オレは煉獄でオヤジに感情を喰われ・・・呪いによって蘇った。
だが、蘇った先がブリタニアではないことは、まだ知る由もなかった・・・
辺りは木々で覆われた森、人の気配は無く聴こえるのは葉が揺れる音のみ。
「さてさてさーて、ここは一体何処なんだ? 木ばっかで全然わかんねぇな・・・少し歩いてみるか」
数時間、この森を適当に歩いていると、広い草原が見えた。
「随分と広い所に出たな。 ん? これは・・・」
見つけたのは何が通ったような足跡だった。
だが、この足跡は馬ではない事にすぐ気づいた。
「こりゃ何の足跡だ? 馬でも豚でもねぇ・・・それにこの車輪の跡からして、人が乗っていたに違いない」
つまりこの足跡を辿れば、いずれ人、いやそれどころか町に着けるかもしれない。
オレは期待に胸を膨らませてその足跡を辿った。
「おっかしいなぁ、全然人も町も見えて来ねぇ」
あれからまた数時間歩いているが一向に何も無い草原があるだけだった。
辺りはすっかり薄暗くなって足跡を辿るのも困難になってきた。
道中、鳥や動物は何匹か見掛けたが、どれもブリタニアでは見掛けない動物だった。
「あぁ~、酒が飲みてぇなぁ・・・」
そんな愚痴をこぼしながらも町を目指して歩いていると、一本だけ他の木とは比較にならない程の大樹がそこには立っていた。
「なんだこの大樹は。実際には見た事がないが、妖精王の森の大樹よかあるんじゃねぇか?」
この大樹を見上げながらそう呟いた。
「そこの坊ちゃん、ここで何をしているのかーぁな?」
すると、どこからともなく一人の男が話し掛けてきた。
その見た目は奇抜で、顔にピエロの様な化粧を施した高身長の男だ。
「あんた、誰だ?」
「おやおや、私とした事が挨拶をしてなかったね、失敬失敬。 私の名前はロズワール・L・メイザース、ちょっとした領主をしている者だーぁよ」
ロズワール・L・メイザースか、珍しい名前そして格好だな。 祭りでもあるかのような見た目だ。
領主という事は少なくも近くに村があるという事だよな。
「オレはメリオダスだ。よろしくな! ところでロズワール、何個か聞きたい事があるんだけど」
「おぉ、私の広大な脳でわかる範囲でなら、何でも聞いておくれ。何が知りたいんだーぁい?」
「ここは何処なんだ?」
「ここは〈ルグニカ〉の〈フリューゲルの草原〉ちなみにこの大樹はフリューゲルの大樹だーぁよ」
ルグニカ・・・か、やっぱブリタニアじゃないんだな。
そうと分かれば…・・・
「次の質問、ロズワールはブリタニアって地方を知ってるか?」
「ブリタニア・・・悪いけど私にも知り得ない地名だねーぇえ」
なに? という事はここからブリタニアはオレが想像しているよりも遥か遠くにあるのか?
「あの~メリオダス君? もし帰る場所が無いのなら我が屋敷に泊まっていくかい?」
「ありがたい話しだが、いいのか? こんな得体の知れない奴を屋敷に招待して」
「ここで会ったのも何かの縁だーぁよ。それに君の話も聞きたいしねーぇえ」
「そんじゃ、世話になりますかな!」
とりあえず今のところロズワールは悪い奴ではなさそうだ。口調や見た目はあれだけどな。