきますね。わたくしはこの森の管理者の一人、
そう言ったであろう彼女からの声は、進化やスキルの通知をした声のように直接脳内に送りつけるかのように聞こえた。
「あの、それどうやっているんですか?あ、伝わらないのか。ああ、せっかく話せそうな人がいるのに話せないとはもどかしい。」
そうやって嘆いていると、そんな動きを見て理解してくれたのかトレイニーさんは
『ああ、これは念話というものですよ。心で思っていることを伝えているので、
そんなことを伝えて来た。
(え、それ使うことが出来るのか。というか今なんか大切なこと言わなかったか?
『あ、あの聞こえますか!』
『はい。聞こえていますよ、でももう少し抑えていただけると嬉しいですね』
そうトレイニーさんが返事をしているのを聞いて本当に相手に伝わっているのだと実感し、目が覚めてから今まで起きたことを説明し始めた。
はい、トレイニーさんの登場です。
地形の位置的にシス湖も近そうなので、リザードマン辺りに合わせたりしようかなと思いましたが、森を監視してるドライアドが出てこない訳ない気がしたのでトレイニーさんにしました。龍人だし、下手に弱いのは交渉できなさそうですしね。
大きな蟻はジャイアントアントです。漫画1巻とかで出てますのでイメージがつかなかったらそれを参考にどうぞ。