(祝・一周年)転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件   作:スカーレット@エボルト憑依中

82 / 114
過去編
始動、過去編!……答えろ。


【ッ!?何を、言って…!】

 

エボルに変身している為それほど追い詰められないが、エボル以外に変身していると間違いなくかなりのダメージを与えられている程に力が強い。

唐突の出来事、理解できない言葉に混乱してしまう。

 

「とぼけるな!私はこの目で見た!お前が纏っているそのISが、私の両親を殺したのを!」

 

殺意のみが映し出された瞳は、俺を捉えている。

必ず殺すと言わんばかりに。

 

「…龍兎が、俺と千冬姉の親を…?」

 

背後の方で一夏の声が聞こえる。

全員が絶句しているのが見なくても分かるが、信じられないというように震えた声だ。

 

【ッ…違う、一夏!俺はそんな事……!】

 

「……」

 

なんとか剣を止めつつそう言っても、一夏からの声は聞こえない。

疑心暗鬼が積み重なって、信じられなくなっているんだろう。

 

「…と、とにかく、織斑先生を止めないと!」

 

「もしもし、山田先生ですか!?織斑先生が…!」

 

他の専用機持ち達はそれぞれ動いてくれている。

だが、いつまで保つかどうか。

 

【…ッ…!!】

 

徐々に押し返されている。

ハザードレベルがディスプレイに表示されているが、4.5と高めだ。

このままだと危ないと悟り、レバーに手を伸ばしたその時。

 

「石動…ッ……!?」

 

突如、織斑先生が力なく倒れる。

レバーに伸ばす手が止まり、織斑先生を支える。

息をしている。どうやら気絶のようだ。

安心した所で、前の方を見る。

 

「…良かった…龍兎君、大丈夫?」

 

織斑先生を気絶させたのは楯無らしく、ボロボロに近いISを纏っている。

 

【……俺が、人を…?】

 

信じられない。

人を殺すなんて、する気もした事も無い。

でももし、織斑先生の言う事が本当だとしたら。

俺が、エボルトに乗っ取られていた1歳から15歳までに起こった出来事なら。

 

この手で、人を殺した事になる。

 

【…父さんなら…】

 

父さんなら何か知っているかもしれない。

エボルトから話を聞くのもその時だ。

 

そう思った俺は、重い足取りで歩き出した。

 

「…え?どこに行くの…?龍兎君、龍兎君!」

 

背後から楯無の声が聞こえるが、今の俺にそんな余裕は無い。

エボルの高速移動を使い、IS学園から姿を消した。

 

 

 

「……」

 

そしてようやく、ナシタに辿り着き変身を解除した。

高速移動の途中、突然大雨が降り始めた為服や体は完全に濡れている。

地面に跳ねる音やナシタの看板、外に設置しているテーブルと椅子が雨に濡れる音がやけに大きいと思ってしまう。

 

もし、父さんがいて俺の過去を知らされるとしたら。

もし、俺が人を殺していたら。

 

知りたくもない真実に直面するかもしれない。

頭はナシタの扉を開けようとするが、体は動かない。

少し震える手を押さえ、ナシタの扉を開いた。

 

中には父さん、巧さん、忍さん、束がコーヒーを飲みつつ紙を見て話していた。

 

「…ん?すみません、今日は営業してな……龍兎?どうしたんだよ、そんなに濡れて…ほら、タオル。」

 

「あれ、サイレント・ゼフィルスとの戦いは終わったの?他の皆は?」

 

「データを見たよ。遂にエボルに変身できたみたいだね、おめでとう。」

 

「ちょうど良かったよ、今強化アイテムの案を出し合っていてね。龍兎君の意見も欲しかったんだ。」

 

全員がそれぞれ俺に声を掛けてくるが、タオルを持っている手は体を拭こうとしない所を見て父さんが真剣な顔をした。

 

「…龍兎?どうした?」

 

雨に濡れて目を隠していた髪をかきあげて覗き込んでくる父さんの顔を見ると、声より先に体が動く。

気付けば俺は、父さんの胸ぐらを掴み壁に追いやっていた。

 

「…1歳から15歳の間に、俺に何があった。」

 

「……」

 

突然の出来事に、この場にいる俺以外の四人が唖然とする。

 

「…答えろよ、父さん。俺は、エボルに変身して人を殺したのかよ!」

 

「っ…!」

 

その言葉を聞いて、父さん達は驚く。

そして、すぐ動いたのは忍さんだった。

 

「…落ち着くんだ、龍兎君。君が戦兎君に暴力を振るっても、仕方がない。」

 

「……」

 

俺が手を離すと、父さんは俺を見て話し始めた。

 

「…お前がどこでそれを知ったのかは後にして……分かった、話してやる。」

 

「戦兎…」

 

「良いって、巧。どうせ近い内に話すつもりだったんだ。」

 

この様子だと、この場にいる全員が知っているらしい。

 

「……ちーちゃん、か。」

 

「…だろうな…

…龍兎。今から話す事、よく聞いておけよ。」

 

「…ああ。」

 

一体どんな過去を知らされるのか。どんな真実がそこにはあるのか。

そして、父さんが開いた口から出たのは。

 

「……お前は、1歳から8歳までの間、『誰か』に乗っ取られてた。」

 

予想外の真実だった。

アイツが言うようにまた一つ、また一つと、俺の物語は動いている。

 




遂に始まります、過去編。
これから3、4話は戦闘無しだと思います。

これからの更新について

  • 特訓回を本編に入れる
  • 特訓回を番外編にして修学旅行編を更新
  • なんでもいいから更新しろ♡
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。