(祝・一周年)転生したらエボルトに乗っ取られて勝手に色々されてた件   作:スカーレット@エボルト憑依中

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明かされし少女の過去。……帰ろう。

杏が小さく呟くと、俺と束の時間が止まったかのように動かずに杏に視線を集める。

 

「…話せばちょっとだけ長くなるんだけどね。

聞いてくれるかな?」

 

困ったように笑う杏の言葉に、俺と束は頷く事しか出来ない。

 

杏は俺達の様子を見てから少しずつ、話し始めた。

 

 

 

……これは、お兄ちゃんが転生した時よりちょっと後の話になるのかな。

 

「んー…ここはどうするんだろ…お兄ちゃんに聞いてみよう。」

 

私が勉強してて分からない問題があったから、お兄ちゃんに聞こうと思って部屋のドアを開けた時に突然大きい音が鳴ったんだ。

 

「えっ…!?お兄ちゃん!?」

 

私が急いで階段を下りたら、お兄ちゃんは頭から血を流して倒れてて。

 

「お兄ちゃん…!?お兄ちゃん!大丈夫!?ねぇ!お兄ちゃん!!」

 

あの時は救急車を呼べば良かったのかなとは思ったけど、お兄ちゃんが心配でそんな余裕は無くて。

ずっと名前を呼びながら揺すってたら、ゆっくり起き上がったんだ。

 

「……」

 

起き上がったお兄ちゃんは何も言わずに私を睨み付けて、いきなり首を絞められて。

 

「っ、ぁ…お兄、ちゃん…!?」

 

「…何が起こってるのかは知らないが…まあいい。」

 

何を言ってるのか全く分からないまま、私はお兄ちゃんに…いや、『その男』に犯された。

ずっと首を絞められて、死にそうになったら離されるを続けられて、何回も何回も。

 

 

 

杏がそこまで話すと、杏自身の身体が震え始めた。

 

横にいる束は気まずそうに目を逸らし、俺は頭の中で様々な考えを巡らせていた。

 

俺はあの時、確実に死んで転生した筈だ。

なのに、俺が生きていた。

 

訳が分からない。

 

頭が痛くなってくるが、杏はそのまま続ける。

 

 

 

お兄ちゃんはこんな事しない。

こいつはお兄ちゃんじゃない。

 

そう思った時、勝手に身体が動いて横に落ちてた包丁をそいつに突き刺した。

 

「っ…!?…くそ、やりがったな…!」

 

「…お前なんか…お前なんかお兄ちゃんじゃない!」

 

刺した所は心臓で、引き抜いたら沢山の血が出てきて。

そいつは苦しんで逃げようとしたけど、何度も何度も何度も、刺して。

 

「うわぁぁぁ!!ぁぁぁ!!ぁ、ぁ…っ」

 

気付いた頃には、惨劇に近い状態になっててね。

 

しばらくの間は放心してたんだけど、何が起こったのかをしっかり理解したら、私は自分の首に包丁を当ててて、首から沢山の血を溢れ出させながら床に倒れて。

 

意識が無くなる直前、最後に形を留めてたお兄ちゃんの手を握ったんだ。

 

そしたら、いつの間にか神様の前に立ってて。

 

「……申し訳ありません、本来起こる筈の無い事態が発生致しました。

お詫びとして貴女には転生をしていただくのですが、場所と特典は既に決まっています。

そして……」

 

 

 

「……そこから私は、ここでの目的を知って転生した…って感じかな。」

 

杏が話し終え俯く。

 

「……」

 

束はかける言葉を探しているような、そんな表情をしている。

 

「…その男の名前、知ってるのか?」

 

ビルドフォンを取り出しながら、杏に近付く。

 

「…知ってる。」

 

俯きながら、小さく呟いた。

 

「そっか。」

 

『ビルドチェンジ!』

 

ビルドフォンがマシンビルダーに変形したのを確認すると、座り込んだまま俯く杏を抱き締める。

 

「っ…おに…い…」

 

杏が何かを言おうとするが、頭を撫でて止める。

 

「…ごめんな、気付いてやれなくて。俺の為に必死にやってくれてたのに、無理して笑顔を見せていたのかもしれないのに。お兄ちゃん失格だ。」

 

「…そんな、こと…」

 

耳元から聞こえる杏の声は、どこか震え始めている。

 

「…無理しなくていい。杏は俺の妹だ。妹らしく、兄に甘えてくれ。もう俺は何があっても、何をお願いされてもお前を突き放したりしない。」

 

「…っ、ぅぅ…うぁぁぁ…」

 

杏の抱き締める力が強くなっていく。

それに反して耳元で聞こえる泣き声は小さい。

 

俺の視線に映る束は困ったように笑っている。

 

青空の下で、時間は優しく流れていった。

 

 

 

「…ありがとう、お兄ちゃん。」

 

杏が離れ、マシンビルダーのディスプレイをタッチして出現させたヘルメットを被る。

 

「もう良いのか?」

 

「うん。今はこれで十分だよ。あとヘルメット取らないでね。酷い顔になってるから。」

 

と言っているものの、ヘルメットの重量に耐えきれないのかふらついている。

 

それが面白くて、俺と束は小さく笑ってしまう。

 

「あ、束。」

 

杏はそのまま束を呼ぶ。

 

まさかの下の名前かつ呼び捨てである。

 

「は?」

 

流石の束もこれには困惑。

 

「なんというか…今までごめん、これからは一から接していきたいと思ってるんだけど…駄目かな?

それと、助けてくれて…ありがとう。」

 

えっ何これ、本当に杏?

ヘルメット被ってるからどんな表情なのか分からないけど。

 

「…一からって…お前…」

 

ピクピク震え始め俺に視線を送った束に笑う。

 

「束。」

 

すると束の口角がピクピク震える。

 

「……あぁもう分かったよ!お前の過去の同情とかそんなんじゃないからな!いいな!?」

 

「分かった!分かったからヘルメット付けたままだからあたまゆらさないでぇぇぇぇ!!!」

 

コントのようなやり取りを交わしている。

そんな光景が面白くて、声を出して笑ってしまう。

 

「あはははは…!!」

 

「「何が面白いの…!」」

 

「いや…なんだかんだ凄い仲良しに見えるなぁって思って…はーお腹痛い…」

 

マシンビルダーに近付き、ディスプレイをタッチしてヘルメットを被る。

 

「…さて、戻るか…IS学園に。」

 

残りのヘルメットを束に投げ渡し、マシンビルダーに乗り込む。

 

「だね。私もその男に見覚えあるかもだし。」

 

束が続くように後ろに乗り込む。

 

「……」

 

杏は黙ってこっちを見る。

 

「どうした杏?後ろならまだ空きがあるだろ?」

 

杏は黙ったまま俺の胸に抱きつくように乗り込む。

 

「私はこっちがいいな〜」

 

「おま…視界が…」

 

「大丈夫大丈夫、ギリギリ見えるでしょ?」

 

杏の言う通りギリギリ視界の邪魔にならない位置。

どう言っても離れないつもりだろう。

 

「…はぁ、仕方ない。行くぞ。」

 

マシンビルダーを走らせ、進み始める。

目指すは、IS学園。

 

 

 

「…行ったか。

この辺りに…お、あったあった。

あの失敗作も意外と役に立つもんだ。

んじゃ、試運転っと。」

 

『ダークネス!ライダーシステム!ダークエボリューション!

Are you ready?』

 

「変身。」

 

『ダークネス!ダークネス!!エボルダークネス!!!』

『アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!』

 

【…ふぅ。エボル、フェーズロスト。】

 

 

 

「…あ、そう言えばお兄ちゃん。」

 

「なんだ?」

 

「これ絶対入ってr「今すぐに降りろ。」冗談!冗談だから!!」




次回からはあらすじと元気なサブタイトル復活です。

ちなみに過去編はまだまだ終わりません。

これからの更新について

  • 特訓回を本編に入れる
  • 特訓回を番外編にして修学旅行編を更新
  • なんでもいいから更新しろ♡
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