メリオダスside
魔獣騒動から数日が過ぎてスバルの怪我は殆ど治ったらしいが、エミリアの話によるとスバルの中にあるゲートが治っていないらしい。オレは相変わらず屋根の上で見張りをしている。
「メリオダス君、お茶を入れて来ました。休憩にしましょう。」
「おう、すまんなレム。」
「いえいえ、それよりも知っていますか?先程から庭に停まっているあの竜車・・・カルステン家の関係者らしいですよ。」
レムの口から聞き慣れない名前が出てきたと思いながら、レムの入れてくれた紅茶をすすった。
「そのカルステンってのは何者なんだ?」
「知らなかったんですか!?カルステン家と言ったら王候補の一人でルグニカ王国を長きに亘って支えてきた、カルステン公爵家の当主ですよ。」
「ほぉ〜、つまりエミリアのライバルってとこだな。でもそんな奴がここに何の用だろうな。」
カルステン家の使いが何故こんな場所に来たのか考えながら紅茶を飲み干した。するとスバルが竜車の近くにいる老人と話しているのを見たのでオレも行ってみる事にした。
「レム、紅茶サンキューな!美味かったぜ。」
「はい!」
オレは屋根から飛び降りスバルの下に向かった。
「よぉスバル。こんなところでサボりか?ラムに見つかったらただじゃすまねぇぞ。」
「あ、メリオダス!ってかサボりはお前もだろうが!」
む・・・スバルにしては痛いところを突くな・・・
「お取り込み中失礼ですが、貴方は?」
「オレはただの傭兵だ。あんたは?」
「私はクルシュ・カルステン様の従者にございます。」
この爺さん中々強いな、幾つもの戦場を潜り抜けてきた顔だ。どっかの豚野郎とは大違いだ。
「ヴィル爺〜!外で待たせちゃってごめんね〜退屈だったでしょ〜?」
「いえいえ、こちらの方々が老骨の話し相手になってくださいましたので。」
今度は猫耳の女が現れたと思ったらスバルを興味深そうに観察しだした。
「なるほど〜そっかそっかぁ、君がエミリア様の言ってた男の子ね。」
「エミリアが?」
「にゃんも聞かされてないだねぇ〜。行こう、ヴィル爺。・・・王都で会おうね、そっちの子もじゃあねぇ〜。」
そのまま2人は去って行ったがスバルはそれを見送らずエミリアの所に行ってしまった。
「嵐が去った後みてぇだな・・・」
1人庭に取り残されてしまったオレはこれからどうするべきか・・・とりあえずスバルを追うことにした。
「俺はエミリアたんの助けになりてぇんだ!頼む!」
スバルの声が廊下まで響いていたので何事かと思ったらスバルは王都に行きたいらしい。エミリアも近々王都に行く予定があるらしくそれについて行って助けになりたいようだ。
「いいんじゃないかい?王選ってーぇのとは別として、スバル君が王都に行くのは治療目的もあーぁるしね。」
「治療?」
「先程の使者は王都でもとびっきり優秀な治癒魔法の使い手だーぁよ。クセのある子だからエミリア様が協力を取り付けるのも苦労されたもーぉね。」
「エミリアたんが俺の為に!?」
「スバルの身体が治らないのは私のせいでもあるもん!だから、これは恩返しって言うか損失に対する正当な補填なの!」
顔を赤くしてエミリアは一生懸命言っている、素直じゃねぇな。
「あとメリオダス君。君は君で王都に来てもらうからねーぇ。」
オレも?なんでだ?」
「それはエミリア様の護衛だぁーよ。流石に王候補の方を護衛無しに出歩かせるわけには行かないからね」
「おぉ!一緒に王都に行こうぜメリオダス!」
という訳でオレも王都に行く事になったが一体何をさせられるんだか、若干不安になったがまぁ良しとしよう。
メリオダスside out