(祝・一周年)転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件 作:スカーレット@エボルト憑依中
エボルト:まだまだ詰めが甘いな、みっちり特訓あるのみだ
龍兎:お、お手柔らかにお願い……
……さて、いつものアレやりますか
龍兎&エボルト:さてさてどうなる第66話!
「それでは、開会の挨拶を更識楯無生徒会長からしていただきます」
布仏先輩がそう言って、司会用のマイクスタンドから一歩下がる。
その後ろで俺と本音と一夏が布仏先輩の後ろで整列をしていた。
「ふあー……ねむねむ……」
「全くだ…中途半端な時間に起きたし…」
「しっ。のほほんさん、龍兎、教頭先生が睨んでる」
「「ういー……」」
物凄く注意深く見ていないとわからないほど、俺と本音は小さく頷く。
その反動なのか、起き上がりこぼしのようにふらふらと左右に揺れてしまう。
……あ、本当だ睨んでる。
ちなみに教頭先生というのは逆三角形のメガネにひっつめ髪、お硬いスーツと濃いめの口紅と絵に描いたような鬼ババァの例だ。
……本物の鬼はよく見るけど。
「どうも、皆さん。今日は専用機持ちタッグマッチトーナメントですが、試合内容は生徒の皆さんにとってとても勉強になると思います。しっかりと見ていてください
……まあ、それはそれとして!」
扇子を勢いよく開くと、そこには「博徒」の文字。
「今日は生徒全員に楽しんでもらうために、生徒会である企画を考えました。名付けて『優勝ペア予想応援・食券争奪戦』!」
楯無がそう言うと、綺麗に整列していた生徒達の列が一斉に騒ぎ出す。
「フゥゥゥゥゥ!!!!」「ヨルハヤキニクッショォォォォ!」「ヴェァァァァァ!!!」「フォォォォォ!!!」「ゴヨミィィィィィィィ!!!」
うんうん、元気そうで何より。
[奇声だよなもう]
「では、対戦表を発表します!」
そう言って大型の空中投影ディスプレイが楯無の後ろに現れる。
「わぁお」
第一試合、石動龍兎&更識簪 VS 篠ノ之箒&更識楯無。
[第一試合からいきなりこれかぁ]
ま、多少はね?髪のいたずら悪魔の罠だよ
[また髪の話してる…]
「あっ、織斑くん、石動くーん」
第四アリーナに向かう途中、可愛らしく走ってきたのは黛先輩。
たったかたーと言う感じ。
「どうしたんですか?俺達、ISスーツに着替えに第四アリーナまで行かなきゃいけないんですけど…」
第四アリーナはここから遠回りしないといけないため、かなり遠い。
試合前からランニングとは鬼か悪魔か。
鬼!悪魔!ちひ……すみませんなんでもないですプリンセス効果の担当SSRください。
「これこれ、オッズなんだけど」
黛先輩が見せてきた紙には人気順に書いていて、篠ノ之&楯無ペアと簪&俺ペアが同率一位。
多分俺はライダーの能力で、楯無は学園唯一の国家代表だからだろう。
「ちなみに俺は…げっ、最下位……」
「データが未知数な本音にすら負けるとは…一夏……」
二番人気は二年&三年ペア、次にシャルロットと本音で、すぐ下にセシリアと鈴。
最下位は一夏とラウラペアである。
よく勝ち取ったな。じゃんけんかな?
「ともかく、試合前にコメントちょうだい!今から全員分行かないといけないから、私忙しいのよ!はい、ポーズ!」
反射神経でポーズを取ってしまう。今回はウルトラマンゼロのポーズである。
作品違うけどウルトラレプリカのエボルトラスター&ブラストショット死ぬほど嬉しい。
即予約した。
「写真オーケー!それじゃあコメント!」
「え、えっと……精一杯頑張ります!」
「負ける気がしねぇ!」
「石動くんオーケー!足りないよ織斑くん!目指すは優勝!くらい言ってよ!」
「いや、それは……」
「うーん。あ、そうだ」
何かを考えて、黛先輩は顎に手を当ててキリリッとキメ顔を作った。
「『俺に負けたら恋のハーレム奴隷だぜ』……って、どう?」
「なんですかそれ!」
「いや、姉さんがそんなようなことを言ってたから」
うーん、あの取材をどうしたらそうなるのか聞きたい。
「あはは、織斑くんって本当にからかうと面白いわねー。たっちゃんの言ったとおりだわ」
「やめてくださいよ、本当に…」
「まあまあ、そう言わずに……」
そう言って黛先輩が手を振った時、それは起こった。
突然、地震が起きたかのような大きな揺れが襲う。
「「「!?」」」
「きゃあっ……!?」
「危ない!」
連続して続く振動に、黛先輩が姿勢を崩す。
壁に体をぶつけそうになる先輩を、一夏は反射的に腕を引いて抱き寄せた。
お前そういうところだぞ。
「大丈夫ですか?」
「う、うん。それより……何が起きているの…?」
派手な音を立てて、廊下の電灯が全て赤に変わる。
続けて、あちこちに浮かんだディスプレイが「非常事態警報発令」の文字を告げていた。
『全生徒は地下シェルターへ避難!繰り返す、全生徒は……きゃあああっ!?』
緊急放送をしていた先生の声が突然途切れる。
続けて、また大きな衝撃が校舎を揺らした。
「な、何が起きてるんだ……!?」
「一夏!黛先輩を地下シェルターに連れてってくれ!俺は先生の所に向かう!」
「分かった!俺もすぐ行く!」
もはや始まる前に来やがったな…!
「皆無事か!?どうなってる!?」
走りながら、オープン・チャネルで専用機持ちの全員に状況を聞く。
『なんとか無事よ。でも、前みたいな黒いISが六機も出てきた上に……何か、違う』
うわ六機かよ……無駄に中途半端な…
「は?なんか違う?どういう事だ?」
『…なんか、龍兎がいつも使ってるボトルみたいなのを腕に付けてるように見えるのよ。』
「…分かった、もし倒せたならボトルを回収して後で俺に渡してくれ。」
『了解!龍兎は来れそう?』
「もちろん行ける!ちょっと待っててくれ!」
通信を切り、待機状態のネックレスをベルトにし腰に当てる。
『スクラッシュドライバー!』
そしてロボットゼリーとは別のゼリーパック状のスクラッシュゼリーを呼び出し、キャップを合わせ装填する。
『ドラゴンゼリー!』
「変身!」
レンチ型のレバーを下ろすと、グリスやローグ同様にビーカーが現れ液体がビーカーに溜まる。
ただ違うのは青色の液体という所だ。
『潰れる!流れる!溢れ出る!』
ビーカーごと俺を包み、銀色のスーツが装着される。
マスクの頭頂部からは青色のゼリーが大量に吹き出し頭と胸、そして肩にかかっていき弾け飛ぶ。
ゼリーがかかっていた部分にアーマーが装着され、変身が完了する。
『ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!!』
変身が完了すると同時にアリーナに到着する。
相も変わらずシールドがあるので……
【ぶち割る!】
タンクフルボトルのキャップを合わせ、装填しレバーを下ろす。
『ディスチャージボトル!潰れない!ディスチャージクラッシュ!』
両腕を前に突き出すと、超硬化ゼリーが発射されシールドを見事に叩き割る。
【わぁこりゃ惨劇】
アリーナに出てみると、ピットから火は吹き出すしビームは飛び交うしでもう散々である。
【……ん?】
『…あ、あ……あっ……』
『かんちゃん!大丈夫!?』
ふと目に映ったのは、俺が向かう筈のピットの出口付近で九尾ノ魂でゴーレム二体に応戦する本音と打鉄二式を纏ってはいるが予想外の出来事で動けずにいる簪の姿だった。
あのまま続けていれば、きっと本音はエネルギー切れになる。まさに時間の問題という場面に俺の体が動かないはずもなく。
『ツインブレイカー!シングル!ツイン!!』
【させるかぁぁぁぁ!!!】
『ツインブレイク!!』
「…いーすん…!」
「龍兎…!」
【……ふぅ、待たせたな。
気になる事がいくらでもあるんだ、とっとと終わらせる!
本音と簪は片方の奴をやってくれ!左腕に付いてるボトル取ったら弱体化するか動かなくなるから!】
「あ、うん!分かった!」
「あのボトルを取ればいいんだね、分かった…!」
【よーっし決まり!頼んだぞ!】
目の前のゴーレム二体は見た目から察するにシマウマとシザーのボトルを使っているであろう姿だ。
シザーのゴーレムは痛そうだし見た目が結構エグいから俺が担当。
もうシザーゴーレムとかゼブラゴーレムとかでいいや。
『ビートクローザー!』
どこからともなくビートクローザーを呼び出し、シザーゴーレムの左腕を狙い振り回す。
まあ第二のコアと言っても過言ではないから普通に避けられるが。
【うーん…あ、そうだ…クローズドラゴン!】
『〜♪』
名前を呼ぶとすぐさま飛んでくるクローズドラゴン。
結構懐いてるのかもしれない(慢心)
【すまん、アイツの動きちょっとだけ止めてもらってもいいか?】
『〜♪』『クローズフレイム!』
任せろ!と言わんばかりに強く頷き、俺からドラゴンボトルを奪っては自身の体に装填し炎を吐きながらシザーゴーレムに突っ込んでいく。
自由奔放に飛び回るクローズドラゴンに翻弄されるシザーゴーレム。
なんか見てて可哀想になる。
【ナイスクローズドラゴン!】
クローズドラゴンが動きを止めてる隙にフルボトルホルダーからロックフルボトルを抜き、ビートクローザーに差し込んでからロックフルボトルのキャップを右に回してグリップエンドを引っ張る。
『スペシャルチューン!2ボリューム!!ヒッパレー!』
【ハァ!】
『スマッシュスラッシュ!』
ボトルを斬らないように気を付けつつ左腕を狙いビートクローザーを振るう……だが、シザーゴーレムもそれを許す訳にはいかない。
シザーゴーレムの左腕に付いた巨大なシザーでビートクローザーを受け止められ、徐々に押し返される。
【っ……なかなか力持ちな事で…!でも、こっちは必殺技!負ける訳が……ねぇ!】
ビートクローザーの出力のおかげか、シザーゴーレムのシザーは折れて見事に左腕を切り裂く。
ボトルの付いた左腕は地面に落ち、ゴーレムの動きは停止する…かと、思われた。
【…嘘だろ…】
驚く事に左腕を切ってもシザーゴーレムのまま。
多分ボトルを抜き取らないといけないのだろう。
【うーん…仕方ないかぁ…皆、聞こえるか?左腕からボトルを抜き取らないと弱体化も機能停止もしないぞ!】
『了解!』
デュエリスト特有の超速理解……と思ったけど皆デュエリストか分かんないわ。
【…!】
何故か、嫌な予感がする。
原作なら、ここで楯無が『あの技』を使うタイミングはそろそろなはず。
原作通りもいいかもしれない。
だけど…
『…もし君が、また暴走して命を奪ってしまいそうになったら絶対に私が止めてあげる
君がまた迷ったなら、何度でも私が迷いを振り切らせてあげる
だから、何もせずに命を見捨てる事なんてしないで』
…ああ言われたからな、行かない訳がない。
【悪い、簪、本音!こいつの相手も…】
『龍兎!』
【一夏!ナイスタイミング!こいつの相手頼む!落ちてる左腕からボトルを取るのを忘れずにな!】
『いきなりか…分かった!龍兎はどうするんだ?』
【俺は……楯無と篠ノ之を助けに行ってくる!】
『…分かった!気を付けろよ!』
【ああ!
…楯無…今行く…!】
フェニックスボトルのキャップを合わせ、装填してからレバーを下ろす。
『チャージボトル!潰れない!チャージクラッシュ!』
身体が炎に包まれ、不死鳥のように反対側のゲートに向かい飛んでいく。
「くうっ!」
正面から来る衝突の衝撃、それに背後からの強力な推進に挟まれて、私は顔を激痛に歪めてしまう。
「楯無さん!」
「大丈夫よ!それより、このままこの無人機の装甲を突き破るの!」
「で、ですが……!」
「いいからやりなさい!」
私の怒号を受け、箒ちゃんは1度ぴくりとしたあと、言われるままに背部展開装甲の出力を上げた。
「ぐ、うっ……!」
背中にのしかかってくる強烈な重量感。
けれども、私は攻撃の手を止めない。水のドリルランス、そこに搭載されたガトリングガン、それらは確実にこの無人機の装甲にダメージを与え絶え間なく火花を散らし続けている。
「楯無さん!」
「ふ、ふふん……まだまだ、おねーさんの奥の手はこれからよ」
それまで両手で支えていたランスを左手一本に任せ、私は真上に向けて右手を突き出す。
「〈ミステリアス・レイディ〉の最大火力、受けてみなさい…!」
私の掌の上で、水が集まっていく。
それは〈ミステリアス・レイディ〉の全身から水を奪い、徐々に形を作っていった。
「こ、これは…?」
「通常時は防御用に装甲表面を覆っているアクア・ナノマシンを一点に集中、攻性成形することで強力な攻撃力とする一撃必殺の大技。名付けて……『ミストルテインの槍』」
それを構成する全てのアクア・ナノマシンが超振動破砕を行う破壊兵器の塊であり、表面装甲がどんなものであれ紙くずのように突き破ることができる。一部例外はあるけど。
しかも敵装甲内部でアクア・ナノマシンはエネルギーを転換、一斉に大爆発を起こす。
そのエネルギー総量は小型機化爆弾四個分にも相当するという、まさに奥の手。
エネルギーの流れを感知したのか、無人機は大型ブレードで私を斬りつける。
ボトルの力なのかイルカのような見た目をしているため、感知も早い。
しかし、ミストルテインの槍を作り出すことに集中している私は抵抗も防御も出来ずにされるがままに斬撃を受け続けた。
「くっ…ああっ!」
私のISアーマーが砕かれ、その凶刃が絶対防御を貫通して肌を切り裂く。
鮮血を散らし、一方的にダメージを受けていく私の顔から笑みは消えない。
「箒ちゃん」
「は、はい!」
「展開装甲を全て防御に回しなさい。巻き込まれるわよ」
「え……た、楯無さんは!?」
「ふふん、おねーさんは不死身なのよ」
確信もない事を笑って箒ちゃんに言う。
「いくわよ……!」
「だ、ダメです!楯無さん、死ぬ気ですか!?」
私は答えない。ただ、くすっと微笑む。
死ぬ可能性もあるし、死なない可能性もある。
正直、死んでしまうとなれば怖くて仕方がない、足が震えてしまう。
……だからこそ、もし、叶うなら。
「…龍兎君の顔、一目見たいなぁ…」
切なる願いを秘め、私はミストルテインの槍を……
『Ready Go!!スペシャルチューン!MAXボリューム!!!ヒッパヒッパヒッパレー!!!
レッツ!メガ!スラッシュブレイク!!!』
「…ぇ…?」
私がミストルテインの槍を発動する寸前、青色の何かが無人機にぶつかり大爆発した。
「…ゴホッ、ゴホッ……」
大爆発の影響でゲートから私達はガレキと共にアリーナに落下、私と箒ちゃんの無事は確認された。ガレキが地面に落ちたことで煙が立ちこむ中、呆然としていた私の思考能力が復活する。
あんな音声が鳴る物を使う人は、一人しかいない。
「っ、龍兎君!?」
少し煙が晴れると、バラバラになった無人機と今までに見たことの無い姿になって立っている龍兎君がいた。
「…よかった、無事で……!?」
龍兎君の無事を確認し、一息を付く前に。
まだ完全に機能を停止していなかった無人機が、まだ外れていない右腕で龍兎君のお腹を撃ち抜いた。
【………!?】
言葉一つも発さずに変身を強制解除し倒れる龍兎君を、私が咄嗟に受け止めた。
「龍兎君!」
「…っ、ゴホッ……馬鹿だなぁ、俺の顔見たいなら……こんな事、しないでほしいっての……」
「喋っちゃ駄目!箒ちゃん、すぐに、すぐに助けを…!」
「は、はい!」
「……いい、大丈夫だから…」
「大丈夫なわけないでしょ!こんなに血が出てるのに…!」
龍兎君を支える私の腕と地面は、真っ赤な鮮血で染まっている。
このままだと時間の問題なのは間違いない。
「……なぁ、楯無……キャノンボール・ファストの時に言ってくれたよな…『何もせずに命を見捨てる事なんてしないで』って…」
「……ええ、言ったわよ、でも、私は大丈夫で…!」
「…嫌だったんだ…急に嫌な予感がして、楯無の見になにかがあればって考えたら…いてもたってもいられなくて……」
「っ、馬鹿…なんで…」
「…なんでだろうなぁ…ただ言えるとなれば…
…楯無が……好きだから……」
「…えっ…?」
「…こんな時に、返事なんて…駄目だよな、俺って…
………楯無、これ…」
震える手で私の手に置いてきたのは、2つの透明なボトルと、一つのペンダント。
ペンダントには綺麗な青色の宝石が埋め込まれている。
「…本当は、タッグマッチが終わったら渡そうとしてて…今になって、ごめんな……」
「…いい、嬉しいよ……だから、生きてこの状況を終わらせようよ…」
「…は、は…そう、だな……
…でも、そうはいかない…せめて、楯無は…生きろ…」
龍兎君はその一言を言って微笑むと、目をゆっくりと瞑る。
糸が途切れたかのように、龍兎君の体はだらんとして動かなくなる。
……龍兎君の体が、冷たくなっていく。
「…ぁ…ぁ、ぁぁぁぁぁ…!!!」
死んだ。
龍兎君は、死んだ。
誰のせいかは、私の目の前にいる。
まだ完全に機能を停止していない無人機と、残りの全ての無人機。
そして、私。
自分自身への償いは、こいつらの後でもいいかな?龍兎君。
ごめんね。その間だけ、一緒に戦って。
私は愛を示すように、誓うように、龍兎君「だったもの」に優しく口付けをしてからペンダントを付け、無人機にドリルランスをゆっくりと向ける。
こうして、何か変わるわけじゃないのは分かってる。
だけど、私がこうすることにきっと意味はある。
「…覚悟しなさい…あなた達全てを破壊し尽くしてあげる…!!」
そうだよね、龍兎君。
私の……愛する人。
『ミストルテインの槍 二次移行―――Ready,trishula』
6823文字の恐怖()
これからの更新について
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特訓回を本編に入れる
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特訓回を番外編にして修学旅行編を更新
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なんでもいいから更新しろ♡