(祝・一周年)転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件 作:スカーレット@エボルト憑依中
エボルト:あのメンバーはひどい(褒め言葉)
龍兎:いや束とかは杏にツッコミ入れてほしいわ
エボルト:ま、多少はね?
龍兎:…さて、いつものアレやりますか!
龍兎&エボルト:さてさてどうなる第53話!
「着きましたよ」
「はぁ、はぁ……ど、どうも……」
俺は誘導されるまま、セットの下をくぐり抜け更衣室へとやってきた
最初に俺と龍兎が使った側の部屋で、ここになら制服とかも揃っている
「えっと……」
そういえば、暗くて誰が俺をここまで連れてきたのかわからなかった
改めてその人を見ると、今日休憩時間中に名刺をくれた巻紙礼子さんだった
名刺をもらった時のようにニコニコと笑みを浮かべている
「あ、あれ?どうして巻紙さんが……」
「はい
この機会に白式をいただきたいと思いまして」
「……は?」
ニコニコと笑顔は崩さない
「いいからとっととよこしやがれよ、ガキ」
「えっと……あの、冗談ですか?」
「冗談でてめえみたいなガキと話すかよ、マジでムカツクぜ」
口調はまるで違うのに、その顔は今もまだニコニコとしている
そんな温度差についていけずにいると、思い切り腹を蹴られた
咄嗟にガードしたとはいえ、その衝撃で俺はロッカーに叩き付けられる
「あーあ、クソッたれが
顔、戻らないじゃねーかよ、この私の顔がよ」
「ゲホッ…あ、あなた一体……」
「あぁ?私か?企業の人間になりすました謎の美女だよ
おら、嬉しいか」
膝を付いている俺に向けて蹴りをかましてこようとした瞬間
「くっ……白式!」
緊急展開によってISスーツごと呼び出す
それによって衣服を粒子分解し、再構築をする
そのためエネルギーは通常よりも大きく使うが、今はそんな事を言っている場合じゃない
目の前に正体不明の敵がいるのだから
「待ってたぜ、それを使うのをよぉ」
ようやく笑みを崩した巻紙さん……もとい、目の前の女は蛇を思わせる切れ長の目を邪悪な風に歪める
喋る度に長い舌が飛び出すのがますます蛇のようだった
「ようやっとこいつの出番だからさぁ!!」
「っ!?」
スーツを引き裂き、女の背後から鋭利な爪が飛び出す
それも、クモの脚によく似たそれは黄色と黒という禍々しい配色で刃物のような先端を持っている
「くらえ!」
背中から伸びた八つの装甲脚、その先端が割れるように開いて銃口を見せる
「くそっ!!」
脚のスラスターを思い切り床にたたきつけ、それと同時に最大噴出を行う
PICによって重力を相殺している俺と白式は、そのまま天井に向かって緊急回避を行う
「ほう!やるじゃねーか!」
天井にぶつかったところで止まった俺は、雪羅をクロウモードで起動させる
雪片弐型を呼び出すよりも、本体の内部火器である雪羅の攻撃の方が早い
「なんなんだよ、あんたは!?」
ビーム・クロウによる斬撃を後ろ飛びでかわし、女は言葉を続ける
「ああん?知らねーのかよ、悪の組織の一人だっつーの!」
「ふざけん…「ふざけてねえっつの!ガキが!秘密結社『亡国機業』が一人、オータム様って言えばわかるかぁ!?」なっ…!?」
その女……オータムは完全なIS展開状態になると、PICの細やかな操作で俺の攻撃を避け、同時に装甲脚の銃口から実弾射撃を行ってくる
「くらえ!」
八門の集中発火
左右から迫ってくるそれを俺は真上に跳んでかわした
天井に足をつき、逆さまの状態からスラスターを吹かして前転気味に懐へ飛び込む
それと同時進行で構築した雪片弐型を右手に握りしめ、俺は斬りかかった
「甘ぇ!」
八本の装甲脚が雪片弐型の刃を完全に受けきる
「くそっ!」
押そうにも引こうにも、刀身をがっちりと挟み込まれてしまいどうにもならない
そうこうしているとオータムはその手にマシンガンを構築、俺に向けて弾丸を放つ
「ぐうっ!」
何発かシールドバリアーを貫通した弾丸が、俺の体に断続的な衝撃を伝える
肉体は絶対防御で守られてはいるが、その痛みまでは消してくれない
これ以上は不味い
そう思った俺は一旦武器を手放し、ウィング・スラスターの逆噴射で後方宙返りをする
弾丸を回避すると同時にその重心を蹴りあげて飛ばし、続けて雪片弐型も装甲脚から奪い取った
「ハハハ!やるじゃねぇかよ、ガキ!この『アラクネ』相手にちょこまかと!」
「うるせえ!」
障害物の多い更衣室だが、楯無さんと龍兎との特訓で得た細やかなマニュアル操縦を駆使して回避と接近を同時に行う
確実に身についている技術が、俺の助けになっている
「うおおおっ!」
「ハッ!あぶねぇあぶねぇなぁ……っと!」
俺はなかなかオータムを捉えられず、その攻撃を何度となくかわされる
龍兎との特訓で落ち着いて攻撃しろ、とは言われているもののいきなりの戦闘で落ち着くに落ち着けない
どうも背中から伸びた装甲脚それぞれが独立したPICを展開しているらしくアラクネは今まで見たどんなISよりも複雑でしなやかな機動を行っていた
その動きはまるでクモだ
「そうそう、ついでに教えてやんよ
第二回モンド・グロッソでお前を拉致したのはうちの組織だ!あの時のヘンテコな二色野郎はいねぇみたいだが、感動のご対面だなぁ、ハハハハ!!」
「っ!?」
その言葉に怒りが沸くよりも先に疑問が俺の頭を支配した
二色野郎?…つまり、龍兎の、ビルド…?
いや、でも龍兎にも俺にもそんな記憶は無い筈だ…なら、どうして…?
「考え事に夢中で隙だらけなんだよぉ!」
指先であやとりのようなものをいじっていたかと思うと、それを俺めがけて投げてくる
そのエネルギー・ワイヤーで構築された塊は、俺の目の前でぱんっと弾けて巨大な網へと変化した
油断してしまった
「くっ!このっ……!!」
エネルギー体なら雪羅の装備で斬り裂ける……筈だが、この糸は全身に伸びていき数秒でがんじからめにされてしまう
「ハハハ!楽勝だぜ、まったくよぉ!クモの糸を甘く見るからそうなるんだぜ?」
もがく俺を前に、にやにやと笑みを浮かべたオータムが近づいてくる
その手には、見たことがない四本脚の装置を持っていた
「んじゃあ、お楽しみタイムと行こうぜ」
大きさは四十センチほど
駆動音を響かせその脚が開く
「お別れの挨拶はすんだか?ギャハハ!」
「なんのだよ……?」
装置が俺に取り付けられる
胸部から接触したそれは、脚を閉じて俺の体を固定した
「決まってんだろうが、テメーのISとだよ!」
「何っ!?」
刹那、俺の体に電流に似たエネルギーが流される
「があああああっ!!」
身を引き裂かれそうなほどの激痛
それが全身に襲いかかってくる
俺が苦しんでいる間もオータムは楽しそうに哄笑していたのが、余計に神経を逆なでした
激しい痛みの最中、そんなことを気にする余裕があったのは不思議に感じる
「さて、終わりだな」
電流が収まり、装置のロックが外れる
それと同時に俺は糸からも解放された
今だ
俺は力を振り絞り、殴りかかろうとした
だが
「当たらねぇよ、ガキ!ISの無いお前じゃなぁ!」
逆に腹を蹴られ、再びロッカーに叩き付けられる
その痛みでやっと気が付いた
白式が無いことに
「な、何が起こったんだ……白式!おい!」
俺の体には構築済みのISスーツだけが残され、白式の装甲も装備も全てが無くなっていた
「へっへっ、お前の大事なISならここにあるぜ」
「な…!?」
オータムが手にしているものは、菱形立体のクリスタルだった
……それは紛れもなく、白式のコア
第二形態まで発展した証として、通常の球形コアよりも強い輝きを宿している
「さっきの装置はなぁ!リムーバーっつうんだよ!ISを強制解除できるっつー秘密兵器だぜ?生きてるうちに見れてよかったなぁ!」
さらに二度続けて俺を蹴ってくる
立て続けのダメージで立ち上がれない俺はオータムを睨むが、その顔を力一杯踏みつけられた
「…かえ…せ……」
「あぁ?聞こえねーよ」
「返せ!てめぇ、ふざけんな!」
ようやく体を動かせる状態になった俺は、すぐさま足を払い除けて反撃に転じる
「だから、遅せぇんだよ!」
今度は横腹を蹴り飛ばされた
背中から壁にぶち当たり、息が詰まる
……何も、変わってはいない
いつだって、俺は無力だ
だけど……
だけど、そんなものは許せない
蹴ってきたオータムの脚に腕を絡ませ、体に接近する
その右手に握られたISコアを奪おうと、俺は手を伸ばした
「無駄なんだよ!」
背中の装甲脚によって殴られ、壁に叩き付けられる
…くそっ、くそっ…!
「じゃあなぁ、ガキ
お前にはもう用がないから、ついでだし殺してやるよ」
ニヤリとしたオータムがそう告げる
「あら、そういうのは困るわ
一夏君、私のお気に入りの1人だから」
場にそぐわぬ楽しげな声
見ると、ドアの前に楯無さんが立っていた
その手にはいつもと同じく扇子が握られている
「てめぇ、どこから入った?今ここは全システムをロックしてんだぞ
……まぁいい、見られたからにはお前から殺す!」
「楯無さん!!」
身を翻し、楯無さんに襲いかかるオータム
その八本の装甲脚が襲いかかる
「私はこの学園の生徒たち、その長
ゆえに、そのように振る舞うのよ」
「はぁ?何言ってやがんだ、てめぇ!」
刹那、オータムの装甲脚が楯無さんの全身を貫いた
「楯無さん!!楯無さんを……よくも、てめぇ!」
「………」
装甲脚に貫かれた楯無さんは、それでも余裕の表情を崩さない
よく見ると、アラクネの脚が貫いている箇所からは一滴の血も流れていない
「なんだ、お前……?手応えがないだと……?」
「うふふ」
にこりと楯無さんが微笑むと、その姿が崩壊した
ばしゃっと音を立てて、楯無さんの姿をしていたモノが拡散する
「!?こいつは……水か?」
「ご名答
水で作った偽物よ」
そのたっぷりと余裕を感じさせる声は、オータムの真後ろから聞こえた
ぎくりとして振り向くオータムを楯無さんはランスで薙ぎ払う
「くっ……!」
「あら、浅かったわ
そのIS、なかなかの機動性を持っているのね」
「なんなんだよ、てめぇはよぉ!」
「通りすがりの……違った、更識楯無
そして、IS『ミステリアス・レイディ』よ
覚えておいてね」
「けっ!今ここで殺してやらぁ!」
「うふふ、なんていう悪役発言かしら
これじゃあ私が……いえ、『私達が』勝つのは必然ね」
「ああ?何言って…【はっ!】ぐっ…!?」
刹那、オータムの背後を茶色の巨大な腕が殴り、オータムが壁へと吹き飛ばされる
その巨大な腕を持つ人物の正体は…
『輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェイ…!』
【よ、待たせたな、一夏
後は任せろ】
茶色と水色の配色をした、親友の姿だった
みんな大好きゴリラモンド()
ではなく別のフォームを出したいところではありましたが尺の都合で次回に…
そして珍しく一夏視点のお話でした
この話だけ見たら一夏が主人公ですね()
次回はVSアラクネ(ビルド本編のベストマッチ何個か登場)の予定です
これからの更新について
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特訓回を本編に入れる
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特訓回を番外編にして修学旅行編を更新
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なんでもいいから更新しろ♡