「寝付けねぇ・・・」
スバル達がカルステン家を出た後、竜車でメイザース領まで向かっていたがその夜、途中で地竜の限界が来てしまい宿に泊まることになった。
「起きてますか?」
「レムか?起きてるぜ」
中々寝付けずにいたスバルだったがレムが部屋のドアをノックしてきたので明かりをつけてレムを出迎えた。
「寝付けないので、少し話したくて・・・」
「レムもか、実は俺も寝付けなくてな・・・」
ベットに座り直すスバルの隣にレムが座り話しを続けた。
「・・・共感覚で知らされた分、レムもめちゃくちゃ屋敷が心配だよな」
「・・・」
「大丈夫だって、そう簡単に殺られる程、ヤワな連中じゃねぇ。すぐに戻って俺が何とかするさ。メリオダスも居る事だしな」
「・・・はい、レムはスバル君とメリオダス君を信じています」
不安な顔をしているレムを元気付けるスバルに対して笑顔になり信じていると言ったが、それでも内心では不安を隠しきれていなかった。
そしてレムはスバルの背中に身を寄せた。状況が理解出来ず顔を赤くするスバルは慌てていた。
「あれ・・この感じって・・・」
「フェリックス様と同じ、ゲートの治療ですよ。スバル君」
「お、おおぉ治療ね、そうですよね・・・・・やっぱり、最初は怒られちまうかな」
何かを勘違いしていたスバルは咄嗟にエミリアの顔が脳裏に過り怒られてしまうのかと心配していた。
「時間をかけて、ちゃんと向き合って自分の気持ちを言葉にすればきっと分かってくれます。スバル君は素敵な人ですから」
「そう、かな・・・そう、だよな・・・俺がいなきゃ・・・エミリアはダメだって・・・・・・」
「ですから、その本の片隅に、レムの事も・・・」
途中から意識が朦朧としてきてそのままスバルは眠りに着いてしまい、レムはスバルをベットに寝かせた。
「スバルは寝た様だな」
「ずっと聞いていたんですか?悪趣味ですよ」
スバルが寝たタイミングでメリオダスが部屋のドアを開けて入室して来た。そんなメリオダスにレムは冗談混じりに罵倒した。
「いやぁ、良い雰囲気だったもので邪魔しちゃ悪いと思ってつい・・・な」
「もう、メリオダス君ったら・・・」
「ま、冗談はさて置き、明日は朝早いからもう寝た方がいいぜ」
「そうですね・・・でも、スバル君は私達を許してくれないでしょう・・・」
「大丈夫さ、あいつなら分かってくれる筈だ。何故ならあいつは良い奴だからな!」
「はい!」
こうしてメリオダスとレムはそれぞれ部屋に戻り、眠りに着こうとしていた。メリオダスはエリザベスの安否を気に掛けていたが、敵の目的はあくまでもエミリアだと思っていた。だがこの後、屋敷に戻ったメリオダスは敵の目的はエミリアの抹殺だけでない事を知る。
翌朝、メリオダスとレムはスバルに書き置きを残して宿を出る。二人は竜車の乗りそのままメイザース領に向かった。道中は特に異常は無く難なくメイザース領のアーラム村の近くまで来ていた。
「メリオダス君!ここからは歩いて行きましょう・・・」
「あぁそうだな・・・とにかく村に行ってみるか」
二人は直ぐ異変に気づいた。いくら何でも静か過ぎる、鳥の鳴き声どころか風の音も聞こえない。
「!!・・・これは・・・」
「こりゃひでぇな、虐殺されてるじゃねぇか」
アーラム村に着いた二人は村の住民達が虐殺されている事に驚いていた。村の広場には大量の焼死体の山、周りには逃げ回っていた村人達の死体で散らかっていた。普通の人間がこの光景を見たら間違いなくトラウマになるだろう。
「こ、こんな真似が出来るのは・・・」
ドドォォーン!!!
「っ!!この爆発は、屋敷の方からです!!」
「っ・・エリザベス!!!」
メリオダスは屋敷の方からの爆発を見てエリザベスの事を思い出し、レムを置いて全速力で屋敷に向かった。
屋敷の前までに来たがメリオダスの速度は落ちること無く屋敷に着いた。そんなメリオダスの前に数十人の黒いローブを着た死神の様な人達が突然メリオダスに向かって魔法攻撃を仕掛けた。
「・・・」
迫り来る無数の炎の球にメリオダスはロストヴェインを構え
「《
跳ね返した炎の球は倍以上に膨れ上がり黒いローブを着た人達に直撃した。そのままメリオダスは屋敷の中に入り無造作に走り回った。
「くそっ!どこだ!!エリザベス!!」
「おやおや、これはこれは、まだ生き残りが居たようですねぇ」
躍起になってエリザベスを探すメリオダスの背後から男の声がしたので振り向いて見るとそこには先程の敵と似た黒いローブに目を大きく見開き深緑色のおかっぱ頭の男性が立っていた。
「・・・」
「おおっと失礼、私は魔女教大罪司教怠惰担当、ペテルギウス・ロマネコンティ・・・デス!!」
魔女教大罪司教と名乗った男は腰を異常は程深々と下げて自己紹介した。