(祝・一周年)転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件 作:スカーレット@エボルト憑依中
……と、いっても龍兎は部屋から出てこないからいつものアレ、やるか
エボルト:さてさてどうなる、第56話
「……」
コンコン、とノックが聞こえる
「…龍兎…?」
「……」
「…ご飯、置いておくから…織斑先生達も心配してるから、ね…?」
「……」
「…また、来るね…」
あの事件から3日が過ぎた
更識先輩は昏睡状態、ISのシステムのおかげで命に支障はないが、体が全体的に傷だらけであり回復もいつになるか分からなくなっている
そして、俺に対して一夏達も先生達も何も言わずにただ俺と顔を合わせないようにしていた
悲しさなのか、同情なのか、哀れみなのか、怒りなのか
それが分からないままただ、更識先輩がいないこの部屋で一人閉じこもっていた
その気になれば織斑先生達は開けられるはず
だがそ うする気配は微塵もない
[…いつまで、そうしてるつもりなんだ?]
黙れ
[…分かった、黙っておく]
エボルトとの会話も全くせずに、ベッドの中でうずくまるだけの日々を送っている
「…こんな姿、前の俺が見たらどんな事言うんだろうな」
また眠りにつく直前、俺は自嘲気味にそう呟いた
【…寝たか…よし】
龍兎が完全に寝た頃
毎日毎日俺は龍兎の体を使ってある事をしている
そのある事と言えば
【…冷めてる…】
栄養を保つ為に外に置いてあるご飯を食べたり
【…もしもし、束か?…龍兎の調子は……】
束に連絡をしたりしている
だが、一番重要な事は龍兎が毎日している
それが何かと言うと…
「…誰もいないな、よし…更識先輩、今日も少しの間だけ我慢しててください」
『ドクター!救急車!ベストマッチ!Are you ready?』
「……変身」
『命のスーパーレスキュー!ドクターアンビュランス!
イェーイ!』
【すぐ終わりますから】
『Ready Go!ボルテックフィニッシュ!イェーイ!』
「……」
【…よし、これだとキャノンボール・ファスト3日前には完全に回復する】
毎晩誰もいないのを確認して病室にいる更識姉の治療をしている
最も、キャノンボール・ファストまで後1週間はあるが
「……本当に、申し訳ありません」
毎回更識姉に詫びながら出て行っているのも変わらない
見た感じ、龍兎はキャノンボール・ファストに出ようと思っていないようだ
そして、キャノンボール・ファストまで三日前の日
「…よし、いな「…龍兎」…っ、かん、ざし…」
「…少しくらい言って欲しかった…それに龍兎が何をしてるかなんて監視カメラがあるから皆にバレてるよ」
「えっ」
ふと確認すると本当にある
どうやら治療の事でカメラに全く気がいっていなかったようだ
「…お姉ちゃん、起きてるんでしょ?」
「え…?」
簪が寝ている更識先輩に向けて話しかけると、寝ているはずの更識先輩はゆっくりと体を起こした
「……」
「…更識、先輩」
「……」
更識先輩は何も言わない
ふと腕を見ると小刻みに震えているのが見えた
「…すみません、出て行きますね」
「あっ、龍…」
止めようとする簪の言葉を背に受けながら、俺はゆっくりとドアを開け退出した
「…お姉ちゃん…」
「…ごめん、簪ちゃん…話、聞いてもらっていいかな?」
「えっ?あ、うん…いい、けど…」
いつになく真剣な表情で話し出すお姉ちゃんのお願いを断る理由はない
「…ありがとう
私ね、実は龍兎君に警告されてたから一瞬だけ撃とうとしたの
暴れだしたら、って言ってたし余程危険な状態になるって分かってたから
でも、撃てなかった」
「…どう、して…?」
「…なんでだろ…私にも分からないんだけどね
ただ、撃とうとしたら龍兎君の笑ってる顔が頭に浮かんできて
なのに目の前の龍兎君は私を殺すつもりで動いてる
それが、ただ怖くて、怖くて
体が震えて
私が死ぬかもしれないのに、最悪の場合で龍兎君が死ぬ方が怖くて仕方なかった
でも、いざ龍兎君を見ると震えが止まらなくて、目も合わせられないの
本当はいつも通り話しかけたいはずなのに、いつも通りに目を合わせたいはずなのに
ただそれが、できない」
「……」
「…あれ、おかしいわね…なんで、涙が」
いつもの平静な顔を崩して涙を流す、お姉ちゃん
「…お姉ちゃん…」
「…ごめんね、急にこんな話しちゃって
もう、大丈夫だから
それに眠くなってきちゃったから寝るね、おやすみなさい」
お姉ちゃんは涙を拭ってから、布団に潜り込んだ
「……」
これ以上話しかけるといけない、そう思った私は何も言わずに退出した
そして、キャノンボール・ファスト一日前でもお姉ちゃんと龍兎が会うことはなかった
シリアス書いた時の症状に拒絶反応だけから思い通りに書けないという物が増えました
もう次回はシリアスを終わらせたいです
次回はキャノンボール・ファスト当日(前日も少しだけ)の予定になります
これからの更新について
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特訓回を本編に入れる
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特訓回を番外編にして修学旅行編を更新
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なんでもいいから更新しろ♡