(祝・一周年)転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件 作:スカーレット@エボルト憑依中
〖……〗
【どうした?来ないのか?】
エボルトの声を出し退屈そうに立っているそいつはりゅーくんやエボルトとは違い、禍々しくどこか気持ちが悪い。
私はあんまり感情を出して戦う事は無いし、この姿…仮面ライダーゲンムに変身している状態だと一番落ち着いてるかな。
余裕を持った戦い方をしてきたけど、今回はどうなるんだろう。
【…ふぁぁ…こうも何も起こらないと眠くなってくるな。】
あくびをして近くの椅子に腰掛けるそいつにガシャコンバグヴァイザーのビームを撃つと、その場から残像を残し消えた。
〖……〗
周りを見渡しても、亡国機業の女達しかいない。
どこへ消えたのかとガシャコンバグヴァイザーを構えていると、背後から声が聞こえた。
【遅いな。】
〖……!〗
『ギュ・イーン!』
ガシャコンバグヴァイザーをグリップから引き抜き、逆側に差し背後にチェーンソーを向ける。
【おお、なかなかの反応速度だな。怖い怖い。
…だが、まだまだ甘いな。】
両手を上げてひらひらとするそいつが呟くと、訳も分からずに私は壁へと吹き飛ばされた。
〖……ッ…!〗
胸のライフゲージが残り一を表示し、軽いアラートのような音が聞こえる。
何が起こったのかは分からないけど、ここまでの威力を叩き出す所を見るに白と黒のエボル…さしずめ、ブラックホールフォームといったところか。
ブラックホールフォームは、私達が知らないようなデータや能力を持っているに違いない。
【おっと、リミッターを掛けすぎたか。
本気の約1%しか出さないのは流石に悪かったかな。
早い所始末してやろう。】
小さい笑いを込めて呟くそいつはどこからともなく取り出したトランスチームガンの銃口を私に向ける。
赤いエネルギーが溜まっていき、私へとその弾が発射された。
〖ッ…!!〗
壁を突き抜け、地下の大きめな水道管に穴を開けてしまう。
会話が微かに聞こえる。
「エボル様、束博士はもう用済みと言う訳ですか?」
【ああ、元から協力する気も無かっただろうしな。
ま、後で回収して玩具にするのもアリだろう。】
「あの女も、ですか?」
【そうだ。あの女は途中で俺を殺したからな。
いや、殺されたのは桐丈惣一か。】
気持ち悪い言葉がエボルトの声で聞こえてくる。
あいつが言う『あの女』というのは、前世のりゅーくんを殺した。
その言葉の意味が分からない。
りゅーくんの転生する時の死因を聞いた事はあるけど、誰かに殺されたというのは聞いた事がない。
言葉の意味を理解出来ないまま、ライフゲージが0になる音が頭を刺激する。
少し予定より早いけど、仕方ないか。
痛みで思うように動かない身体を無理矢理動かし、二つの物を取り出した。
片方は強制送還装置。
もう片方はベルトことゲーマドライバーとは別の変身アイテム、ガシャットの真っ白な物。
『ガシャット!』
真っ白なガシャットをバグヴァイザーのスロットに差し込み、続けて私に向けてバグヴァイザーの銃口を突き刺した。
〖ッ、グ…!!〗
身体が痛むが、突き刺したまま強制送還装置を起動させる。
光に包まれていく身体を見ながら、求めていた物を手に入れた子供のような笑みをマスクの下で浮かべる。
『死のデータ』は、手に入った。
「……」
耳障りな程に、雨が地面や建物を叩き音を立てている。
乾いたはずの服は既に濡れ、やけに重く感じてしまう。
ビルの屋上に座りつつ、エボルドライバーの待機状態である腕時計を見つめる。
こんな時にあいつらと会ったら、どんな顔をして、どんな言葉をかけてくるのだろうか。
本音はいつものように優しく抱き締めるのか。
簪は真剣にどうするかを考え始めるのか。
楯無は少し怒った後に優しく接してくれるのか。
束は何も言わずに甘やかしてくるのか。
いつの間にか、それが当たり前と感じてしまっていた。
殺人鬼の俺が人の未来を、幸せを奪っておきながらそんな幸せを当たり前に感じている。
こんなに馬鹿らしい事があるか。
そんな考えを頭の中で巡らせていると、見慣れたディスプレイが表示された。
新しいボトルが二本追加された、という内容。
確認をすると追加されていたのは薄い朱色のラヴァーフルボトル、そして純黒に染まったヴィランエボルボトルという物だった。
エボルボトルは普通に生成できない筈だ。
ありえないと思いつつも、ディスプレイからヴィランエボルボトルを取り出す。
宙に浮いているその純黒のエボルボトルを手に持つ。
刹那、俺の頭をどす黒い何かが覆っていく感覚が襲い始める。
「っ、ぐ…!?」
気持ち悪い、吐き気がする。
悪意や狂気に包まれるような感覚が、頭の中を塗り替えていく。
気付けば、俺はエボルドライバーを腰に巻いていた。
ヴィランエボルボトルとライダーシステムエボルボトルのキャップを合わせ、差し込んでいく。
『ヴィラン!』『ライダーシステム!』
『エボリューション!』
レバーを回し始めると通常のエボル変身時とは違い、ショパンの革命が流れ始める。
成分が流れ込み、前後のハーフボディの形をしたもやは真っ黒に染まっている。
『Are you ready?』
言い知れぬ恐怖感に襲われていても、口は勝手に動く。
「……変身。」
黒いもやのハーフボディは俺を挟み込み、黄色の円はコブラフォーム変身時のように縦横無尽に回ってから電撃と共に吹き飛んでいく。
『ヴィラン…!ヴィラン…!!エボルヴィラン!!!』
続くように、激しく回っていた胸の円は形を決め停止する。
『アッハッハッハッハ!!』
エボルトの泣き笑いのような声が聞こえる。
エボルトも、この真っ黒に染まった悪意のような物に襲われているのだろうか。
そんな考えが最後に浮かぶと、ただ一つの単語が頭を埋め尽くす。
壊せ。
壊せ。
壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。壊せ。
次に、その単語に答えるように口が動き始める。
【…エボル、フェーズ…0…ッ…】
本来あるはずの無いフェーズ。
その本質は破壊と悪意、そして狂気に満ちている。
雨は止むことを知らず、勢いを増していた。
死のデータとフェーズ0。
不吉な物である二つ。
過去編のシリアス感が凄い(投稿を始めた頃からここまでの展開を考えていた作者の言う台詞)
これからの更新について
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特訓回を本編に入れる
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特訓回を番外編にして修学旅行編を更新
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なんでもいいから更新しろ♡