提督はレベルを上げたい   作:Z旗

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 今回はなんかシリアス…かも?


絶対絶命Admiral

 スーパーシリアスな雰囲気に包まれている俺の部屋に凛とした声が響く。

 

「提督、皆さんをお連れしました。」

「うむ、ご苦労。」

 

現在俺は今日出撃する予定の艦娘を自分の部屋で待っているのであった。今日はこの鎮守府にとっても俺にとっても、そしてここの艦娘たちのにとっても初めての出撃。さすがに気分が高揚します。

 

「よぉーしっ!みんな揃ったかー!」

うん、六人ちゃんとそろってるな!

「今日の出撃の説明始めるぞ!まず、今回みんなには正面海域に出撃してもらう!」

最初だしね、みんな戦闘したことないって言ってたしここがちょうどいいんじゃない?と昨夜金剛と話し合って決めたのだ。

「メンバーはここにいる六人、旗艦は金剛。」

「私たちの出番ネ!Follow me! 皆さん、ついて来て下さいネー!」

「司令官」

すると一人の艦娘がすっと手を挙げた。こいつはたしか…那智だったかな?

クールな雰囲気をまとった艦娘…那智は口を開く。

 

「他のみんなは知らんが、私はまだ貴様を司令官とは認めていない。」

 

…おーーとっ!ここで俺に一撃ッ!いやぁ、いまの攻撃には、こう…こみ上げてくるものがありますねぇ…。

俺が辛辣な言葉に脚をガクガクさせながら頬を引きつらせていると、

 

「だから、この出撃で貴様を見定めさせてもらうぞ…!」

 

 

みんなが出撃してから15分ほどたった時、俺に報告が届く。

ふむ、敵駆逐艦ト遭遇セリ…か。駆逐艦だからと侮ってはいけないぞ、と返答した。

 

 

私…妙高型重巡洋艦那智は暁が発見した敵駆逐艦と現在交戦中だ。

 

「撃ちます! Fire~!」

金剛がその艤装から体の芯まで響くかのような衝撃と共に砲弾を打ち出す。そして

 

「ギャア!?」

敵駆逐艦に命中した。敵はブクブクと音を立てながら声にならぬような断末魔を上げ、水面に消えてゆく。

「Congratulations!」

 

金剛が喜びの声を上げているうちにアイツへ…司令官へと通信を繋ぐ。

 

「司令官、私だ」

『私じゃわかんねぇよ、私私詐欺か?』

 

こいつの返答へ軽く怒りを覚えるが気にせずに続ける、

「敵駆逐艦との交戦を経て、これを撃沈した。」

「ふーむ、ご苦労。引き続き作戦通りに頼むぞ!」

私は通信を切ると暁のほうへと進む。

 

「よくやった、暁のおかげで敵を沈められたぞ!」

「と、当然よ!暁はもう一人前のレディなんだからっ!」

「ハラショー」

「暁、すごいっぽいっ!夕立も負けてらていれないっぽいっ!」

そんな駆逐艦たちを微笑ましく見守っていると轟音が響く。

 

振り返るとそこには敵戦艦…それもeliteと呼ばれる従来の戦艦を上回る能力を持っている深海棲艦が砲撃を終えたところだった。

 

再度轟音が響く。…誰だ…誰が被弾したんだ!?

私はまさか…と思い暁たちのほうに振り返る…何ともない、全員が無傷だった。ほっと胸をなでおろすが様子がおかしい。なぜかみんなが目をはち切れんばかりに見開き私を見ていた。

ああ、そうか…

そう思うと同時に足元が揺らぐ

 

 

…被弾したのは私だったのか…

 

 

 

俺に再び通信が繋がった。いよいよbossを倒したか?と思ったがどうも変だ。通信機の向こう側が騒がしい。どうしたんだ、と俺が尋ねるよりも先に瑞鶴が叫んだ。

 

「那智さんがっ!那智さんが敵戦艦の砲撃により大破…ッ!」

 

…え?…おい、ちょっと待て。俺は金剛に叫ぶ

 

「金剛ッ!この海域には軽巡と駆逐しか出ないんじゃないのかッ!?」

「そ、そのはずデスッ!こんなの計算外デスヨッ!」

 

声色から察するにひどく金剛は焦っているようだ。それもそのはず、初めての出撃で予想外の出来事に鉢合わせてしまったのだから。

 

俺は叫ぶ。俺にはここで叫ぶことしかできないのだから…

 

 

「敵戦艦は放置しておいて構わん!…全艦全速力で鎮守府まで帰ってこいッ!」

 

『了解ッ!』

 

俺は自分のできることを探す。これだけじゃないはずだ…ほかに何か…

「…工廠」

 

工廠へと走る。くそぉ!想定外が初出撃で起きるなんて…!

そして工廠の扉を勢いよく、かつ乱雑に開く。

 

「妖精さぁん!頼む、力を貸してくれぇ!」

 

 

 

「ごめんなさい…私の索敵に穴があったから那智さんが…」

 

瑞鶴さんが謝る。その言葉に金剛さんが返す

 

「仕方ない事デース、むしろ謝らなくっちゃならないのは私デース…」

現在、金剛さんは那智さんを抱えながら全速力で鎮守府を目指している。

 

「私が旗艦としてしっかりした指示を出せていれば…」

金剛さんは悔しそうにそう呟いた。

 

私はそんな二人に言う。

 

「そんなことを言ってないで早く鎮守府に帰還しよう。那智さんを入渠させてからあの戦艦を片付けなくちゃ。反省会はそのあとだね。」

金剛さんと瑞鶴さんは互いに顔を見合わせると言った

 

「そうデスネ!響ちゃんの言う通りデス!早く帰って那智さんを入渠させるデース!」

「ここで言い合っていても仕方ないかぁ…そうね、早く帰りましょう!」

そうだ、早く帰ろう。私たちの鎮守府に…

「見えてきたっぽいっ!」

前方に鎮守府が見えてきた。よし、

「金剛さんッ!?敵の戦艦が来ているわっ!」

暁が叫ぶ。く、敵戦艦もそうやすやすと見逃してはくれないか…!

「shitッ!あと少し、あと少しなんデス…ッ!邪魔はさせまセーーンッ!」

金剛さんが後ろに向かい砲撃を始める。敵の速度が落ちた、でも…

 

「これじゃあ鎮守府にたどり着けてもその前に鎮守府がやられてしまう…!」

 

そう思っているとふと、提督の声が聞こえたような気がした。

 

 

 

「よしッ!見えたぞ!」

俺は今鎮守府の正面の港にいる。みんなが帰ってくるのを待つためだ。そして今見えた。必死に鎮守府に帰ってくる俺の艦娘たちが…!

しかしあのままでは敵に追いつかれるだろう。だから俺は思いっきり空気を吸って叫んだ。

 

 

 

「今だッ!殺れぇえええ!」

 

俺の叫び声は見事の轟音にかき消された

それはある『戦艦』の放った砲弾

 

その砲弾は見事に命中し敵の片腕を吹き飛ばした

 

「もう一度だ!艦娘たちに奴を近づけるなァ!」

 

『戦艦』は高らかに、澄んだ声で言う

 

 

 

「了解しました!戦艦大和、推してまいりますっ!」

 

 




 今回は長ーくなってしまいました。すみません…
なんかシリアスなことになっていますが次回は最後に出てきた艦娘の話になるのかなぁ?と思います。…多分
誤字脱字等がございましたら報告いただけると幸いです。
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